謀反
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ここが小シマロンね…」
「ああ。ま、俺らは小さな島にいたし、あんまり覚えてないけどな」
「……そうね」
家族4人で暮らしていたのは確かにこの小シマロン領内にある小島であり、暮らしていた年数も少ない。
生まれた国と言っても実感は無い双子だった。
無事宮城に到着した彼らは馬車から降りると、サラレギーに向かって1人の兵士が歩いて来る。
「陛下、御無事でしたか!賊の襲撃を受けたと聞き、今兵を出そうとしていたところでしたが…」
「心配かけてすまない、ゲラルド」
「こちらが…」
ゲラルドと呼ばれた彼はちらっと有利を見る。
「ああ。ユーリ陛下と眞魔国の方達だ。ユーリ、我が小シマロンの軍事を統括している、わたしが信頼する将軍、ゲラルドだ」
サラレギーが有利に紹介すると右手を左胸に当て軽く会釈をする。
「皆様も御無事で何よりでございます」
有利は馬車から降りると苦笑する。
「あ、ど、どうも」
紹介が終わると彼はサラレギーの方を向く。
「城の警備は万全です。念の為、城下にも兵を配置しようと思いますが…」
「任せたぞ、ゲラルド」
「は!ではっ」
また軽く会釈してから彼はその場から走り去って行くと、その後ろ姿を見ていた有利にサラレギーは笑顔で話しかける。
「彼に任せておけば心配は無いよ。さ、部屋に案内しよう」
「ああ」
2人を先頭にアリア達も城の中へと歩いて行く。
城の廊下を歩いていると有利はある事に気づき、自分の後ろを歩いているコンラートと双子に小さな声で話しかける。
「ねえ、コンラッド、双子、ヨザックは?」
「さあ、どこへ行ったのか」
「ん?ああ、なるほど。お庭番は別行動か。さすがと言うか何と言うか…」
コンラートの意味深な笑顔を見たからか、有利は納得するとそれを聞いていた双子はクスリと笑う。
「町で女の子に声をかけてたりして」
「アイツに限ってそれはねーよ」
「やっぱり?」
などと話していたが、コンラートと双子の後ろを歩いているギュンターがサラレギーに話しかける。
「国内に謀反を起こそうとしている者がいるとのお話でしたが、」
「眞魔国との同盟に反対の者達がいてね。説得出来ないものかと思っているのだが…」
「そうまでして同盟を結びたいのか?」
「そのようだね」
歩いていると、有利は何かを見つけたらしく立ち止まり見上げる。
「あ、これ…」
有利が見ていた一枚の肖像画に気づいたサラレギーは『父だよ』と一言だけ説明したが、それを見たギュンターは彼について詳しく説明し始める。
「前王ギルバルト陛下ですね。小シマロンの自治を大シマロンに認めさせた方です」
「そういえば、前から気になってたんだよなー。大シマロンと小シマロンって、元々1つの国だったんだよね?」
「シマロンはとても大きな国で、それぞれの地方をその土地に豪族達が治めていたのです」
「じゃあ、双子達はその時は…」
双子の話では生まれた国は小シマロンだと聞いていた。
「俺達の時はまだ独立する前だけどな」
「まあ、この辺りで暮らしてたって事だから、一応小シマロン出身って思ってるけど?」
なんせ子どもの頃だからあまり記憶にないのも本当にそうなのかも不安でもあったが、母親にこの辺りだと聞いた事があったのだ。
「元々、我が王家はその豪族の1つ。20年前、魔族と人間との戦争にも参戦した」
「魔族と人間の戦争って…、あの?」
有利は双子達を見ると何も言わずに彼らは肯定するように頷いた。
「コンラッドとセルセも行ってたんだよな。…そっか、サラのお父さん達との戦争だったんだ…」
「…哀しい歴史だ。魔族への恨みを未だに抱いている者もいる。その様な者が同盟に反対を…」
「けど、だからこそ、おれ達がしっかりしなくちゃいけないんだと思う。
その為に、仲直りする為にここに来たんだからさ」
その言葉にコンラートはええ、と頷くと、同じ様にセルセも同意する。
「ま、その方が俺達も嬉しいしな」
「反対している人達にも分かってもらえるように頑張ろう、サラ!」
「ユーリ…。…そうだね、父もきっとそれを望んでいると思うよ」
有利を見ていたサラレギーはもう一度父親の肖像画を見上げる。
「父は戦場では勇猛果敢、城内では家臣の信頼も厚く、領民からも広く慕われていた…」
「へぇ~、立派な人だったんだ」
「でも、そんな父が2年前に亡くなって、一部の者達が暴走し、禁忌の箱を…。
全てはわたしの責任だ…。わたしが、王として未熟だったばっかりに…」
哀しそうな表情をなったサラレギーは少し俯いてしまったが、有利はそんな事ないと彼を励ます。
「サラの所為じゃないよ!だって、王様になったばっかりだったんだろ?分からない事だっていっぱいあったろうし、そんなのって…っ」
「ありがとう」
「あ、」
有利の励ましの言葉を聞いたサラレギーは嬉しそうに彼の手を握った。
「優しいな、ユーリは」
「なあ!!??」
それを見たヴォルフラムは怒鳴り散らしてはいないが、その場で思いっきり2人を睨んでいた。
