避難所
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ヨザックが用意した宿へ到着してすぐにセルセは空いているベットにアリアを寝かせる。
ベットに横になれたおかげが、少し落ち着きはしたが今だ息は少し荒かった。
「……」
眠っているアリアの額に触れながらセルセは少し落ち着いた事にホッとしていた。
「セルセ、アリアはどうなのだ?」
同じ様に心配しているヴォルフラム達にセルセは大丈夫だという事を説明する。
「さっき城にいた時よりは少しだけ落ち着いてきた」
「なら、」
「だがまだ息は荒いから、注意しておかないと…」
完全に安心したわけではないという事をしっかりと伝えた。
そして日が沈み辺りが暗くなってから少し経った時だった。
「コンラッド」
無事にコンラートが城から脱出して宿へたどり着いた事に有利はホッと安心する。
「陛下、猊下、ご無事で。追手を撒くのに手間取りました」
「ご苦労様」
「セルセ、ヨザック、アリアは?」
コンラートは有利と健が無事だと分かると隣に立っている2人を見る。
セルセは神妙な顔で後ろにあるベットに視線を移し、静かに眠っているアリアをコンラートに見せる。
「アリアっ」
コンラートはすぐにアリアに元へ寄りベットへ腰かけると、眠っている彼女の頬を手の甲で優しく触れる。
「いつから?」
「ヨザと来た時はそんなに。だが敵を大体倒した後に、突然苦しみだしてその場に座り込んだんだよ」
だから城では殆どセルセがアリアを抱えて走っていたのだ。
「……そうか」
別れた後の事を聞いたコンラートは話を聞き終えると目の前にいるセルセを見上げる。
「ありがとう、すまなかったな」
「別に。俺の妹だもん」
コンラートに感謝されたが、実際セルセにとっては双子の妹であり家族だからこそ守っただけであり、その事に対して感謝される事もないのだ。
セルセにとっては当然の事をしただけだと思っているからだ。
アリアの状態も分かり、全員が少しホッとしていると有利は不思議そうに首を傾げる。
「でも、こんなに近くて大丈夫なのか?」
「相手の裏をかくのさ。でも、警備責任者が謀反の張本人じゃ、簡単に城を抑えられるはずだ」
城で起こった事を調べたヨザックは詳しい事を有利達に説明し始める。
「あの時、警備の為だとか言われて多くの小シマロン兵が城の外へ出されていました。あれは自分の兵だけで城の中を掌握する為の計略だったんですね」
「ゲラルド…。将軍の地位にありながら、王を裏切るとは。ともかく我々は一刻も早くここを離れて…」
「いや」
ギュンターの言葉を遮った有利は真剣な顔つきだった。
「それは出来ない」
その言葉を聞きヴォルフラムは両手でテーブルを叩く。
「ちょっと待て。お前まさか!」
「サラを助けなきゃ」
「バカな事を言うな!これは小シマロンの問題だ。我々がこれ以上深入りする必要は無い!」
ヴォルフラムの言葉に俯いた有利を見て健は少し言い難そうな表情になる。
「渋谷、君の気持ちも分かるけど…、今はアリアの事もちゃんと考えないと」
「……」
健の言葉に有利は振り返りベットに今だ眠っているアリアを見ると何も言えなくなってしまう。
「ユーリ!」
「陛下、どうかもう一度お考え直し下さい。我々がこれ以上干渉しては…」
「渋谷…、今回はさすがに僕もマズイと思うよ」
3人が心配している様子を見た有利はぼそりと呟き始める。
「おれって、本当恵まれてるよね」
「「!」」
「ユーリ?」
有利が言った言葉にコンラートとヨザック、セルセは驚きながらも有利を見る。
「おれみたいな普通の高校生が曲がりなりにも王様をやれてるのって、皆がおれを支えてくれてるからだもんな。本当に、おれの事心配してくれる」
自分の力だけでなく、他の者達がいるから有利は魔王をやっていけるという事を彼はちゃんと理解している。
皆がいてくれるおかでもあり、そして本当に心配してくれているという事が分かっているからだ。
「当たり前だ。僕はお前の婚約者だぞ」
「わたくしは心の底から陛下をお慕いしております」
「大事じゃなかったらこんな所まで来ないって」
「ま、坊ちゃんは俺の大のお気に入りですがねー」
「陛下」
全員が本当に有利を大事にしていると分かると有利は嬉しそうに笑う。
「おれも、皆が大好きだよ。でもサラレギーには…、おれはサラと一緒にいるって約束した。
どんなに辛い事があったって、信じられるものが必ずあるって事をおれが証明してみせる」
有利の真剣な言葉を聞いたヨザックは笑う。
「…こりゃあいい。俺、友達の為に無茶な事するのは得意ですよ」
そして笑いながら隣に立っているコンラートとセルセを見るとコンラートは笑い、セルセはどこか呆れつつも嬉しそうに笑う。
「そうだな」
「納得…」
「ハア。ま、こうなるんじゃないかと思ったよ」
いくらダメだと言っても有利は聞かないという事を理解していた健は溜め息をついてからギュンターを見る。
「ねえ、フォンクライスト卿」
「はい、猊下」
「僕と一緒に逃げてくれる?」
「は?」
まさかの頼み事にギュンターは驚くだけだった。
こうして作戦が開始された。
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(2011/01/05)
