囚われた魔王
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
宝物庫に潜入したアリア達は、白い鴉が盗んでいった宝剣を数を見て驚く。
「本当に剣ばっかり」
「こんなに集めて、奴らは何をしたいんでしょうね~」
コンラート達は一本ずつ宝剣を見ていく。
「実用的な物から装飾的な物まで、手当たり次第集めたという感じですが、」
「だからといっても、これは集めすぎだろ」
「これだけあってもまだ集めてるって事は、目的の物がこの中には無いって事だろうね」
それでも彼らは宝剣を探していく。
「でも、どうして宝剣なんだろうね?これらを売るって感じでもなさそうだし、だからと言ってコレクションって感じでもなさそう」
彼らがどうして宝剣だけを集めているのか、その理由が全く分からないのだ。
「とにかく、白い鴉がここに出入りしているのは間違いないですから、待ち伏せして、お?」
「え?」
話している最中、外から兵達が何か騒がしい事に気づく。
コンラートとセルセはすぐに剣を構える。
「侵入者だ!」
「ひっ捕らえろ!」
と、叫びながら宝物庫の前を通りすぎて行く兵達だった。
「あれ?」
「来ないな」
「見つかったのは俺達じゃない」
違う侵入者が見つかったのだろうと思うと、健もハッと思う。
「まさか…」
「有利?」
健と同じ事を考えたアリアはそう呟いたのだった。
「アンタ、お姫様を攫う悪人か?助けようとしている正義の味方か?どっちなんだ、グランツの若旦那」
「俺は攫っている様にしか見えねーけどな」
あの後、5人は宝物庫から出て体制を直そうとしている時、中庭でやたら叫んでいる声が聞こえてくる為2人だけ先回りをしていた。
「ヨザック、セルセ!」
まさか自分の目の前に2人がいた事にヴォルフラムは驚く。
「助けた方がいいですか?ヴォルフラム閣下」
「別にいいんじゃね?助けなくても」
冷たい一言が飛んできたが、ヴォルフラムはアーダルベルトに抱えられながら暴れる。
「助けろ!僕はユーリを…!」
「ヴォルフラム!」
「コンラート、アリアっ」
セルセとヨザックの後を追いかけてきたのは、アリアを抱えているコンラート、そして健の3人だった。
ヴォルフラムはアーダルベルトから離れると、ドレスの裾を持って5人に近づく。
「ユーリが!」
「やっぱり渋谷も来てるのか」
「「やっぱり…」」
自分達に近づきながら叫んでいるヴォルフラムの言葉を聞いて双子は呆れる。
「あんた等を見つける前に、逆に見つかっちまったんだよ」
すると少し離れた場所からは兵達の声が聞こえてくる。
「マズイっ」
「今は脱出しよう」
それでもヴォルフラムは有利を助けに行こうとしたが、ヨザックに腕を捕まれるとそのまま担がされた。
「了解。失礼しますよ、閣下」
「はーなーせー!ヨザック!」
「お静かに閣下」
暴れるヴォルフラムを全く気にしていないヨザックはそのまま、その場所から走って行く。
「僕達も急ごう!」
「その方がいいですね!」
その後を健とセルセが追いかけて行くが、動こうとしないコンラートにアリアは不思議に思う。
「コンラート?」
「コンラートっ」
屋敷を見ていたコンラートはアリアとアーダルベルトに名前を呼ばれると、すぐにその場から離れて行ったのだ。
無事に城から脱出したアリア達はツェリとその恋人のファンバレンが待っている屋敷へ逃れた。
一緒に屋敷のパーティーへ行っていたファンバレンは深く頭を下げる。
「申し訳ありません。わたしがユーリ陛下から離れたばかりにこんな事に…」
「貴方の所為では無いわ!わたくしが、無理を言ったから」
深く詫びるファンバレンにツェリだけでなく、アリアも健も否定する。
「そうですよ。どうせ有利が無理を言って貴方にご迷惑をお掛けしたのでは?」
「確かに、渋谷が無茶した所為でもあるからね。こういう事があるから内緒で出かけたのに、裏目に出ちゃったって事か…」
有利の行動が分かっているからこそ、黙って出てきたのに、と健は呆れるだけだった。
「コンラート!なぜユーリを助けに行かなかった!」
