暗闇の中で
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「まさか、俺達が眞王陛下の子孫なんてな…」
「………」
「それって僕もですか?」
また眞王廟へ行く事になった有利達だが、それまでにはまだ時間があり自由にしていた。
双子とエイルは中庭の大きな木の元に居る。
「俺らというよりも、ディオネの一族がな」
「そうなんですか…」
「今さらそんな事言われたってな。どうこう言えねーしな。嬉しいってわけでもないし」
木の枝に座っているアリアを見る。
アリアは表情も変えず、ただ先を見ていた。
その表情を読み取ったセルセは苦笑する。
「今さら関係無いってか」
それを聞いたアリアは小さく笑う。
まるで、その通りだと言っているように。
「双子って本当に便利だな。お互い思っている事がわかるんだからな」
「すごいじゃないですか。話さなくても考えが分かるなんて、ね?」
「…そうだな」
ニッコリ笑うエイルにセルセは頭を撫でる。
「俺達が行く時、お前はツェリ様達の側にいろ。いいな?」
「はい、お気をつけてくださいね」
「ああ。行くぞ、アリア」
名前を呼ばれたアリアは枝から降り、頷く。
そして眞王廟へ行く時間になり、門の所ではすでに馬の準備をしていた。
コンラートの側には双子もいて、ヨザックは話しかけてきた。
「…念の為聞きけど、隊長達は残ってた方がいいんじゃないか?足手まといご免だぜ」
「俺はもう後悔はしたくないんだ」
「コンラッド…」
するとヨザックは小さく笑う。
「ヘッ、20年前の戦いより絶望的かもしれないぜ?それでも自分から進んで行こうなんて、馬鹿だよなぁ俺達」
「…そうだな」
「確かにな」
「………」
20年前の事を思い出した。
だが、あの時よりも絶望的なのかもしれない。
そう思っていた4人だった。
「無駄口を叩いている暇はないぞ」
「はいはい。分かってますよ、閣下」
グウェンダルに急かされ、すぐに3人は馬に乗り込むのだが。
「ヨザ、俺と馬の手綱を引いて行ってくれないか?」
「は?」
まさかの頼み事にヨザックは驚く。
「俺片足しか使えないから上手く歩けないんだ」
「……お前、本当に大丈夫か?」
「自信ないな…」
遠い目をしているだったセルセ。
「(本当に大丈夫なの?不安ね…)」
同じ様にアリアも心の中で思ったのだった。
「こちらの心配は無用です。このわたくしが留守を預かるからには、間違いなど起こりえません!貴方達はただでさえ頼りないのですから、余計な心配などせず全力で戦いなさい!」
アニシナの言葉を聞いたのち、グウェンダルはすぐに出発したのだ。
「アニシナさん、ヴォルフラムの事頼みます」
「お任せください、陛下」
「では参りましょう」
「ああ」
こうして有利達は眞王廟へ向けて歩き出したのだった。
「ウーウー!」
「モルギフ、お前は残った方が良かったんじゃないか?」
「ウ?」
まさかの話に不思議に思うモルギフだった。
「ほら、元々お前の主って眞王なんだろ?戦い難いんじゃないかなーって」
「オウオウオウ!」
まるで否定するように首を振ると、有利は小さく笑う。
「ホントか?無理してるんじゃないのか?」
無理しているのではないかと心配している有利に健はクスリと笑う。
「彼は眞王よりも、今の主である君を助けたいんだよ」
「村田、」
「昔は昔だ。思い出に浸って今を壊してしまう訳にはいかないからね」
「村田、お前、」
何か言おうとしたが、それよりも先に健の言葉にハッとなる。
「さ、着いた」
眞王廟へ到着したが、辺りは暗かったのだ。
「注意しろ。眞王陛下は結界に閉じ込められているとはいえ、何があるか分からん」
「よし、行くぞ」
さっそく中へ入るが、とても静かだ。
「妙に静かで、拍子抜けですね」
「何もない筈はありません。相手は眞王陛下、いえ、創主なのですよ」
静かな眞王廟を歩いている一行だが、1番後ろではアリアの肩を借りて歩いているセルセがいる。
「………」
「悪いな、アリア」
本当に大丈夫か?という目に気づいたセルセは苦笑する。
「大丈夫だって」
静かな眞王廟だったが、やはり創主の兵達がやって来る。
すぐにヨザックとヒューブは兵達を切っていく。
切られた兵達は倒れるが、その者達は以前に見た。
「これって…!」
「あの時の人形共か…っ」
何度か見た人形の兵達であり、切っても切っても起き上がり、襲ってくる。
「こいつらは操られているだけだ。大本を叩かなければ!」
「大本ってやっぱり…」
「眞王だよ」
「村田…」
ヨザックの言葉に肯定するように話しだす。
「いや、正確には創主かな。あの時は封印の弱まった箱から漏れでた創主の力が操っていたんだよ」
「そんな事までできるのか?」
「君も見ているよ、創主の影を」
1回目は人間の国、大シマロンで謎の軍師として、2回目は聖剣を奪った男のオーラがそうだったのだ。
「あれも全部、創主の仕業だって言うのか?」
「あの時接触したフォンビーレフェルト卿に取り付き、操ってもいたんだろう」
突然消えた軍師の服を触った時に取り付き、箱の封印の儀式の時にヴォルフラムを操ったのだ。
「漏れでた力だけでも、それだけの事ができる。今、眞王の魂と融合して、さらに強力になっているだろうね。いずれ結界を壊し、眞魔国だけでなく、この世界全体を飲み込むほどに」
「何なんだよ、創主って!こんな事止めさせてやる!」
そう言って有利は1人で突っ走った。
「陛下!」
