愛しいモノ
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「なんでまた、火山の噴火なんて…」
突然の地震と火山の噴火に有利は戸惑うだけだった。
「そいつだ…」
「え?…え!?」
有利と健はモルギフを見る。
「モルギフがこの島に戻ってきたせいで、また火山活動が始まったんだよ」
「おい…、…そうなのか…?」
「オウ、オウ、オウ♪」
有利に聞かれたモルギフは嬉しそうに鳴く。
「張り切ってるし。ハア」
喜んでいるモルギフに有利は溜息をつくだけだった。
火山はどんどん大噴火していき、更に激しくなっていく事に大シマロン兵達は逃げていく。
「一時休戦だ。我々も森に避難する、急げ!!」
さすがに、この状況では危ないと感じたグウェンダルはそう命令をすると、すぐにその場から去って行く。
だがその中で大シマロン兵達と一緒に紛れるようにアーダルベルトも逃げて行くが、コンラートとすれ違う瞬間に呟いた。
「また会おう。お前にはまだ話しが残っている」
そう言って去って行ったのだった。
崖から避難した有利達は森の中を走っていたが、途中でグウェンダルは立ち止まる。
「止まれ。何か聞こえる…」
「え?何も…、あっ」
何も聞こえないと思ったが、すぐに気づいた。
「子どもの、泣き声だ」
「連れて来られた子ども達だ!この辺りにいるぞ!」
子ども達を探すと草むらの中に座っていたのだ。
「ベラールは見捨てて逃げたようですね」
「とにかく、安全な場所へ連れて行かなきゃ!」
「これで全員か?」
グレンダルが聞くと1人の子どもが頷く。
それと同時に火山の活動が激しくなっていき、火山岩が降ってくる。
「!」
それには火までもがついていたのか、森に火山岩が落ちてきて森が焼かれ始め、そして周りを炎で覆われたのだ。
道を開く為に剣で木を倒し始めていく。
「剣術、使わないとマズイか?」
「でも体力使うでしょう。大シマロンの時だって、辛そうにしてたし…」
「だよな…!」
1本ずつ木を倒していくのは大変だ。
だから双子が使える剣術を使えば楽かもしれないと思ったが、剣術が1番体力を使い、体への負担が大きいのだ。
少し離れた場所で子どもが泣いた。
そこを見ると、子どもが1人 火の中に置いていかれたのだ。
「くっ!」
それを見たヴォルフラムは剣で火をなぎ払い、子どもの所へ行った。
その瞬間、火は完全に覆ってしまった。
「ヴォルフラム―――!!」
ヴォルフラムが中に行ったのを見た有利は叫んだ。
「陛下!」
その時、有利はまた魔王を発動したのだった。
「あ、また…?」
「ああ、まただな…」
発動した有利を見て呆れる双子。
「子ども達は世界の宝。1人たりとも傷つけてはならぬ。火事と喧嘩は江戸の花、たとえ地獄の炎でも見事消し止めてみせる!」
「だからなんで江戸?」
「だから突っ込みを入れるなって」
どうしても、いつも不思議に思っていたアリア。
有利の魔術でヴォルフラムを覆っていた火を消し、森に付いていた火さえも全て消した。
「眞魔国八百八町を炎から守る、町火消しマ組の有利親分、見参!野望の巻き添えにされた汚れなき命、1つたりとも失わせはせん!!」
モルギフを掴んだ。
「モルギフ!お前も責任を果たせ!」
そう言うと有利はモルギフを地に刺すと、青い光が発する。
そしてその光は島全体を覆い、火山活動を休止させたのだ。
いつものお約束なのか、魔王が解かれた後、有利は気絶した。
「やっぱりな…」
「人間の土地だかね…、仕方ないでしょう?」
「だよな」
苦笑しながら気絶している有利を見ると、後ろでは『怖いよー』と泣く。
『?』
不思議に思った双子達は子ども達を見てみると、何と泣いていた理由はモルギフだったのだ。
「はい、もう痛くないでしょ?」
「うん。ありがとー、お姉ちゃん」
「さすがアリアだね」
怪我をした子ども達の手当てをしているアリアに健は感心していた。
「これぐらいの簡単な処置なら…」
