マた出会う日
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「で、これはこうして」
「なるほど、それで針術が使えるんですね」
あの時からしばらく経った。
中庭ではディオネの術を全て使えるセルセは、エイルにも少しづつ教えていっていた。
今はセルセが最も得意としている針術を教えている。
「使う道具として耳飾りにしようが首飾りしようが、それはお前の自由だ」
「はい、兄様はどうやって決めたんですか?」
エイルはジッとアリアの耳飾りを見る。
「俺?俺は母様がこれをくれたから、耳飾りになった」
「へぇ~」
ドッカ――ン!!
「うわああぁぁああ!!!」
「「!」」
突然、城の何処から叫び声が聞こえる。
「今のって…」
「またやってるのか…」
声を聞いただけで、今のが何なのかが分かる。
そこからは『お待ちなさい!』というアニシナの声も聞こえてくる。
それを聞いた2人は呆れるしかなかった。
「セルセ」
「ピリア、リュイ」
城の中から声をかける2人も苦笑している。
「またやってるんですのね、お兄様とアニシナは」
「もうすでに日常茶飯事になりましたね、あれは」
「あら、気にならないのですの?お兄様は貴女の恋人なんですから」
「//!?」
リュイは顔を紅くした。
それを見ていたセルセとエイルは笑う。
アリアとコンラートは眞王と大賢者の肖像画がある廊下へ行くと、その肖像画の前にはヨザックが立っていた。
「やっぱり弁償かなぁ?給料の何年分だろ」
そう独り言を呟いていた。
2人の肖像画には切れた跡があり、それをテープで繋ぎ止めていた。
そんな彼を見てアリアとコンラートは笑いながら話しかける。
「ヨーザ」
「ヨザック」
ヨザックは2人の方を見る。
「隊長、アリア」
「そう心配するな」
「聞いてたんですか?今の独り言」
「今、ヴォルフラムが新しい絵を描いてるぞ」
それを聞きヨザックは喜ぶ。
「そりゃあいい!」
「かなりの大作らしい」
「へぇ~~」
「あまり期待しない方がいいけどね…」
あの絵じゃね、と苦笑するアリア。
コンラートは何かを思い出した様に話しだす。
「そういえば、お前の祖先2人の絵も飾るらしいな」
「そうなのか?」
「そうらしいよ。ヘリオス・アスタルテとテイア・ディオネの絵をね」
2人は眞王が大賢者と同じ様に信頼していた部下という事が分かった為、2人の肖像画も飾る事になったのだ。
そして自分達が眞王の子孫という事も完全に眞魔国全体に知らせる事になった。
双子、コンラート、グウェンダル、ヴォルフラム、ギュンターは眞王廟の中庭にいた。
あの時破壊した部分の修理も大分進んでいた。
「眞王がいないのに、眞王廟を直しても仕方ないのではないのか?」
「眞王陛下はここにいらっしゃいませんが、きっとどこかでわたくし達を見守っていてくださると思うのです」
ウルリーケが突然入ってきてヴォルフラムは驚く。
「あの…」
「それが、民の心の支えとなりましょう。ユーリ陛下もいらっしゃらない今、皆寂しく思っているのですから…」
ギュンターの言葉でヴォルフラムは少し悲しい顔をする。
それを見たグウェンダルは何時もと変わらない口調で話す。
「感傷に浸ってる暇は無い。国の安定の為にも次の魔王を早く決めねばならん」
「兄上!それは…」
国の為には必要な事なのだ。
それを知っているアリアはヴォルフラムの頭を撫でる。
すると突然、中庭の噴水からバッシャーンという水音が鳴る。
『??』
不思議に思った全員はその方を見る。
『………………』
そして見た全員が呆気する。
噴水から現れたのは…。
「村田…、どういう事なんだコレ…」
「創主を倒した時、君は眞王を越える力を得たんだ。それだけの魔力があれば、自分の意思で次元を移動出来るって事」
「それ…、知ってたんなら、何で教えてくれないんだよ」
「いやぁ~、君を池に突き落とした時も、まだそうじゃないかなぁ?って思ってただけで確信無かったから」
噴水から現れたのは有利と健だった。
どうやら有利の意思さえあれば、次元を移動出来るらしい。
2人の会話を聞き納得し、グウェンダルは呆れる様に笑う。
「まぁ、とにかく。これで王位継承の問題は解決したわけだ」
「ああ!またお会いできるなんて!」
「あの感動の別れは何だったんだ?」
「もう深く考えるのはやめるわ。疲れるし…」
ギュンターは感動し、双子はあの時の事を思い出して苦笑するしかない。
ヴォルフラムは無言で噴水の中に入り、有利に近づきしゃがむ。
「このへなちょこ!帰ってくるのに!何で!今まで!何処で何をしていた!!」
「だから!おれも知らなかったんだよ!仕方ないだろ!そんな事村田に言ってくれよ!村田に!」
2人が噴水で口喧嘩をしているのを見て双子やコンラート、グウェンダルは笑うしかない。
「?…まぁ」
後ろにいたウルリーケは何かに気づき振り向くと、何かが居たらしい、その存在に喜ぶ。
「おかえりなさい、陛下。貴方の国へ」
「おかえりなさい」
「おかえり」
コンラートと双子にそう言われた有利は笑顔になる。
「うん、皆、ただいま!」
end
(2008/09/15)
(re:017/05/21,2024/07/11)
→atogaki
「なるほど、それで針術が使えるんですね」
あの時からしばらく経った。
中庭ではディオネの術を全て使えるセルセは、エイルにも少しづつ教えていっていた。
今はセルセが最も得意としている針術を教えている。
「使う道具として耳飾りにしようが首飾りしようが、それはお前の自由だ」
「はい、兄様はどうやって決めたんですか?」
エイルはジッとアリアの耳飾りを見る。
「俺?俺は母様がこれをくれたから、耳飾りになった」
「へぇ~」
ドッカ――ン!!
