円卓の人々
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「どうやらお戻りになられた様ですね」
「ああ」
血盟城のある一室。
そこからある者達が窓から血盟城へ戻ってきた有利を見ていた。
「ヴァルトラーナ、眉間にシワが寄ってる。そのままじゃ一生シワが取れなくなっちゃうかもよ?」
隣に立っていたエインは笑いながらヴァルトラーナを少し見上げる。
「………」
「冗談だよ、冗談。少しは笑いなよ」
思いっきり睨まれた彼は『頭固いな~』と苦笑するだけだった。
無事に血盟城に到着した有利は安心する。
「なんか血盟城に帰って来るとホッとするよな~」
背伸びをしている有利にヴォルフラムは近づく。
「ユーリ、まずは風呂にするか?食事にするか?それとも」
「わたくしめが疲労回復の揉み解しを!」
「なんでお前が出てくる!」
ヴォルフラムの言葉を遮ったギュンターに彼は怒鳴るだけだったが、彼の言葉をまた別の声が遮る。
「お帰りなさいませ、陛下」
「「「?」」」
3人は不思議そうに声があった方を見ると、そこには十貴特別貴族の面々が立っていたのだ。
「あ、ただいま…」
まさか彼らが待っているとは思っていなかった有利は驚きながらも返事をした。
だが先頭に立っていたヴァルトラーナが有利に話しかける。
「小シマロン王、サラレギーとの接触についてお聞かせ願いたい」
「あ、あの~、それは…」
話そうとする有利にデンシャムは『あ』と思い出したように言葉を遮る。
「まだいいですよ。話は円卓でゆっくりと」
「え?」
「「円卓!?」」
『円卓』という言葉を聞いた有利はきょとんとしていたが、ヴォルフラムとギュンターだけは驚いた。
「叔父上!」
「いきなりそんな過酷なっ」
驚いている2人とは反対にグウェンダルだけはいつもと変わらない表情でもあり、うっすらと笑みまで浮かべていた。
「円卓はすでに動き出す、か…。仕方あるまい」
「だからエイン叔父様達が来てたんだな」
先頭として立っているヴァルトラーナ達から少し離れた所にアスタルテ家の当主であるエイン、隣にはディオネ家当主のウィリアムが立っていた。
「おわっ!」
突然有利の焦った声が聞こえてくると、数人の兵が有利を抱えて城の中へと入って行ったのだ。
「な、なんだ!?なんだよ、おお降ろして~!」
「陛下、頑張ってくださいね」
「十貴特別貴族会議をを開催する!」
こうして会議を行う部屋へとその他の当主達も向かって行った。
「え、え~っと、円卓って、こういう形だったんだ」
有利は丸くなった机の間にある椅子に座っているが、他の貴族達はその机を囲むように座っていた。
重苦しい空気に有利は場を和ませようと色々と話していても、結局は空回りとなって終わっていまう。
「…えっと、おれもそっちの席の方がいいかな~、なんて…」
ガチャリ
「ええぇ!?」
立とうとした瞬間、椅子からベルトのような物が現れると有利の両手首、足首を縛りつけ椅子に座らせたが、さすがの彼も驚くだけだった。
「申し訳ございません、陛下」
言い難そうにギュンターは苦笑しながら、なぜその椅子にそんな仕組みがあるのかを説明する。
「実は前魔王ツェリ様があまりにも頻繁に逃亡、あ、いえ中座されたままお戻りにならなかった為その様な措置を…」
「そんな…」
さすがのツェリだと言うべきなのか、それを聞いて有利はただ苦笑するしか出来なかった。
「なんか、皆がおれを見てるし、居心地悪いんだけど…、お?」
有利が気づいた先にあったのは一席に置いてある砂熊のぬいぐるみだった。
「それは、欠席のフォングランツ卿の代理です」
「ふ~ん」
「こちらに一報が届いておりますので読み上げます。『え~、本日は御前会議の召集おめでとうございます。』」
