黙秘する彼
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「コンラートっ」
「アリア」
血盟城へ無事に戻ってきた有利達の姿を見てホッとしたアリアは、すぐにコンラートの元へ駆け寄った。
コンラートは駆け寄ってくるアリアの肩を優しく触れる。
「あまり走るな。子ども達に負担が」
「そんな事は分かってるわよ。それでも心配だったんだから仕方ないでしょう」
いつもなら側にいる事が出来たが、今は血盟城に留守番。
怪我をしないで無事に戻ってきてくれるかという不安ばかりが心の中で巡っていた。
「…大丈夫だ。俺も陛下達も、皆無事だ…」
心配そうにしている彼女を見てコンラートは頬に触れながらそう答えたのだ。
「……そう、良かった」
皆が怪我をしないで無事に帰ってきた事に安心の溜め息をつくだけだった。
「あ~あ、またあれか…」
翌日、有利は自室でぐるぐる嫌そうな顔をしながら歩き回っていた。
そんな有利にヴォルフラムは呆れる。
「お前は王なのだから、堂々としていれば」
「でもさー」
それでも落ち着かない有利にコンラートは彼を落ち着かせようとする。
「落ち着いて、陛下」
「そうそう。敵ってわけじゃないんだからさ」
「深呼吸、深呼吸」
健とセルセにも言われた有利は深呼吸をすると、ちらっと窓の外を眺めている勝利を見る。
「勝利」
有利は黙っている勝利に話しかけながら近づく。
「心配ないからな。勝利は知っている事を話してくれれば、それでいいからさ」
「……」
彼に心配かけないように笑いながらそう話したが、勝利は何も言わずにそっぽを向くだけだった。
その様子に4人は何も言わず、ただ2人を見ているだけだった。
コンコン
するとノックする音が聞こえ、全員が扉の方を見るとヒューブが中に入ってくる。
「陛下、十貴族と特別貴族の皆様がお揃いになりました」
「う~、来た~っ」
先ほどから有利が嫌がっていたのは、これから十貴特別貴族会議が開催されるからだったのだ。
以前のあのぐるぐる回る椅子がトラウマになっているらしい…。
ヒューブを先頭に有利達は彼らが待っている部屋へ歩き出す。
「ショーリ様、申し訳ありません。エルの為にこんな事になって…」
歩きながら申し訳ないと謝るヒューブに勝利は微笑みながら答える。
「気にするな。誰の所為でもないさ。エルとニコラは元気なのか?」
「はい」
「なら良かった」
2人が元気にしていると知り勝利はホッとするような笑顔だったが、それを隣で見ていた有利は何かふに落ちない目で彼を見ていた。
会議室へ到着した為に先頭を歩いていたヒューブが扉を開く。
「陛下、気を楽に」
「エイン叔父様もいるし、大丈夫だと思うぞ?」
「ああ」
2人に励まされた有利は笑って頷いてから部屋の中へ入って行く。
そして今回は有利だけでなく、大賢者でもある健、白い鴉について報告をする勝利が部屋の中へ入って行った。
だが勝利は途中で立ち止まったのは部屋の近くにエルを抱えているニコラが目に入ったからだ。
軽く会釈するニコラを見て勝利は小さく笑ってから中へ入って行く。
「これより十貴特別貴族会議を行う」
こうして会議が開催される事になったのだ。
その頃、アリアはツェリとアニシナ、グレタとエイルとテラスでお茶を飲んでいた。
「どうしたの、グレタ?元気が無いわね」
お茶をしている中、グレタだけは落ちこんだ表情で黙っていたのだ。
「…ショーリ伯父様、大丈夫かな?」
どうやら勝利が連れ去られたり、今回に会議の事が耳に入っていたらしい。
伯父でもある彼を心配しているのだ。
「グレタ…」
「心配ないわよ」
大丈夫だと励ますツェリとアニシナはぐっと手を握る。
「うちの兄が可笑しな事を言い出すようでしたら、わたくしが成敗してやります」
「(絶対にアニシナならやりそう。せめて半殺しぐらいで収まればいいんだけど…)」
「(兄妹とか関係無しに絶対にやりそう、アニシナさん…)」
そう言葉には出来ず、心の中で思ったアリアとエイルは静かにお茶を飲んだのでした。
そして十貴特別貴族会議。
今回の会議は円卓ではなく、長細いテーブルの両端に十貴特別貴族が座り、先頭に有利が座っている。
「あー、はは…」
相変わらずの威力に有利はただ苦笑するだけだった。
そんな重っ苦しい雰囲気の中ヴァルトラーナが先に話し出す。
「大シマロンが出兵準備を進めているそうだが、」
「密偵よりその様な報告が入っている」
グウェンダルが言う『密偵』というのはヨザックであり、彼の情報は誰もが信じているのだ。
