叶わぬ約束
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獣が城下町を襲いかかってくる少し前、眞王廟の謁見の間では先日から泊まっていたアリア、眞王、健、ウルリーケが謁見の間にいた。
「きっと彼はここに来る。それも近い内に」
昨夜も話したように、きっとジェネウスが眞魔国に来るだろうと健達はそう感じていたのだ。
「‘決着をつけねばならん’」
「眞王陛下、無茶をなさるおつもりでは…」
「‘それでも、俺がやらねばならないのだ’」
責任を感じていると思ったのか健は呆れる。
「だからぁ、君が責任を感じる必要は無いって言ってるだろ?これは僕の、」
「‘その重い運命を背負わせたのは、俺だ’」
健の言葉を遮ってまで眞王はそう言った為に、さすがの健も何も言えなくなる。
「‘それに今またユーリ達、この時代に生きる者達にこの罪を背負わせるわけにはいかないだろう’」
「陛下…」
「…そうだね。僕達がやるべき事だ」
すると背後の扉が開く音が聞こえ、振り返るとそこには勝利が立っていた。
「勝利」
「渋谷のお兄さん。どうしたんです?」
勝利は無言のまま彼らに近づきウルリーケを見る。
「ウルリーケにまた魔術の特訓を頼みに来たんだ。今のままじゃ、有利をアラゾンから守れないと思ってな」
「ショーリ様…」
勝利はウルリーケから眞王がいる方へ見ると、眞王と健、そしてアリアが3人でいるのを見て何かを感じたらしい。
「…お前達…、また何か企んでるな」
「そんなあ、人聞きの悪い。僕達は何も悪い事はしてませんよー」
「いいや。お前達はほおっておくと何をしでかすか分からん」
前回の創主との戦いの時に色々と騙された事を今だ根に持っているのか、勝利ははっきりとそう言い切ったのだ。
すると今度は2人からアリアの方に視線を移す。
「しかも今度はアリアまで巻き込んで。彼女が妊娠してるって分かってるだろう。…俺にも聞かせてもらおうか。何をしようとしているのか」
「……やれやれ、信用無いな~僕達」
「創主の事も黙ってたんだもの。しょうがないんじゃない?」
「きりきり白状しろ!」
信用されていない健と眞王にアリアは苦笑するだけだった。
そしてしばらくすると、城下町の方から何かが襲ってきたという報告が入り健達は眞王廟の外へ出る。
健の目の前にいる彼を見ながら。
「待ってたよ」
「……双黒の大賢者」
現れたのは以前の姿よりも少しやつれているジェネウスだったのだ。
「きっと君は来ると思っていた。僕だったら、いや、本当のジェネウスだったらきっとね…」
「あの方は、眞王陛下はそこにいらっしゃるのでしょう?」
彼の視線の先は健ではなく眞王を祭っている眞王廟を見ていた。
「ああ」
健の言葉にジェネウスは嬉しそうに笑い、眞王廟へ入ろうとしたが健は前に立ち塞がっている。
「そこをどけ!」
「それは出来ないよ」
否定され、ジェネウスは近くに立っているアリアを見る。
「…テイア…っ」
「!」
アリアを見てその名を呼んだ事に彼女は驚くだけだったが、眞王廟の入口に勝利とウルリーケが現れる。
「ショーリ殿」
勝利が現れた事に彼は話を聞いてくれるだろうと思い嬉しそうに勝利の名を呼んだ。
「…すまん…」
だが勝利はただ一言そう呟いた。
「貴方も、わたしを…!?…誰にも邪魔はさせない」
するとジェネウスの体から黒に近い紫のオーラが現れる。
「ウルリーケ、急げ!」
「はい!」
頷いたウルリーケも手を握り目を閉じると、赤い色のオーラが体から現れ、まるでジェネウスを逃がさないようにする為に結界にいた物を彼の周りに固定させたのだ。
結界に閉じ込められたジェネウスはそこから出ようと手を当てても、雷を発するだけで出る事は出来ず逆に苦しみだす。
「やめろジェネウス!このままじゃ、お前の体は…!」
勝利は何とかして彼を止めようとしたが、健はそっとジェネウスに近づく。
「君の望みは知っている。
2000年前、ジェネウスとして寿命が尽きる時、最期に願ったのは『一目でいい『眞王陛下にお会いしたかった』』」
健の言葉に重ねるようにジェネウスもそう呟いたのだ。
「君は僕だ。いや、僕だった者だ。だからその気持ちは分かるよ。
