ミナディアの葉
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「サングリアが?」
「眞王廟に使いをやったのですが、どうも様子が可笑しいと…」
「眞王廟へ…」
サングリアの様子が可笑しいという事で彼女達の部屋へ向かっている最中。
サングリア達の寝室前へと着くと丁度ギーゼラが出てくる。
「陛下、父上」
「サングリアの様子はどうだ?」
「それが…」
何か言い憎そうになるギーゼラ。
すると部屋から『嫌ー!』という声が聞こえ、有利がドアを開けると同時に枕が顔面に飛んできた。
「ぐっ!?」
「有利?」
「大丈夫か?」
全員が驚いたが部屋の中の様子の方が呆気する。
「ドリアもラザニアも酷いいわよー!わたしが1番可愛いからって!!」
「ちょっとー!!」
「誰が1番ですってー!?」
中で繰り広げられていたのは、ラザニア達の鬼ごっこだった。
「これは…」
「鬼ごっこ??」
「違うでしょう」
「無理があるぞ」
「楽しそうですね」
「えっと~…」
「すこぶる元気そうだが…」
双子はもちろん、エイルも有利もヴォルフラムも何も言えない状態。
すると散々逃げ回っていたサングリアは有利がいる事に気づく。
「陛下がなぜここに!? ! 分かりました!わたしが不要になって国につき帰そうと言うのですね!!」
「いや~、そんな事は…」
「なんて不幸なの~!もう誰も信じられない~~!!」
さすがの有利も苦笑するが、サングリアはベットに顔を埋めて泣き喚く。
「これ、学芸会かなんかの練習?」
「それも違うでしょ」
有利の問いに即答で答えるアリアに、その様子を見ていたギーゼラも呆れる。
「さっきからずっとこうなんです。高熱があるようなのですが、満足に診察も出来ない状態で…」
そう言うと健は何かに気づき、部屋から出て行く。
有利達は不思議に思ったが、健が赴いたのは図書室だった。
「何を調べるっての?」
「ちょっと思い当たる事があってね」
思い当たる事があるという事で、剣は1冊の本を開いて調べていた。
「あー!雪だー!」
あるページを開くとグレタは雪の絵で喜んでいたが、健だけは違っていた。
「眞魔国の最果てにマカビラ山と呼ばれる地がある」
「その昔、創主と眞王が決戦の地に選らんだとされる古戦場ですね。その戦い以来、季節を問わず雪と氷に閉ざされるようになったと伝えられています」
「ふ~ん。名所旧跡ってやつか」
「誰も近寄りはしないがな」
「え?」
「彼らの戦いがもたらしたのは、万年雪だけじゃないんだ。戦いの邪念が辺りに満ち、その瘴気に犯されれば人を信じられないくなると言われている」
だからこそ、誰もその地へ入ろうとはしないのだ。
「はぁ?何だよそれ、」
「う~ん。彼らの捻くれまくった根性の恩恵ってヤツかな?」
「恩恵…?」
「嬉しくねーな」
「欲しくないですよ」
明るく言う健に双子とエイルは呆れる。
健の説明を聞いた有利は、ある事に気づく。
「人を信じられないね~、今のサングリアみたいだな」
「!」
「そんな」
「サングリアがなぜ?」
有利の言葉にハッとする。
「理由は分からない。でももし僕の読みが正しいとしたら、」
健は次のページを開くと、1本の枝と葉が描かれていた。
「ミナディアの葉。この薬草には瘴気を中和する効果がある」
それさえあればサングリアは元に戻るはず。
だがそのミナディアの葉はマカビラ山にしか生息しないのだ。
「どういう事?」
首を傾げる有利に双子が説明をする。
「つまり、薬草を手に入れる為には山に行かなきゃいけない事になるわ」
