苦い別れ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
サラレギーが有利を庇った為に矢を討たれた事により、有利はその場で魔王となり大シマロンの軍をその場から退かせたのだった。
小シマロンの城へ戻ってきた彼らだったが、有利はベットで今だ眠っている。
「心配はないよ。少し、力を使いすぎただけだから」
「あれが少しか?」
「坊ちゃんの力には毎度毎度驚かされますが、今回はいつもと様子が違っていた様に思いますね。…サラレギー陛下の容体は?」
ヨザックの質問にギュンターは首を横に振る。
「分かりません」
「一応、矢は紙一重で心臓から外れてたけどな」
「セルセ」
部屋に設置されているイスに座っている双子は布で顔などについた血をふき取っていたのだ。
だがセルセはどこか難しそうな顔で少し俯いていた。
「(偶然だったとホッとするべきなのか、初めから殺す気が無かったのか、分からないな…)」
「ユーリを、庇って…」
「……」
サラレギーが矢を受けたのは有利を庇った為だった。
だからこそヴォルフラム達も戸惑いが隠せないでいたのだ。
「…っ」
すると今まで眠っていた有利は目を覚ます。
「ユーリ!」
「陛下!」
ヴォルフラムとギュンターはベットに身を乗り出した。
「あ、れ…」
有利は少しボーっとしながら上体を起こすと、健は少し笑いながら話しかける。
「渋谷、ここがどこだか分かるかい?」
「あ…」
健に言われ有利は自分がいる場所を見渡してから小さく『うん』と頷く。
「気分はどうですか?陛下」
「…なんとか」
自分の胸にあて有利はそう呟くと突然ハッとなる。
「サラ!サラは…?」
「無事だよ。あの時双子がすぐに応急処置をしてくれたおかげでね」
「双子が?」
驚いた有利は少し離れて座っている双子を見ると、健は笑いながら双子が何をしたのかを簡単に説明する。
「ああ。傷が閉じて抜けなくなる前にセルセが矢を抜いた瞬間、アリアが自分が来てる服で布衣術を使って止血してくれたんだよ」
大シマロンがいなくなった後、すぐに健達は2人の元へ駆け寄った。
少し遅れながらも双子も側に寄るとアリアは自分がいつも来ている上着を脱ぎ地面に置く。
『セルセ、サラレギー陛下をここに』
『ああ』
セルセはすぐにサラレギーを抱えると、地面に敷かれたアリアの上着の上にゆっくりと降ろす。
上着の端と端を掴み傷の上でゆったりとクロスさせる。
『俺が矢を抜くからな』
『分かってる。でも早くして、肉がふさがって矢が抜けなくなる前に』
『ああ…』
セルセが矢を掴んだ瞬間に思いっきり引き抜くと、その時にサラレギーの血が双子の顔や髪の毛、服などに付着しても気にしなかった。
矢が抜かれたと同時にアリアは布衣術を使い彼の体を締め、これ以上血が出ないように布で応急処置を行った。
そしていったん血が止まったのを確認してから彼を有利を小シマロンの城へ戻し、ちゃんとして治療をしてもらったのだった。
だから双子は布で顔などを拭き取っていたのだ。
それを聞いた有利は少しホッとしたらしいが、すぐにベットから立ち上がろうとする。
「行かなきゃ…あ、」
「坊ちゃん!」
「まだ無理です!さ、横になって」
突然動いた為に有利は少しふらついてしまったが、すぐにギュンターが受け止めた。
「でも、サラの所に行かなくっちゃ…。おれの所為で、おれを庇ってサラは…!」
「サラレギー陛下も今はお休みになっています」
「あ、」
それでも行こうとする有利にコンラートは優しい表情で話しかける。
「俺が様子を見てきます。待っていてください」
「コンラッド…」
コンラートが様子を見に行くという事で有利は大人しくなり、彼は隣に立っているヴォルフラムを見る。
「ヴォルフラム、陛下を見てて差し上げてくれ」
「言われなくても分かっている」
それを聞くとコンラートはサラレギーの元へ様子を見に行ったのだった。
そしてしばらくするとコンラートが戻り、ちょうど彼も目を覚ましたらしく少しの時間だったら面会も大丈夫だと許可を貰ってきたのだ。
有利はコンラートの肩を借りながらサラレギーの寝室へと赴く。
「サラ…」
有利はベットで横になっているサラレギーの元へ寄ると、彼の胸には包帯が巻かれていた。
「ごめん、サラ。おれを、おれを庇って…こんな…」
「ユーリも、わたしを助けてくれた…。当然の事をしただけだよ…」
サラレギーの優しい言葉に有利はギュッと彼の手を握る。
「大シマロン軍は撤退した…。今なら脱出できるはずだ…」
「え、」
「船の用意は出来ている。夜が明けないうちに出発した方がいい…」
「そんな…っ」
怪我を負っている彼を置いて帰るなんて出来ないと言おうとした有利だったが、背後から『そうだね』とサラレギーに同意する声が聞こえてくる。
「え?」
振り返った有利の先には一緒に来ていた健が話を続けていく。
「これ以上、僕達がここにいても迷惑をかけるだろうし」
「でも、サラは…っ」
心配な顔で健からサラレギーの方を見る。
「わたしなら大丈夫。ユーリは何も心配しないで…」
「でも…」
それでも心配している有利ににサラレギーは変わらない優しい口調で彼を慰めるように話をしていく。
事態が変化しているが故に有利は小シマロンにいない方がいいと。
