青き風
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
しばらくしたある日、眞王廟に2人が戻ってきたのだ。
「おかえり、ユーリー!」
有利と勝利が戻ってきた事にグレタは嬉しそうに近づき彼にタオルを手渡す。
「有利も、勝利もお帰り」
「遅かったじゃないか」
眞王廟の噴水の前でアリアと健も笑っていたが、勝利だけは違ったらしく怒りながら噴水から出る。
「よくもぬけぬけと!セルセはともかく自分だけ眞魔国に帰って、俺達を地球に送り返したのは!お前だろう弟のお友達!」
噴水から出た勝利はずかずかと健の側に寄って指をさしたが、健は苦笑するだけだった。
「あ、いや~、」
「‘いや、俺だ’」
2人だけを眞魔国に戻し、有利と勝利を地球へ帰したのは眞王自身だったのだ。
「眞王!じゃあアンタに聞こう。いったい何の為に、」
「‘もう大丈夫そうだな?ユーリ’」
勝利の言葉を眞王は遮って有利を見る。
「ああ」
「‘そうか…’」
「心配かけてすまない」
同じ様に心配していた眞王もはっきりと答えた有利に微笑むだけ。
「さっそくで悪いけど、」
和んでいる時に健は言い難そうに有利に話しかける。
「何だよ?急に改まって」
「君がいない間に色々進展があったんだ」
健とアリアは有利がいない間の眞魔国や他の国の事について順番に説明していく。
するとある事を聞いて有利は笑顔になった。
「じゃ、ランジールは無事だったんだね」
「うん。あの後すぐに引上げられたそうだ。少し怪我はしたらしいけど、命に別状は無いそうだ」
「そうか、良かった…」
あの時で船から転落したらしいランジールだったが、無事に引き上げられていたと知り有利はホッとする。
だが有利は自分がした事が消えるわけないと内心で思っていたのだ。
「ところでコンラッドは?」
コンラートが小シマロンへ使者として行っていたのは誰もが知っているからこそ、勝利は真っ先に彼の様子を尋ねた。
「ああ、それが…」
聞かれたアリアは作り笑いをしながら今コンラートが何処へ行ったのかを説明したのだが…。
「えぇ!?大シマロンに行った!?」
「ええ、そうよ」
小シマロンからコンラートは大シマロンへと行っていた事に有利は驚き、アリアは溜め息をつくだけだったとさ。
その頃の大シマロン国内のあるお店。
「また現れたらしいぞ。『青き風』」
民達がここ最近噂にしているのは『青き風』という者達の事だった。
圧政に苦しんでいる民を助け、風の様に去る青き風という正義の味方だと民は噂をしているのだ。
「なんでも頭領は眞魔国の出身らしい。シマロン王家の血を引く正統な後継者だとか」
「じゃあ、そいつが新しい王になるのか?」
それをカウンター席で聞いていた1人は飲んでいたコップを置く。
「何を考えているんだ、アイツは」
噂を聞いたヴォルフラムは呆れたように怒っていた。
「さあな」
だが右隣に座っているセルセは無関心みたいにお茶を飲んでいた。
「『さあな』って幼馴染なんだろ。分からないのか?」
「いくら幼馴染だって言ってもな~。ま、何となくは分かる気はするけどさ」
「……」
「あれ、食べないんですか?ちゃんと食べておいた方がいいですよ。旅はまだ続きそうですし」
話しかけて来たのはヴォルフラムの左隣に座っているダカスコスだった。
「別にお前だけ帰ってもいいんだぞ」
「そういうわけには…。自分はギュンター閣下から命令を受けていますから」
だから2人と一緒に大シマロンまで来ている彼だった。
『止めても無駄です!僕は行きます!』
扉を開け廊下へ出たヴォルフラムは振り返って部屋の中にいる双子、健、グウェンダル、ギュンター、ピリアーチェを見る。
『このような時期にたった1人で大シマロンに乗り込むなど危険すぎます!』
『ユーリと約束した。もしコンラートに何かあった時は僕が必ず助けに行くと、だから僕がコンラートを見つけて連れ帰ってみせます!』
ギュンターの止めの声も聞かずにヴォルフラムははっきりと真剣な表情でそう話したのだ。
そんな彼の姿を見てセルセ達は驚くだけだった。
『ヴォル、お前…』
『分かった。いいだろう』
彼の真剣さが通じたのか、グウェンダルは承諾したのだ。
『ありがとうございます、兄上!』
グウェンダルが許した事に彼は嬉しそうに笑った。
『だが、あまり無茶はするなよ』
『はい!』
相変わらず弟に弱いグウェンダルにギュンターは苦笑する。
『ハァ、ダカスコス』
『はい…』
どうやら部屋の外にいたらしく、遠慮がちにダカスコスは開いた扉から顔を出す。
『貴方が一緒に行きなさい』
『は、え、えぇ~~!?』
まさかの命令に彼は絶叫して驚くだけだった。
そしてグウェンダルは隣に立っているセルセを見上げる。
『セルセ、お前も行け』
『は?』
『大シマロンには何度も行った事があるのだろう?』
道案内としても彼が一緒に行ってくれた方が色々と安心するらしい。
セルセは苦笑しながら『分かった』と了解したのだった。
