ベビーパニック
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「「「あー!忙し忙し!!」」」
ある日の事。
血盟城はメイドや兵達が色々と忙しそうにしていたのだ。
「今日は朝から皆忙しそうだね。何かあるの?」
「何かって、今日は新誕の儀式だろう!そんな事も知らないのか?」
「新誕の儀式?」
首を傾げる有利にコンラートとアリアは説明をする。
「1年に一度、その年に生まれた子ども達の事を眞王陛下の御前に報告し、その成長を見守って頂けるよう、お祈りするんです」
「それで今年生まれた貴族の子ども達が全員、眞王廟に集められて、盛大な祝福の儀式が行われるって事」
「赤ちゃんいっぱいくるの?」
「そうだよ」
赤ちゃんが来るという事でグレタは喜ぶ。
2人の説明に有利は納得する。
「なるほど。端午の節句か七五三ってとこか」
すると有利はある事に気づいた。
「え?って事は、国を挙げての行事じゃないか。おれ、出席しないといけないんじゃ」
「当たり前だろう。魔王なんだから」
「えぇ!?嘘!全然聞いてない!」
話を聞いていないと言う有利に双子は不思議に思う。
「え?可笑しいわね」
「昨日の内に、グウェンかギュンターから話があったはず、」
セルセの話を遮るように声が聞こえて来た。
「もう嫌――――!!!」
「「「「「「?」」」」」」
突然の叫び声に不思議に思った6人は、ギュンターがいるであろう部屋と赴く。
すると扉の中から更に声が聞こえてくる。
「あ――――!!やーもーやーもーや――も―――!!」
6人はそのまま部屋の中へと入る。
叫んでいるギュンターとは正反対に、彼の真正面にはアニシナが立っていた。
「もっと頑張りなさい。貴方の力はその程度ですか?」
「ぎいああああ!!」
「ギュンター!」
気絶したギュンターの元へ有利は駆け寄ったが、彼がかぶっているヘルメットにある1匹の虫が止まる。
「うわっ ブブブンゼミ!」
「わ――!かわいい――!」
可愛いと話すグレタにアリアは信じられない表情になる。
「そう?あれが可愛いの?」
「おれ、こいつ苦手なんだよなー」
「ああ。俺も無理だ」
ブブブンゼミを見た事に有利や双子は嫌な顔をしていたが、アニシナは気絶しているギュンターに呆れている。
「また失敗ですか」
「いったい、これは…」
「魔力を増幅させ、他の生き物と意思の疎通を図る魔動装置。名付けて『友達万人出来るかな?』君」
「でも、なぜこんな物を?」
コンラートの問いにアニシナは『ふふっ』と笑う。
「今日は新誕の儀式ですよ?全ての生きとし行ける者集まり、幼い命の前途を祝う。なんて素晴らしいのでしょう!それなのに!」
アニシナはガシッとギュンターの胸倉を掴む。
「貴方の魔力はその程度ですか!?もっとお気張りなさい!ギュンター!」
と、彼をぐらぐら揺らしていた。
「「「………」」」
その様子を見ていた有利とヴォルフラム、そしてコンラートまでもが苦笑しながら、その場から数歩下がって行く。
「ハア、ハア、ハア、少し、休ませて下さい。昨夜から、立て続けて、」
「ねえ、それってもしかしてグウェンも?」
アリアの問いかけにギュンターは『ええ』と力なく答える。
「昨日、1日中アニシナに捕まっていたようです…」
「なるほどな」
「ハア、」
その為に有利に今日の新誕の儀式についての説明が無かったのだと分かり、双子は溜息をつきながら呆れるだけだった。
「陛下、皆さん!」
「ヒューブ!」
「二コラ」
血盟城で声を掛けて来たのはヒューブと二コラ、そして息子だった。
「お久しぶりです、陛下」
「うわー!かわいいーvvねえ、名前は何て言うの?」
「エルンスト。エルって言うのよ」
「エルかー。よろしくね!しばらく見ない間に大きくなったね。あ、ひょっとして、この子も儀式に?」
「ええ。光栄な事です」
「幸せそうだな、二コラ」
「ええ」
「はい。全て陛下のおかげです」
相変わらず堅い彼に有利は苦笑する。
「ま、そんなに堅くならなくていいよ。どう?ヒューブは良いお父さんしてる?」
「ええ。良く面倒見てくれて、この子のおむつまで替えてくれるんですよ」
「ええ!?ゲーゲンヒューバーが!?」
「あらー。人は見かけによらないよねー」
するとギーゼラが歩いて来る。
「おはようございます、陛下」
「ギーゼラさん。すみません、遅くなって、」
「いいえ。じゃあ行きましょうか。あ、アリアも手伝ってくれる?」
「いいけど、何?」
ギーゼラに頼まれたアリアは有利達から離れ、ギーゼラの元へと歩いて行く。
「では、わたしもこれで、」
「え?あれ?2人とも、どこへ行くの?」
ギーゼラとアリアだけでなく、ヒューブと二コラまでもがどこかへ行こうとしていたのだ。
「フォンヴォルテール卿の所へ、」
「あたしはギーゼラさんと儀式の準備です」
「じゃあ、赤ちゃんは?」
「ドリアさん達に頼もうかと、」
思っていたのだ。
だが朝の様子を知っているヴォルフラムは心配する。
「大丈夫か?あの3人も忙しそうだったぞ」
「え?そうなんですか?困ったわ、どうしましょう…」
