小シマロンへの招待
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ある日の眞魔国。
有利達は血盟城から離れ、草原の方へ赴いていた。
空には骨飛族が飛んでおり、近くには兵達が陽気な音楽を鳴らしていた。
すると一匹の動物が草むらから出て来たのを見つけるとグウェンダルは、自分の近くにいる一匹の骨飛族に命令する。
「行け」
グウェンダルに命令された骨飛族は、動物を見失う前に両手で捕まえグウェンダル達の元へ戻って来ると彼に手渡す。
「さすが兄上。良い獲物ですね」
グウェンダルが受け取った動物を見てヴォルフラムは喜んでいても、それを側で見ていた有利は首を傾げる。
「えっと~、これって…」
「骨飛族狩りは眞魔国の貴族のたしなみだよ」
「鷹狩りじゃないのかよ」
健の説明に有利は小さくため息をつく。
「76ポロリンです」
ギュンターとダカスコス、リュイはグウェンダルが取った獲物の重さを量り終えると、ギュンターはグウェンダルに捕まえた動物を手渡す。
「今のところ、グウェンダルの物が1番です。さすが骨飛族狩りの名手ですね」
「久しぶりなので、まだ勘が戻らないがな」
「それと、セオラン様には敵わないでしょう?お兄様」
クスクスと笑っているピリアーチェだったが、グウェンダルは手渡された動物をジッと見てからすぐにその場に降ろして解放する。
「あっ いいの?」
解放する姿を見て有利は驚いた。
「大きさを測ったら放してやる規則なんです」
「キャッチ・アンド・リリースかよ!?」
グウェンダルの側にいたギュンターは振り返り有利に話しかける。
「さ、次は陛下の番ですよ」
「え!?おれも!?」
まさか自分もする事を思っていなかった有利は驚いていると双子は呆れながら彼を励ます。
「簡単よ。好きな骨飛族に『取って来い』って命令するだけなんだから」
「誰にだって簡単にできるからな~」
「そうなんですか…?」
実際に双子が眞魔国に来て初めて骨飛族狩りをしたが、いとも簡単に出来てしまった上に1番良い獲物を捕まえた程。
それを聞きエイルは『さすが…』と内心そう思うだけだったとか。
「さ、どうぞ」
「大物を狙え」
「うん」
決心したのか有利は先ほどまでグウェンダルがいた場所へ行き、周りを見渡しているとガサッと草むらから出て来た動物を見つける。
「お!行け、コッヒー!」
自分の上にいた骨飛族に命令をして、命令された骨飛族はサーッと飛んで行ったのだが。
「あれ?もう戻ってきたぞ」
とっても早く戻ってきたのだった。
その骨飛族は有利の上空に来ると持っていた物を彼に手渡す。
「え?早っ …っていうか何これ?」
有利が受け取ったのは1本の巻物だった。
「君が命じた骨飛族じゃないよ」
「ああ、城からの急ぎの知らせみたいだな」
有利の背後から覗きこんだセルセはそう話すと、少し離れた場所からエンギワル鳥が一斉に飛び去って行ったのだ。
「お?」
不思議そうにその音の方を見てみると有利に命令された骨飛族が獲物を連れて来た。
しかも連れて来たのは骨飛族3匹がかりで巨大であり、見ただけで凶暴さも持っている獲物だという事が分かる。
「わ――!!それ持って来なくていい!!」
焦りながら有利はすぐにそう言って連れて来た骨飛族に元居た場所へ返してくるように命令しました。
「だから、おれは行くって言ったら行く!」
「しかし陛下…、小シマロンへ行くなどと…」
城から来た急ぎの手紙には小シマロン王のサラレギーから国への招待状でもあったのだ。
それを読んだ有利は絶対に行くと言い続けていた。
「サラと約束したんだ。こうして招待状が来たんだから、おれは行く」
そう言い切った有利だが、グウェンダルから受け取った手紙を読みながら双子は呆れながらもう一度目を通す。
「大シマロンに気づかれないように、」
「しかも少人数で秘密で尋ねてきてほしいってか」
「本当に同盟を望んでいるんですの?」
「僕はそうは見えないです」
双子が手紙の内容を簡単に話すと、それを聞いたピリアーチェも呆れ疑問に思っているとエイルは即答で同意する。
いつもなら味方としてあまり否定しない4人にまでそう言われてしまい、有利は言葉を少しだけ詰まらせてしまう。
「そ、それは、小シマロンの立場が微妙だから今はまだ表だって眞魔国波動名に参加出来ないって…」
「ふんっ こちらを呼び出しておいて、捕えて大シマロンに突き出すつもりかもしれない」
ヴォルフラムの意見に有利はすぐに驚きながらも否定する。
「えぇ!?サラはそんな事しないよ!」
「信じられるか」
全く信じていないヴォルフラムだったが、アリアから受け取った手紙を読んでいた健も苦笑する。