こうして3人でコンラートを追いかけて大シマロンへ潜入していたのだ。
「おかえり、ユーリー!」
有利と勝利が戻ってきた事にグレタは嬉しそうに近づき彼にタオルを手渡す。
「有利も、勝利もお帰り」
「遅かったじゃないか」
眞王廟の噴水の前でアリアと健も笑っていたが、勝利だけは違ったらしく怒りながら噴水から出る。
「よくもぬけぬけと!セルセはともかく自分だけ眞魔国に帰って、俺達を地球に送り返したのは!お前だろう弟のお友達!」
噴水から出た勝利はずかずかと健の側に寄って指をさしたが、健は苦笑するだけだった。
「あ、いや~、」
「‘いや、俺だ’」
2人だけを眞魔国に戻し、有利と勝利を地球へ帰したのは眞王自身だったのだ。
「眞王!じゃあアンタに聞こう。いったい何の為に、」
「‘もう大丈夫そうだな?ユーリ’」
勝利の言葉を眞王は遮って有利を見る。
「ああ」
「‘そうか…’」
「心配かけてすまない」
同じ様に心配していた眞王もはっきりと答えた有利に微笑むだけ。
「さっそくで悪いけど、」
和んでいる時に健は言い難そうに有利に話しかける。
「何だよ?急に改まって」
「君がいない間に色々進展があったんだ」
健とアリアは有利がいない間の眞魔国や他の国の事について順番に説明していく。
するとある事を聞いて有利は笑顔になった。
「じゃ、ランジールは無事だったんだね」
「うん。あの後すぐに引上げられたそうだ。少し怪我はしたらしいけど、命に別状は無いそうだ」
「そうか、良かった…」
あの時で船から転落したらしいランジールだったが、無事に引き上げられていたと知り有利はホッとする。
だが有利は自分がした事が消えるわけないと内心で思っていたのだ。
「ところでコンラッドは?」
コンラートが小シマロンへ使者として行っていたのは誰もが知っているからこそ、勝利は真っ先に彼の様子を尋ねた。
「ああ、それが…」
聞かれたアリアは作り笑いをしながら今コンラートが何処へ行ったのかを説明したのだが…。
「えぇ!?大シマロンに行った!?」
「ええ、そうよ」
小シマロンからコンラートは大シマロンへと行っていた事に有利は驚き、アリアは溜め息をつくだけだったとさ。
その頃の大シマロン国内のあるお店。
「また現れたらしいぞ。『青き風』」
民達がここ最近噂にしているのは『青き風』という者達の事だった。
圧政に苦しんでいる民を助け、風の様に去る青き風という正義の味方だと民は噂をしているのだ。
「なんでも頭領は眞魔国の出身らしい。シマロン王家の血を引く正統な後継者だとか」
「じゃあ、そいつが新しい王になるのか?」
それをカウンター席で聞いていた1人は飲んでいたコップを置く。
「何を考えているんだ、アイツは」
噂を聞いたヴォルフラムは呆れたように怒っていた。
「さあな」
だが右隣に座っているセルセは無関心みたいにお茶を飲んでいた。
「『さあな』って幼馴染なんだろ。分からないのか?」
「いくら幼馴染だって言ってもな~。ま、何となくは分かる気はするけどさ」
「……」
「あれ、食べないんですか?ちゃんと食べておいた方がいいですよ。旅はまだ続きそうですし」
話しかけて来たのはヴォルフラムの左隣に座っているダカスコスだった。
「別にお前だけ帰ってもいいんだぞ」
「そういうわけには…。自分はギュンター閣下から命令を受けていますから」
だから2人と一緒に大シマロンまで来ている彼だった。
『止めても無駄です!僕は行きます!』
扉を開け廊下へ出たヴォルフラムは振り返って部屋の中にいる双子、健、グウェンダル、ギュンター、ピリアーチェを見る。
『このような時期にたった1人で大シマロンに乗り込むなど危険すぎます!』
『ユーリと約束した。もしコンラートに何かあった時は僕が必ず助けに行くと、だから僕がコンラートを見つけて連れ帰ってみせます!』
ギュンターの止めの声も聞かずにヴォルフラムははっきりと真剣な表情でそう話したのだ。
そんな彼の姿を見てセルセ達は驚くだけだった。
『ヴォル、お前…』
『分かった。いいだろう』
彼の真剣さが通じたのか、グウェンダルは承諾したのだ。
『ありがとうございます、兄上!』
グウェンダルが許した事に彼は嬉しそうに笑った。
『だが、あまり無茶はするなよ』
『はい!』
相変わらず弟に弱いグウェンダルにギュンターは苦笑する。
『ハァ、ダカスコス』
『はい…』
どうやら部屋の外にいたらしく、遠慮がちにダカスコスは開いた扉から顔を出す。
『貴方が一緒に行きなさい』
『は、え、えぇ~~!?』
まさかの命令に彼は絶叫して驚くだけだった。
そしてグウェンダルは隣に立っているセルセを見上げる。
『セルセ、お前も行け』
『は?』
『大シマロンには何度も行った事があるのだろう?』
道案内としても彼が一緒に行ってくれた方が色々と安心するらしい。
セルセは苦笑しながら『分かった』と了解したのだった。
こうして3人でコンラートを追いかけて大シマロンへ潜入していたのだ。