「!」
どうしようかと悩んでいた二コラを見て、有利は何か思いついた。
ある日の事。
血盟城はメイドや兵達が色々と忙しそうにしていたのだ。
「今日は朝から皆忙しそうだね。何かあるの?」
「何かって、今日は新誕の儀式だろう!そんな事も知らないのか?」
「新誕の儀式?」
首を傾げる有利にコンラートとアリアは説明をする。
「1年に一度、その年に生まれた子ども達の事を眞王陛下の御前に報告し、その成長を見守って頂けるよう、お祈りするんです」
「それで今年生まれた貴族の子ども達が全員、眞王廟に集められて、盛大な祝福の儀式が行われるって事」
「赤ちゃんいっぱいくるの?」
「そうだよ」
赤ちゃんが来るという事でグレタは喜ぶ。
2人の説明に有利は納得する。
「なるほど。端午の節句か七五三ってとこか」
すると有利はある事に気づいた。
「え?って事は、国を挙げての行事じゃないか。おれ、出席しないといけないんじゃ」
「当たり前だろう。魔王なんだから」
「えぇ!?嘘!全然聞いてない!」
話を聞いていないと言う有利に双子は不思議に思う。
「え?可笑しいわね」
「昨日の内に、グウェンかギュンターから話があったはず、」
セルセの話を遮るように声が聞こえて来た。
「もう嫌――――!!!」
「「「「「「?」」」」」」
突然の叫び声に不思議に思った6人は、ギュンターがいるであろう部屋と赴く。
すると扉の中から更に声が聞こえてくる。
「あ――――!!やーもーやーもーや――も―――!!」
6人はそのまま部屋の中へと入る。
叫んでいるギュンターとは正反対に、彼の真正面にはアニシナが立っていた。
「もっと頑張りなさい。貴方の力はその程度ですか?」
「ぎいああああ!!」
「ギュンター!」
気絶したギュンターの元へ有利は駆け寄ったが、彼がかぶっているヘルメットにある1匹の虫が止まる。
「うわっ ブブブンゼミ!」
「わ――!かわいい――!」
可愛いと話すグレタにアリアは信じられない表情になる。
「そう?あれが可愛いの?」
「おれ、こいつ苦手なんだよなー」
「ああ。俺も無理だ」
ブブブンゼミを見た事に有利や双子は嫌な顔をしていたが、アニシナは気絶しているギュンターに呆れている。
「また失敗ですか」
「いったい、これは…」
「魔力を増幅させ、他の生き物と意思の疎通を図る魔動装置。名付けて『友達万人出来るかな?』君」
「でも、なぜこんな物を?」
コンラートの問いにアニシナは『ふふっ』と笑う。
「今日は新誕の儀式ですよ?全ての生きとし行ける者集まり、幼い命の前途を祝う。なんて素晴らしいのでしょう!それなのに!」
アニシナはガシッとギュンターの胸倉を掴む。
「貴方の魔力はその程度ですか!?もっとお気張りなさい!ギュンター!」
と、彼をぐらぐら揺らしていた。
「「「………」」」
その様子を見ていた有利とヴォルフラム、そしてコンラートまでもが苦笑しながら、その場から数歩下がって行く。
「ハア、ハア、ハア、少し、休ませて下さい。昨夜から、立て続けて、」
「ねえ、それってもしかしてグウェンも?」
アリアの問いかけにギュンターは『ええ』と力なく答える。
「昨日、1日中アニシナに捕まっていたようです…」
「なるほどな」
「ハア、」
その為に有利に今日の新誕の儀式についての説明が無かったのだと分かり、双子は溜息をつきながら呆れるだけだった。
「陛下、皆さん!」
「ヒューブ!」
「二コラ」
血盟城で声を掛けて来たのはヒューブと二コラ、そして息子だった。
「お久しぶりです、陛下」
「うわー!かわいいーvvねえ、名前は何て言うの?」
「エルンスト。エルって言うのよ」
「エルかー。よろしくね!しばらく見ない間に大きくなったね。あ、ひょっとして、この子も儀式に?」
「ええ。光栄な事です」
「幸せそうだな、二コラ」
「ええ」
「はい。全て陛下のおかげです」
相変わらず堅い彼に有利は苦笑する。
「ま、そんなに堅くならなくていいよ。どう?ヒューブは良いお父さんしてる?」
「ええ。良く面倒見てくれて、この子のおむつまで替えてくれるんですよ」
「ええ!?ゲーゲンヒューバーが!?」
「あらー。人は見かけによらないよねー」
するとギーゼラが歩いて来る。
「おはようございます、陛下」
「ギーゼラさん。すみません、遅くなって、」
「いいえ。じゃあ行きましょうか。あ、アリアも手伝ってくれる?」
「いいけど、何?」
ギーゼラに頼まれたアリアは有利達から離れ、ギーゼラの元へと歩いて行く。
「では、わたしもこれで、」
「え?あれ?2人とも、どこへ行くの?」
ギーゼラとアリアだけでなく、ヒューブと二コラまでもがどこかへ行こうとしていたのだ。
「フォンヴォルテール卿の所へ、」
「あたしはギーゼラさんと儀式の準備です」
「じゃあ、赤ちゃんは?」
「ドリアさん達に頼もうかと、」
思っていたのだ。
だが朝の様子を知っているヴォルフラムは心配する。
「大丈夫か?あの3人も忙しそうだったぞ」
「え?そうなんですか?困ったわ、どうしましょう…」
「!」
どうしようかと悩んでいた二コラを見て、有利は何か思いついた。