術の始祖
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森で事件が一件落着したが、オンディーヌは以前聞いた事があった話をする。
「ここより遥か果てにある地にある湖に、かつて2つの箱があったそうです。
しかし、ある日その2つの箱は光に包まれ天高く別の世界に消えてしまったとか。遥か昔の事と聞いております」
「その箱が、」
「‘鏡の水底’と‘天の儚さ’」
「可能性はあるね」
「でも、別の世界って、」
有利だけでなく、アリアも一瞬頭に過った。
「…地球…?」
まさか、と互いに顔を見るだけだった。
するとオンディーヌはジッと双子を見る。
「「?」」
見られた双子は首を傾げる。
「わたしは、ずっと待っていました。ディオネの血を受け継ぐ者達に会うのを…」
「ディオネって確か…」
その家の名前、聞いたことがある。
そう思った有利だが、それよりも先にセルセが答える。
「俺らの母方の姓だよ」
「そういえば。確か成人する前ってディオネを名乗ったんだっけ?」
アリアは頷くと、疑問に思った事を聞く。
「でも、どうしてその姓を知っているんです?」
ディオネは人間の国に住んでいるのは誰もが知っている事。
それを、なぜ先代の言賜巫女であるオンディーヌがそれを知っていたのか。
「例の物を、」
そう言ってオンディーヌが1人に頼み、ある肖像画を持ってこさせる。
「この肖像画は?」
「テイア・ディオネです」
「え?それって…つまり…」
「ディオネの祖先です」
「え?え?ディオネって魔族の人だったの!?」
全員が驚くしかない。
ずっと人間の世界に住んでいると思っていたからだ。
その所為で双子も辛い目にあってきたからだ。
そんな一族がまさか、魔族だったとは思わなかった。
「しかし、この方は…、魔族とどのような関係だったのです?ここに肖像画があるという事は特別なお方なんでしょうか?」
ギュンターの問い掛けにオンディーヌは微笑みながら、有利の隣に立っている健を見る。
「このテイアの事をお聞きしたいのでしたら、猊下にお聞きした方がよろしいかと、」
「村田に?」
「健?」
テイアの事を聞きたいなら健に聞けと言われると、全員が不思議そうな目で見る。
すると健はしょうがないという感じで話し始める。
「彼女も僕達と一緒だよ。テイアは創主達と戦った1人なんだよ」
『え!?』
まだいたのか!?秘密にされていた者が。
「彼女もヘリオスと一緒だよ。自分の事を秘密にしていて欲しいと…」
「子孫の為に?」
「…それもあるけど…。でも、別の理由もあったんだ」
「いったい何ですか?」
「……彼女は…、眞王の恋人でもあったんだよ」
「恋人!!??」
顔を赤くして驚く有利。
周りのコンラート達も驚いているが、双子が1番驚いている。
「…あ、」
「嘘…」
まさか自分の祖先が眞王と恋仲だったとは…!
「テイアと僕は幼馴染でもあったんだ。その時の僕は双黒だった故に嫌われていたけど…、彼女だけはいつも一緒にいてくれたんだ。
眞王と一緒に戦うようになって眞王もテイアの側が安らげる場所となっていたんだ」
「…それで、どうなったの?」
「眞王とは別れたんだよ。もし結婚してしまったら自分の姓が消えるからね。彼女は自分の姓と術をずっと受け継がせる為に別れたんだ。
そして彼女はちゃんと子どもも生んだよ。眞王と別れてからだけど…。子どもを生んだ時には眞王は亡くなった後だったけどね。
その後は子どもがテイアと同じように姓と術を受け継がせていき、今は双子がいる。2人はちゃんとその術を受け継いでいるからね。まぁ…姓が違うけど」
苦笑しながら話していく。
今の双子は術は使えるが、姓は違うからだ。
だが今の姓でもアスタルテの祖先のヘリオスはテイアと同じ時代に生きていたから。
「聞いていいか?なんで魔族から人間側に行ったんだ?元は魔族なんだろ?」
セルセは健に聞いた。
その質問を聞いていた有利も以前にそんな事を聞いていた事を思い出す。
「そうか、ディオネって大シマロン領にある島の領主なんだっけ?」
「ああ。いったい、いつから…」
「それについては、わたしがお答えします。
ディオネの11代目、シューラという女性が人間の男性と恋し、魔族の地から離れ人間の地へ行きました。
それからディオネは人間の地で暮らすようになり、今では人間として暮らしています」
複雑な顔で聞いている双子。
「「……」」
そんな双子をコンラートやグウェンダル達は何も言えなかった。
この事実が後に大変な事になるとは、誰も思っていなかった。