「あちらの立場は分かるよ。先代の時に大シマロンから独立した小さな国だ。まして王はまだ若いしね」
「そうだろ?おれに出来る事があるなら何かしてあげたいんだ!」
有利の意見を聞いたグウェンダルは小さくため息をつく。
「…同情だけでは何の助けにもならん」
「だからこそ、何が出来るのか直接サラと会って話がしたいんだ!」
有利の意見を聞いた彼らはそれ以上何も言えなくなり、ただ呆れるだけだった。
「……」
「まったく…」
コンラートは何も言わず、ヴォルフラムはため息をつくだけの中、双子だけは何も言わずにただ互いを意味ありげな視線を送っていた。
「あれ?」
「どうしたんだ?村田」
手紙を読んでいた健はある文章を見て不思議そうに首を傾げた事に有利はどうしたのかと思った。
「双子は大シマロン出身じゃないのかい?」
「「え?」」
「ここにディオネを出たアスタルテの双子に謝りたい事があるって書いてあるからね」
健に言われた双子は視線を合わせてから苦笑する。
「ああ、俺達は大シマロンじゃなくて小シマロン出身なんですよ」
「その後に大シマロンへ連れ戻されてるのよ」
双子の親は駆け落ちをした時に小シマロン領内にあるフェリーア島へたどり着き、そこで暮らしながら双子を出産していた。
その為に双子の出身地は正確には小シマロンとなる。
「でも、何でサラが双子に謝りたいって…」
一度も会った事がない双子にどうして謝りたいのかが分からなかった。
「…心当たりがあるとすれば、小シマロンに母様がいるって事を報告したのは今の王であるサラレギーの祖父になるんじゃないのか?」
「え?そうなの?」
「母様は大シマロン出身だから、見つけたら報告してくれって頼まれていたと聞いた事があるから…」
だが実際にはサラレギーには関係ないはずなのに、なぜ彼が謝りたいという理由が見つからない。
双子達がいた事を大シマロン、ディオネに連絡をしたのはまだ独立をしていなかった時の小シマロン王だっただけである。
「今は関係ないから行く気ないんだけどなー」
「今さら謝られても困るしね」
呆れていた双子だったが健もそれを知って苦笑する。
「ま、相手がそう言ってきている以上、双子も一緒に行った方がいいと思うよ。アリアには少し負担がかかるかもしれないけど」
「……了解」
「分かったわ…」
健に言われたのなら仕方ないと思ったのか、双子は小さくため息をついてから承諾したのだった。
有利達は血盟城から離れ、草原の方へ赴いていた。
空には骨飛族が飛んでおり、近くには兵達が陽気な音楽を鳴らしていた。
すると一匹の動物が草むらから出て来たのを見つけるとグウェンダルは、自分の近くにいる一匹の骨飛族に命令する。
「行け」
グウェンダルに命令された骨飛族は、動物を見失う前に両手で捕まえグウェンダル達の元へ戻って来ると彼に手渡す。
「さすが兄上。良い獲物ですね」
グウェンダルが受け取った動物を見てヴォルフラムは喜んでいても、それを側で見ていた有利は首を傾げる。
「えっと~、これって…」
「骨飛族狩りは眞魔国の貴族のたしなみだよ」
「鷹狩りじゃないのかよ」
健の説明に有利は小さくため息をつく。
「76ポロリンです」
ギュンターとダカスコス、リュイはグウェンダルが取った獲物の重さを量り終えると、ギュンターはグウェンダルに捕まえた動物を手渡す。
「今のところ、グウェンダルの物が1番です。さすが骨飛族狩りの名手ですね」
「久しぶりなので、まだ勘が戻らないがな」
「それと、セオラン様には敵わないでしょう?お兄様」
クスクスと笑っているピリアーチェだったが、グウェンダルは手渡された動物をジッと見てからすぐにその場に降ろして解放する。
「あっ いいの?」
解放する姿を見て有利は驚いた。
「大きさを測ったら放してやる規則なんです」
「キャッチ・アンド・リリースかよ!?」
グウェンダルの側にいたギュンターは振り返り有利に話しかける。
「さ、次は陛下の番ですよ」
「え!?おれも!?」
まさか自分もする事を思っていなかった有利は驚いていると双子は呆れながら彼を励ます。
「簡単よ。好きな骨飛族に『取って来い』って命令するだけなんだから」
「誰にだって簡単にできるからな~」
「そうなんですか…?」
実際に双子が眞魔国に来て初めて骨飛族狩りをしたが、いとも簡単に出来てしまった上に1番良い獲物を捕まえた程。
それを聞きエイルは『さすが…』と内心そう思うだけだったとか。
「さ、どうぞ」
「大物を狙え」
「うん」
決心したのか有利は先ほどまでグウェンダルがいた場所へ行き、周りを見渡しているとガサッと草むらから出て来た動物を見つける。
「お!行け、コッヒー!」
