小さな思い出
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これは数十年前…双子がまだ小さい時のお話。
「この子達を頼むぞ…。ダンヒーリー」
「ああ。レイアの子ども達、か」
ダンヒーリーは馬車でスヤスヤ眠っている双子を見る。
ルセウスは悲しそうに双子を見る。
「ああ。だが父親は魔族だ。この子達が魔族の血が入っている為、弟のステンノ以外の奴らは嫌っている…」
「…………」
そっと双子から空を見上げる。
「きっと、この子達がレイア…、母親と会う事なないんだろうな」
「生きていれば、また会えるさ」
ダンヒーリーの言葉にルセウスは首を横に振る。
「俺達は人間であって、魔族じゃない。魔族程長生きできない事ぐらい分かってる」
その会話に同意できるのか、ダンヒーリーは真剣な表情になる。
「…セオランさんと別れ、双子とも別れる事になってしまった。
レイアが、これからどうなるのか分からない」
「ルセウス…」
「そして、それを俺達だけではどうにもならない。今の当主は父さんであって、次期当主は兄さんだ」
グッと手を握ると、ダンヒーリーを見る。
「だから、レイアやセオランさん…、そして俺達の代わりにセルセとアリアを頼む」
「…ああ…」
こうしてダンヒーリーは馬車に乗り、その場から去って行った。
「無事に、生きてくれ…」
ルセウスからダンヒーリーに託された双子は『名も無き村』に住むようになった。
「ねー、また夜盗が来るのかな…?」
「アリア…」
「大丈夫だよ、アリア」
「ホント?」
「「ああ…(たぶん)」」
アリアの隣にいるのはセルセとヨザック。
数日前から夜盗たちがこの村を襲ってきたのだ。
村人もなんとか戦っているが、これがいつまで保つかわからない状況。
翌日の夕方になり、アリアは外で立っていた時ある人物に気づく。
「あ、ダンヒーリーおじ様!」
ダンヒーリーが戻って来た事に気が付いたアリアは彼の側へ駆け寄る。
「アリア」
駆け寄って来た彼女を抱き上げる。
「セルセはどうしたんだ?」
「セルセならヨザと一緒にいるよ」
するとアリアはある事に気づく。
「ねー、おじ様。コンラートは?」
コンラートがいない事に気づいたのだ。
「コンラートなら城にいるぞ。今回はそっちの男を連れて来たんだ」
「そっち?」
『そっち』という言葉にアリアはダンヒーリーと共に来たグウェンダルを見る。
「フォンボルテール・グウェンダルっていうんだぞ。グウェンダル、この子はアスタルテ・アリアだ」
「アスタルテ!?」
「ああ。あともう1人いるんだ。この子の双子の兄がな。その兄の名前はアスタルテ・セルセと言うんだ」
グウェンダルは驚く。
まさか自分が尊敬していた人物と同じ姓だからだ。
眞魔国に住んでいて、魔族と人間を区別なく一緒に暮らしている一族の当主に。
「…まさか…、セオラン様の…?」
グウェンダルはもしかしてと思い呟くと、それを聞いていたダンヒーリーは肯定する。
「お前が考えているとおりだ。アリアとセルセは…眞魔国に住んでいたアスタルテ卿セオランの子ども達だ」
さらに彼は驚く。
「なっ!?セオラン様とラネン様との間には子どもはいない!なのに、なぜここにセオラン様の子どもが!」
「!」
いきなりグウェンダルが叫んだ為、アリアは少し驚く。
セオランは数年前に病気で亡くなっている。
妻のラネンとの間に子どもは出来なかったのに、目の前にセオランの子どもがいる事に信じられないのだ。
ダンヒーリーはアリアを抱きながら話す。
「グウェンダル、お前なら知っているだろう?セオランが昔、人間の国に留学したのを…」
「…ああ…」
「その時に人間の女性と結婚したんだ。俺の幼馴染でもあるレイア・ディオネとな。だが、レイアは人間だ。
しかもディオネの一族は大の魔族嫌い。2人は数年だけ駆け落ちしたんだよ。結局一族の手で別れる事になったがな…」
「…その時に出来た子どもが、…その双子というのか…」
「そういう事だ。成人するまではレイアのディオネを名乗っていたのだがな、双子は魔族として暮らすことを決めた。ならアスタルテの姓を名乗っても大丈夫だろうと思ってな」
「…………」
何も言えなくなるグウェンダル。
「グ……エン、ダ、ん?」
するとアリアは先程教えて貰った名前を言おうとする。
「グウェンダルだ」
「…グ、グウェン!」
「!!」
嬉しそうに笑うアリアを見てグウェンダルは懐かしさを感じだ。
セオランと同じように笑うからだ。
そんな彼女を見てグウェンダルは小さく笑う。