「わたしの為にも…、」
「サラ…」
サラレギーの為にもと言われてしまった有利は頷く事しか出来なかったのだ。
小シマロンの城へ戻ってきた彼らだったが、有利はベットで今だ眠っている。
「心配はないよ。少し、力を使いすぎただけだから」
「あれが少しか?」
「坊ちゃんの力には毎度毎度驚かされますが、今回はいつもと様子が違っていた様に思いますね。…サラレギー陛下の容体は?」
ヨザックの質問にギュンターは首を横に振る。
「分かりません」
「一応、矢は紙一重で心臓から外れてたけどな」
「セルセ」
部屋に設置されているイスに座っている双子は布で顔などについた血をふき取っていたのだ。
だがセルセはどこか難しそうな顔で少し俯いていた。
「(偶然だったとホッとするべきなのか、初めから殺す気が無かったのか、分からないな…)」
「ユーリを、庇って…」
「……」
サラレギーが矢を受けたのは有利を庇った為だった。
だからこそヴォルフラム達も戸惑いが隠せないでいたのだ。
「…っ」
すると今まで眠っていた有利は目を覚ます。
「ユーリ!」
「陛下!」
ヴォルフラムとギュンターはベットに身を乗り出した。
「あ、れ…」
有利は少しボーっとしながら上体を起こすと、健は少し笑いながら話しかける。
「渋谷、ここがどこだか分かるかい?」
「あ…」
健に言われ有利は自分がいる場所を見渡してから小さく『うん』と頷く。
「気分はどうですか?陛下」
「…なんとか」
自分の胸にあて有利はそう呟くと突然ハッとなる。
「サラ!サラは…?」
「無事だよ。あの時双子がすぐに応急処置をしてくれたおかげでね」
「双子が?」
驚いた有利は少し離れて座っている双子を見ると、健は笑いながら双子が何をしたのかを簡単に説明する。
「ああ。傷が閉じて抜けなくなる前にセルセが矢を抜いた瞬間、アリアが自分が来てる服で布衣術を使って止血してくれたんだよ」
大シマロンがいなくなった後、すぐに健達は2人の元へ駆け寄った。
少し遅れながらも双子も側に寄るとアリアは自分がいつも来ている上着を脱ぎ地面に置く。
『セルセ、サラレギー陛下をここに』
『ああ』
セルセはすぐにサラレギーを抱えると、地面に敷かれたアリアの上着の上にゆっくりと降ろす。
上着の端と端を掴み傷の上でゆったりとクロスさせる。
『俺が矢を抜くからな』
『分かってる。でも早くして、肉がふさがって矢が抜けなくなる前に』
『ああ…』
セルセが矢を掴んだ瞬間に思いっきり引き抜くと、その時にサラレギーの血が双子の顔や髪の毛、服などに付着しても気にしなかった。
矢が抜かれたと同時にアリアは布衣術を使い彼の体を締め、これ以上血が出ないように布で応急処置を行った。
そしていったん血が止まったのを確認してから彼を有利を小シマロンの城へ戻し、ちゃんとして治療をしてもらったのだった。
だから双子は布で顔などを拭き取っていたのだ。
それを聞いた有利は少しホッとしたらしいが、すぐにベットから立ち上がろうとする。
「行かなきゃ…あ、」
「坊ちゃん!」
「まだ無理です!さ、横になって」
突然動いた為に有利は少しふらついてしまったが、すぐにギュンターが受け止めた。
「でも、サラの所に行かなくっちゃ…。おれの所為で、おれを庇ってサラは…!」
「サラレギー陛下も今はお休みになっています」
「あ、」
それでも行こうとする有利にコンラートは優しい表情で話しかける。
「俺が様子を見てきます。待っていてください」
「コンラッド…」
コンラートが様子を見に行くという事で有利は大人しくなり、彼は隣に立っているヴォルフラムを見る。
「ヴォルフラム、陛下を見てて差し上げてくれ」
「言われなくても分かっている」
それを聞くとコンラートはサラレギーの元へ様子を見に行ったのだった。
そしてしばらくするとコンラートが戻り、ちょうど彼も目を覚ましたらしく少しの時間だったら面会も大丈夫だと許可を貰ってきたのだ。
有利はコンラートの肩を借りながらサラレギーの寝室へと赴く。
「サラ…」
有利はベットで横になっているサラレギーの元へ寄ると、彼の胸には包帯が巻かれていた。
「ごめん、サラ。おれを、おれを庇って…こんな…」
「ユーリも、わたしを助けてくれた…。当然の事をしただけだよ…」
サラレギーの優しい言葉に有利はギュッと彼の手を握る。
「大シマロン軍は撤退した…。今なら脱出できるはずだ…」
「え、」
「船の用意は出来ている。夜が明けないうちに出発した方がいい…」
「そんな…っ」
怪我を負っている彼を置いて帰るなんて出来ないと言おうとした有利だったが、背後から『そうだね』とサラレギーに同意する声が聞こえてくる。
「え?」
振り返った有利の先には一緒に来ていた健が話を続けていく。
「これ以上、僕達がここにいても迷惑をかけるだろうし」
「でも、サラは…っ」
心配な顔で健からサラレギーの方を見る。
「わたしなら大丈夫。ユーリは何も心配しないで…」
「でも…」
それでも心配している有利ににサラレギーは変わらない優しい口調で彼を慰めるように話をしていく。
事態が変化しているが故に有利は小シマロンにいない方がいいと。
「わたしの為にも…、」
「サラ…」
サラレギーの為にもと言われてしまった有利は頷く事しか出来なかったのだ。