自分の上にいた骨飛族に命令をして、命令された骨飛族はサーッと飛んで行ったのだが。
「あれ?もう戻ってきたぞ」
とっても早く戻ってきたのだった。
その骨飛族は有利の上空に来ると持っていた物を彼に手渡す。
「え?早っ …っていうか何これ?」
有利が受け取ったのは1本の巻物だった。
「君が命じた骨飛族じゃないよ」
「ああ、城からの急ぎの知らせみたいだな」
有利の背後から覗きこんだセルセはそう話すと、少し離れた場所からエンギワル鳥が一斉に飛び去って行ったのだ。
「お?」
不思議そうにその音の方を見てみると有利に命令された骨飛族が獲物を連れて来た。
しかも連れて来たのは骨飛族3匹がかりで巨大であり、見ただけで凶暴さも持っている獲物だという事が分かる。
「わ――!!それ持って来なくていい!!」
焦りながら有利はすぐにそう言って連れて来た骨飛族に元居た場所へ返してくるように命令しました。
「だから、おれは行くって言ったら行く!」
「しかし陛下…、小シマロンへ行くなどと…」
城から来た急ぎの手紙には小シマロン王のサラレギーから国への招待状でもあったのだ。
それを読んだ有利は絶対に行くと言い続けていた。
「サラと約束したんだ。こうして招待状が来たんだから、おれは行く」
そう言い切った有利だが、グウェンダルから受け取った手紙を読みながら双子は呆れながらもう一度目を通す。
「大シマロンに気づかれないように、」
「しかも少人数で秘密で尋ねてきてほしいってか」
「本当に同盟を望んでいるんですの?」
「僕はそうは見えないです」
双子が手紙の内容を簡単に話すと、それを聞いたピリアーチェも呆れ疑問に思っているとエイルは即答で同意する。
いつもなら味方としてあまり否定しない4人にまでそう言われてしまい、有利は言葉を少しだけ詰まらせてしまう。
「そ、それは、小シマロンの立場が微妙だから今はまだ表だって眞魔国波動名に参加出来ないって…」
「ふんっ こちらを呼び出しておいて、捕えて大シマロンに突き出すつもりかもしれない」
ヴォルフラムの意見に有利はすぐに驚きながらも否定する。
「えぇ!?サラはそんな事しないよ!」
「信じられるか」
全く信じていないヴォルフラムだったが、アリアから受け取った手紙を読んでいた健も苦笑する。
「あちらの立場は分かるよ。先代の時に大シマロンから独立した小さな国だ。まして王はまだ若いしね」
「そうだろ?おれに出来る事があるなら何かしてあげたいんだ!」
有利の意見を聞いたグウェンダルは小さくため息をつく。
「…同情だけでは何の助けにもならん」
「だからこそ、何が出来るのか直接サラと会って話がしたいんだ!」
有利の意見を聞いた彼らはそれ以上何も言えなくなり、ただ呆れるだけだった。
「……」
「まったく…」
コンラートは何も言わず、ヴォルフラムはため息をつくだけの中、双子だけは何も言わずにただ互いを意味ありげな視線を送っていた。
「あれ?」
「どうしたんだ?村田」
手紙を読んでいた健はある文章を見て不思議そうに首を傾げた事に有利はどうしたのかと思った。
「双子は大シマロン出身じゃないのかい?」
「「え?」」
「ここにディオネを出たアスタルテの双子に謝りたい事があるって書いてあるからね」
健に言われた双子は視線を合わせてから苦笑する。
「ああ、俺達は大シマロンじゃなくて小シマロン出身なんですよ」
「その後に大シマロンへ連れ戻されてるのよ」
双子の親は駆け落ちをした時に小シマロン領内にあるフェリーア島へたどり着き、そこで暮らしながら双子を出産していた。
その為に双子の出身地は正確には小シマロンとなる。
「でも、何でサラが双子に謝りたいって…」
一度も会った事がない双子にどうして謝りたいのかが分からなかった。
「…心当たりがあるとすれば、小シマロンに母様がいるって事を報告したのは今の王であるサラレギーの祖父になるんじゃないのか?」
「え?そうなの?」
「母様は大シマロン出身だから、見つけたら報告してくれって頼まれていたと聞いた事があるから…」
だが実際にはサラレギーには関係ないはずなのに、なぜ彼が謝りたいという理由が見つからない。
双子達がいた事を大シマロン、ディオネに連絡をしたのはまだ独立をしていなかった時の小シマロン王だっただけである。
「今は関係ないから行く気ないんだけどなー」
「今さら謝られても困るしね」
呆れていた双子だったが健もそれを知って苦笑する。
「ま、相手がそう言ってきている以上、双子も一緒に行った方がいいと思うよ。アリアには少し負担がかかるかもしれないけど」
「……了解」
「分かったわ…」
健に言われたのなら仕方ないと思ったのか、双子は小さくため息をついてから承諾したのだった。