「……そうか、セオラン様の子どもか…」
しばらくすると、村人が出てきた。
「この子達を頼むぞ…。ダンヒーリー」
「ああ。レイアの子ども達、か」
ダンヒーリーは馬車でスヤスヤ眠っている双子を見る。
ルセウスは悲しそうに双子を見る。
「ああ。だが父親は魔族だ。この子達が魔族の血が入っている為、弟のステンノ以外の奴らは嫌っている…」
「…………」
そっと双子から空を見上げる。
「きっと、この子達がレイア…、母親と会う事なないんだろうな」
「生きていれば、また会えるさ」
ダンヒーリーの言葉にルセウスは首を横に振る。
「俺達は人間であって、魔族じゃない。魔族程長生きできない事ぐらい分かってる」
その会話に同意できるのか、ダンヒーリーは真剣な表情になる。
「…セオランさんと別れ、双子とも別れる事になってしまった。
レイアが、これからどうなるのか分からない」
「ルセウス…」
「そして、それを俺達だけではどうにもならない。今の当主は父さんであって、次期当主は兄さんだ」
グッと手を握ると、ダンヒーリーを見る。
「だから、レイアやセオランさん…、そして俺達の代わりにセルセとアリアを頼む」
「…ああ…」
こうしてダンヒーリーは馬車に乗り、その場から去って行った。
「無事に、生きてくれ…」
ルセウスからダンヒーリーに託された双子は『名も無き村』に住むようになった。
「ねー、また夜盗が来るのかな…?」
「アリア…」
「大丈夫だよ、アリア」
「ホント?」
「「ああ…(たぶん)」」
アリアの隣にいるのはセルセとヨザック。
数日前から夜盗たちがこの村を襲ってきたのだ。
村人もなんとか戦っているが、これがいつまで保つかわからない状況。
翌日の夕方になり、アリアは外で立っていた時ある人物に気づく。
「あ、ダンヒーリーおじ様!」
ダンヒーリーが戻って来た事に気が付いたアリアは彼の側へ駆け寄る。
「アリア」
駆け寄って来た彼女を抱き上げる。
「セルセはどうしたんだ?」
「セルセならヨザと一緒にいるよ」
するとアリアはある事に気づく。
「ねー、おじ様。コンラートは?」
コンラートがいない事に気づいたのだ。
「コンラートなら城にいるぞ。今回はそっちの男を連れて来たんだ」
「そっち?」
『そっち』という言葉にアリアはダンヒーリーと共に来たグウェンダルを見る。
「フォンボルテール・グウェンダルっていうんだぞ。グウェンダル、この子はアスタルテ・アリアだ」
「アスタルテ!?」
「ああ。あともう1人いるんだ。この子の双子の兄がな。その兄の名前はアスタルテ・セルセと言うんだ」
グウェンダルは驚く。
まさか自分が尊敬していた人物と同じ姓だからだ。
眞魔国に住んでいて、魔族と人間を区別なく一緒に暮らしている一族の当主に。
「…まさか…、セオラン様の…?」
グウェンダルはもしかしてと思い呟くと、それを聞いていたダンヒーリーは肯定する。
「お前が考えているとおりだ。アリアとセルセは…眞魔国に住んでいたアスタルテ卿セオランの子ども達だ」
さらに彼は驚く。
「なっ!?セオラン様とラネン様との間には子どもはいない!なのに、なぜここにセオラン様の子どもが!」
「!」
いきなりグウェンダルが叫んだ為、アリアは少し驚く。
セオランは数年前に病気で亡くなっている。
妻のラネンとの間に子どもは出来なかったのに、目の前にセオランの子どもがいる事に信じられないのだ。
ダンヒーリーはアリアを抱きながら話す。
「グウェンダル、お前なら知っているだろう?セオランが昔、人間の国に留学したのを…」
「…ああ…」
「その時に人間の女性と結婚したんだ。俺の幼馴染でもあるレイア・ディオネとな。だが、レイアは人間だ。
しかもディオネの一族は大の魔族嫌い。2人は数年だけ駆け落ちしたんだよ。結局一族の手で別れる事になったがな…」
「…その時に出来た子どもが、…その双子というのか…」
「そういう事だ。成人するまではレイアのディオネを名乗っていたのだがな、双子は魔族として暮らすことを決めた。ならアスタルテの姓を名乗っても大丈夫だろうと思ってな」
「…………」
何も言えなくなるグウェンダル。
「グ……エン、ダ、ん?」
するとアリアは先程教えて貰った名前を言おうとする。
「グウェンダルだ」
「…グ、グウェン!」
「!!」
嬉しそうに笑うアリアを見てグウェンダルは懐かしさを感じだ。
セオランと同じように笑うからだ。
そんな彼女を見てグウェンダルは小さく笑う。
「……そうか、セオラン様の子どもか…」
しばらくすると、村人が出てきた。