迫り来る時間
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玉座で眞王達が話していた。
眞王は自身の肩に触れている大賢者の手を握る。
『この事を知ったら、エアハルト達は怒るだろうな…』
『そうでしょうね』
『絶対に怒ると思うわ』
『お前を止めない俺達も同罪だ。非難は受け止める』
微笑んでいる大賢者、ヘリオス、テイアを見て眞王は真剣な表情になる。
『……後は頼む』
そう3人に伝えたのだった。
そして3人は創主を封印した5つの箱の前に立っていた。
『貴方の望みはわたし達がきっと叶えましょう…。しかし、未来は誰にも予測できぬモノ。
いつか…恐れていた事が本当に起こってしまったら…』
『…それは、今の私達には分からない事だわ』
『そうだな、俺らはただ信じる事しか出来ない。未来を生きる者達に…』
バタン!!
『エアハルト…?』
『お前、何で、』
突然ドアを開けたエアハルトはずっと睨んでいた。
翌日になり、朝食では目覚めた勝利も一緒に食事をしていた。
そして彼が魔術を使える様経緯について尋ねると、意外な答えが出て来たのだった。
「え?勝利が魔術を使えるようになったのって、ヴォルフラムの所為なのか?」
驚いた有利の問いに勝利は頷く。
「これを飲めばいいと、水を差し出されて…」
「僕はキッカケを与えてやろうと。…あんな事になるとは思っていなかったんだ」
「なんという軽率な行動だ。今回は大事に至らなかったとはいえ、下手をすればショーリの身も危なかったのだぞ」
「……はい…」
グウェンダルに言われ、ヴォルフラムはシュンとなる。
勝利はヴォルフラムは自分の為にしてくれた事だから、とグウェンダルに言うが睨まれ何も言えなくなる。
「それにしたって、どうしてそんな事したんだよ?ヴォルフラム」
「ショーリがユーリを守る為の力を欲しいと言うから」
「え?」
ヴォルフラムの言葉に驚き有利は勝利を見る。
有利の前に座っているギュンターは感動していた。
「あー、美しき兄弟愛。さすが陛下のお兄様です」
「おじ様カッコいいー!!」
ギュンターやグレタに褒められた勝利はいたたまれなくなったのか、気恥ずかしそうに食べていた。
「ねぇ、グウェンダルだってコンラッドやピリアーチェやヴォルフラムが危なかったら、きっと助けるでしょ?」
「…っ」
「1本取られたな、グウェンダル」
グレタに負けたグウェンダルに双子達は笑う。
何も言えなくなったグウェンダルは諦めた。
「以後勝手な行動は慎むように」
「はい、兄上」
「すまない…」
2人がそう言うと、先日の事件は一件落着する。
コンラートはある事に気づきヴォルフラムに話しかける。
「ところで、今朝は調子良さそうだな。ヴォルフラム」
「うん、」
コンラートの言葉に有利は彼の顔を見る。
「あー、本当だ。ここんトコ具合悪そうだったからな」
「昨日は悪い夢、見なかったの?」
「ああ、久しぶりにゆっくり寝られた。気分がいい」
そう言うとグレタは嬉しそうにパンを渡し、ヴォルフラムもグレタに感謝してパンを食べる。
するとドアが開きツェリが歩いて来る。
「皆さん、おはよう」
ツェリが入って来た事に気づき、有利達全員はすぐに席から立つ。
「早いのね~」
「母上、また寝坊ですか?」
「睡眠は美容に欠かせないのよ。おはよう、陛下。陛下の兄上もお元気そうね」
「ええ、それはもう」
「あ~ん!やっぱり素敵vvこの逞しい肩、おもみしましょうか?」
などと、有利から勝利に抱きつきそんな事を言っているツェリにヴォルフラムは呆れる。
苦笑しながら双子達も席に座る。
「ツェリ様のお席はあちらに、」
「あーん。ちょっとぐらいいいじゃない」
「駄目です!ささ、こちらに!」
ずっと勝利の腕に抱きついているツェリにギュンターが剥がし、彼女の席へと座らせる。
勝利は隣にいる有利に手招きをし、小さな声で話しかける。
「ん?」
「ヴォルフラムはいいとして、本当にあの人がコンラッドとグウェンダルとピリアーチェの母親なのか?」
4人とツェリを見てどうしても不思議に思ってしまう勝利。
それを聞いた有利は苦笑する。
「ハハハハ…、これがホントなんだよね~…。さっ しっかり食べないと、今日は大事な日だからな」
朝食を食べ終えた双子とコンラート、グウェンダル、ピリアーチェの5人は執務室にいる。
グウェンダルとコンラートは窓から眞王廟を見て、双子は本棚に寄りかかり、ピリアーチェはイスに座っている。
「なんとか間に合いそうだ」
「油断は出来ん。日に日にあれの存在を強く感じるようになってきた。今はもう…」
ガチャ…
「「「「「!」」」」」
ドアの開いた音がし、振り返るとそこにはツェリが立っていた。
「母上」
「ツェリ様?」
ツェリは無言でコンラート達に近づく。
「もう時間が無いのね…」
そう言ってコンラートとグウェンダルの腕に触れる。
それを見たアリア達は部屋から出ようとする。
「…俺達は部屋の外で待ってるからな」
「失礼しますね、ツェリ様」
「あたくしも外で馬の準備をいたいます…」
そう言って3人は部屋から出て行く。
少しづつ箱の封印の時間が迫ってきていた…。
しばらくするとコンラートとグウェンダルが部屋から出てきたのだ。
「ツェリ様との話しは終わったのか?」
「ああ、ピリアは?」
「馬の準備をしに行った。私達は有利の部屋へ行くでしょ?」
「ああ…」
アリア達はそのまま有利の部屋へと向かう。