「ユーリ陛下のご意見は?」
「あ、戦争は絶対無しの方向で!話し合い!話し合いでお願いします!」
自分の気持ちを素直に話す有利にシュトッフェルは真っ先に賛成する。
「その通り!ユーリ陛下の平和主義にはわたしも大いに賛同いたします!」
「ああ、ど、どうも…」
真っ先に彼が賛成した事に有利は言葉が詰まりながら感謝をした。
だがエインだけは呆れながら頬杖をしている。
「よく言うよ。昔は戦争大好きだったくせに(ボソリ)」
「何だと!?」
ボソリと呟いた声が聞こえたらしい。
シュトッフェルはエインを睨むが、彼は全く気にせずに頬杖したまま答える。
「言っとくけど、一応会議だから私情ははさまない様にしてるけど、今だけ言わせてもらうよ。僕は20年前の事、許してるわけじゃないからね」
「!」
「今さら20年前の事を言っても仕方ないって事も分かってる。でも今は僕だって貴方と同じ立場であるからこそ言えるって事を覚えておいてね。
次に兄様の子どもである双子を苦しめる様な事をしたら、死ぬまで恨んでやる」
「……」
あまり怒らない彼がキッとキツイ視線をシュトッフェルに移すと、彼はそれ以上何も言えなくなる。
20年前はアスタルテの当主としていくら申し立てても、十貴族でも特別貴族でもなかった為に受け入れられる事は無かった。
だが今は特別貴族として十貴族よりも上の立場にいるという事は今までよりも、一番の強みとなる事を理解しているからだ。
言いたい事を言ってすっきりしたのか、次の議題を言おうとしていたヴァルトラーナに笑顔で話しかける。
「あ、ごめんね、話を止めちゃって。いいよ?」
話して、と笑顔で言うエインを見てヴァルトラーナは一瞬だけ言葉が詰まったが、有利の意見を聞いて受け入れる。
「……それが王の意見なら。では、次に白い鴉と称する一団の件だが…」
「あ、」
ハッとなった有利は自分の後ろの椅子に座っている勝利を見る。
「シブヤショーリ殿。白い鴉の本拠地に囚われ、その首領に会われたと聞いているが、どのような者であったかお話願いたい。
神剣とやらを発動させたそうだが、それはいったいいかなる物なのか、なぜショーリ殿にその様な事が出来たのか。
最後にショーリ殿は白い鴉の元に残ろうとされたそうだが、その理由は?」
ヴァルトラーナは勝利から聞きたい事を一気に尋ねたが、聞かれた本人は何も言わずにそっと自分の目を閉じる。
「勝利?ほら、何でもいいからさ」
話してほしいと思っても彼は何も言わず黙ったままだった。
「勝利!何とか言えよ!」
「渋谷、落ち着いて」
椅子から立ち上がった有利を健が諌める。
「あ、ち、違うんです!勝利は、うちに兄はまだこっちの世界に不慣れでして、知らない人について行っちゃダメっていつも言ってるんですけど、」
座っていたシュトッフェルは机を叩きながら立ち上がり、ヴァルトラーナを睨む。
「そうですぞ、ヴァルトラーナ。陛下の兄君に対して失礼ではないか!陛下!わたしはショーリ殿の事を心から信じて、」
「知らない」
「「え?」」
小さな声で呟いた勝利に有利と健は不思議そうに彼を見る。
「俺は何も覚えてない。何も見てないし、何も、分からない…」
勝利はそう答えたのだった。
「勝利…?」
まさかそんな答えだとは思っていなかった有利は戸惑いながら勝利を見るが彼はそれ以上何も言わずにいた。
「そのような事、信じられるとお思いか?」
「ちょっと待ってくれよ!信じてくれよ。勝利は本当に何も悪い事なんか、」
「敵について行くと言ったそうではありませんか」
いつも以上に真剣なヴァルトラーナに有利は少し戸惑いながらも勝利を庇う。
「でもそれは何か事情があって」
「では、なぜ何もお話にならないのですか」
「そ、それは…」
言葉が詰まってしまう有利だが、十貴特別貴族の者達はジッと勝利を見る。
「とにかく、おれは勝利を信じる。ちょっと待っててくれないか」
そう言うと有利は椅子から離れ勝利の腕を掴む。
「行こう、勝利」
彼の腕を掴んだ有利はそのまま歩き出し、会議室から出て行く。
「陛下」
「会議はもう終わったのか?」
「ユーリ?ショーリ?」
部屋の前で待っていた3人はこんなに早く2人が出て来た事に不思議に思うが、有利は何も言わずにただ勝利の腕を掴んだまま歩いて行く。
いったいどうしたのかと思っていると、部屋から健が出てくる。
「猊下、いったい…」
聞かれた健はただ苦笑するだけだった。
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(2011/03/16)