「うわああぁぁああ!!!」
「「!」」
突然、城の何処から叫び声が聞こえる。
「今のって…」
「またやってるのか…」
声を聞いただけで、今のが何なのかが分かる。
そこからは『お待ちなさい!』というアニシナの声も聞こえてくる。
それを聞いた2人は呆れるしかなかった。
「セルセ」
「ピリア、リュイ」
城の中から声をかける2人も苦笑している。
「またやってるんですのね、お兄様とアニシナは」
「もうすでに日常茶飯事になりましたね、あれは」
「あら、気にならないのですの?お兄様は貴女の恋人なんですから」
「//!?」
リュイは顔を紅くした。
それを見ていたセルセとエイルは笑う。
アリアとコンラートは眞王と大賢者の肖像画がある廊下へ行くと、その肖像画の前にはヨザックが立っていた。
「やっぱり弁償かなぁ?給料の何年分だろ」
そう独り言を呟いていた。
2人の肖像画には切れた跡があり、それをテープで繋ぎ止めていた。
そんな彼を見てアリアとコンラートは笑いながら話しかける。
「ヨーザ」
「ヨザック」
ヨザックは2人の方を見る。
「隊長、アリア」
「そう心配するな」
「聞いてたんですか?今の独り言」
「今、ヴォルフラムが新しい絵を描いてるぞ」
それを聞きヨザックは喜ぶ。
「そりゃあいい!」
「かなりの大作らしい」
「へぇ~~」
「あまり期待しない方がいいけどね…」
あの絵じゃね、と苦笑するアリア。
コンラートは何かを思い出した様に話しだす。
「そういえば、お前の祖先2人の絵も飾るらしいな」
「そうなのか?」
「そうらしいよ。ヘリオス・アスタルテとテイア・ディオネの絵をね」
2人は眞王が大賢者と同じ様に信頼していた部下という事が分かった為、2人の肖像画も飾る事になったのだ。
そして自分達が眞王の子孫という事も完全に眞魔国全体に知らせる事になった。
双子、コンラート、グウェンダル、ヴォルフラム、ギュンターは眞王廟の中庭にいた。
あの時破壊した部分の修理も大分進んでいた。
「眞王がいないのに、眞王廟を直しても仕方ないのではないのか?」
「眞王陛下はここにいらっしゃいませんが、きっとどこかでわたくし達を見守っていてくださると思うのです」
ウルリーケが突然入ってきてヴォルフラムは驚く。
「あの…」
「それが、民の心の支えとなりましょう。ユーリ陛下もいらっしゃらない今、皆寂しく思っているのですから…」
ギュンターの言葉でヴォルフラムは少し悲しい顔をする。
それを見たグウェンダルは何時もと変わらない口調で話す。
「感傷に浸ってる暇は無い。国の安定の為にも次の魔王を早く決めねばならん」
「兄上!それは…」
国の為には必要な事なのだ。
それを知っているアリアはヴォルフラムの頭を撫でる。
すると突然、中庭の噴水からバッシャーンという水音が鳴る。
『??』
不思議に思った全員はその方を見る。
『………………』
そして見た全員が呆気する。
噴水から現れたのは…。
「村田…、どういう事なんだコレ…」
「創主を倒した時、君は眞王を越える力を得たんだ。それだけの魔力があれば、自分の意思で次元を移動出来るって事」
「それ…、知ってたんなら、何で教えてくれないんだよ」
「いやぁ~、君を池に突き落とした時も、まだそうじゃないかなぁ?って思ってただけで確信無かったから」
噴水から現れたのは有利と健だった。
どうやら有利の意思さえあれば、次元を移動出来るらしい。
2人の会話を聞き納得し、グウェンダルは呆れる様に笑う。
「まぁ、とにかく。これで王位継承の問題は解決したわけだ」
「ああ!またお会いできるなんて!」
「あの感動の別れは何だったんだ?」
「もう深く考えるのはやめるわ。疲れるし…」
ギュンターは感動し、双子はあの時の事を思い出して苦笑するしかない。
ヴォルフラムは無言で噴水の中に入り、有利に近づきしゃがむ。
「このへなちょこ!帰ってくるのに!何で!今まで!何処で何をしていた!!」
「だから!おれも知らなかったんだよ!仕方ないだろ!そんな事村田に言ってくれよ!村田に!」
2人が噴水で口喧嘩をしているのを見て双子やコンラート、グウェンダルは笑うしかない。
「?…まぁ」
後ろにいたウルリーケは何かに気づき振り向くと、何かが居たらしい、その存在に喜ぶ。
「おかえりなさい、陛下。貴方の国へ」
「おかえりなさい」
「おかえり」
コンラートと双子にそう言われた有利は笑顔になる。
「うん、皆、ただいま!」
end
(2008/09/15)
(re:017/05/21,2024/07/11)
→atogaki