フォングランツ卿から届いた手紙を読み始めたギュンターだったが、あまりにも長い手紙だったらしい。
黙って聞いていた有利はこっくりと頭を揺らしながら眠っていた。
ガタ
「? わぁっ」
眠っていた有利は椅子から何かの音がするのに気づくと、突然ガタンとデンシャムが座っている方向へ椅子が回り出した。
「…ははは。へ?おわ!」
何も言えなかった有利は作り笑いをしたが、また椅子が周りだし今度はシュトッフェルの前に来る。
「申し訳ありません陛下」
ギュンターの声が聞こえてくると、椅子はシュトッフェルからギュンターの方へ向きが変わる。
「実は、前魔王ツェリ様が…」
「またツェリ様が?」
「はい。美しい者の顔しか、あ、いえ…、一定の方向しかご覧にならなかった為、改造いたしました」
「ハア、ツェリ様ぁ…」
もう笑う事も出来ない有利はただ呆れるだけであり、ガックリと肩を落とす。
「では本題に入ろう」
「うおっ」
また椅子が回り出し、今度はヴァルトラーナの方へ向く。
「小シマロンと我々の了解も無く接触された件について」
いきなり本題を聞かれた有利は『うっ』と少し言葉が詰まったが、素直に自分が小シマロンへ行った理由を話す。
「え、えっと、友達の所に遊びに行った。それだけだよ。そりゃ、ちょっとトラブルはあったけど…」
「人間などの治める国に、わざわざこちらから出向くなど」
「そんな言い方無いだろ!?」
ヴァルトラーナの言葉に言い返す有利に対して彼は平然と話を続けていく。
「彼らは我々とは全く異なる考えと風習を持ち、決して交わることは無い」
「交わらなくたっていいじゃん!色んな考え方があるから面白いんじゃないか!」
「!」
有利の言葉にエインはハッとなる。
「(兄様と同じ考え方…)」
『人間も魔族も変わらないだろ?
確かに考え方や風習は違ってるけど、だからこそ面白いじゃないか』
『…面白い、ですか?』
『ああ。色々な考えた方や風習があるから面白い、だろ』
ふと昔、セオランが言っていた言葉を思い出したエインは少し俯く。
「(兄様…)」
「ああ」
血盟城のある一室。
そこからある者達が窓から血盟城へ戻ってきた有利を見ていた。
「ヴァルトラーナ、眉間にシワが寄ってる。そのままじゃ一生シワが取れなくなっちゃうかもよ?」
隣に立っていたエインは笑いながらヴァルトラーナを少し見上げる。
「………」
「冗談だよ、冗談。少しは笑いなよ」
思いっきり睨まれた彼は『頭固いな~』と苦笑するだけだった。
無事に血盟城に到着した有利は安心する。
「なんか血盟城に帰って来るとホッとするよな~」
背伸びをしている有利にヴォルフラムは近づく。
「ユーリ、まずは風呂にするか?食事にするか?それとも」
「わたくしめが疲労回復の揉み解しを!」
「なんでお前が出てくる!」
ヴォルフラムの言葉を遮ったギュンターに彼は怒鳴るだけだったが、彼の言葉をまた別の声が遮る。
「お帰りなさいませ、陛下」
「「「?」」」
3人は不思議そうに声があった方を見ると、そこには十貴特別貴族の面々が立っていたのだ。
「あ、ただいま…」
まさか彼らが待っているとは思っていなかった有利は驚きながらも返事をした。
だが先頭に立っていたヴァルトラーナが有利に話しかける。
「小シマロン王、サラレギーとの接触についてお聞かせ願いたい」
「あ、あの~、それは…」
話そうとする有利にデンシャムは『あ』と思い出したように言葉を遮る。
「まだいいですよ。話は円卓でゆっくりと」
「え?」
「「円卓!?」」
『円卓』という言葉を聞いた有利はきょとんとしていたが、ヴォルフラムとギュンターだけは驚いた。
「叔父上!」
「いきなりそんな過酷なっ」
驚いている2人とは反対にグウェンダルだけはいつもと変わらない表情でもあり、うっすらと笑みまで浮かべていた。
「円卓はすでに動き出す、か…。仕方あるまい」
「だからエイン叔父様達が来てたんだな」
