眞王参上
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有利達が眞王廟へと向かった後、エイルとグレタはアニシナと共に書斎で待っていた。
だがグレタは読んでいた本を机に置く。
「グレタ?」
「どうしましたか、グレタ。わたくしの最新作は気に入りませんか?」
「え、ううん!すごく面白いよ」
「そうでしょう。巷の子ども達にも大人気。既に増刷がかかっています。では他に何か気になる事でも?」
アニシナに気かれたグレタは自分の胸に手を当てる。
「あのね、なんだかこの辺りがムズムズするの」
「まあ、風邪でもひいたのでしょうか。すぐに医者を呼びましょう」
「違うの。なんだかわかないけど、嫌な感じなの」
「確かに不穏な動きを感じます。おそらくこれは、眞王廟で行われている儀式の所為ではないかと、」
そう言いながら3人は窓の近くに立っているツェリを見る。
彼女は何か思っているのか、哀しそうな表情だった。
「だからわたくしに調査をさせておけば良かったのです!わたくしの魔動装置はどんな不足な事態にも対応できる優れ物が揃っているというのに、」
「(それはどうかな?)」
と、心の中で思ったエイルでした。
そしてアニシナもツェリが見ている眞王廟を見ると、ここからでもわかるように禍々しい雲が漂っていた。
「わたくし、やっぱり行ってみるわ」
「では、お供をしましょう」
ツェリがその場から離れようとすると、すぐにエイルとグレタも彼女に近づく。
「ツェリ様、僕達も連れて行ってください!陛下や、兄様達が心配なんです」
「グレタも!ユーリの事が心配なんだもん!」
2人の表情を見たツェリはギュッと手を握る。
「「?」」
「そうね。一緒に行きましょう」
「うん」
「はい」
こうしてツェリ達も眞王廟へ行く事を決めたのだった。
眞王廟では有利が箱へ近づいたのだが、突然後ろへ振り向く。
「えっと~、どうすればいいんだっけ?」
「はぁ?やり方を知らずに、何をするつもりだったんだ」
「いやー、はははは」
苦笑しながら言った有利に勝利は呆れる。
今までの真剣さはどこへ行ったのか…。
「やり方は、そう難しいわけじゃない」
ウルリーケをギュンターに任せてから健は有利に近づくが、健は1番後ろにいるヴォルフラムを見る。
ただジッと見ている健に有利は不思議に思う。
「村田?」
「君の魔力でウルリーケ達が張った結界を小さく圧縮していくんだ」
「つまり、箱の外に漏れ出した中身を力ずくで押し込むのか?」
「そう。押入れから溢れた布団をギュウギュウ押して、素早く襖を閉めるみたいにね」
「すごく分かりやすいけど、所帯じみてるな、その例え…」
苦笑する有利に気にせず健は説明を続ける。
「とにかく、そうして押さえている間にさらに上から結界で包み込む。風呂敷に包むみたいにね」
「お土産じゃないんだから…」
さらに苦笑する有利。
「創主を完全に消滅させる事は出来なくても、また数千年はこのまま閉じ込めておける」
健を説明を聞いた有利はどうしても納得できない様子だった。
「でもさ、それだとなんか、根本的な解決にはならないんじゃないか?」
「あの時、眞王ですら倒せなかった創主を君は倒せるかい?」
「それは…」
そう言われた有利は何も言えない。
健は苦笑しながら有利の腰にかかっているモルギフを見る。
「それに、眞王と共に戦ったモルギフもあの頃の力は無いしね」
「でも…」
やはりどうしても納得が出来ない有利に勝利は説得する。
「有利、無茶はするな。それしか方法が無いのなら、今はそれに集中しろ。二兎追う者は一兎も得ずだ」
勝利の説得に続くように健も話す。
「渋谷。いつかまた封印の弱まる日が来ても、その時はその時代の魔王が何とかしてくれるよ」
「……無理な事をしようとして、チャンスを逃すなって事だよな。わかった。今はおれの精一杯をするよ」
そう言ってまた箱の方へ向き直し、ゆっくりと箱から溢れているモノに触れ押し込めていく。
「ゆっくり落ち着いて、集中するんだ」
そして少しずつ小さくなっていく。
「あと、少しっ」
有利がもう少しで封印をし終えるところまできた時だった。
アリア達は有利の方を集中して見ていた為か、全員の反応が一瞬遅れた。
1番後ろにいたヴォルフラムが剣を抜いてアリア達の間を走り通った。
そして有利に剣で刺そうとまでしたのだ。
「!」
「ヴォル…!」
すぐに気づいたアリアは剣を構え有利の前に立ち、ヴォルフラムの剣を受け止める。
「え?何?…ヴォルフラム…?」
「ダメだ!渋谷!」
「え?うわぁ!」
突然の事で後ろ振り向いてしまった有利。
その反動か、箱から溢れ出たモノは有利を弾いたのだ。
「何してるのよ、目を覚ましなさいっ ヴォル!」
剣で受け止めながらアリアは言うが、ヴォルフラムはそれを聞かずニッと笑う。
「ヴォルフラム…」
「…まさか」
「あの馬鹿…っ!」
「瘴気に犯されたか、ヴォルフラム」
「そんな…」
信じられない顔をしていたが、セルセ達よりも驚いた有利はヴォルフラムを見てしまった。
「ヴォルフラム…、どうしちゃったんだよ…」
「ユーリ!集中しろ!!」
「!? うわっ」
有利は創主の気配が強大になり、吹き飛ばされる。
すぐに勝利は有利の側に寄り健に聞いた。
「おい!弟のお友達!どういう事だ、これは!?」
だが健は何も答えず、ただジッと何かを見ていた。
