別れのキス
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大シマロンの兵に囲まれているアリア達。
「どうします?強行突破しますか?」
「ん~…、ちょっと数が多いよね」
「合図をしたら陛下とセルセと連れて走ってください」
さっきの剣術の疲れがまだとれていないセルセだが、そんな事も気にしない彼は右耳に付けていたイヤリングを外す。
「ヨザ、俺とアリアでこの兵達を倒す」
「無理だろ、今のお前じゃ…」
片膝を地面に付けている彼を見てヨザックは心配そうに見るが、当の本人は気にせずに敵を見ていた。
「たぶん剣よりも、俺らの術の方が向こうは慣れていない。だから俺らがここを食い止め、」
「やめろ…」
「え?渋谷?」
「ユーリ?」
セルセの言葉を遮るように有利が呟く。
「こんなのやめろ…。これがお前達のやり方か!?」
「有利!」
大シマロンのやり方にキレた有利は魔王になってしまったのだ。
「己の都合が悪くなれば、すぐさま特権を振りかざし、望みの通りに真実を捻じ曲げるとは、なんと卑劣なっ!神聖なるスポーツな場を土足で汚した罪、その身をもって償うがいい!」
魔王の力で地面に亀裂が入って行く。
「血を流すのは本意ではないが、いたしかたない!成敗!!」
有利が魔王になったため、アリア達が魔族という事がばれてしまった。
「陛下!」
「有利!」
「ダメだ!渋谷、落ち着け!」
「ユーリっ」
「くっ!」
有利の力で大きな風が闘技場の中で暴れ、魔族だと知った観客は怖くなって逃げていく。
「渋谷!やめろ!」
暴風で誰もが動けない状態だったが、コンラートは地面に剣を刺し暴風に耐えていた。
「ユーリ――!」
そして有利の名前を叫んだ。
「………」
コンラートに名前を呼ばれた有利はジッと彼を見る。
「ユーリっ」
「……コンラッド…」
そう呟くと、魔王を解き気絶する。
「有利!」
その場で倒れて有利をなんとか支えたアリアだったが、彼を抱えたままジッとコンラートを見る。
だがコンラートは何も言わず、掴んでいた剣から手を離した。
すると周りでは少しずつ倒れていた大シマロンの兵達が起き始める。
「……ヨザ、早く逃げた方がいい。起き始めた…」
「ちっ!」
セルセに言われ、ヨザックは有利を担ぐ。
「お前はもう大丈夫なのか?」
「ああ。さっきよりは体も楽になった」
「そうか…。行きましょ!」
ヨザック達が闘技場を出る為に走るが、ヴォルフラムはコンラートを少し見る。
「ヴォル」
「…ああっ」
アリアに呼ばれヴォルフラムは少し哀しそうな顔になったセルセ達の後を追う。
その後を追いかけるアリアだった。
闘技場から出た一行。
「えらいことになりましたね。どうします?猊下」
「とにかく、ここを離れる。渋谷の正体がばれちゃったからね」
「ヴォルフラム~!双子~!こっちよ~!」
すると少し離れている場所からツェリが顔を出して呼んでいる事に気づいた。
「母上!」
「「ツェリ様?」」
ツェリの方へ行くと、そこには馬車が1台とフリン、ダガスコスが待っていた。
「よかった、皆様、ご無事で!」
「ユーリは!?」
「大丈夫、ちょっと力を使いすぎたんだ。ダガスコス、例の箱は?」
健に聞かれたダカスコスは頷く。
「はい。こちらのファンファン殿のご協力で無事入れ替えました」
入れ替えた箱は馬車の荷台に乗せてあった。
「よし。こうなったら長居は無用だ。さっさと脱出しよう」
「ええ」
「こちらの馬車をお使い下さい。さ、急いで」
すぐにセルセ、有利、健、フリンは馬車の中に入り、ダガスコスとヨザックは馬車の運転席へと座る。
「ツェリ様がこっちに居てくださったおかげで助かりましたよ」
「こちらこそ、陛下の役に立ててよかったわ」
まだ馬車に乗っていなかったヴォルフラムはツェリに話しかける。
「母上もご一緒に、」
「わたくしはファンファンに送ってもらうから大丈夫よ」
「しかし、」
するとツェリは馬車の中で眠っている有利に触れる。
「ごめんなさい、陛下。コンラートを許して。あの子の罪はわたくしの罪でもあるから」
有利から離れるとアリアの側に寄る。
「アリアも…。貴女には悲しませてばかりね、ごめんなさい」
「……っ大丈夫ですよ…。ツェリ様…」
無理にでも泣くのを我慢しているアリアはツェリに心配かけないように笑う。
「さ、早く行って。気をつけてね」
「はい…」
「分かりました。母上もお元気で」
