大シマロンの逆襲
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「俺達もか?」
「ああ。ディオネのお前達も来いと言っていたぞ」
「って事は私も入ってるのね…」
エイルがこの眞魔国に来てから数日が経った頃、相変わらず有利と一緒にいたアリア達はギュンターに呼ばれた。
外国からの客人として、ヒスクライフが来ていたのだ。
今回彼が眞魔国に来た理由は、大シマロンから提案された事についてだったのだ。
1つは交換留学だあり、そしてもう1つが…。
「ディオネの俺達、か…」
「ええ。大シマロン領のシヴェル島の領主であるディオネ家は先日、大シマロン領から離れ眞魔国派同盟へ加盟しました。
それを知ったからでしょう。貴方達も話し合いをしたいと、その為に来て欲しいと言っています」
「どうしても、俺らの術が欲しいって事か」
その話を聞いたセルセは呆れていたが、アリアはどこか心配そうになる。
「でも、ディオネが眞魔国派同盟に加入したのだって、云わばエイルが懸け橋になったようなものでしょう?」
「そうだな。ないがしろには出来ないな」
話していると有利とヴォルフラムが入ってきた。
「え!?子ども達を寄こせって!?」
「大シマロンがそう言ってきたのか!?」
内容を話したが有利達には双子の事は隠し、交換留学の話しだけをした。
「表向きは各国の交流の為。互いの国の王族や貴族の子ども達を交換留学させようと…」
「眞魔国派同盟の国々に、親書を出してきたのです」
「交換留学なんて嘘に決まってる。子どもを差し出して逆らえる事が無いように、人質にするつもりなんだろう」
セルセの説明にギュンターも頷きながら、一通の手紙を見る。
「ええ。我が国にも、先ほど親書が届きました」
ガチャリ
「「?」」
突然、扉が開く音が聞こえ、振り返る。
「グレタ、エイル」
扉を開けたのはグレタとエイルだったのだ。
「離ればなれになっちゃうの?ユーリと、皆と離ればなれになっちゃうの?」
先程の内容を聞いていたのか、グレタは不安そうに有利達に尋ねたのだ。
有利はすぐにグレタ達に近づき、目線を合わせる。
「大丈夫だよ。グレタ、エイル。絶対にそんな事させないから」
「そうだ。そんな話し、突っぱねればいい」
ヴォルフラムの強気な意見にヒスクライフも同意する。
「ええ。各国の代表にはそうするようには、そうするように言っております。只、大シマロンと国境を隣り合わせている国々や、最近同盟に参加したばかりの小国にはやはり、動揺が、」
ヒスクライフの話を聞いた有利はギュンター達の方を見る。
「これからどうする?」
「ヴァン・ダー・ヴィーア島で2日後、大シマロンと会談を開く事になっています」
島の名前を聞いた有利は思い出す。
「ヴァン・ダー・ヴィーア島って…」
「ええ。モルギフがいた島の事よ」
すると有利はテーブルを叩いた。
「よっしゃあ!そこに乗り込んで、おれが大シマロンの奴らにガツンと!」
「それには及ばん」
「っ?」
「兄上?」
活気込んでいた有利の言葉を遮ったのはグウェンダルだった。
「会談にはわたしと双子だけで行く。お前はこの城に残っていろ。
ヒスクライフ殿、話しは眞魔国がつけてくる。それまでは勝手な事をしないよう、各国の代表に伝えて頂きたい」
「承知しました」
グウェンダルがそう言った事に有利は怒り、グウェンダルの方は走る。
「何でだよ!俺も一緒に…!」
「王が軽々しく国の外に出るものではない」
「(ウンウン)」
「でも…!でも!今までだって…!」
「今までは運が良かっただけだ。お前にもしもの事があったら、この国は?民はどうなる?」
「(ウンウン)」
「あ、」
いつもと変わらないグウェンダルの口調。
その内容を聞いているギュンターは隣で頷いている。
「お前の体はお前1人のモノではない。いい加減、王としての自覚を持て」
そう言い放つとグウェンダルは椅子から立ち、そのまま扉の方へ向かって歩いて行く。
「後は任せたぞ」
