始まりの日
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「……ん、…朝…」
窓から日差しで目が覚めたアリアはベッドから起き上がろうとしたが、腰にまとわりついている腕で起き上がれない。
「……起きれない…」
腕を外そうとしてもなかなか外せない。
それでころか、抱きしめている腕がどんどん強くなっていく。
「…コンラート、起きてるでしょ?」
「わかったか?」
「わかりやすすぎ。もう起きるんだから、放してってば…」
「久しぶりだったからな、体は平気か?」
「…なんとか…。そう思うなら手加減してよ…」
初めは何度か体を痛めていたが、今となっては慣れたのだ。
その時ドアからノックが聞こえた。
「コンラート、そこにアリアもいるだろ?」
ドアをノックしたのはセルセだった。
「ああ。いるぞ」
「よし。ユーリが戻ってくるから眞王廟に迎えに行くってよ」
「わかった。すぐ行くよ」
「了解」
セルセは用件を言うとさっさと行ってしまう。
それを聞いてたコンラートも軍服を着用すると、アリアに軍服を渡す。
「ほら」
「ありがとう…。有利とは眞魔国で会うから妙な感じ?」
「…少しね…」
先日までコンラートは眞魔国に帰ってこないつもりだった。
だが眞魔国に戻ってくるとなった瞬間に有利は地球に帰ってしまった。
きっと気まずいんだろうなぁと思ったアリアだった。
眞王廟の噴水の所から有利と健が出てくる。
「どうしてこう、突然かなー」
「でも、本当は来たかったんだろ?渋谷」
「村田、」
健がある方へ指さすと、そこには双子やヴォルフラム、ギュンター、ウルリーケが立っていた。
「皆!」
「お帰り、有利、健」
「皆も眞魔国に戻って来ていたのか!」
有利は噴水から出てくると、喜びながら回りを見る。
ある人物を探しながら。
「!」
それに気づいたセルセは後ろにいる彼に話しかける。
「おい、さっさと来たらどうだ?」
扉が開きそこからコンラートが歩いて来る姿に有利は喜ぶ。
「陛下、」
「コンラッド!お帰り!」
「はい、貴方もお帰りなさい」
健も噴水から出てくるとウルリーケに尋ねる。
「僕が頼んでいた通りにしてもらえたみたいだね」
彼の問いかけにウルリーケは頷く。
「はい。この度のウェラー卿の件は、ご自身の指示であるものと、眞王陛下も仰られて、」
「コンラートの処分もお咎めなしという事になりました」
「2度と僕達を心配しないように、少し懲らしめてやった方が良かったんだが…」
「素直じゃないな、ヴォルも」
「あれでも心配してたんだしね」
素直に言わないがヴォルフラムも心配していた。
「さ、城へ帰りましょう。皆が待っております。延び延びになっていた猊下の帰国の宴も盛大に執り行わなければ!」
「いや、そういうのはいいよ」
祝賀会を催そうとしていたギュンターだったが、当の本人である健をそれを拒否した。
「それに僕はこっちに泊まるし」
「え?」
「えぇ!?そんなあ!」
ギュンター、ショック。
「一緒に来ないのか?村田」
「こっちの世界には暫く転生してなかったんで、歴史とか世界情勢とか知っておきたいんだ。それには、ここの資料室が最適だからね。かまわないかな?」
健の問いかけにウルリーケは『もちろんです』と微笑む。
「眞王陛下もきっとお喜びになるでしょう」
「そうかな?嫌がるかも」
「む、村田…やっぱり最強?」
フランシアでも思った事だった。
眞王廟に残った健は眞王がいる託宣の間へ行き、眞王に話しかける。
「君の思い通りにはならなかったけど、僕はこれでよかったと思う。
言ったよね?
僕は渋谷が気に入ってるって。彼が悲しむような事はしたくない。
……そうだね…。
もっと辛い事があるかもしれないけど…、渋谷なら。
それと、あのアスタルテの双子も君にとって必要な人達?
でも…まさか、あの2人がヘリオスとテイアの血を受け継いでるなんてね。
すごい偶然だよね。
それとも、これも君が思っていたとおりになったのかな…?
あの双子も悲しませることをするのかい?