(re:2017/05/24,2024/07/11)
「アリア」
血盟城へ無事に戻ってきた有利達の姿を見てホッとしたアリアは、すぐにコンラートの元へ駆け寄った。
コンラートは駆け寄ってくるアリアの肩を優しく触れる。
「あまり走るな。子ども達に負担が」
「そんな事は分かってるわよ。それでも心配だったんだから仕方ないでしょう」
いつもなら側にいる事が出来たが、今は血盟城に留守番。
怪我をしないで無事に戻ってきてくれるかという不安ばかりが心の中で巡っていた。
「…大丈夫だ。俺も陛下達も、皆無事だ…」
心配そうにしている彼女を見てコンラートは頬に触れながらそう答えたのだ。
「……そう、良かった」
皆が怪我をしないで無事に帰ってきた事に安心の溜め息をつくだけだった。
「あ~あ、またあれか…」
翌日、有利は自室でぐるぐる嫌そうな顔をしながら歩き回っていた。
そんな有利にヴォルフラムは呆れる。
「お前は王なのだから、堂々としていれば」
「でもさー」
それでも落ち着かない有利にコンラートは彼を落ち着かせようとする。
「落ち着いて、陛下」
「そうそう。敵ってわけじゃないんだからさ」
「深呼吸、深呼吸」
健とセルセにも言われた有利は深呼吸をすると、ちらっと窓の外を眺めている勝利を見る。
「勝利」
有利は黙っている勝利に話しかけながら近づく。
「心配ないからな。勝利は知っている事を話してくれれば、それでいいからさ」
「……」
彼に心配かけないように笑いながらそう話したが、勝利は何も言わずにそっぽを向くだけだった。
その様子に4人は何も言わず、ただ2人を見ているだけだった。
コンコン
するとノックする音が聞こえ、全員が扉の方を見るとヒューブが中に入ってくる。
「陛下、十貴族と特別貴族の皆様がお揃いになりました」
「う~、来た~っ」
先ほどから有利が嫌がっていたのは、これから十貴特別貴族会議が開催されるからだったのだ。
以前のあのぐるぐる回る椅子がトラウマになっているらしい…。
ヒューブを先頭に有利達は彼らが待っている部屋へ歩き出す。
「ショーリ様、申し訳ありません。エルの為にこんな事になって…」
歩きながら申し訳ないと謝るヒューブに勝利は微笑みながら答える。
「気にするな。誰の所為でもないさ。エルとニコラは元気なのか?」
「はい」
「なら良かった」
2人が元気にしていると知り勝利はホッとするような笑顔だったが、それを隣で見ていた有利は何かふに落ちない目で彼を見ていた。
会議室へ到着した為に先頭を歩いていたヒューブが扉を開く。
「陛下、気を楽に」
「エイン叔父様もいるし、大丈夫だと思うぞ?」
「ああ」
2人に励まされた有利は笑って頷いてから部屋の中へ入って行く。
そして今回は有利だけでなく、大賢者でもある健、白い鴉について報告をする勝利が部屋の中へ入って行った。
だが勝利は途中で立ち止まったのは部屋の近くにエルを抱えているニコラが目に入ったからだ。
軽く会釈するニコラを見て勝利は小さく笑ってから中へ入って行く。
「これより十貴特別貴族会議を行う」
こうして会議が開催される事になったのだ。
その頃、アリアはツェリとアニシナ、グレタとエイルとテラスでお茶を飲んでいた。
「どうしたの、グレタ?元気が無いわね」
お茶をしている中、グレタだけは落ちこんだ表情で黙っていたのだ。
「…ショーリ伯父様、大丈夫かな?」
どうやら勝利が連れ去られたり、今回に会議の事が耳に入っていたらしい。
伯父でもある彼を心配しているのだ。
「グレタ…」
「心配ないわよ」
大丈夫だと励ますツェリとアニシナはぐっと手を握る。
「うちの兄が可笑しな事を言い出すようでしたら、わたくしが成敗してやります」
「(絶対にアニシナならやりそう。せめて半殺しぐらいで収まればいいんだけど…)」
「(兄妹とか関係無しに絶対にやりそう、アニシナさん…)」
そう言葉には出来ず、心の中で思ったアリアとエイルは静かにお茶を飲んだのでした。
そして十貴特別貴族会議。
今回の会議は円卓ではなく、長細いテーブルの両端に十貴特別貴族が座り、先頭に有利が座っている。
「あー、はは…」
相変わらずの威力に有利はただ苦笑するだけだった。
そんな重っ苦しい雰囲気の中ヴァルトラーナが先に話し出す。
「大シマロンが出兵準備を進めているそうだが、」
「密偵よりその様な報告が入っている」
グウェンダルが言う『密偵』というのはヨザックであり、彼の情報は誰もが信じているのだ。
「ユーリ陛下のご意見は?」
「あ、戦争は絶対無しの方向で!話し合い!話し合いでお願いします!」