すぐにアリアとヴォルフラムも馬車の中に入ると、すぐに馬車は出発したのだった。
「どうします?強行突破しますか?」
「ん~…、ちょっと数が多いよね」
「合図をしたら陛下とセルセと連れて走ってください」
さっきの剣術の疲れがまだとれていないセルセだが、そんな事も気にしない彼は右耳に付けていたイヤリングを外す。
「ヨザ、俺とアリアでこの兵達を倒す」
「無理だろ、今のお前じゃ…」
片膝を地面に付けている彼を見てヨザックは心配そうに見るが、当の本人は気にせずに敵を見ていた。
「たぶん剣よりも、俺らの術の方が向こうは慣れていない。だから俺らがここを食い止め、」
「やめろ…」
「え?渋谷?」
「ユーリ?」
セルセの言葉を遮るように有利が呟く。
「こんなのやめろ…。これがお前達のやり方か!?」
「有利!」
大シマロンのやり方にキレた有利は魔王になってしまったのだ。
「己の都合が悪くなれば、すぐさま特権を振りかざし、望みの通りに真実を捻じ曲げるとは、なんと卑劣なっ!神聖なるスポーツな場を土足で汚した罪、その身をもって償うがいい!」
魔王の力で地面に亀裂が入って行く。
「血を流すのは本意ではないが、いたしかたない!成敗!!」
有利が魔王になったため、アリア達が魔族という事がばれてしまった。
「陛下!」
「有利!」
「ダメだ!渋谷、落ち着け!」
「ユーリっ」
「くっ!」
有利の力で大きな風が闘技場の中で暴れ、魔族だと知った観客は怖くなって逃げていく。
「渋谷!やめろ!」
暴風で誰もが動けない状態だったが、コンラートは地面に剣を刺し暴風に耐えていた。
「ユーリ――!」
そして有利の名前を叫んだ。
「………」
コンラートに名前を呼ばれた有利はジッと彼を見る。
「ユーリっ」
「……コンラッド…」
そう呟くと、魔王を解き気絶する。
「有利!」
その場で倒れて有利をなんとか支えたアリアだったが、彼を抱えたままジッとコンラートを見る。
だがコンラートは何も言わず、掴んでいた剣から手を離した。
すると周りでは少しずつ倒れていた大シマロンの兵達が起き始める。
「……ヨザ、早く逃げた方がいい。起き始めた…」
「ちっ!」
セルセに言われ、ヨザックは有利を担ぐ。
「お前はもう大丈夫なのか?」
「ああ。さっきよりは体も楽になった」
「そうか…。行きましょ!」
ヨザック達が闘技場を出る為に走るが、ヴォルフラムはコンラートを少し見る。
「ヴォル」
「…ああっ」
アリアに呼ばれヴォルフラムは少し哀しそうな顔になったセルセ達の後を追う。
その後を追いかけるアリアだった。
闘技場から出た一行。
「えらいことになりましたね。どうします?猊下」
「とにかく、ここを離れる。渋谷の正体がばれちゃったからね」
「ヴォルフラム~!双子~!こっちよ~!」
すると少し離れている場所からツェリが顔を出して呼んでいる事に気づいた。
「母上!」
「「ツェリ様?」」
ツェリの方へ行くと、そこには馬車が1台とフリン、ダガスコスが待っていた。
「よかった、皆様、ご無事で!」
「ユーリは!?」
「大丈夫、ちょっと力を使いすぎたんだ。ダガスコス、例の箱は?」
健に聞かれたダカスコスは頷く。
「はい。こちらのファンファン殿のご協力で無事入れ替えました」
入れ替えた箱は馬車の荷台に乗せてあった。
「よし。こうなったら長居は無用だ。さっさと脱出しよう」
「ええ」
「こちらの馬車をお使い下さい。さ、急いで」
すぐにセルセ、有利、健、フリンは馬車の中に入り、ダガスコスとヨザックは馬車の運転席へと座る。
「ツェリ様がこっちに居てくださったおかげで助かりましたよ」
「こちらこそ、陛下の役に立ててよかったわ」
まだ馬車に乗っていなかったヴォルフラムはツェリに話しかける。
「母上もご一緒に、」
「わたくしはファンファンに送ってもらうから大丈夫よ」
「しかし、」
するとツェリは馬車の中で眠っている有利に触れる。
「ごめんなさい、陛下。コンラートを許して。あの子の罪はわたくしの罪でもあるから」
有利から離れるとアリアの側に寄る。
「アリアも…。貴女には悲しませてばかりね、ごめんなさい」
「……っ大丈夫ですよ…。ツェリ様…」
無理にでも泣くのを我慢しているアリアはツェリに心配かけないように笑う。
「さ、早く行って。気をつけてね」
「はい…」
「分かりました。母上もお元気で」
すぐにアリアとヴォルフラムも馬車の中に入ると、すぐに馬車は出発したのだった。