ヴォルフラムはコンラートの胸ぐらを掴むが、ヨザックがそれを止める。
「落ち着いて下さいって!隊長だって陛下を助けに行きたかったに決まってます。しかし、」
「あのまま突っこんで行って、小僧を助けられたと思うか?」
「それにアリアだっていたんだ。アリアにまで無茶をさせるつもりか?」
「それは…」
ヨザックだけでなく、アーダルベルト、セルセにまで言われたヴォルフラムは何も言えなくなり、チラッとソファに座っているアリアを見る。
だが彼女は何も無いようにただ座っていた。
「それにね、無茶をして君達に何かあったら渋谷は悲しむと思うよ?」
健にまで言われるとヴォルフラムはコンラートから手を離すと、あの時屋敷で何かあったか思い出す。
「僕を逃がす為に、ユーリは…」
下を向いている彼にコンラートは肩を掴む。
「ヴォルフラム、陛下は必ず助ける」
「コンラート…」
真剣な顔のコンラートにヴォルフラムもそれ以上何も言わなかった。
アーダルベルトはツェリの隣に立っているファンバレンを見る。
「アンタも、マズイ事になるじゃないのか?小僧を城に連れて行ったのはきっとバレてるだろう」
「わたしの事はご心配なく。取調べはあるでしょうが、どうにかなります。国の有力者の方々には色々貸しがありましてね」
大丈夫だと答える彼に健も笑う。
「さすが大商人。抜け目は無いね。それじゃ、ここは一先ず安全だとして、これからどうするかだけど、」
「猊下、その前に1つ」
「なんだい、ヨザック」
ヨザックは健の言葉を遮って質問をする。
城に入ってから、そして潜入してきていた自分達の事も知られていた事に。
「ずーっと考えていたんですけどね、敵の動きが良過ぎるなぁっと。まるでこっちが潜入するのを分かってたみたいに、」
「分かってたんだろうね」
今度はヨザックの言葉を遮って答える健に、ヨザックだけでなくコンラート達も驚く。
「白い鴉はもう僕が作った時の様な、のんびりした学者の集まりなんかじゃない。危険極まりない秘密組織だよ。
そして、そのリーダーは相当に頭がいい人物だ。こちらの動きを読んで罠を貼れるぐらいに」
それぐらい今はとても危険という事を嫌でも理解させられたのだ。
「本当に剣ばっかり」
「こんなに集めて、奴らは何をしたいんでしょうね~」
コンラート達は一本ずつ宝剣を見ていく。
「実用的な物から装飾的な物まで、手当たり次第集めたという感じですが、」
「だからといっても、これは集めすぎだろ」
「これだけあってもまだ集めてるって事は、目的の物がこの中には無いって事だろうね」
それでも彼らは宝剣を探していく。
「でも、どうして宝剣なんだろうね?これらを売るって感じでもなさそうだし、だからと言ってコレクションって感じでもなさそう」
彼らがどうして宝剣だけを集めているのか、その理由が全く分からないのだ。
「とにかく、白い鴉がここに出入りしているのは間違いないですから、待ち伏せして、お?」
「え?」
話している最中、外から兵達が何か騒がしい事に気づく。
コンラートとセルセはすぐに剣を構える。
「侵入者だ!」
「ひっ捕らえろ!」
と、叫びながら宝物庫の前を通りすぎて行く兵達だった。
「あれ?」
「来ないな」
「見つかったのは俺達じゃない」
違う侵入者が見つかったのだろうと思うと、健もハッと思う。
「まさか…」
「有利?」
健と同じ事を考えたアリアはそう呟いたのだった。
「アンタ、お姫様を攫う悪人か?助けようとしている正義の味方か?どっちなんだ、グランツの若旦那」
「俺は攫っている様にしか見えねーけどな」
あの後、5人は宝物庫から出て体制を直そうとしている時、中庭でやたら叫んでいる声が聞こえてくる為2人だけ先回りをしていた。
「ヨザック、セルセ!」
まさか自分の目の前に2人がいた事にヴォルフラムは驚く。
「助けた方がいいですか?ヴォルフラム閣下」
「別にいいんじゃね?助けなくても」
冷たい一言が飛んできたが、ヴォルフラムはアーダルベルトに抱えられながら暴れる。
「助けろ!僕はユーリを…!」
「ヴォルフラム!」
「コンラート、アリアっ」