自分の気持ちを素直に話す有利にシュトッフェルは真っ先に賛成する。
「その通り!ユーリ陛下の平和主義にはわたしも大いに賛同いたします!」
「ああ、ど、どうも…」
真っ先に彼が賛成した事に有利は言葉が詰まりながら感謝をした。
だがエインだけは呆れながら頬杖をしている。
「よく言うよ。昔は戦争大好きだったくせに(ボソリ)」
「何だと!?」
ボソリと呟いた声が聞こえたらしい。
シュトッフェルはエインを睨むが、彼は全く気にせずに頬杖したまま答える。
「言っとくけど、一応会議だから私情ははさまない様にしてるけど、今だけ言わせてもらうよ。僕は20年前の事、許してるわけじゃないからね」
「!」
「今さら20年前の事を言っても仕方ないって事も分かってる。でも今は僕だって貴方と同じ立場であるからこそ言えるって事を覚えておいてね。
次に兄様の子どもである双子を苦しめる様な事をしたら、死ぬまで恨んでやる」
「……」
あまり怒らない彼がキッとキツイ視線をシュトッフェルに移すと、彼はそれ以上何も言えなくなる。
20年前はアスタルテの当主としていくら申し立てても、十貴族でも特別貴族でもなかった為に受け入れられる事は無かった。
だが今は特別貴族として十貴族よりも上の立場にいるという事は今までよりも、一番の強みとなる事を理解しているからだ。
言いたい事を言ってすっきりしたのか、次の議題を言おうとしていたヴァルトラーナに笑顔で話しかける。
「あ、ごめんね、話を止めちゃって。いいよ?」
話して、と笑顔で言うエインを見てヴァルトラーナは一瞬だけ言葉が詰まったが、有利の意見を聞いて受け入れる。
「……それが王の意見なら。では、次に白い鴉と称する一団の件だが…」
「あ、」
ハッとなった有利は自分の後ろの椅子に座っている勝利を見る。
「シブヤショーリ殿。白い鴉の本拠地に囚われ、その首領に会われたと聞いているが、どのような者であったかお話願いたい。
神剣とやらを発動させたそうだが、それはいったいいかなる物なのか、なぜショーリ殿にその様な事が出来たのか。
最後にショーリ殿は白い鴉の元に残ろうとされたそうだが、その理由は?」
ヴァルトラーナは勝利から聞きたい事を一気に尋ねたが、聞かれた本人は何も言わずにそっと自分の目を閉じる。
「勝利?ほら、何でもいいからさ」
話してほしいと思っても彼は何も言わず黙ったままだった。
「勝利!何とか言えよ!」
「渋谷、落ち着いて」
椅子から立ち上がった有利を健が諌める。
「あ、ち、違うんです!勝利は、うちに兄はまだこっちの世界に不慣れでして、知らない人について行っちゃダメっていつも言ってるんですけど、」
座っていたシュトッフェルは机を叩きながら立ち上がり、ヴァルトラーナを睨む。
「そうですぞ、ヴァルトラーナ。陛下の兄君に対して失礼ではないか!陛下!わたしはショーリ殿の事を心から信じて、」
「知らない」
「「え?」」
小さな声で呟いた勝利に有利と健は不思議そうに彼を見る。
「俺は何も覚えてない。何も見てないし、何も、分からない…」
勝利はそう答えたのだった。
「勝利…?」
まさかそんな答えだとは思っていなかった有利は戸惑いながら勝利を見るが彼はそれ以上何も言わずにいた。
「そのような事、信じられるとお思いか?」
「ちょっと待ってくれよ!信じてくれよ。勝利は本当に何も悪い事なんか、」
「敵について行くと言ったそうではありませんか」
いつも以上に真剣なヴァルトラーナに有利は少し戸惑いながらも勝利を庇う。
「でもそれは何か事情があって」
「では、なぜ何もお話にならないのですか」
「そ、それは…」
言葉が詰まってしまう有利だが、十貴特別貴族の者達はジッと勝利を見る。
「とにかく、おれは勝利を信じる。ちょっと待っててくれないか」
そう言うと有利は椅子から離れ勝利の腕を掴む。
「行こう、勝利」
彼の腕を掴んだ有利はそのまま歩き出し、会議室から出て行く。
「陛下」
「会議はもう終わったのか?」
「ユーリ?ショーリ?」
部屋の前で待っていた3人はこんなに早く2人が出て来た事に不思議に思うが、有利は何も言わずにただ勝利の腕を掴んだまま歩いて行く。
いったいどうしたのかと思っていると、部屋から健が出てくる。
「猊下、いったい…」
聞かれた健はただ苦笑するだけだった。
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(2011/03/16)
(re:2017/05/24,2024/07/11)