聖剣を持つ男
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中庭で有利はコンラートとともに剣の稽古をしていた。
城へ続く階段の方では、双子、ヴォルフラム、健、エイル、グレタ、そしてラザニア達が見ていたのだ。
だが、さすがコンラートなのか有利はまったく敵わない。
「ユーリ!頑張れ~!」
「腰が引けてるぞ!へなちょこ!もっと思いっきり踏み込め!!」
「そんなこと言ったって…」
そう言われた有利は『ちぇすと~』と言いながらコンラートに攻撃を仕掛けた。
だが…。
「うわったったった!!」
ラザニア達を見つけたモルギフは有利の意思なんて無視した。
モルギフは有利に捕まれたまま、ラザニア達の方へ向かって行った。
それを見た3人は逃げていく。
階段のところで何とか食いしばった。
「こら!やめろって!!」
なんとか止まった有利に健は苦笑しながら近づく。
「ん~。4千年前とは顔も変わってるけど性格も随分変わったな~、キミ」
「ム…フン!」
健に言われたモルギフは拗ねる。
「ああ、額の石がなくちゃったのか。あれが力の源だからね」
「それは、ちょっと事故で…」
「ん?」
有利がまだ魔王になったばかりので、モルギフを取りにヴァン・ダー・ヴィーア島に行った時。
なんとかモルギフを見つけ、眞魔国に帰国している時だった。
額に着いていた黒曜石に見惚れたツェリが触ろうとして床に落として外れたのだ。
「でもさ、コイツ見つけた時からこんなだったぞ?眞王が使っていた時はすごいハンサムだったって本当か?」
「歳月って残酷だよね~」
まるで歳を取ったおじいちゃんの様に話す。
「でも 嘘じゃないよ。眞王の持つ魔剣として、その威力を存分に発揮していたんだ。
魔剣の一振りで山は裂け、海は荒れ狂い、牛が宙を舞った」
「牛が…!?」
有利は『宙に舞った牛』を想像する。
「渋谷!驚くところが違うよ!」
「ユーリの事だから牛の事しか頭になかったんだろ?」
「どう考えても山とか海の方に驚くと思うけど」
「陛下らしいですね」
3人は苦笑する。
健が言いたかった結論は、近隣諸国に恐れられていたという事。
本当か?とヴォルフラムは思った。
「ギュンターに聞けばわかるけど、歴史書にもそんな記述が残っていますよ」
「あ、私も読んだことあるけどね」
「お前、本当に本とか好きだよな。昔から」
「そうね」
コンラートと双子が話していると、有利はジッとモルギフを見る。
「ま、その片鱗は実際に見たけど」
有利はエイルとグレタにモルギフを見せると、モルギフは色んな面白い顔をする。
「キャハハハ!変な顔!!」
「面白いですね、モルギフさん」
「エイル、別にモルギフに『さん』を付けなくてもいいんだぞ?」
「そうですか?」
昔からのクセなのか、エイルは話す時はいつも敬語だ。
「昔はどうでも、今のコイツもこれで楽しそうだからだ。いいんじゃないか?」
タッタッタッタ…
「見つけましたよ!陛下~~!!」
「げっ ああ、しまった…!」
走って来たのはギュンターだった。
ギュンターを見た有利はモルギフを健に渡しコンラートとアリアの後ろに隠れる。
「わたしとのお勉強の時間はとっくに過ぎております!そんなにお勉強が嫌いですか!?それとも…わたくしと一緒なのが嫌なのですか!?お嫌いなのですか…!?」
ギュンターは泣きはじめた。
コンラートとアリアの後ろで有利は呆れる。
「ああ~、国内視察から帰ってきてくれたのは嬉しいけど、居たら居たでちょっとうるさい」
「今、行こうとしてたんですよね?陛下」
いきなりコンラートに話しかけられ驚く。
「え!?ああ、うん!ギュンターが嫌いなはずないじゃん!さぁ勉強頑張ろう…」
「そうですか!」
嘘だという事も気づかないギュンターはものすごく喜ぶ。
有利は健からモルギフを受け取ると城の中へ入って行く。
「モルギフ、お前も一緒に勉強するか?」
「イヤ」
歩きながらモルギフに聞いた有利だが、モルギフは即答で断った。
そんな2人(片方は剣)を見ながら双子とコンラートは苦笑する。
コンラートは横目で見て、双子は後ろに振り向く。
「陛下の護衛はしばしお休みだな」
