生まれました
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数日後、有利は勝利とコンラート、セルセ、ヴォルフラムと共に眞王廟へと赴いた。
「それで、眞王におれ達を地球に戻してほしいんだけど」
「そろそろ帰らないとお袋達も心配するからな」
魔力が無くなった今、地球へ帰る為には眞王の力が必要である。
「…それが…、眞王陛下は…」
「なっ あの時本当に消えてしまったんじゃ…!」
ジェネウスとの戦いの後、確かに彼は消えていった。
「いっそそうだったら楽だったんだけどね~。僕も双子もお守りから解放されるし」
「確かに…」
苦笑しながら言う健にセルセも同意していた事にウルリーケは呆れながら2人の名を呼ぶ。
「猊下、セルセ」
「‘俺はここだ’」
するとどこからか眞王の声が聞こえてくる。
「‘ここだ!’」
「………」
眞王の声に健だけは苦笑していたが、他の有利達は謁見の前を見渡しながら彼がどこにいるのか探していた。
そして見つけた先にいたのは、禁忌の箱の側にいる眞王だったのだが…。
「…は?」
「…これは…」
「あ…」
「…ちっちゃ…」
「陛下、小さくなって…」
見つけた眞王はとっても小さなサイズとなっていた。
「なんで眞王廟の中なのに、ちっちゃくなってんだよ?」
眞王廟の外ではそのサイズなら分かるが、ここは眞王を祭っている眞王廟の中なのになぜ彼が小さいのか。
「‘仕方あるまい。俺の魔力も随分消耗してしまってな’」
「アンタも!?」
「‘ああ。あのまま消える覚悟もしていたのだが、お前が必死に引き留めるものだからな’」
フッと彼は笑う。
「‘それ程までに俺を慕ってくれていたとは…’」
「ハハハハ…」
相変わらずの彼に有利は作り笑いをするが、ただ1人健だけは苦笑する。
「それで、眞王がこの様子だろ?だから…」
「おい!まさか…」
健が何と言おうとしたのかすぐに理解した2人。
「「地球に帰れないー!?」」
という事でした。
「ウルリーケ!」
「はい…。申し訳ありません…、ユーリ陛下」
ウルリーケにも謝られてしまい何も言えなくなる。
「そ、そんな…」
「‘すまんな…。俺にはもう、次元移動を行える程の力は無いのだ…’」
眞王にまで言われてしまった有利達は謁見の間から出て中庭の方へ赴く。
「僕も色々と方法は考えてみたんだけど、ごめん、渋谷」
「何を落ち着いているんだ!弟のお友達!俺達は帰れなくなったんだぞ!?」
「あ!そうだよ。村田、お前だって」
有利と勝利が帰れないという事は健も地球へ帰れないという事なのに、健は先ほどと変わらずにいつもの調子でいた。
「うん。こんな事もあるかもって、覚悟はしてたから」
元々覚悟をしていたらしく、帰れないと分かっても戸惑う事はないらしい。
「人生にはハプニングがつきものだって、よく知ってるからね」
「村田…」
「…俺はなんとしても帰る!」
諦めの悪い勝利はグッと手を握る。
「都知事の夢を諦めるもんか!やりかけのゲームも必ずエンディングを見てやる!
そうだ!有利が駄目なら俺がやる!ウルリーケ!修行だ――!俺に次元移動のやり方を教えてくれ――!!」
そう叫びながら勝利はウルリーケの元へ走って行く後ろ姿を見ながら有利は苦笑する。
「本当に出来るようになればいいな…。勝利だけでも地球に返さなきゃ」
「渋谷、君はいいの?」
「え?ああ、うん。おれは…」
ただ、そう言うだけだった。
そして血盟城へ戻った有利達は廊下を歩いていると、突然コンラートは立ち止まって空を見上げた。
「コンラッド?」
「いえ、何でも」
微笑みながら何でもないと言うコンラートに不思議に思っていた有利はふと彼らの事を思い出す。
「サラレギー達、聖砂国に無事に着いたかな?」
「ええ。きっと」
すると遠くからヴァルトラーナが歩いて来るのに気づく。
「ヴァルトラーナ…」
「出た」
こんなに早く彼が来るとは思っていなかったのかセルセはとっても嫌な顔をする。
「ユーリ陛下、魔力を無くされたそうですね」
「叔父上、それは!」
ヴォルフラムが彼に何かを言おうとしたが、彼の真剣な視線に何も言えなくなってしまった。
「ヴォル」
そんなヴォルフラムを慰めるようにセルセが彼の肩を軽く叩いた。
すると有利はヴァルトラーナの問いに真剣な表情で答える。
「確かにおれは魔力を無くしました」
「まさか、有利に退位を迫るつもりじゃ」
勝利の不安に彼は小さく微笑んだ。
「王の資格は魔力の優劣で決まるものではない。
今再び問います。ユーリ陛下、貴方はこの国を背負っていく覚悟がおありか?」
「おれの答えも変わらない。おれは、おれに出来る限りの事をする。皆の為に…!」
「…失礼しました。陛下、我ら十貴特別貴族も陛下を支え、眞魔国の為に尽力致します」
有利の決意を改めて聞いた彼は一礼をしてからその場を去って行く。
「…叔父上…」
「へえ~…」
「何だあれは…?」
何か言うと思っていた有利とヴォルフラムは少し驚き、セルセは面白そうなものを見たと笑っていた
だが勝利だけはなんだったのか不審そうに彼を見ていた。
するとヴァルトラーナが歩いた先には地方から来た十貴特別貴族達が並んでおり、有利に向けて全員で礼をしたのだ。