「やはり君は…」
箱の封印はまだ解かれていないが、その気配の中心に何か小さな光りが光っていた。
だがグレタは読んでいた本を机に置く。
「グレタ?」
「どうしましたか、グレタ。わたくしの最新作は気に入りませんか?」
「え、ううん!すごく面白いよ」
「そうでしょう。巷の子ども達にも大人気。既に増刷がかかっています。では他に何か気になる事でも?」
アニシナに気かれたグレタは自分の胸に手を当てる。
「あのね、なんだかこの辺りがムズムズするの」
「まあ、風邪でもひいたのでしょうか。すぐに医者を呼びましょう」
「違うの。なんだかわかないけど、嫌な感じなの」
「確かに不穏な動きを感じます。おそらくこれは、眞王廟で行われている儀式の所為ではないかと、」
そう言いながら3人は窓の近くに立っているツェリを見る。
彼女は何か思っているのか、哀しそうな表情だった。
「だからわたくしに調査をさせておけば良かったのです!わたくしの魔動装置はどんな不足な事態にも対応できる優れ物が揃っているというのに、」
「(それはどうかな?)」
と、心の中で思ったエイルでした。
そしてアニシナもツェリが見ている眞王廟を見ると、ここからでもわかるように禍々しい雲が漂っていた。
「わたくし、やっぱり行ってみるわ」
「では、お供をしましょう」
ツェリがその場から離れようとすると、すぐにエイルとグレタも彼女に近づく。
「ツェリ様、僕達も連れて行ってください!陛下や、兄様達が心配なんです」
「グレタも!ユーリの事が心配なんだもん!」
2人の表情を見たツェリはギュッと手を握る。
「「?」」
「そうね。一緒に行きましょう」
「うん」
「はい」
こうしてツェリ達も眞王廟へ行く事を決めたのだった。
眞王廟では有利が箱へ近づいたのだが、突然後ろへ振り向く。
「えっと~、どうすればいいんだっけ?」
「はぁ?やり方を知らずに、何をするつもりだったんだ」
「いやー、はははは」
苦笑しながら言った有利に勝利は呆れる。
今までの真剣さはどこへ行ったのか…。
「やり方は、そう難しいわけじゃない」
ウルリーケをギュンターに任せてから健は有利に近づくが、健は1番後ろにいるヴォルフラムを見る。
ただジッと見ている健に有利は不思議に思う。
「村田?」
「君の魔力でウルリーケ達が張った結界を小さく圧縮していくんだ」
「つまり、箱の外に漏れ出した中身を力ずくで押し込むのか?」
「そう。押入れから溢れた布団をギュウギュウ押して、素早く襖を閉めるみたいにね」
「すごく分かりやすいけど、所帯じみてるな、その例え…」
苦笑する有利に気にせず健は説明を続ける。
「とにかく、そうして押さえている間にさらに上から結界で包み込む。風呂敷に包むみたいにね」
「お土産じゃないんだから…」
さらに苦笑する有利。
「創主を完全に消滅させる事は出来なくても、また数千年はこのまま閉じ込めておける」
健を説明を聞いた有利はどうしても納得できない様子だった。
「でもさ、それだとなんか、根本的な解決にはならないんじゃないか?」
「あの時、眞王ですら倒せなかった創主を君は倒せるかい?」
「それは…」
そう言われた有利は何も言えない。
健は苦笑しながら有利の腰にかかっているモルギフを見る。
「それに、眞王と共に戦ったモルギフもあの頃の力は無いしね」
「でも…」
やはりどうしても納得が出来ない有利に勝利は説得する。
「有利、無茶はするな。それしか方法が無いのなら、今はそれに集中しろ。二兎追う者は一兎も得ずだ」
勝利の説得に続くように健も話す。
「渋谷。いつかまた封印の弱まる日が来ても、その時はその時代の魔王が何とかしてくれるよ」
「……無理な事をしようとして、チャンスを逃すなって事だよな。わかった。今はおれの精一杯をするよ」
そう言ってまた箱の方へ向き直し、ゆっくりと箱から溢れているモノに触れ押し込めていく。
「ゆっくり落ち着いて、集中するんだ」
そして少しずつ小さくなっていく。
「あと、少しっ」
有利がもう少しで封印をし終えるところまできた時だった。
アリア達は有利の方を集中して見ていた為か、全員の反応が一瞬遅れた。
1番後ろにいたヴォルフラムが剣を抜いてアリア達の間を走り通った。
そして有利に剣で刺そうとまでしたのだ。
「!」
「ヴォル…!」
すぐに気づいたアリアは剣を構え有利の前に立ち、ヴォルフラムの剣を受け止める。
「え?何?…ヴォルフラム…?」
「ダメだ!渋谷!」
「え?うわぁ!」
突然の事で後ろ振り向いてしまった有利。
その反動か、箱から溢れ出たモノは有利を弾いたのだ。
「何してるのよ、目を覚ましなさいっ ヴォル!」
剣で受け止めながらアリアは言うが、ヴォルフラムはそれを聞かずニッと笑う。
「ヴォルフラム…」
「…まさか」
「あの馬鹿…っ!」
「瘴気に犯されたか、ヴォルフラム」
「そんな…」
信じられない顔をしていたが、セルセ達よりも驚いた有利はヴォルフラムを見てしまった。
「ヴォルフラム…、どうしちゃったんだよ…」
「ユーリ!集中しろ!!」
「!? うわっ」
有利は創主の気配が強大になり、吹き飛ばされる。
すぐに勝利は有利の側に寄り健に聞いた。
「おい!弟のお友達!どういう事だ、これは!?」
だが健は何も答えず、ただジッと何かを見ていた。
「やはり君は…」
箱の封印はまだ解かれていないが、その気配の中心に何か小さな光りが光っていた。