「とうぶんはギュンターから離れられないと思うけどね」
「ま、勉強をサボろうとしたユーリが悪いんじゃねーのか?」
「あ~ら?ばれてたか」
3人が話しかけたのは木の後ろにいるヨザックだった。
その後はコンラートの部屋で双子とヨザックはお茶している。
そこには相変わらず、大人のお勉強?として一緒にいるエイルだった。
「またしばらく姿を見なかったが、グウェンダルの命令で国外の偵察に行っていたのか?」
「ああ。あと2つの箱、『鏡の水底』と『天の儚さ』の行方を探してね。
グリーセラ卿も頑張っているみたいだけど俺にも別方向から探してくれってな。
あれでもアンタを心配してんだぜ?兄上様と妹様は」
「……わかっている」
『双黒の大賢者で取り成しで撤回されたとはいえ、コンラートが眞王陛下から受けた箱回収の命令は眞魔国にとって最優先事項だ。
一刻も早く見つけ出さなければならん』
『それに、折角帰ってきた弟が気兼ねなく過ごせるようするためにも。ね?』
『あたくしにとっては それも重要な事ですが、またあんなに悲しむアリアは見たくありませんもわ』
『余計な事は言わないでよい。お前もそんなに心配をする事はない。
わたし達が思っているほど、双子は弱くない。行け』
『はいはい。了解しました閣下』
「こういうのいいよな~」
「ヨザック?」
「「ヨザ?」」
「?」
いきなり変な事を言い出したヨザックに不思議に思う。
「そりゃあ俺は、人間じゃなく魔族として生きていく事を決めた。お前らと一緒にな。それを後悔した事はない。
でも…どこかで願っていた。人間と魔族が争うことのない世界があれば。在り得ない理想だと諦めてたけどな」
それを聞いて小さく笑う。
全員が同じ事を思っていたからだろう。
「だけど誰もがそういうもんだと諦めてた事を真正面から乗り越えていっちまう、無茶なお方を見てるとつい俺もそれを助けたりしたりな」
「ユーリならきっとそんな世界を創れる。俺はそう信じてる」
「少し頼りない時はあるけどね」
「まぁ、これからも頑張ってもらえばいいんじゃないか?」
「頑張ってほしいですね、陛下…」
4人がそんな話しをしているからか、勉強中の有利はクシャミをしていたり…。
城へ続く階段の方では、双子、ヴォルフラム、健、エイル、グレタ、そしてラザニア達が見ていたのだ。
だが、さすがコンラートなのか有利はまったく敵わない。
「ユーリ!頑張れ~!」
「腰が引けてるぞ!へなちょこ!もっと思いっきり踏み込め!!」
「そんなこと言ったって…」
そう言われた有利は『ちぇすと~』と言いながらコンラートに攻撃を仕掛けた。
だが…。
「うわったったった!!」
ラザニア達を見つけたモルギフは有利の意思なんて無視した。
モルギフは有利に捕まれたまま、ラザニア達の方へ向かって行った。
それを見た3人は逃げていく。
階段のところで何とか食いしばった。
「こら!やめろって!!」
なんとか止まった有利に健は苦笑しながら近づく。
「ん~。4千年前とは顔も変わってるけど性格も随分変わったな~、キミ」
「ム…フン!」
健に言われたモルギフは拗ねる。
「ああ、額の石がなくちゃったのか。あれが力の源だからね」
「それは、ちょっと事故で…」
「ん?」
有利がまだ魔王になったばかりので、モルギフを取りにヴァン・ダー・ヴィーア島に行った時。
なんとかモルギフを見つけ、眞魔国に帰国している時だった。
額に着いていた黒曜石に見惚れたツェリが触ろうとして床に落として外れたのだ。
「でもさ、コイツ見つけた時からこんなだったぞ?眞王が使っていた時はすごいハンサムだったって本当か?」
「歳月って残酷だよね~」
まるで歳を取ったおじいちゃんの様に話す。
「でも 嘘じゃないよ。眞王の持つ魔剣として、その威力を存分に発揮していたんだ。
魔剣の一振りで山は裂け、海は荒れ狂い、牛が宙を舞った」
「牛が…!?」
有利は『宙に舞った牛』を想像する。
「渋谷!驚くところが違うよ!」
「ユーリの事だから牛の事しか頭になかったんだろ?」
「どう考えても山とか海の方に驚くと思うけど」
「陛下らしいですね」
3人は苦笑する。
健が言いたかった結論は、近隣諸国に恐れられていたという事。