「渋谷が本当に認められたという事ですよ」
魔力が無くなっても関係なく、有利を今度こそ認めたという事だったのだ…。
「それで、眞王におれ達を地球に戻してほしいんだけど」
「そろそろ帰らないとお袋達も心配するからな」
魔力が無くなった今、地球へ帰る為には眞王の力が必要である。
「…それが…、眞王陛下は…」
「なっ あの時本当に消えてしまったんじゃ…!」
ジェネウスとの戦いの後、確かに彼は消えていった。
「いっそそうだったら楽だったんだけどね~。僕も双子もお守りから解放されるし」
「確かに…」
苦笑しながら言う健にセルセも同意していた事にウルリーケは呆れながら2人の名を呼ぶ。
「猊下、セルセ」
「‘俺はここだ’」
するとどこからか眞王の声が聞こえてくる。
「‘ここだ!’」
「………」
眞王の声に健だけは苦笑していたが、他の有利達は謁見の前を見渡しながら彼がどこにいるのか探していた。
そして見つけた先にいたのは、禁忌の箱の側にいる眞王だったのだが…。
「…は?」
「…これは…」
「あ…」
「…ちっちゃ…」
「陛下、小さくなって…」
見つけた眞王はとっても小さなサイズとなっていた。
「なんで眞王廟の中なのに、ちっちゃくなってんだよ?」
眞王廟の外ではそのサイズなら分かるが、ここは眞王を祭っている眞王廟の中なのになぜ彼が小さいのか。
「‘仕方あるまい。俺の魔力も随分消耗してしまってな’」
「アンタも!?」
「‘ああ。あのまま消える覚悟もしていたのだが、お前が必死に引き留めるものだからな’」
フッと彼は笑う。
「‘それ程までに俺を慕ってくれていたとは…’」
「ハハハハ…」
相変わらずの彼に有利は作り笑いをするが、ただ1人健だけは苦笑する。
「それで、眞王がこの様子だろ?だから…」
「おい!まさか…」
健が何と言おうとしたのかすぐに理解した2人。
「「地球に帰れないー!?」」
という事でした。
「ウルリーケ!」
「はい…。申し訳ありません…、ユーリ陛下」
ウルリーケにも謝られてしまい何も言えなくなる。
「そ、そんな…」
「‘すまんな…。俺にはもう、次元移動を行える程の力は無いのだ…’」
眞王にまで言われてしまった有利達は謁見の間から出て中庭の方へ赴く。
「僕も色々と方法は考えてみたんだけど、ごめん、渋谷」
「何を落ち着いているんだ!弟のお友達!俺達は帰れなくなったんだぞ!?」
「あ!そうだよ。村田、お前だって」
有利と勝利が帰れないという事は健も地球へ帰れないという事なのに、健は先ほどと変わらずにいつもの調子でいた。
「うん。こんな事もあるかもって、覚悟はしてたから」
元々覚悟をしていたらしく、帰れないと分かっても戸惑う事はないらしい。
「人生にはハプニングがつきものだって、よく知ってるからね」
「村田…」
「…俺はなんとしても帰る!」
諦めの悪い勝利はグッと手を握る。
「都知事の夢を諦めるもんか!やりかけのゲームも必ずエンディングを見てやる!
そうだ!有利が駄目なら俺がやる!ウルリーケ!修行だ――!俺に次元移動のやり方を教えてくれ――!!」
そう叫びながら勝利はウルリーケの元へ走って行く後ろ姿を見ながら有利は苦笑する。
「本当に出来るようになればいいな…。勝利だけでも地球に返さなきゃ」
「渋谷、君はいいの?」
「え?ああ、うん。おれは…」
ただ、そう言うだけだった。
そして血盟城へ戻った有利達は廊下を歩いていると、突然コンラートは立ち止まって空を見上げた。
「コンラッド?」
「いえ、何でも」
微笑みながら何でもないと言うコンラートに不思議に思っていた有利はふと彼らの事を思い出す。
「サラレギー達、聖砂国に無事に着いたかな?」
「ええ。きっと」
すると遠くからヴァルトラーナが歩いて来るのに気づく。
「ヴァルトラーナ…」
「出た」
こんなに早く彼が来るとは思っていなかったのかセルセはとっても嫌な顔をする。
「ユーリ陛下、魔力を無くされたそうですね」
「叔父上、それは!」
ヴォルフラムが彼に何かを言おうとしたが、彼の真剣な視線に何も言えなくなってしまった。
「ヴォル」
そんなヴォルフラムを慰めるようにセルセが彼の肩を軽く叩いた。
すると有利はヴァルトラーナの問いに真剣な表情で答える。
「確かにおれは魔力を無くしました」
「まさか、有利に退位を迫るつもりじゃ」
勝利の不安に彼は小さく微笑んだ。
「王の資格は魔力の優劣で決まるものではない。
今再び問います。ユーリ陛下、貴方はこの国を背負っていく覚悟がおありか?」
「おれの答えも変わらない。おれは、おれに出来る限りの事をする。皆の為に…!」
「…失礼しました。陛下、我ら十貴特別貴族も陛下を支え、眞魔国の為に尽力致します」
有利の決意を改めて聞いた彼は一礼をしてからその場を去って行く。
「…叔父上…」
「へえ~…」
「何だあれは…?」
何か言うと思っていた有利とヴォルフラムは少し驚き、セルセは面白そうなものを見たと笑っていた
だが勝利だけはなんだったのか不審そうに彼を見ていた。
するとヴァルトラーナが歩いた先には地方から来た十貴特別貴族達が並んでおり、有利に向けて全員で礼をしたのだ。
「渋谷が本当に認められたという事ですよ」
魔力が無くなっても関係なく、有利を今度こそ認めたという事だったのだ…。