そんな中、健だけは何か不思議に思っている事がありそうなギュンターを見ていたのだった。
「ああ。ま、俺らは小さな島にいたし、あんまり覚えてないけどな」
「……そうね」
家族4人で暮らしていたのは確かにこの小シマロン領内にある小島であり、暮らしていた年数も少ない。
生まれた国と言っても実感は無い双子だった。
無事宮城に到着した彼らは馬車から降りると、サラレギーに向かって1人の兵士が歩いて来る。
「陛下、御無事でしたか!賊の襲撃を受けたと聞き、今兵を出そうとしていたところでしたが…」
「心配かけてすまない、ゲラルド」
「こちらが…」
ゲラルドと呼ばれた彼はちらっと有利を見る。
「ああ。ユーリ陛下と眞魔国の方達だ。ユーリ、我が小シマロンの軍事を統括している、わたしが信頼する将軍、ゲラルドだ」
サラレギーが有利に紹介すると右手を左胸に当て軽く会釈をする。
「皆様も御無事で何よりでございます」
有利は馬車から降りると苦笑する。
「あ、ど、どうも」
紹介が終わると彼はサラレギーの方を向く。
「城の警備は万全です。念の為、城下にも兵を配置しようと思いますが…」
「任せたぞ、ゲラルド」
「は!ではっ」
また軽く会釈してから彼はその場から走り去って行くと、その後ろ姿を見ていた有利にサラレギーは笑顔で話しかける。
「彼に任せておけば心配は無いよ。さ、部屋に案内しよう」
「ああ」
2人を先頭にアリア達も城の中へと歩いて行く。
城の廊下を歩いていると有利はある事に気づき、自分の後ろを歩いているコンラートと双子に小さな声で話しかける。
「ねえ、コンラッド、双子、ヨザックは?」
「さあ、どこへ行ったのか」
「ん?ああ、なるほど。お庭番は別行動か。さすがと言うか何と言うか…」
コンラートの意味深な笑顔を見たからか、有利は納得するとそれを聞いていた双子はクスリと笑う。
「町で女の子に声をかけてたりして」
「アイツに限ってそれはねーよ」
「やっぱり?」
などと話していたが、コンラートと双子の後ろを歩いているギュンターがサラレギーに話しかける。
「国内に謀反を起こそうとしている者がいるとのお話でしたが、」
「眞魔国との同盟に反対の者達がいてね。説得出来ないものかと思っているのだが…」
「そうまでして同盟を結びたいのか?」
「そのようだね」
歩いていると、有利は何かを見つけたらしく立ち止まり見上げる。
「あ、これ…」
有利が見ていた一枚の肖像画に気づいたサラレギーは『父だよ』と一言だけ説明したが、それを見たギュンターは彼について詳しく説明し始める。
「前王ギルバルト陛下ですね。小シマロンの自治を大シマロンに認めさせた方です」
「そういえば、前から気になってたんだよなー。大シマロンと小シマロンって、元々1つの国だったんだよね?」
「シマロンはとても大きな国で、それぞれの地方をその土地に豪族達が治めていたのです」
「じゃあ、双子達はその時は…」
双子の話では生まれた国は小シマロンだと聞いていた。
「俺達の時はまだ独立する前だけどな」
「まあ、この辺りで暮らしてたって事だから、一応小シマロン出身って思ってるけど?」
なんせ子どもの頃だからあまり記憶にないのも本当にそうなのかも不安でもあったが、母親にこの辺りだと聞いた事があったのだ。
「元々、我が王家はその豪族の1つ。20年前、魔族と人間との戦争にも参戦した」
「魔族と人間の戦争って…、あの?」
有利は双子達を見ると何も言わずに彼らは肯定するように頷いた。
「コンラッドとセルセも行ってたんだよな。…そっか、サラのお父さん達との戦争だったんだ…」
「…哀しい歴史だ。魔族への恨みを未だに抱いている者もいる。その様な者が同盟に反対を…」
「けど、だからこそ、おれ達がしっかりしなくちゃいけないんだと思う。
その為に、仲直りする為にここに来たんだからさ」
その言葉にコンラートはええ、と頷くと、同じ様にセルセも同意する。
「ま、その方が俺達も嬉しいしな」
「反対している人達にも分かってもらえるように頑張ろう、サラ!」
「ユーリ…。…そうだね、父もきっとそれを望んでいると思うよ」
有利を見ていたサラレギーはもう一度父親の肖像画を見上げる。
「父は戦場では勇猛果敢、城内では家臣の信頼も厚く、領民からも広く慕われていた…」
「へぇ~、立派な人だったんだ」
「でも、そんな父が2年前に亡くなって、一部の者達が暴走し、禁忌の箱を…。
全てはわたしの責任だ…。わたしが、王として未熟だったばっかりに…」
哀しそうな表情をなったサラレギーは少し俯いてしまったが、有利はそんな事ないと彼を励ます。
「サラの所為じゃないよ!だって、王様になったばっかりだったんだろ?分からない事だっていっぱいあったろうし、そんなのって…っ」
「ありがとう」
「あ、」
有利の励ましの言葉を聞いたサラレギーは嬉しそうに彼の手を握った。
「優しいな、ユーリは」
「なあ!!??」
それを見たヴォルフラムは怒鳴り散らしてはいないが、その場で思いっきり2人を睨んでいた。
そんな中、健だけは何か不思議に思っている事がありそうなギュンターを見ていたのだった。