テイアの大事な子孫でもあるのにね。
そのうえ…、君にとっても大事な――なのにね」
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(re:2016/01/16,2024/07/06)
窓から日差しで目が覚めたアリアはベッドから起き上がろうとしたが、腰にまとわりついている腕で起き上がれない。
「……起きれない…」
腕を外そうとしてもなかなか外せない。
それでころか、抱きしめている腕がどんどん強くなっていく。
「…コンラート、起きてるでしょ?」
「わかったか?」
「わかりやすすぎ。もう起きるんだから、放してってば…」
「久しぶりだったからな、体は平気か?」
「…なんとか…。そう思うなら手加減してよ…」
初めは何度か体を痛めていたが、今となっては慣れたのだ。
その時ドアからノックが聞こえた。
「コンラート、そこにアリアもいるだろ?」
ドアをノックしたのはセルセだった。
「ああ。いるぞ」
「よし。ユーリが戻ってくるから眞王廟に迎えに行くってよ」
「わかった。すぐ行くよ」
「了解」
セルセは用件を言うとさっさと行ってしまう。
それを聞いてたコンラートも軍服を着用すると、アリアに軍服を渡す。
「ほら」
「ありがとう…。有利とは眞魔国で会うから妙な感じ?」
「…少しね…」
先日までコンラートは眞魔国に帰ってこないつもりだった。
だが眞魔国に戻ってくるとなった瞬間に有利は地球に帰ってしまった。
きっと気まずいんだろうなぁと思ったアリアだった。
眞王廟の噴水の所から有利と健が出てくる。
「どうしてこう、突然かなー」
「でも、本当は来たかったんだろ?渋谷」
「村田、」
健がある方へ指さすと、そこには双子やヴォルフラム、ギュンター、ウルリーケが立っていた。
「皆!」
「お帰り、有利、健」
「皆も眞魔国に戻って来ていたのか!」
有利は噴水から出てくると、喜びながら回りを見る。
ある人物を探しながら。
「!」
それに気づいたセルセは後ろにいる彼に話しかける。
「おい、さっさと来たらどうだ?」
扉が開きそこからコンラートが歩いて来る姿に有利は喜ぶ。
「陛下、」
「コンラッド!お帰り!」
「はい、貴方もお帰りなさい」
健も噴水から出てくるとウルリーケに尋ねる。
「僕が頼んでいた通りにしてもらえたみたいだね」
彼の問いかけにウルリーケは頷く。
「はい。この度のウェラー卿の件は、ご自身の指示であるものと、眞王陛下も仰られて、」
「コンラートの処分もお咎めなしという事になりました」
「2度と僕達を心配しないように、少し懲らしめてやった方が良かったんだが…」
「素直じゃないな、ヴォルも」
「あれでも心配してたんだしね」
素直に言わないがヴォルフラムも心配していた。
「さ、城へ帰りましょう。皆が待っております。延び延びになっていた猊下の帰国の宴も盛大に執り行わなければ!」
「いや、そういうのはいいよ」
祝賀会を催そうとしていたギュンターだったが、当の本人である健をそれを拒否した。
「それに僕はこっちに泊まるし」
「え?」
「えぇ!?そんなあ!」
ギュンター、ショック。
「一緒に来ないのか?村田」
「こっちの世界には暫く転生してなかったんで、歴史とか世界情勢とか知っておきたいんだ。それには、ここの資料室が最適だからね。かまわないかな?」
健の問いかけにウルリーケは『もちろんです』と微笑む。
「眞王陛下もきっとお喜びになるでしょう」
「そうかな?嫌がるかも」
「む、村田…やっぱり最強?」
フランシアでも思った事だった。
眞王廟に残った健は眞王がいる託宣の間へ行き、眞王に話しかける。
「君の思い通りにはならなかったけど、僕はこれでよかったと思う。
言ったよね?
僕は渋谷が気に入ってるって。彼が悲しむような事はしたくない。
……そうだね…。
もっと辛い事があるかもしれないけど…、渋谷なら。
それと、あのアスタルテの双子も君にとって必要な人達?
でも…まさか、あの2人がヘリオスとテイアの血を受け継いでるなんてね。
すごい偶然だよね。
それとも、これも君が思っていたとおりになったのかな…?
あの双子も悲しませることをするのかい?
テイアの大事な子孫でもあるのにね。
そのうえ…、君にとっても大事な――なのにね」
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(re:2016/01/16,2024/07/06)