信じること
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「ああ!あのうす汚い箱!あれなら売っちゃったよ!」
『えええええ!!!???』
地下に宝物庫にあった筈の箱は売られてしまっていた。
「おばちゃん!あれは禁忌の箱って言って!」
「そんなに高価な物だったのかい!?もっと吹っ掛ければよかったね~」
「そういう問題か?」
「「ハア、」」
値段を上げればよかったと後悔しているおばさんに、双子と健は呆れるしかなかった。
「で、箱を売った相手は?」
「食堂のオヤジだよ。酒壷を入れる樽にちょうど良さそうって言うんでさ」
「な!酒つ…はら~~…」
よほどショックだったのか、禁忌の箱を酒壷の樽になった事を知ったギュンターは倒れる。
「あ、倒れた」
「そんなにショックだったんだな…」
「仕方ない事ですのに」
なんとか後ろにいたヨザックに支えられたが、ギュンターはくらげのようにふよふよしていた。
そんなギュンターを見ても、いつもと変わらない双子とピリアーチェだった。
すぐにフランシアの町で探しに行こうとすると、ライラが道案内として一緒に同行すると言い出したのだ。
「何でライラまで行く必要があるだよ!」
「彼らはフランシアを知りません。土地に通じる者が必要なのです」
「そんなの大シマロンがいたらどうするんだよ――!」
「陛下ならば全て円満に解決される事でしょう」
「でもさ、でもさ~~!」
それでも納得できないアントワーヌは駄々を捏ねる。
「陛下は、我々の誇りです」
「え?そう?照れるな~//うん!何とかなるかもね!
そんな様子を見ていた有利達一行は何も言えなかったのだった。
城から出て箱を探す事になった。
「あの王様って、変わってるよなー。なんていうか、その、頼りないっていうか」
「ふむ。へなちょこ魔王も言うようになったものだ」
「何だよ!」
「陛下、仮にも一国の王にそれは失礼では、」
「問題ありません」
そう言いきるライラに不思議に思う。
「それは我が王の長所でもあるのですから。力の無い小国が生き残る為には、陛下の柔軟なお心こそが必要なのです」
「柔軟?」
何を考えたのか、有利はその場で柔軟体操を始めたのだ。
「有利、置いて行くよ」
「え?」
有利以外の全員は先へと進んでいた。
「何だよー!突っ込んでくれたっていいじゃん!」
そう言って彼はすぐに追いかけて行ったのだった。
そしておばさんが売った、という相手に会いに行く。
「酒壷を入れるのはちょっと小さすぎてな、常連さんにやっちまったよ」
常連さん。
「箱?箱…。ああ、そうか、箱かぁ!あれはいいよ、あれは。あ…箱…?」
ご近所さん。
「勉強机に使ってたんだよ!でも、新しいの買ってもらったの!見る?見る??」
このようにして、箱が渡っていった所へ行ったが結局手掛かりが途絶えてしまったのだ。
「あの箱のたらい回しねー…」
「まぁ、しょうがないんじゃない?」
夕方になり、木の下で休憩している。
「そういえや、村田言ってたよな?鍵がなければただの箱だって」
「ああ…」
「禁忌の箱はこの国で、色んな人の手を渡って、色んな生活を見て来たんだな。物騒な箱だって恐れられ、どこかに封印されるより、こんな呑気な生活を望んでいたのかもしれないな」
「!」
それを聞いていたライラは一瞬ハッとなり、有利を見る。
「?ライラ?」
「!」
名前を呼ばれたライラは有利から視線を外し話し始める。
「宿の手配をします。皆さん、長旅でお疲れでしょう」
「いや、しかし箱は…」
「わたしが調べてまいります」
「俺も行こう」
「結構です」
ヨザックも行こうと言ったがライラにキッパリ、即答で断られた。
「それでは」
ライラは軽く挨拶すると走って行ってしまった。
「あの女、気になるな」
「ああ――!」
「?」
「ヨザック、もしかしてやましい事考えてるんじゃないの?」
「いや…」
違うと答えようとしたが、有利の前にいる健に首を横に振るのを見る。
それを見るとよざっくは笑いながら有利の冗談にのる。
「いやー!俺とためはる女はアリア以外の女では滅多いませんからね!負けてられないってゆーかー!」
「ああ、そうですかー」
ライラが用意した宿の部屋に入った有利はベッドにダイブする。
「よっく歩いた~~!」
アリアは有利が横になって空いている部分に座る。
「疲れた?」
「そりゃーね。アリアは疲れないのか?」
「これでも軍人だから」
「納得」
ドアの近くではギュンター達は見張りの事を話しをしている事に驚く。
「えぇ?休まないのー?せっかくライラが気をつかってくれたのにー!」
「そうは参りません。大シマロンの使者は既にフランシアに入国しているのですから」
「それって、コンラッドの事?」
返事に困ったギュンターだったが、ギュンターの代わりにアリアが返事した。
「そういう事」
「…そっか…」
有利は少し落ち込む。
「皮肉なものですね。ウェラー卿に助けられたわたしが、今度は彼を裏切り者として、」
「もうやめろって!」
すると有利は止めた。
「人を疑うのはもう疲れた。信じ続けるほうがよっぽど楽だよ」
「有利…」
「そーゆーわけで、俺はもう誰も疑んないからね!そんじゃ、おやすみ!」
布団を掴むとそのままベッドに倒れこみ寝る体制に入った。
アリアはその有利の肩を軽く叩く。
「おやすみ、有利」
「……おやすみ…」
布団の中からアリアへ返事の声が小さく呟いた。
『えええええ!!!???』
地下に宝物庫にあった筈の箱は売られてしまっていた。
「おばちゃん!あれは禁忌の箱って言って!」
「そんなに高価な物だったのかい!?もっと吹っ掛ければよかったね~」
「そういう問題か?」
「「ハア、」」
値段を上げればよかったと後悔しているおばさんに、双子と健は呆れるしかなかった。
「で、箱を売った相手は?」
「食堂のオヤジだよ。酒壷を入れる樽にちょうど良さそうって言うんでさ」
「な!酒つ…はら~~…」
よほどショックだったのか、禁忌の箱を酒壷の樽になった事を知ったギュンターは倒れる。
「あ、倒れた」
「そんなにショックだったんだな…」
「仕方ない事ですのに」
なんとか後ろにいたヨザックに支えられたが、ギュンターはくらげのようにふよふよしていた。
そんなギュンターを見ても、いつもと変わらない双子とピリアーチェだった。
すぐにフランシアの町で探しに行こうとすると、ライラが道案内として一緒に同行すると言い出したのだ。
「何でライラまで行く必要があるだよ!」
「彼らはフランシアを知りません。土地に通じる者が必要なのです」
「そんなの大シマロンがいたらどうするんだよ――!」
「陛下ならば全て円満に解決される事でしょう」
「でもさ、でもさ~~!」
それでも納得できないアントワーヌは駄々を捏ねる。
「陛下は、我々の誇りです」
「え?そう?照れるな~//うん!何とかなるかもね!
