作戦決行
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「…っ」
「気がついたか、アリア」
「……セルセ…?」
アリアが目を覚ました時、目の前にいたのはセルセだった。
「気分はどうだ?」
「…だいぶ、」
先ほどまで顔色が悪かった事は一目見てすぐにわかる程だったが今はすっきりした様子でセルセもホッとする。
横になっていた体を上体だけ起こし、アリアは周りを見渡す。
「……あれ?有利達は?」
周りに誰1人いない事に気づいたのだ。
セルセはアリアの問いにああ、と思い出したように簡単に説明する。
「ユーリ達は作戦決行って事で出てった」
「え?」
「つまり俺達は留守番」
「……留守番?」
「そ、留守番」
淡々と話す彼にアリアはキョトンとなった。
「私達だけ留守番って事?」
「ああ。さすがにお前1人をここに残していくのはって事で、俺が一緒に残った」
『―って事でいいかい?』
『ああ!それならサラを助ける事が出来るよ!』
健から作戦を聞いた有利はガッツポーズをするように大賛成した。
『問題はアリアをどうするか、だよ』
『あ…』
『さすがにこれ以上アリアに無茶させるわけにはいかないからね』
もしまたどちらかに連れて行っても、どっちも大変な事には変わらず母子ともに大変な事になってしまうかもしれない。
『…アリアはここに残していく』
どうしようかと思っている時に話したのはセルセだった。
有利達は驚いて彼を見るが、セルセは全く気にせずに話を続けていく。
『こいつにこれ以上無理はさせられない。ならここに置いていくしかないだろう?』
『でも、アリア1人置いていくなんて…っ』
眞魔国ならまだしも、ここは小シマロンであり王であるサラレギーに対して謀反を起こしている人達もいる危険な場所には変わらない。
そんな中で彼女1人を宿に残して行く事は出来ないのだ。
『だから、俺もここに残る』
『え?』
『俺も一緒に残る。もし何かあっても俺なら戦えるし、こいつ1人なら連れて逃げる事もできる。だろ?』
笑いながらセルセは隣にいるコンラートを見る。
『俺が残るならお前だって安心できるんじゃねーのか?』
『セルセ…、任せていいか?』
『もっちろん♪それにヨザの言葉を借りるわけじゃないけど、親友の為ならそれぐらいやってのけれるぞ。
それに、今のこいつの体は自分1人じゃないんだからさ』
それでも双子の事が心配な有利は何か言おうとしたが、それを健が止める。
『渋谷、ここはセルセに任せよう』
『でも…』
『何かあっても彼ならきっと上手く対応できるよ』
そう言われ有利は何とか納得し、アリアの事を彼に頼み作戦決行をする為に宿を出て行った。
「ってわけ」
どんな話し合いをしていたのかを聞いたアリアは納得したように、もう一度ベットに上体を倒して溜め息をつく。
「やっぱり私は当分は眞魔国から出ない方がいいかもね」
「…そうだな。せめて子どもが生まれてからだろうな、こうやって無茶するのも」
妊娠前なら簡単に対応できるし、今回みたいに倒れるなんて事はなかったはずだ。
今回の事でコンラートだけでなく有利達にも心配をかけてしまった事にアリアは珍しく責任を感じてしまい、当分は眞魔国を、そして血盟城から出ない方がいいかもしれないと思ったのだ。
「で、健が考えた作戦って?」
まだ作戦を聞いていなかった事を思い出し尋ねる。
「そうそう、猊下が考えた作戦っていうのは猊下はギュンターを連れて城から離れる様に逃げる」
「…それって、健が双黒だから?」
「辺り。双黒なら兵は魔王だと思い、追いかけるから城は手薄になる。その間に有利はコンラート達を連れてサラレギー陛下を助けに城へ戻るっていう作戦」
「なるほどね」
健らしい作戦だ、と苦笑する。
「まあな。作戦が上手く終わったら迎えに来るってよ」
「…そう。今は大人しく待ってる事しか出来ないって事ね…」
「…もどかしいけどな」
そう言って2人は窓から晴れわたる空を眺めていた。
「あ、そうそう。もう1つ言い忘れてた事があった」
「?」
何かを思い出したセルセはポンッと手を叩いた。
「コンラートからの伝言。『決して無茶をしないように』ってさ」
「………」
「本っ当、俺らの性格を理解してるよな。コンラートもヨザも」
時に有利以上無理をする事がある双子の性格を誰よりも理解しているのは幼馴染でもあるコンラートとヨザックの2人でもある。
