白い鴉の襲撃
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ん~~っ」
「そんなトコを見てても仕方ないだろ?」
眞王廟ではいつもの噴水の所にセルセとコンラート、ヴォルフラムとギュンターが有利と健が戻って来るのを待っていた。
だが約束の時間になっても来ない2人にヴォルフラムは水が流れている所を覗いていた。
「遅い!」
「陛下!猊下!」
有利と健大好きvvのギュンターまでもが来ない2人を心配して噴水の中に向けて叫んでいた。
「こんなに遅くなるなんて珍しいな」
「ああ。何か遭ったのかな?」
のほほんとしながらも一応は心配しているコンラートとセルセだった。
すると水が流れている所をずっと見ていたヴォルフラムは怒りながら振り返る。
「あいつの事だ!また何かヘマをやらかしたに違いない!へなちょこめ!」
そう言うヴォルフラムにセルセは苦笑する。
「久しぶりに聞いたな、その『へなちょこ』」
「ああ陛下!猊下あぁ!いったい何処へ行ってしまわれたのですか!どうかご無事で!」
「ウルリーケに聞いてみるか」
ヴォルフラムだけでなくギュンターまでもがメチャクチャ心配している姿を見てコンラートも苦笑しながらそう提案したのだった。
いったん血盟城へ戻ってきた4人をアリアは出迎えると、城に来た白鳩便の手紙の内容を話す。
「有利と健はヒューブの領地内に行っちゃったらしいわよ?夜は危険で今日は領地内に泊めるから、その間に迎えに来てほしいって」
「何でヒューブの所に行ったんだ?ユーリ達は…」
どういう理由で眞王廟ではなくヒューブとニコラが住んでいるグリーセラ家の領地へ行ってしまったのか、双子はただ苦笑するだけだった。
「あのへなちょこ!すぐに迎えに行くぞ!」
よほど眞王廟に来なかった有利に腹を立てたらしい。
ヴォルフラムはすぐにでも迎えに行きそうな勢いに双子だけでなくコンラートも苦笑するだけだった。
「仕方ない。行くか、コンラート」
「ああ。アリア、お前は…」
「分かってる」
先日に約束した事をちゃんと守っているらしい。
アリアはコンラートの手に触れる。
「大人しく城で待ってるわよ。行ってらっしゃい」
「ああ」
こうしてセルセとコンラート、ヴォルフラムの3人は有利と健を迎えにグリーセラ領へ行ったのだった。
そして3人がヒューブ達が住んでいる城へと到着したのはその日の夜だった。
「コンラッド!セルセ!ヴォルフラム!」
3人が到着した事に気づいた有利は笑いながら彼らに近づく。
「このへなちょこ!何度も来ているのに到着の、」
「3人共思ったより早かったじゃん」
文句を言おうとしたヴォルフラムの言葉を有利は笑いながら遮る。
「ヴォルフラム、本当に会いたかったよ!」
「なっ 何だ!?」
今までそんな事を言われた事が無かったヴォルフラムは珍しく少し後ずさりをしてしまった。
「コンラッドとセルセも!あれ?アリアは?」
いつもならいるはずの彼女がいない事に気づいた。
「アイツは留守番だよ。小シマロンでの事があったし、しばらくは大人しくするってよ」
「そっか…。でもこれなら道中の安全はバッチリだ!」
「は?」
「…?」
いったい何の事だか分かっていない3人は戸惑うだけだったが、すると家の扉が開くと思っていもいなかった人物が立っていた。
「俺からも頼む」
家から現れたのは有利の兄でもある勝利だった。
「ショーリ?」
「え、何でショーリがここに?」
まさか彼がここにいる事に3人は先ほどよりも驚き、お互いの顔を見合わせていた。
大体の話を有利達から聞き、翌日の早朝に血盟城へ向けて出発する事になった。
「それにしても、すごい霧だな」
「この辺りでは毎朝こんな感じなんです」
エルを抱えたニコラ、有利、健、勝利は馬車に乗って移動している中、勝利は同じように窓から外を眺めていた。
「この深り霧…、そして逃げ場の無い一本道。襲撃するにはもってこいのタイミングだな」
「大丈夫ですよ、渋谷のお兄さん。逃げ場が無いのは向こうも同じです。だからここでは襲ってきません」
はっきりと言う健に勝利はそれが気になったのだ。
「まるで、相手の考えている事をお見通しの物言いだな」
その言葉に有利も不思議そうに勝利を見つめるが、言われた健はいつもと変わらない笑顔で答える。
「…まさか~。ただ戦術としては初歩の初歩ですから。あれぇ?恐いんですか?」
「あ、そういえば勝利、お化け屋敷とかダメだよな」
「なっ」
そんな事を言われた勝利はまるで『げっ』となるが、有利はからかいながら話を続けていく。
「突然バア!って現れる傾向のやつ」
お化けのつもりで脅かしていると、それを見ていたエルは『キャハッ』と笑い出した。
「あ、受けた」
楽しそうに笑うエルを見てニコラも嬉しそうに微笑む。
有利から勝利の苦手な物を聞いた健も笑いながら視線を彼に移す。
「へ~、そうなんですか。けっこう可愛らしい所があるんですね、渋谷のお兄さん」
「余計な事は言うな、有利」
「ホントの事だろ~?」
笑いながらエルと遊んでいた有利だったが、突然エルは泣き始めてしまった。
「あれ?どうしたんだろ?いないいない、ばあ!」
両手で顔を隠してから驚かせて泣き止ませようとしたが、エルはさらに泣き出してしまった。