そんな様子を見ていた有利達一行は何も言えなかったのだった。
城から出て箱を探す事になった。
「あの王様って、変わってるよなー。なんていうか、その、頼りないっていうか」
「ふむ。へなちょこ魔王も言うようになったものだ」
「何だよ!」
「陛下、仮にも一国の王にそれは失礼では、」
「問題ありません」
そう言いきるライラに不思議に思う。
「それは我が王の長所でもあるのですから。力の無い小国が生き残る為には、陛下の柔軟なお心こそが必要なのです」
「柔軟?」
何を考えたのか、有利はその場で柔軟体操を始めたのだ。
「有利、置いて行くよ」
「え?」
有利以外の全員は先へと進んでいた。
「何だよー!突っ込んでくれたっていいじゃん!」
そう言って彼はすぐに追いかけて行ったのだった。
そしておばさんが売った、という相手に会いに行く。
「酒壷を入れるのはちょっと小さすぎてな、常連さんにやっちまったよ」
常連さん。
「箱?箱…。ああ、そうか、箱かぁ!あれはいいよ、あれは。あ…箱…?」
ご近所さん。
「勉強机に使ってたんだよ!でも、新しいの買ってもらったの!見る?見る??」
このようにして、箱が渡っていった所へ行ったが結局手掛かりが途絶えてしまったのだ。
「あの箱のたらい回しねー…」
「まぁ、しょうがないんじゃない?」
夕方になり、木の下で休憩している。
「そういえや、村田言ってたよな?鍵がなければただの箱だって」
「ああ…」
「禁忌の箱はこの国で、色んな人の手を渡って、色んな生活を見て来たんだな。物騒な箱だって恐れられ、どこかに封印されるより、こんな呑気な生活を望んでいたのかもしれないな」
「!」
それを聞いていたライラは一瞬ハッとなり、有利を見る。
「?ライラ?」
「!」
名前を呼ばれたライラは有利から視線を外し話し始める。
「宿の手配をします。皆さん、長旅でお疲れでしょう」
「いや、しかし箱は…」
「わたしが調べてまいります」
「俺も行こう」
「結構です」
ヨザックも行こうと言ったがライラにキッパリ、即答で断られた。
「それでは」
ライラは軽く挨拶すると走って行ってしまった。
「あの女、気になるな」
「ああ――!」
「?」
「ヨザック、もしかしてやましい事考えてるんじゃないの?」
「いや…」
違うと答えようとしたが、有利の前にいる健に首を横に振るのを見る。
それを見るとよざっくは笑いながら有利の冗談にのる。
「いやー!俺とためはる女はアリア以外の女では滅多いませんからね!負けてられないってゆーかー!」
「ああ、そうですかー」
ライラが用意した宿の部屋に入った有利はベッドにダイブする。
「よっく歩いた~~!」
アリアは有利が横になって空いている部分に座る。
「疲れた?」
「そりゃーね。アリアは疲れないのか?」
「これでも軍人だから」
「納得」
ドアの近くではギュンター達は見張りの事を話しをしている事に驚く。
「えぇ?休まないのー?せっかくライラが気をつかってくれたのにー!」
「そうは参りません。大シマロンの使者は既にフランシアに入国しているのですから」
「それって、コンラッドの事?」
返事に困ったギュンターだったが、ギュンターの代わりにアリアが返事した。
「そういう事」
「…そっか…」
有利は少し落ち込む。
「皮肉なものですね。ウェラー卿に助けられたわたしが、今度は彼を裏切り者として、」
「もうやめろって!」
すると有利は止めた。
「人を疑うのはもう疲れた。信じ続けるほうがよっぽど楽だよ」
「有利…」
「そーゆーわけで、俺はもう誰も疑んないからね!そんじゃ、おやすみ!」
布団を掴むとそのままベッドに倒れこみ寝る体制に入った。
アリアはその有利の肩を軽く叩く。
「おやすみ、有利」
「……おやすみ…」
布団の中からアリアへ返事の声が小さく呟いた。