苦笑するアリアだったが、しばらくすると有利は目覚めたのだ。
「ほーら、もう痛くないだろ?」
「へぇ…。村田、包帯なんか巻けたんだ…」
「こういうの以外と得意なんだよ」
アリアと同じ様に健が子どもに包帯を巻いている所を見た有利は感心していた。
「有利はもう大丈夫なの?」
「うん、平気だよ。ごめんなアリア。心配かけて…」
「大丈夫。いつもの事だから心配はしてなかった」
「え?」
笑いながら有利の言葉を否定したアリア。
少し離れた場所ではグウェンダルも子ども達に包帯を巻いていた。
その巻き方が可愛らしいのか、子ども達には人気。
「相変わらず、そういうのは器用だな」
「だから子どもにも人気なのよね…」
「へぇ~」
そんなグウェンダルを見て笑っていたアリア達だった。
島から離れた場所に大シマロンの船が逃げていくところを見ていた双子はヨザックに近づく。
「大シマロンの奴ら、逃げてくな…」
「そうだな。そういえばディオネも眞魔国派同盟に入ったんだってな」
「私達と和解したからでしょうね。しかも、眞魔国にはエイルもいることだし…」
3人が話しているとグウェンダルがやってきた。
「大シマロンの船団です。逃げていきます」
「結局、取り逃がしたな」
「はい」
「おれはこれで良かったと思ってるよ」
「有利?」
4人で話していたのに急に有利が入ってきて双子は驚いたが、有利の顔は笑っていた。
「ユーリらしいって事か」
「確かに」
「あの…」
しばらくすると、人間の国の子ども達が歩いてきた。
何かあったのかと思ったが、子ども達は有利達にお礼をしたのだ。
「ありがとうございました。人間の王に見捨てられて、魔族の王に救われるなんて思ってもいませんでした」
「あれは…、なんていうか…、成り行きだから…。それにおれ、あんまり覚えていないし…」
お礼を言われた有利は苦笑しながら答える。
そんな有利を見ていたヴォルフラムは呆れている。
「まったく。威厳の無い王だ!」
「陛下らしいな。そこが良いところだろ?ヴォルフラム」
「ふんっ」
突然の地震と火山の噴火に有利は戸惑うだけだった。
「そいつだ…」
「え?…え!?」
有利と健はモルギフを見る。
「モルギフがこの島に戻ってきたせいで、また火山活動が始まったんだよ」
「おい…、…そうなのか…?」
「オウ、オウ、オウ♪」
有利に聞かれたモルギフは嬉しそうに鳴く。
「張り切ってるし。ハア」
喜んでいるモルギフに有利は溜息をつくだけだった。
火山はどんどん大噴火していき、更に激しくなっていく事に大シマロン兵達は逃げていく。
「一時休戦だ。我々も森に避難する、急げ!!」
さすがに、この状況では危ないと感じたグウェンダルはそう命令をすると、すぐにその場から去って行く。
だがその中で大シマロン兵達と一緒に紛れるようにアーダルベルトも逃げて行くが、コンラートとすれ違う瞬間に呟いた。
「また会おう。お前にはまだ話しが残っている」
そう言って去って行ったのだった。
崖から避難した有利達は森の中を走っていたが、途中でグウェンダルは立ち止まる。
「止まれ。何か聞こえる…」
「え?何も…、あっ」
何も聞こえないと思ったが、すぐに気づいた。
「子どもの、泣き声だ」
「連れて来られた子ども達だ!この辺りにいるぞ!」
子ども達を探すと草むらの中に座っていたのだ。
「ベラールは見捨てて逃げたようですね」
「とにかく、安全な場所へ連れて行かなきゃ!」
「これで全員か?」
グレンダルが聞くと1人の子どもが頷く。
それと同時に火山の活動が激しくなっていき、火山岩が降ってくる。
「!」
それには火までもがついていたのか、森に火山岩が落ちてきて森が焼かれ始め、そして周りを炎で覆われたのだ。
道を開く為に剣で木を倒し始めていく。
「剣術、使わないとマズイか?」
「でも体力使うでしょう。大シマロンの時だって、辛そうにしてたし…」
「だよな…!」
1本ずつ木を倒していくのは大変だ。