セルセとヨザックの後を追いかけてきたのは、アリアを抱えているコンラート、そして健の3人だった。
ヴォルフラムはアーダルベルトから離れると、ドレスの裾を持って5人に近づく。
「ユーリが!」
「やっぱり渋谷も来てるのか」
「「やっぱり…」」
自分達に近づきながら叫んでいるヴォルフラムの言葉を聞いて双子は呆れる。
「あんた等を見つける前に、逆に見つかっちまったんだよ」
すると少し離れた場所からは兵達の声が聞こえてくる。
「マズイっ」
「今は脱出しよう」
それでもヴォルフラムは有利を助けに行こうとしたが、ヨザックに腕を捕まれるとそのまま担がされた。
「了解。失礼しますよ、閣下」
「はーなーせー!ヨザック!」
「お静かに閣下」
暴れるヴォルフラムを全く気にしていないヨザックはそのまま、その場所から走って行く。
「僕達も急ごう!」
「その方がいいですね!」
その後を健とセルセが追いかけて行くが、動こうとしないコンラートにアリアは不思議に思う。
「コンラート?」
「コンラートっ」
屋敷を見ていたコンラートはアリアとアーダルベルトに名前を呼ばれると、すぐにその場から離れて行ったのだ。
無事に城から脱出したアリア達はツェリとその恋人のファンバレンが待っている屋敷へ逃れた。
一緒に屋敷のパーティーへ行っていたファンバレンは深く頭を下げる。
「申し訳ありません。わたしがユーリ陛下から離れたばかりにこんな事に…」
「貴方の所為では無いわ!わたくしが、無理を言ったから」
深く詫びるファンバレンにツェリだけでなく、アリアも健も否定する。
「そうですよ。どうせ有利が無理を言って貴方にご迷惑をお掛けしたのでは?」
「確かに、渋谷が無茶した所為でもあるからね。こういう事があるから内緒で出かけたのに、裏目に出ちゃったって事か…」
有利の行動が分かっているからこそ、黙って出てきたのに、と健は呆れるだけだった。
「コンラート!なぜユーリを助けに行かなかった!」
ヴォルフラムはコンラートの胸ぐらを掴むが、ヨザックがそれを止める。
「落ち着いて下さいって!隊長だって陛下を助けに行きたかったに決まってます。しかし、」
「あのまま突っこんで行って、小僧を助けられたと思うか?」
「それにアリアだっていたんだ。アリアにまで無茶をさせるつもりか?」
「それは…」
ヨザックだけでなく、アーダルベルト、セルセにまで言われたヴォルフラムは何も言えなくなり、チラッとソファに座っているアリアを見る。
だが彼女は何も無いようにただ座っていた。
「それにね、無茶をして君達に何かあったら渋谷は悲しむと思うよ?」
健にまで言われるとヴォルフラムはコンラートから手を離すと、あの時屋敷で何かあったか思い出す。
「僕を逃がす為に、ユーリは…」
下を向いている彼にコンラートは肩を掴む。
「ヴォルフラム、陛下は必ず助ける」
「コンラート…」
真剣な顔のコンラートにヴォルフラムもそれ以上何も言わなかった。
アーダルベルトはツェリの隣に立っているファンバレンを見る。
「アンタも、マズイ事になるじゃないのか?小僧を城に連れて行ったのはきっとバレてるだろう」
「わたしの事はご心配なく。取調べはあるでしょうが、どうにかなります。国の有力者の方々には色々貸しがありましてね」
大丈夫だと答える彼に健も笑う。
「さすが大商人。抜け目は無いね。それじゃ、ここは一先ず安全だとして、これからどうするかだけど、」
「猊下、その前に1つ」
「なんだい、ヨザック」
ヨザックは健の言葉を遮って質問をする。
城に入ってから、そして潜入してきていた自分達の事も知られていた事に。
「ずーっと考えていたんですけどね、敵の動きが良過ぎるなぁっと。まるでこっちが潜入するのを分かってたみたいに、」
「分かってたんだろうね」
今度はヨザックの言葉を遮って答える健に、ヨザックだけでなくコンラート達も驚く。
「白い鴉はもう僕が作った時の様な、のんびりした学者の集まりなんかじゃない。危険極まりない秘密組織だよ。
そして、そのリーダーは相当に頭がいい人物だ。こちらの動きを読んで罠を貼れるぐらいに」
それぐらい今はとても危険という事を嫌でも理解させられたのだ。