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(re:2016/01/16,2024/07/06)
→祖先の説明
「ここより遥か果てにある地にある湖に、かつて2つの箱があったそうです。
しかし、ある日その2つの箱は光に包まれ天高く別の世界に消えてしまったとか。遥か昔の事と聞いております」
「その箱が、」
「‘鏡の水底’と‘天の儚さ’」
「可能性はあるね」
「でも、別の世界って、」
有利だけでなく、アリアも一瞬頭に過った。
「…地球…?」
まさか、と互いに顔を見るだけだった。
するとオンディーヌはジッと双子を見る。
「「?」」
見られた双子は首を傾げる。
「わたしは、ずっと待っていました。ディオネの血を受け継ぐ者達に会うのを…」
「ディオネって確か…」
その家の名前、聞いたことがある。
そう思った有利だが、それよりも先にセルセが答える。
「俺らの母方の姓だよ」
「そういえば。確か成人する前ってディオネを名乗ったんだっけ?」
アリアは頷くと、疑問に思った事を聞く。
「でも、どうしてその姓を知っているんです?」
ディオネは人間の国に住んでいるのは誰もが知っている事。
それを、なぜ先代の言賜巫女であるオンディーヌがそれを知っていたのか。
「例の物を、」
そう言ってオンディーヌが1人に頼み、ある肖像画を持ってこさせる。
「この肖像画は?」
「テイア・ディオネです」
「え?それって…つまり…」
「ディオネの祖先です」
「え?え?ディオネって魔族の人だったの!?」
全員が驚くしかない。
ずっと人間の世界に住んでいると思っていたからだ。
その所為で双子も辛い目にあってきたからだ。
そんな一族がまさか、魔族だったとは思わなかった。
「しかし、この方は…、魔族とどのような関係だったのです?ここに肖像画があるという事は特別なお方なんでしょうか?」
ギュンターの問い掛けにオンディーヌは微笑みながら、有利の隣に立っている健を見る。
「このテイアの事をお聞きしたいのでしたら、猊下にお聞きした方がよろしいかと、」
「村田に?」
「健?」
テイアの事を聞きたいなら健に聞けと言われると、全員が不思議そうな目で見る。
すると健はしょうがないという感じで話し始める。
「彼女も僕達と一緒だよ。テイアは創主達と戦った1人なんだよ」
『え!?』
まだいたのか!?秘密にされていた者が。
「彼女もヘリオスと一緒だよ。自分の事を秘密にしていて欲しいと…」
「子孫の為に?」
「…それもあるけど…。でも、別の理由もあったんだ」
「いったい何ですか?」
「……彼女は…、眞王の恋人でもあったんだよ」
「恋人!!??」
顔を赤くして驚く有利。
周りのコンラート達も驚いているが、双子が1番驚いている。
「…あ、」
「嘘…」
まさか自分の祖先が眞王と恋仲だったとは…!
「テイアと僕は幼馴染でもあったんだ。その時の僕は双黒だった故に嫌われていたけど…、彼女だけはいつも一緒にいてくれたんだ。
眞王と一緒に戦うようになって眞王もテイアの側が安らげる場所となっていたんだ」
「…それで、どうなったの?」
「眞王とは別れたんだよ。もし結婚してしまったら自分の姓が消えるからね。彼女は自分の姓と術をずっと受け継がせる為に別れたんだ。
そして彼女はちゃんと子どもも生んだよ。眞王と別れてからだけど…。子どもを生んだ時には眞王は亡くなった後だったけどね。
その後は子どもがテイアと同じように姓と術を受け継がせていき、今は双子がいる。2人はちゃんとその術を受け継いでいるからね。まぁ…姓が違うけど」
苦笑しながら話していく。
今の双子は術は使えるが、姓は違うからだ。
だが今の姓でもアスタルテの祖先のヘリオスはテイアと同じ時代に生きていたから。
「聞いていいか?なんで魔族から人間側に行ったんだ?元は魔族なんだろ?」
セルセは健に聞いた。
その質問を聞いていた有利も以前にそんな事を聞いていた事を思い出す。
「そうか、ディオネって大シマロン領にある島の領主なんだっけ?」
「ああ。いったい、いつから…」
「それについては、わたしがお答えします。
ディオネの11代目、シューラという女性が人間の男性と恋し、魔族の地から離れ人間の地へ行きました。
それからディオネは人間の地で暮らすようになり、今では人間として暮らしています」
複雑な顔で聞いている双子。
「「……」」
そんな双子をコンラートやグウェンダル達は何も言えなかった。
この事実が後に大変な事になるとは、誰も思っていなかった。
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(re:2016/01/16,2024/07/06)
→祖先の説明