先頭として立っているヴァルトラーナ達から少し離れた所にアスタルテ家の当主であるエイン、隣にはディオネ家当主のウィリアムが立っていた。
「おわっ!」
突然有利の焦った声が聞こえてくると、数人の兵が有利を抱えて城の中へと入って行ったのだ。
「な、なんだ!?なんだよ、おお降ろして~!」
「陛下、頑張ってくださいね」
「十貴特別貴族会議をを開催する!」
こうして会議を行う部屋へとその他の当主達も向かって行った。
「え、え~っと、円卓って、こういう形だったんだ」
有利は丸くなった机の間にある椅子に座っているが、他の貴族達はその机を囲むように座っていた。
重苦しい空気に有利は場を和ませようと色々と話していても、結局は空回りとなって終わっていまう。
「…えっと、おれもそっちの席の方がいいかな~、なんて…」
ガチャリ
「ええぇ!?」
立とうとした瞬間、椅子からベルトのような物が現れると有利の両手首、足首を縛りつけ椅子に座らせたが、さすがの彼も驚くだけだった。
「申し訳ございません、陛下」
言い難そうにギュンターは苦笑しながら、なぜその椅子にそんな仕組みがあるのかを説明する。
「実は前魔王ツェリ様があまりにも頻繁に逃亡、あ、いえ中座されたままお戻りにならなかった為その様な措置を…」
「そんな…」
さすがのツェリだと言うべきなのか、それを聞いて有利はただ苦笑するしか出来なかった。
「なんか、皆がおれを見てるし、居心地悪いんだけど…、お?」
有利が気づいた先にあったのは一席に置いてある砂熊のぬいぐるみだった。
「それは、欠席のフォングランツ卿の代理です」
「ふ~ん」
「こちらに一報が届いておりますので読み上げます。『え~、本日は御前会議の召集おめでとうございます。』」
フォングランツ卿から届いた手紙を読み始めたギュンターだったが、あまりにも長い手紙だったらしい。
黙って聞いていた有利はこっくりと頭を揺らしながら眠っていた。
ガタ
「? わぁっ」
眠っていた有利は椅子から何かの音がするのに気づくと、突然ガタンとデンシャムが座っている方向へ椅子が回り出した。
「…ははは。へ?おわ!」
何も言えなかった有利は作り笑いをしたが、また椅子が周りだし今度はシュトッフェルの前に来る。
「申し訳ありません陛下」
ギュンターの声が聞こえてくると、椅子はシュトッフェルからギュンターの方へ向きが変わる。
「実は、前魔王ツェリ様が…」
「またツェリ様が?」
「はい。美しい者の顔しか、あ、いえ…、一定の方向しかご覧にならなかった為、改造いたしました」
「ハア、ツェリ様ぁ…」
もう笑う事も出来ない有利はただ呆れるだけであり、ガックリと肩を落とす。
「では本題に入ろう」
「うおっ」
また椅子が回り出し、今度はヴァルトラーナの方へ向く。
「小シマロンと我々の了解も無く接触された件について」
いきなり本題を聞かれた有利は『うっ』と少し言葉が詰まったが、素直に自分が小シマロンへ行った理由を話す。
「え、えっと、友達の所に遊びに行った。それだけだよ。そりゃ、ちょっとトラブルはあったけど…」
「人間などの治める国に、わざわざこちらから出向くなど」
「そんな言い方無いだろ!?」
ヴァルトラーナの言葉に言い返す有利に対して彼は平然と話を続けていく。
「彼らは我々とは全く異なる考えと風習を持ち、決して交わることは無い」
「交わらなくたっていいじゃん!色んな考え方があるから面白いんじゃないか!」
「!」
有利の言葉にエインはハッとなる。
「(兄様と同じ考え方…)」
『人間も魔族も変わらないだろ?
確かに考え方や風習は違ってるけど、だからこそ面白いじゃないか』
『…面白い、ですか?』
『ああ。色々な考えた方や風習があるから面白い、だろ』
ふと昔、セオランが言っていた言葉を思い出したエインは少し俯く。
「(兄様…)」