先に釘を打たれたアリアは言葉がつまり何も言えなかったとさ。
「気がついたか、アリア」
「……セルセ…?」
アリアが目を覚ました時、目の前にいたのはセルセだった。
「気分はどうだ?」
「…だいぶ、」
先ほどまで顔色が悪かった事は一目見てすぐにわかる程だったが今はすっきりした様子でセルセもホッとする。
横になっていた体を上体だけ起こし、アリアは周りを見渡す。
「……あれ?有利達は?」
周りに誰1人いない事に気づいたのだ。
セルセはアリアの問いにああ、と思い出したように簡単に説明する。
「ユーリ達は作戦決行って事で出てった」
「え?」
「つまり俺達は留守番」
「……留守番?」
「そ、留守番」
淡々と話す彼にアリアはキョトンとなった。
「私達だけ留守番って事?」
「ああ。さすがにお前1人をここに残していくのはって事で、俺が一緒に残った」
『―って事でいいかい?』
『ああ!それならサラを助ける事が出来るよ!』
健から作戦を聞いた有利はガッツポーズをするように大賛成した。
『問題はアリアをどうするか、だよ』
『あ…』
『さすがにこれ以上アリアに無茶させるわけにはいかないからね』
もしまたどちらかに連れて行っても、どっちも大変な事には変わらず母子ともに大変な事になってしまうかもしれない。
『…アリアはここに残していく』
どうしようかと思っている時に話したのはセルセだった。
有利達は驚いて彼を見るが、セルセは全く気にせずに話を続けていく。
『こいつにこれ以上無理はさせられない。ならここに置いていくしかないだろう?』
『でも、アリア1人置いていくなんて…っ』
眞魔国ならまだしも、ここは小シマロンであり王であるサラレギーに対して謀反を起こしている人達もいる危険な場所には変わらない。
そんな中で彼女1人を宿に残して行く事は出来ないのだ。
『だから、俺もここに残る』
『え?』
『俺も一緒に残る。もし何かあっても俺なら戦えるし、こいつ1人なら連れて逃げる事もできる。だろ?』
笑いながらセルセは隣にいるコンラートを見る。
『俺が残るならお前だって安心できるんじゃねーのか?』
『セルセ…、任せていいか?』
『もっちろん♪それにヨザの言葉を借りるわけじゃないけど、親友の為ならそれぐらいやってのけれるぞ。
それに、今のこいつの体は自分1人じゃないんだからさ』
それでも双子の事が心配な有利は何か言おうとしたが、それを健が止める。
『渋谷、ここはセルセに任せよう』
『でも…』
『何かあっても彼ならきっと上手く対応できるよ』
そう言われ有利は何とか納得し、アリアの事を彼に頼み作戦決行をする為に宿を出て行った。
「ってわけ」
どんな話し合いをしていたのかを聞いたアリアは納得したように、もう一度ベットに上体を倒して溜め息をつく。
「やっぱり私は当分は眞魔国から出ない方がいいかもね」
「…そうだな。せめて子どもが生まれてからだろうな、こうやって無茶するのも」
妊娠前なら簡単に対応できるし、今回みたいに倒れるなんて事はなかったはずだ。
今回の事でコンラートだけでなく有利達にも心配をかけてしまった事にアリアは珍しく責任を感じてしまい、当分は眞魔国を、そして血盟城から出ない方がいいかもしれないと思ったのだ。
「で、健が考えた作戦って?」
まだ作戦を聞いていなかった事を思い出し尋ねる。
「そうそう、猊下が考えた作戦っていうのは猊下はギュンターを連れて城から離れる様に逃げる」
「…それって、健が双黒だから?」
「辺り。双黒なら兵は魔王だと思い、追いかけるから城は手薄になる。その間に有利はコンラート達を連れてサラレギー陛下を助けに城へ戻るっていう作戦」
「なるほどね」
健らしい作戦だ、と苦笑する。
「まあな。作戦が上手く終わったら迎えに来るってよ」
「…そう。今は大人しく待ってる事しか出来ないって事ね…」
「…もどかしいけどな」
そう言って2人は窓から晴れわたる空を眺めていた。
「あ、そうそう。もう1つ言い忘れてた事があった」
「?」
何かを思い出したセルセはポンッと手を叩いた。
「コンラートからの伝言。『決して無茶をしないように』ってさ」
「………」
「本っ当、俺らの性格を理解してるよな。コンラートもヨザも」
時に有利以上無理をする事がある双子の性格を誰よりも理解しているのは幼馴染でもあるコンラートとヨザックの2人でもある。
先に釘を打たれたアリアは言葉がつまり何も言えなかったとさ。