「どうしたの?エル」
「!」
「そんなトコを見てても仕方ないだろ?」
眞王廟ではいつもの噴水の所にセルセとコンラート、ヴォルフラムとギュンターが有利と健が戻って来るのを待っていた。
だが約束の時間になっても来ない2人にヴォルフラムは水が流れている所を覗いていた。
「遅い!」
「陛下!猊下!」
有利と健大好きvvのギュンターまでもが来ない2人を心配して噴水の中に向けて叫んでいた。
「こんなに遅くなるなんて珍しいな」
「ああ。何か遭ったのかな?」
のほほんとしながらも一応は心配しているコンラートとセルセだった。
すると水が流れている所をずっと見ていたヴォルフラムは怒りながら振り返る。
「あいつの事だ!また何かヘマをやらかしたに違いない!へなちょこめ!」
そう言うヴォルフラムにセルセは苦笑する。
「久しぶりに聞いたな、その『へなちょこ』」
「ああ陛下!猊下あぁ!いったい何処へ行ってしまわれたのですか!どうかご無事で!」
「ウルリーケに聞いてみるか」
ヴォルフラムだけでなくギュンターまでもがメチャクチャ心配している姿を見てコンラートも苦笑しながらそう提案したのだった。
いったん血盟城へ戻ってきた4人をアリアは出迎えると、城に来た白鳩便の手紙の内容を話す。
「有利と健はヒューブの領地内に行っちゃったらしいわよ?夜は危険で今日は領地内に泊めるから、その間に迎えに来てほしいって」
「何でヒューブの所に行ったんだ?ユーリ達は…」
どういう理由で眞王廟ではなくヒューブとニコラが住んでいるグリーセラ家の領地へ行ってしまったのか、双子はただ苦笑するだけだった。
「あのへなちょこ!すぐに迎えに行くぞ!」
よほど眞王廟に来なかった有利に腹を立てたらしい。
ヴォルフラムはすぐにでも迎えに行きそうな勢いに双子だけでなくコンラートも苦笑するだけだった。
「仕方ない。行くか、コンラート」
「ああ。アリア、お前は…」
「分かってる」
先日に約束した事をちゃんと守っているらしい。
アリアはコンラートの手に触れる。
「大人しく城で待ってるわよ。行ってらっしゃい」
「ああ」
こうしてセルセとコンラート、ヴォルフラムの3人は有利と健を迎えにグリーセラ領へ行ったのだった。
そして3人がヒューブ達が住んでいる城へと到着したのはその日の夜だった。
「コンラッド!セルセ!ヴォルフラム!」
3人が到着した事に気づいた有利は笑いながら彼らに近づく。
「このへなちょこ!何度も来ているのに到着の、」
「3人共思ったより早かったじゃん」
文句を言おうとしたヴォルフラムの言葉を有利は笑いながら遮る。
「ヴォルフラム、本当に会いたかったよ!」
「なっ 何だ!?」
今までそんな事を言われた事が無かったヴォルフラムは珍しく少し後ずさりをしてしまった。
「コンラッドとセルセも!あれ?アリアは?」
いつもならいるはずの彼女がいない事に気づいた。
「アイツは留守番だよ。小シマロンでの事があったし、しばらくは大人しくするってよ」
「そっか…。でもこれなら道中の安全はバッチリだ!」
「は?」
「…?」
いったい何の事だか分かっていない3人は戸惑うだけだったが、すると家の扉が開くと思っていもいなかった人物が立っていた。
「俺からも頼む」
家から現れたのは有利の兄でもある勝利だった。
「ショーリ?」
「え、何でショーリがここに?」
まさか彼がここにいる事に3人は先ほどよりも驚き、お互いの顔を見合わせていた。
大体の話を有利達から聞き、翌日の早朝に血盟城へ向けて出発する事になった。
「それにしても、すごい霧だな」
「この辺りでは毎朝こんな感じなんです」
エルを抱えたニコラ、有利、健、勝利は馬車に乗って移動している中、勝利は同じように窓から外を眺めていた。
「この深り霧…、そして逃げ場の無い一本道。襲撃するにはもってこいのタイミングだな」
「大丈夫ですよ、渋谷のお兄さん。逃げ場が無いのは向こうも同じです。だからここでは襲ってきません」
はっきりと言う健に勝利はそれが気になったのだ。
「まるで、相手の考えている事をお見通しの物言いだな」
その言葉に有利も不思議そうに勝利を見つめるが、言われた健はいつもと変わらない笑顔で答える。
「…まさか~。ただ戦術としては初歩の初歩ですから。あれぇ?恐いんですか?」
「あ、そういえば勝利、お化け屋敷とかダメだよな」
「なっ」
そんな事を言われた勝利はまるで『げっ』となるが、有利はからかいながら話を続けていく。
「突然バア!って現れる傾向のやつ」
お化けのつもりで脅かしていると、それを見ていたエルは『キャハッ』と笑い出した。
「あ、受けた」
楽しそうに笑うエルを見てニコラも嬉しそうに微笑む。
有利から勝利の苦手な物を聞いた健も笑いながら視線を彼に移す。
「へ~、そうなんですか。けっこう可愛らしい所があるんですね、渋谷のお兄さん」
「余計な事は言うな、有利」
「ホントの事だろ~?」
笑いながらエルと遊んでいた有利だったが、突然エルは泣き始めてしまった。
「あれ?どうしたんだろ?いないいない、ばあ!」
両手で顔を隠してから驚かせて泣き止ませようとしたが、エルはさらに泣き出してしまった。
「どうしたの?エル」
「!」