本当か?とヴォルフラムは思った。
「ギュンターに聞けばわかるけど、歴史書にもそんな記述が残っていますよ」
「あ、私も読んだことあるけどね」
「お前、本当に本とか好きだよな。昔から」
「そうね」
コンラートと双子が話していると、有利はジッとモルギフを見る。
「ま、その片鱗は実際に見たけど」
有利はエイルとグレタにモルギフを見せると、モルギフは色んな面白い顔をする。
「キャハハハ!変な顔!!」
「面白いですね、モルギフさん」
「エイル、別にモルギフに『さん』を付けなくてもいいんだぞ?」
「そうですか?」
昔からのクセなのか、エイルは話す時はいつも敬語だ。
「昔はどうでも、今のコイツもこれで楽しそうだからだ。いいんじゃないか?」
タッタッタッタ…
「見つけましたよ!陛下~~!!」
「げっ ああ、しまった…!」
走って来たのはギュンターだった。
ギュンターを見た有利はモルギフを健に渡しコンラートとアリアの後ろに隠れる。
「わたしとのお勉強の時間はとっくに過ぎております!そんなにお勉強が嫌いですか!?それとも…わたくしと一緒なのが嫌なのですか!?お嫌いなのですか…!?」
ギュンターは泣きはじめた。
コンラートとアリアの後ろで有利は呆れる。
「ああ~、国内視察から帰ってきてくれたのは嬉しいけど、居たら居たでちょっとうるさい」
「今、行こうとしてたんですよね?陛下」
いきなりコンラートに話しかけられ驚く。
「え!?ああ、うん!ギュンターが嫌いなはずないじゃん!さぁ勉強頑張ろう…」
「そうですか!」
嘘だという事も気づかないギュンターはものすごく喜ぶ。
有利は健からモルギフを受け取ると城の中へ入って行く。
「モルギフ、お前も一緒に勉強するか?」
「イヤ」
歩きながらモルギフに聞いた有利だが、モルギフは即答で断った。
そんな2人(片方は剣)を見ながら双子とコンラートは苦笑する。
コンラートは横目で見て、双子は後ろに振り向く。
「陛下の護衛はしばしお休みだな」
「とうぶんはギュンターから離れられないと思うけどね」
「ま、勉強をサボろうとしたユーリが悪いんじゃねーのか?」
「あ~ら?ばれてたか」
3人が話しかけたのは木の後ろにいるヨザックだった。
その後はコンラートの部屋で双子とヨザックはお茶している。
そこには相変わらず、大人のお勉強?として一緒にいるエイルだった。
「またしばらく姿を見なかったが、グウェンダルの命令で国外の偵察に行っていたのか?」
「ああ。あと2つの箱、『鏡の水底』と『天の儚さ』の行方を探してね。
グリーセラ卿も頑張っているみたいだけど俺にも別方向から探してくれってな。
あれでもアンタを心配してんだぜ?兄上様と妹様は」
「……わかっている」
『双黒の大賢者で取り成しで撤回されたとはいえ、コンラートが眞王陛下から受けた箱回収の命令は眞魔国にとって最優先事項だ。
一刻も早く見つけ出さなければならん』
『それに、折角帰ってきた弟が気兼ねなく過ごせるようするためにも。ね?』
『あたくしにとっては それも重要な事ですが、またあんなに悲しむアリアは見たくありませんもわ』
『余計な事は言わないでよい。お前もそんなに心配をする事はない。
わたし達が思っているほど、双子は弱くない。行け』
『はいはい。了解しました閣下』
「こういうのいいよな~」
「ヨザック?」
「「ヨザ?」」
「?」
いきなり変な事を言い出したヨザックに不思議に思う。
「そりゃあ俺は、人間じゃなく魔族として生きていく事を決めた。お前らと一緒にな。それを後悔した事はない。
でも…どこかで願っていた。人間と魔族が争うことのない世界があれば。在り得ない理想だと諦めてたけどな」
それを聞いて小さく笑う。
全員が同じ事を思っていたからだろう。
「だけど誰もがそういうもんだと諦めてた事を真正面から乗り越えていっちまう、無茶なお方を見てるとつい俺もそれを助けたりしたりな」
「ユーリならきっとそんな世界を創れる。俺はそう信じてる」
「少し頼りない時はあるけどね」
「まぁ、これからも頑張ってもらえばいいんじゃないか?」
「頑張ってほしいですね、陛下…」
4人がそんな話しをしているからか、勉強中の有利はクシャミをしていたり…。