通りかかりにコンラートに小さな声で伝えた彼は、そのまま視線だけ双子を見る。
「行くぞ、セルセ、アリア」
「はいはい」
グウェンダルに呼ばれ双子も同じ様に椅子から立ち上がる。
「え、何で双子も!?」
双子も立ち上がった事に有利は驚きを隠せないでいたが、セルセは肩をすくめる。
「俺達も呼ばれてるんだよ」
「え、」
「大シマロンはディオネの術にご執心、って事で」
「あ…」
ディオネの術の事も言われ、有利はそれ以上何も言えなくなる。
「って事で、行ってくるから」
有利の頭を軽く叩くと、グウェンダルの後を追いかけて行く。
「有利…」
アリアは部屋から出る時、何時もと変わらない口調で話す。
「前に健が言ってたでしょう?有利は守られる事に慣れないといけない。
王には王の責任があって、絶対に最後まで倒されちゃいけない。でないと、全てが無駄になるって。分かってるでしょ?有利」
そう話すと、有利からコンラート達の方を見る。
「エイルの事、お願いね」
「ああ」
「お任せください」
コンラート達は頷くと、微笑みながらエイルの頭を撫でる。
「行ってくるから、コンラート達の言う事をちゃんと聞いてね」
「はい」
どこか不安そうに頷く彼にアリアは今まで通りの笑顔で頭をもう一度撫でてから、部屋から出て行ったのだった。
「兄様、姉様、」
アリア達の後ろ姿を見て、哀しそうな表情になった。
「エイル、大丈夫ですよ。双子は強いですから」
彼が心配している事を十分に理解しているギュンターは微笑みながらエイルの側に寄った。
「ギュンター、」
「双子は強いです。それにグウェンダルも一緒なんですから、心配ありません」
「うん」
そして、その夜。
テラスでは有利が地団駄を踏んでいた。
「あ―――!!もう!!あー!くっそ!ジッとなんてしてらんないよ!!確かにグウェンダルとアリアの言う事もわかるよ!でも、でもさ!」
それでも地団駄を踏み続けている有利はコンラート達を見る。
「子どもを人質にするなんて、そんなの絶対に許せない!」
「大丈夫だって」
「!?」
すると部屋から建が歩いて来る。
「ああ。ディオネのお前達も来いと言っていたぞ」
「って事は私も入ってるのね…」
エイルがこの眞魔国に来てから数日が経った頃、相変わらず有利と一緒にいたアリア達はギュンターに呼ばれた。
外国からの客人として、ヒスクライフが来ていたのだ。
今回彼が眞魔国に来た理由は、大シマロンから提案された事についてだったのだ。
1つは交換留学だあり、そしてもう1つが…。
「ディオネの俺達、か…」
「ええ。大シマロン領のシヴェル島の領主であるディオネ家は先日、大シマロン領から離れ眞魔国派同盟へ加盟しました。
それを知ったからでしょう。貴方達も話し合いをしたいと、その為に来て欲しいと言っています」
「どうしても、俺らの術が欲しいって事か」
その話を聞いたセルセは呆れていたが、アリアはどこか心配そうになる。
「でも、ディオネが眞魔国派同盟に加入したのだって、云わばエイルが懸け橋になったようなものでしょう?」
「そうだな。ないがしろには出来ないな」
話していると有利とヴォルフラムが入ってきた。
「え!?子ども達を寄こせって!?」
「大シマロンがそう言ってきたのか!?」
内容を話したが有利達には双子の事は隠し、交換留学の話しだけをした。
「表向きは各国の交流の為。互いの国の王族や貴族の子ども達を交換留学させようと…」
「眞魔国派同盟の国々に、親書を出してきたのです」
「交換留学なんて嘘に決まってる。子どもを差し出して逆らえる事が無いように、人質にするつもりなんだろう」
セルセの説明にギュンターも頷きながら、一通の手紙を見る。
「ええ。我が国にも、先ほど親書が届きました」
ガチャリ
「「?」」
突然、扉が開く音が聞こえ、振り返る。
「グレタ、エイル」
扉を開けたのはグレタとエイルだったのだ。
「離ればなれになっちゃうの?ユーリと、皆と離ればなれになっちゃうの?」
先程の内容を聞いていたのか、グレタは不安そうに有利達に尋ねたのだ。