「だがその山には瘴気が満ちていて、自分も犯される危険を覚悟しなければいけないって事だ」
双子の説明に健も頷き、説明を続けて行く。
「そう、1人で行くには無謀すぎる僻地だ。だけど同行者がマカビラ山の瘴気にやられてしまえば…」
「雪山ではわずかな綻びも命取り。仲間割れなど断じて許されん」
グウェンダルも説明をすると、辺りは一瞬静かになる。
「俺が行きます」
その静かの中で、1人の声が響く。
「コンラート」
「ヨザックを呼びます。俺と彼とは幾度も危険を超えてきた」
「おれも行くぞ!」
と、また有利は言い出した。
それを聞いている双子は苦笑いをしながら、小さく溜め息を吐く。
「そんな、なぜ陛下までが、」
「だっておれ、魔王だよ。城の仲間が大変な事になってんの、ほっとけないよ!」
「しかし…」
「だったら私も行くわ」
コンラートが何かを言いそうだったが、それを遮ってアリアが話しだす。
「アリア?」
「有利は魔王なんでしょ?私達は有利を守るためにいるんだから、ね?」
「本当?アリアも来てくれるの?」
「有利だけじゃ心配だしね」
アリアも付いて来てくれるという事を知り、有利は喜んでいた。
「うん、渋谷とアリアなら大丈夫かも」
そう言う健に全員は不思議に思ったが、ヴォルフラムもすぐに言い出す。
「ユーリが行くなら僕も!」
「う~ん、フォンビーレフェルト卿ちょっとマズイかな~」
「何をー!僕がユーリを信じれられなくなる事など断じて無いぞ!」
「はいはい」
ヴォルフラムに言われ、健は苦笑するが、すぐに真剣な顔になる。
「いいかい?少しでも誰かが信じられなくなったら、その時は真っ直ぐ下山してくるんだ」
有利はハッキリと頷く。
セルセは隣にいるアリアに話しかける。
「俺は今回は城に残る。ユーリの事はお前に任せるぞ」
「わかった」
こうしてマカビラ山へ行く事になったのは有利、アリア、ヴォルフラム、コンラート、ヨザックの5人となった。
「眞王廟に使いをやったのですが、どうも様子が可笑しいと…」
「眞王廟へ…」
サングリアの様子が可笑しいという事で彼女達の部屋へ向かっている最中。
サングリア達の寝室前へと着くと丁度ギーゼラが出てくる。
「陛下、父上」
「サングリアの様子はどうだ?」
「それが…」
何か言い憎そうになるギーゼラ。
すると部屋から『嫌ー!』という声が聞こえ、有利がドアを開けると同時に枕が顔面に飛んできた。
「ぐっ!?」
「有利?」
「大丈夫か?」
全員が驚いたが部屋の中の様子の方が呆気する。
「ドリアもラザニアも酷いいわよー!わたしが1番可愛いからって!!」
「ちょっとー!!」
「誰が1番ですってー!?」
中で繰り広げられていたのは、ラザニア達の鬼ごっこだった。
「これは…」
「鬼ごっこ??」
「違うでしょう」
「無理があるぞ」
「楽しそうですね」
「えっと~…」
「すこぶる元気そうだが…」
双子はもちろん、エイルも有利もヴォルフラムも何も言えない状態。
すると散々逃げ回っていたサングリアは有利がいる事に気づく。
「陛下がなぜここに!? ! 分かりました!わたしが不要になって国につき帰そうと言うのですね!!」
「いや~、そんな事は…」
「なんて不幸なの~!もう誰も信じられない~~!!」
さすがの有利も苦笑するが、サングリアはベットに顔を埋めて泣き喚く。
「これ、学芸会かなんかの練習?」
「それも違うでしょ」
有利の問いに即答で答えるアリアに、その様子を見ていたギーゼラも呆れる。
「さっきからずっとこうなんです。高熱があるようなのですが、満足に診察も出来ない状態で…」
そう言うと健は何かに気づき、部屋から出て行く。
有利達は不思議に思ったが、健が赴いたのは図書室だった。