だから双子が使える剣術を使えば楽かもしれないと思ったが、剣術が1番体力を使い、体への負担が大きいのだ。
少し離れた場所で子どもが泣いた。
そこを見ると、子どもが1人 火の中に置いていかれたのだ。
「くっ!」
それを見たヴォルフラムは剣で火をなぎ払い、子どもの所へ行った。
その瞬間、火は完全に覆ってしまった。
「ヴォルフラム―――!!」
ヴォルフラムが中に行ったのを見た有利は叫んだ。
「陛下!」
その時、有利はまた魔王を発動したのだった。
「あ、また…?」
「ああ、まただな…」
発動した有利を見て呆れる双子。
「子ども達は世界の宝。1人たりとも傷つけてはならぬ。火事と喧嘩は江戸の花、たとえ地獄の炎でも見事消し止めてみせる!」
「だからなんで江戸?」
「だから突っ込みを入れるなって」
どうしても、いつも不思議に思っていたアリア。
有利の魔術でヴォルフラムを覆っていた火を消し、森に付いていた火さえも全て消した。
「眞魔国八百八町を炎から守る、町火消しマ組の有利親分、見参!野望の巻き添えにされた汚れなき命、1つたりとも失わせはせん!!」
モルギフを掴んだ。
「モルギフ!お前も責任を果たせ!」
そう言うと有利はモルギフを地に刺すと、青い光が発する。
そしてその光は島全体を覆い、火山活動を休止させたのだ。
いつものお約束なのか、魔王が解かれた後、有利は気絶した。
「やっぱりな…」
「人間の土地だかね…、仕方ないでしょう?」
「だよな」
苦笑しながら気絶している有利を見ると、後ろでは『怖いよー』と泣く。
『?』
不思議に思った双子達は子ども達を見てみると、何と泣いていた理由はモルギフだったのだ。
「はい、もう痛くないでしょ?」
「うん。ありがとー、お姉ちゃん」
「さすがアリアだね」
怪我をした子ども達の手当てをしているアリアに健は感心していた。
「これぐらいの簡単な処置なら…」
苦笑するアリアだったが、しばらくすると有利は目覚めたのだ。
「ほーら、もう痛くないだろ?」
「へぇ…。村田、包帯なんか巻けたんだ…」
「こういうの以外と得意なんだよ」
アリアと同じ様に健が子どもに包帯を巻いている所を見た有利は感心していた。
「有利はもう大丈夫なの?」
「うん、平気だよ。ごめんなアリア。心配かけて…」
「大丈夫。いつもの事だから心配はしてなかった」
「え?」
笑いながら有利の言葉を否定したアリア。
少し離れた場所ではグウェンダルも子ども達に包帯を巻いていた。
その巻き方が可愛らしいのか、子ども達には人気。
「相変わらず、そういうのは器用だな」
「だから子どもにも人気なのよね…」
「へぇ~」
そんなグウェンダルを見て笑っていたアリア達だった。
島から離れた場所に大シマロンの船が逃げていくところを見ていた双子はヨザックに近づく。
「大シマロンの奴ら、逃げてくな…」
「そうだな。そういえばディオネも眞魔国派同盟に入ったんだってな」
「私達と和解したからでしょうね。しかも、眞魔国にはエイルもいることだし…」
3人が話しているとグウェンダルがやってきた。
「大シマロンの船団です。逃げていきます」
「結局、取り逃がしたな」
「はい」
「おれはこれで良かったと思ってるよ」
「有利?」
4人で話していたのに急に有利が入ってきて双子は驚いたが、有利の顔は笑っていた。
「ユーリらしいって事か」
「確かに」
「あの…」
しばらくすると、人間の国の子ども達が歩いてきた。
何かあったのかと思ったが、子ども達は有利達にお礼をしたのだ。
「ありがとうございました。人間の王に見捨てられて、魔族の王に救われるなんて思ってもいませんでした」
「あれは…、なんていうか…、成り行きだから…。それにおれ、あんまり覚えていないし…」
お礼を言われた有利は苦笑しながら答える。
そんな有利を見ていたヴォルフラムは呆れている。
「まったく。威厳の無い王だ!」
「陛下らしいな。そこが良いところだろ?ヴォルフラム」
「ふんっ」