「ユーリ!!」
すぐにヨザック達は追いかけ、有利よりも先に託宣の間の扉を開ける。
「………」
「それって僕もですか?」
また眞王廟へ行く事になった有利達だが、それまでにはまだ時間があり自由にしていた。
双子とエイルは中庭の大きな木の元に居る。
「俺らというよりも、ディオネの一族がな」
「そうなんですか…」
「今さらそんな事言われたってな。どうこう言えねーしな。嬉しいってわけでもないし」
木の枝に座っているアリアを見る。
アリアは表情も変えず、ただ先を見ていた。
その表情を読み取ったセルセは苦笑する。
「今さら関係無いってか」
それを聞いたアリアは小さく笑う。
まるで、その通りだと言っているように。
「双子って本当に便利だな。お互い思っている事がわかるんだからな」
「すごいじゃないですか。話さなくても考えが分かるなんて、ね?」
「…そうだな」
ニッコリ笑うエイルにセルセは頭を撫でる。
「俺達が行く時、お前はツェリ様達の側にいろ。いいな?」
「はい、お気をつけてくださいね」
「ああ。行くぞ、アリア」
名前を呼ばれたアリアは枝から降り、頷く。
そして眞王廟へ行く時間になり、門の所ではすでに馬の準備をしていた。
コンラートの側には双子もいて、ヨザックは話しかけてきた。
「…念の為聞きけど、隊長達は残ってた方がいいんじゃないか?足手まといご免だぜ」
「俺はもう後悔はしたくないんだ」
「コンラッド…」
するとヨザックは小さく笑う。
「ヘッ、20年前の戦いより絶望的かもしれないぜ?それでも自分から進んで行こうなんて、馬鹿だよなぁ俺達」
「…そうだな」
「確かにな」
「………」
20年前の事を思い出した。
だが、あの時よりも絶望的なのかもしれない。
そう思っていた4人だった。
「無駄口を叩いている暇はないぞ」
「はいはい。分かってますよ、閣下」
グウェンダルに急かされ、すぐに3人は馬に乗り込むのだが。
「ヨザ、俺と馬の手綱を引いて行ってくれないか?」
「は?」
まさかの頼み事にヨザックは驚く。
「俺片足しか使えないから上手く歩けないんだ」
「……お前、本当に大丈夫か?」
「自信ないな…」
遠い目をしているだったセルセ。
「(本当に大丈夫なの?不安ね…)」
同じ様にアリアも心の中で思ったのだった。
「こちらの心配は無用です。このわたくしが留守を預かるからには、間違いなど起こりえません!貴方達はただでさえ頼りないのですから、余計な心配などせず全力で戦いなさい!」
アニシナの言葉を聞いたのち、グウェンダルはすぐに出発したのだ。
「アニシナさん、ヴォルフラムの事頼みます」
「お任せください、陛下」
「では参りましょう」
「ああ」
こうして有利達は眞王廟へ向けて歩き出したのだった。
「ウーウー!」
「モルギフ、お前は残った方が良かったんじゃないか?」
「ウ?」
まさかの話に不思議に思うモルギフだった。
「ほら、元々お前の主って眞王なんだろ?戦い難いんじゃないかなーって」
「オウオウオウ!」
まるで否定するように首を振ると、有利は小さく笑う。
「ホントか?無理してるんじゃないのか?」
無理しているのではないかと心配している有利に健はクスリと笑う。
「彼は眞王よりも、今の主である君を助けたいんだよ」
「村田、」
「昔は昔だ。思い出に浸って今を壊してしまう訳にはいかないからね」
「村田、お前、」
何か言おうとしたが、それよりも先に健の言葉にハッとなる。
「さ、着いた」
眞王廟へ到着したが、辺りは暗かったのだ。
「注意しろ。眞王陛下は結界に閉じ込められているとはいえ、何があるか分からん」
「よし、行くぞ」
さっそく中へ入るが、とても静かだ。
「妙に静かで、拍子抜けですね」
「何もない筈はありません。相手は眞王陛下、いえ、創主なのですよ」
静かな眞王廟を歩いている一行だが、1番後ろではアリアの肩を借りて歩いているセルセがいる。
「………」
「悪いな、アリア」
本当に大丈夫か?という目に気づいたセルセは苦笑する。
「大丈夫だって」
静かな眞王廟だったが、やはり創主の兵達がやって来る。
すぐにヨザックとヒューブは兵達を切っていく。
切られた兵達は倒れるが、その者達は以前に見た。
「これって…!」
「あの時の人形共か…っ」
何度か見た人形の兵達であり、切っても切っても起き上がり、襲ってくる。
「こいつらは操られているだけだ。大本を叩かなければ!」
「大本ってやっぱり…」
「眞王だよ」
「村田…」
ヨザックの言葉に肯定するように話しだす。
「いや、正確には創主かな。あの時は封印の弱まった箱から漏れでた創主の力が操っていたんだよ」
「そんな事までできるのか?」
「君も見ているよ、創主の影を」
1回目は人間の国、大シマロンで謎の軍師として、2回目は聖剣を奪った男のオーラがそうだったのだ。
「あれも全部、創主の仕業だって言うのか?」
「あの時接触したフォンビーレフェルト卿に取り付き、操ってもいたんだろう」
突然消えた軍師の服を触った時に取り付き、箱の封印の儀式の時にヴォルフラムを操ったのだ。
「漏れでた力だけでも、それだけの事ができる。今、眞王の魂と融合して、さらに強力になっているだろうね。いずれ結界を壊し、眞魔国だけでなく、この世界全体を飲み込むほどに」
「何なんだよ、創主って!こんな事止めさせてやる!」
そう言って有利は1人で突っ走った。
「陛下!」
「ユーリ!!」
すぐにヨザック達は追いかけ、有利よりも先に託宣の間の扉を開ける。