「何を調べるっての?」
「ちょっと思い当たる事があってね」
思い当たる事があるという事で、剣は1冊の本を開いて調べていた。
「あー!雪だー!」
あるページを開くとグレタは雪の絵で喜んでいたが、健だけは違っていた。
「眞魔国の最果てにマカビラ山と呼ばれる地がある」
「その昔、創主と眞王が決戦の地に選らんだとされる古戦場ですね。その戦い以来、季節を問わず雪と氷に閉ざされるようになったと伝えられています」
「ふ~ん。名所旧跡ってやつか」
「誰も近寄りはしないがな」
「え?」
「彼らの戦いがもたらしたのは、万年雪だけじゃないんだ。戦いの邪念が辺りに満ち、その瘴気に犯されれば人を信じられないくなると言われている」
だからこそ、誰もその地へ入ろうとはしないのだ。
「はぁ?何だよそれ、」
「う~ん。彼らの捻くれまくった根性の恩恵ってヤツかな?」
「恩恵…?」
「嬉しくねーな」
「欲しくないですよ」
明るく言う健に双子とエイルは呆れる。
健の説明を聞いた有利は、ある事に気づく。
「人を信じられないね~、今のサングリアみたいだな」
「!」
「そんな」
「サングリアがなぜ?」
有利の言葉にハッとする。
「理由は分からない。でももし僕の読みが正しいとしたら、」
健は次のページを開くと、1本の枝と葉が描かれていた。
「ミナディアの葉。この薬草には瘴気を中和する効果がある」
それさえあればサングリアは元に戻るはず。
だがそのミナディアの葉はマカビラ山にしか生息しないのだ。
「どういう事?」
首を傾げる有利に双子が説明をする。
「つまり、薬草を手に入れる為には山に行かなきゃいけない事になるわ」
「だがその山には瘴気が満ちていて、自分も犯される危険を覚悟しなければいけないって事だ」
双子の説明に健も頷き、説明を続けて行く。
「そう、1人で行くには無謀すぎる僻地だ。だけど同行者がマカビラ山の瘴気にやられてしまえば…」
「雪山ではわずかな綻びも命取り。仲間割れなど断じて許されん」
グウェンダルも説明をすると、辺りは一瞬静かになる。
「俺が行きます」
その静かの中で、1人の声が響く。
「コンラート」
「ヨザックを呼びます。俺と彼とは幾度も危険を超えてきた」
「おれも行くぞ!」
と、また有利は言い出した。
それを聞いている双子は苦笑いをしながら、小さく溜め息を吐く。
「そんな、なぜ陛下までが、」
「だっておれ、魔王だよ。城の仲間が大変な事になってんの、ほっとけないよ!」
「しかし…」
「だったら私も行くわ」
コンラートが何かを言いそうだったが、それを遮ってアリアが話しだす。
「アリア?」
「有利は魔王なんでしょ?私達は有利を守るためにいるんだから、ね?」
「本当?アリアも来てくれるの?」
「有利だけじゃ心配だしね」
アリアも付いて来てくれるという事を知り、有利は喜んでいた。
「うん、渋谷とアリアなら大丈夫かも」
そう言う健に全員は不思議に思ったが、ヴォルフラムもすぐに言い出す。
「ユーリが行くなら僕も!」
「う~ん、フォンビーレフェルト卿ちょっとマズイかな~」
「何をー!僕がユーリを信じれられなくなる事など断じて無いぞ!」
「はいはい」
ヴォルフラムに言われ、健は苦笑するが、すぐに真剣な顔になる。
「いいかい?少しでも誰かが信じられなくなったら、その時は真っ直ぐ下山してくるんだ」
有利はハッキリと頷く。
セルセは隣にいるアリアに話しかける。
「俺は今回は城に残る。ユーリの事はお前に任せるぞ」
「わかった」
こうしてマカビラ山へ行く事になったのは有利、アリア、ヴォルフラム、コンラート、ヨザックの5人となった。