有利はすぐにグレタ達に近づき、目線を合わせる。
「大丈夫だよ。グレタ、エイル。絶対にそんな事させないから」
「そうだ。そんな話し、突っぱねればいい」
ヴォルフラムの強気な意見にヒスクライフも同意する。
「ええ。各国の代表にはそうするようには、そうするように言っております。只、大シマロンと国境を隣り合わせている国々や、最近同盟に参加したばかりの小国にはやはり、動揺が、」
ヒスクライフの話を聞いた有利はギュンター達の方を見る。
「これからどうする?」
「ヴァン・ダー・ヴィーア島で2日後、大シマロンと会談を開く事になっています」
島の名前を聞いた有利は思い出す。
「ヴァン・ダー・ヴィーア島って…」
「ええ。モルギフがいた島の事よ」
すると有利はテーブルを叩いた。
「よっしゃあ!そこに乗り込んで、おれが大シマロンの奴らにガツンと!」
「それには及ばん」
「っ?」
「兄上?」
活気込んでいた有利の言葉を遮ったのはグウェンダルだった。
「会談にはわたしと双子だけで行く。お前はこの城に残っていろ。
ヒスクライフ殿、話しは眞魔国がつけてくる。それまでは勝手な事をしないよう、各国の代表に伝えて頂きたい」
「承知しました」
グウェンダルがそう言った事に有利は怒り、グウェンダルの方は走る。
「何でだよ!俺も一緒に…!」
「王が軽々しく国の外に出るものではない」
「(ウンウン)」
「でも…!でも!今までだって…!」
「今までは運が良かっただけだ。お前にもしもの事があったら、この国は?民はどうなる?」
「(ウンウン)」
「あ、」
いつもと変わらないグウェンダルの口調。
その内容を聞いているギュンターは隣で頷いている。
「お前の体はお前1人のモノではない。いい加減、王としての自覚を持て」
そう言い放つとグウェンダルは椅子から立ち、そのまま扉の方へ向かって歩いて行く。
「後は任せたぞ」
通りかかりにコンラートに小さな声で伝えた彼は、そのまま視線だけ双子を見る。
「行くぞ、セルセ、アリア」
「はいはい」
グウェンダルに呼ばれ双子も同じ様に椅子から立ち上がる。
「え、何で双子も!?」
双子も立ち上がった事に有利は驚きを隠せないでいたが、セルセは肩をすくめる。
「俺達も呼ばれてるんだよ」
「え、」
「大シマロンはディオネの術にご執心、って事で」
「あ…」
ディオネの術の事も言われ、有利はそれ以上何も言えなくなる。
「って事で、行ってくるから」
有利の頭を軽く叩くと、グウェンダルの後を追いかけて行く。
「有利…」
アリアは部屋から出る時、何時もと変わらない口調で話す。
「前に健が言ってたでしょう?有利は守られる事に慣れないといけない。
王には王の責任があって、絶対に最後まで倒されちゃいけない。でないと、全てが無駄になるって。分かってるでしょ?有利」
そう話すと、有利からコンラート達の方を見る。
「エイルの事、お願いね」
「ああ」
「お任せください」
コンラート達は頷くと、微笑みながらエイルの頭を撫でる。
「行ってくるから、コンラート達の言う事をちゃんと聞いてね」
「はい」
どこか不安そうに頷く彼にアリアは今まで通りの笑顔で頭をもう一度撫でてから、部屋から出て行ったのだった。
「兄様、姉様、」
アリア達の後ろ姿を見て、哀しそうな表情になった。
「エイル、大丈夫ですよ。双子は強いですから」
彼が心配している事を十分に理解しているギュンターは微笑みながらエイルの側に寄った。
「ギュンター、」
「双子は強いです。それにグウェンダルも一緒なんですから、心配ありません」
「うん」
そして、その夜。
テラスでは有利が地団駄を踏んでいた。
「あ―――!!もう!!あー!くっそ!ジッとなんてしてらんないよ!!確かにグウェンダルとアリアの言う事もわかるよ!でも、でもさ!」
それでも地団駄を踏み続けている有利はコンラート達を見る。
「子どもを人質にするなんて、そんなの絶対に許せない!」
「大丈夫だって」
「!?」
すると部屋から建が歩いて来る。