(re:2017/05/21,2024/07/11)
ベットに横になれたおかげが、少し落ち着きはしたが今だ息は少し荒かった。
「……」
眠っているアリアの額に触れながらセルセは少し落ち着いた事にホッとしていた。
「セルセ、アリアはどうなのだ?」
同じ様に心配しているヴォルフラム達にセルセは大丈夫だという事を説明する。
「さっき城にいた時よりは少しだけ落ち着いてきた」
「なら、」
「だがまだ息は荒いから、注意しておかないと…」
完全に安心したわけではないという事をしっかりと伝えた。
そして日が沈み辺りが暗くなってから少し経った時だった。
「コンラッド」
無事にコンラートが城から脱出して宿へたどり着いた事に有利はホッと安心する。
「陛下、猊下、ご無事で。追手を撒くのに手間取りました」
「ご苦労様」
「セルセ、ヨザック、アリアは?」
コンラートは有利と健が無事だと分かると隣に立っている2人を見る。
セルセは神妙な顔で後ろにあるベットに視線を移し、静かに眠っているアリアをコンラートに見せる。
「アリアっ」
コンラートはすぐにアリアに元へ寄りベットへ腰かけると、眠っている彼女の頬を手の甲で優しく触れる。
「いつから?」
「ヨザと来た時はそんなに。だが敵を大体倒した後に、突然苦しみだしてその場に座り込んだんだよ」
だから城では殆どセルセがアリアを抱えて走っていたのだ。
「……そうか」
別れた後の事を聞いたコンラートは話を聞き終えると目の前にいるセルセを見上げる。
「ありがとう、すまなかったな」
「別に。俺の妹だもん」
コンラートに感謝されたが、実際セルセにとっては双子の妹であり家族だからこそ守っただけであり、その事に対して感謝される事もないのだ。
セルセにとっては当然の事をしただけだと思っているからだ。
アリアの状態も分かり、全員が少しホッとしていると有利は不思議そうに首を傾げる。
「でも、こんなに近くて大丈夫なのか?」
「相手の裏をかくのさ。でも、警備責任者が謀反の張本人じゃ、簡単に城を抑えられるはずだ」
城で起こった事を調べたヨザックは詳しい事を有利達に説明し始める。
「あの時、警備の為だとか言われて多くの小シマロン兵が城の外へ出されていました。あれは自分の兵だけで城の中を掌握する為の計略だったんですね」
「ゲラルド…。将軍の地位にありながら、王を裏切るとは。ともかく我々は一刻も早くここを離れて…」
「いや」
ギュンターの言葉を遮った有利は真剣な顔つきだった。
「それは出来ない」
その言葉を聞きヴォルフラムは両手でテーブルを叩く。
「ちょっと待て。お前まさか!」
「サラを助けなきゃ」
「バカな事を言うな!これは小シマロンの問題だ。我々がこれ以上深入りする必要は無い!」
ヴォルフラムの言葉に俯いた有利を見て健は少し言い難そうな表情になる。
「渋谷、君の気持ちも分かるけど…、今はアリアの事もちゃんと考えないと」
「……」
健の言葉に有利は振り返りベットに今だ眠っているアリアを見ると何も言えなくなってしまう。
「ユーリ!」
「陛下、どうかもう一度お考え直し下さい。我々がこれ以上干渉しては…」
「渋谷…、今回はさすがに僕もマズイと思うよ」
3人が心配している様子を見た有利はぼそりと呟き始める。
「おれって、本当恵まれてるよね」
「「!」」
「ユーリ?」
有利が言った言葉にコンラートとヨザック、セルセは驚きながらも有利を見る。
「おれみたいな普通の高校生が曲がりなりにも王様をやれてるのって、皆がおれを支えてくれてるからだもんな。本当に、おれの事心配してくれる」
自分の力だけでなく、他の者達がいるから有利は魔王をやっていけるという事を彼はちゃんと理解している。
皆がいてくれるおかでもあり、そして本当に心配してくれているという事が分かっているからだ。
「当たり前だ。僕はお前の婚約者だぞ」
「わたくしは心の底から陛下をお慕いしております」
「大事じゃなかったらこんな所まで来ないって」
「ま、坊ちゃんは俺の大のお気に入りですがねー」
「陛下」
全員が本当に有利を大事にしていると分かると有利は嬉しそうに笑う。
「おれも、皆が大好きだよ。でもサラレギーには…、おれはサラと一緒にいるって約束した。
どんなに辛い事があったって、信じられるものが必ずあるって事をおれが証明してみせる」
有利の真剣な言葉を聞いたヨザックは笑う。
「…こりゃあいい。俺、友達の為に無茶な事するのは得意ですよ」
そして笑いながら隣に立っているコンラートとセルセを見るとコンラートは笑い、セルセはどこか呆れつつも嬉しそうに笑う。
「そうだな」
「納得…」
「ハア。ま、こうなるんじゃないかと思ったよ」
いくらダメだと言っても有利は聞かないという事を理解していた健は溜め息をついてからギュンターを見る。
「ねえ、フォンクライスト卿」
「はい、猊下」
「僕と一緒に逃げてくれる?」
「は?」
まさかの頼み事にギュンターは驚くだけだった。
こうして作戦が開始された。
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(2011/01/05)
(re:2017/05/21,2024/07/11)