そして今また君の命は尽きようとしている。その最期の時、君が望む事は…」
そう言って健は少し横にずれると、その先に居たのは眞王だったのだ。
「きっと彼はここに来る。それも近い内に」
昨夜も話したように、きっとジェネウスが眞魔国に来るだろうと健達はそう感じていたのだ。
「‘決着をつけねばならん’」
「眞王陛下、無茶をなさるおつもりでは…」
「‘それでも、俺がやらねばならないのだ’」
責任を感じていると思ったのか健は呆れる。
「だからぁ、君が責任を感じる必要は無いって言ってるだろ?これは僕の、」
「‘その重い運命を背負わせたのは、俺だ’」
健の言葉を遮ってまで眞王はそう言った為に、さすがの健も何も言えなくなる。
「‘それに今またユーリ達、この時代に生きる者達にこの罪を背負わせるわけにはいかないだろう’」
「陛下…」
「…そうだね。僕達がやるべき事だ」
すると背後の扉が開く音が聞こえ、振り返るとそこには勝利が立っていた。
「勝利」
「渋谷のお兄さん。どうしたんです?」
勝利は無言のまま彼らに近づきウルリーケを見る。
「ウルリーケにまた魔術の特訓を頼みに来たんだ。今のままじゃ、有利をアラゾンから守れないと思ってな」
「ショーリ様…」
勝利はウルリーケから眞王がいる方へ見ると、眞王と健、そしてアリアが3人でいるのを見て何かを感じたらしい。
「…お前達…、また何か企んでるな」
「そんなあ、人聞きの悪い。僕達は何も悪い事はしてませんよー」
「いいや。お前達はほおっておくと何をしでかすか分からん」
前回の創主との戦いの時に色々と騙された事を今だ根に持っているのか、勝利ははっきりとそう言い切ったのだ。
すると今度は2人からアリアの方に視線を移す。
「しかも今度はアリアまで巻き込んで。彼女が妊娠してるって分かってるだろう。…俺にも聞かせてもらおうか。何をしようとしているのか」
「……やれやれ、信用無いな~僕達」
「創主の事も黙ってたんだもの。しょうがないんじゃない?」
「きりきり白状しろ!」
信用されていない健と眞王にアリアは苦笑するだけだった。
そしてしばらくすると、城下町の方から何かが襲ってきたという報告が入り健達は眞王廟の外へ出る。
健の目の前にいる彼を見ながら。
「待ってたよ」
「……双黒の大賢者」
現れたのは以前の姿よりも少しやつれているジェネウスだったのだ。
「きっと君は来ると思っていた。僕だったら、いや、本当のジェネウスだったらきっとね…」
「あの方は、眞王陛下はそこにいらっしゃるのでしょう?」
彼の視線の先は健ではなく眞王を祭っている眞王廟を見ていた。
「ああ」
健の言葉にジェネウスは嬉しそうに笑い、眞王廟へ入ろうとしたが健は前に立ち塞がっている。
「そこをどけ!」
「それは出来ないよ」
否定され、ジェネウスは近くに立っているアリアを見る。
「…テイア…っ」
「!」
アリアを見てその名を呼んだ事に彼女は驚くだけだったが、眞王廟の入口に勝利とウルリーケが現れる。
「ショーリ殿」
勝利が現れた事に彼は話を聞いてくれるだろうと思い嬉しそうに勝利の名を呼んだ。
「…すまん…」
だが勝利はただ一言そう呟いた。
「貴方も、わたしを…!?…誰にも邪魔はさせない」
するとジェネウスの体から黒に近い紫のオーラが現れる。
「ウルリーケ、急げ!」
「はい!」
頷いたウルリーケも手を握り目を閉じると、赤い色のオーラが体から現れ、まるでジェネウスを逃がさないようにする為に結界にいた物を彼の周りに固定させたのだ。
結界に閉じ込められたジェネウスはそこから出ようと手を当てても、雷を発するだけで出る事は出来ず逆に苦しみだす。
「やめろジェネウス!このままじゃ、お前の体は…!」
勝利は何とかして彼を止めようとしたが、健はそっとジェネウスに近づく。
「君の望みは知っている。
2000年前、ジェネウスとして寿命が尽きる時、最期に願ったのは『一目でいい『眞王陛下にお会いしたかった』』」
健の言葉に重ねるようにジェネウスもそう呟いたのだ。
「君は僕だ。いや、僕だった者だ。だからその気持ちは分かるよ。
そして今また君の命は尽きようとしている。その最期の時、君が望む事は…」
そう言って健は少し横にずれると、その先に居たのは眞王だったのだ。