離れる2人
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人間の国が不穏な動きを見せている中、有利は手違いで眞魔国に来るという情報をウルリーケから受け取った。
「だったら、俺も行くべきだろ?」
「いえ。今回貴方達は眞魔国に残り、陛下の受け入れの準備をしていて下さい」
「……本当にいいのか?俺が行かなくて」
迎えに行くのはコンラートとギュンター、そしてグレタの3人だけという事にセルセはキッと彼を睨む。
「何者かがこの国へと引き寄せた。それを調べる為にも、」
「……」
「陛下をあちらへ戻す手筈をしておいてくださいね」
ギュンターに言われ、セルセは大人しく頷くだけだった。
こうして3人は有利を迎えに行ったのだった。
「……」
「セルセ?」
「どうしたんですか?セルセ様」
何か複雑な顔をしていた彼にアリア、リュイが気づく。
「…いや、何かさ…、嫌な予感がして…」
「…嫌な予感?」
この時言っていたセルセの予想は的中してしまったのだ。
有利を迎えに行った筈のコンラート達が敵に襲われた。
彼らがいたであろう教会は燃え尽きている状態だった。
「まさか、」
その様子を見たアリアは何も言えない。
「使いをやりました。近隣の住民と全兵士を動員して捜索を開始します」
「任せる」
すると担架に乗って運ばれる者がいた。
「死んでいるのか?」
「いえ。矢に毒が塗られていたようです。フォンクライスト卿は毒が全身に回らぬよう、ご自分で仮死状態になられたかと、」
「ギュンター…っ」
「そうか…」
グウェンダルと双子は無事に保護されたグレタの元へ寄る。
「何があった?」
グレタの側にはヴォルフラムとピリアーチェがいた。
「子どもには無理です」
「他に誰に聞けばよい?」
「ですが、」
無理に思い出させたくないヴォルフラムだったが、グレタはグウェンダルを見上げる。
「……話せるよ」
哀しそうな表情でグレタは話をする。
「ギュンターもコンラッドも、敵がここまで来てるとは考えてなかったの。だからグレタも連れて来てもらえたんだよ。少し会うだけならって」
「そうか。敵の姿は?」
「死んじゃったの?ユーリもコンラッドも。お母様みたいに」
「「「「……」」」」
死んだのかと尋ねられ、グウェンダルだけでなく双子もピリアーチェも何も言えなくなる。
「グレタの好きな人はどうして死んじゃうの?グレタが悪いの?皆グレタが悪いの!?」
そう言いながらグレタはギュッとグウェンダルに抱き着く。
そんな彼女にグウェンダルはそっと肩に触れる。
「ユーリがここにいたら、お前が悪いと言うと思うか?」
「ユーリはそんな事言わないよ…」
グウェンダルはグレタと視線を同じにする為に片膝立ちをする。
「では、そういう事だ」
そう伝えるとグウェンダルは近くにいた兵士を呼ぶ。
呼ばれた兵士はグレタを連れて安全な所へと案内したのだった。
双子とグウェンダル、ヴォルフラム、ピリアーチェは焼け死んでしまった遺体が並んでいる場所へと移動する。
「焼け跡を調べた結果、背格好や装飾品から判断致しまして、陛下のご遺体は無い様子です」
「生存の可能性はあるって事だな」
「は!」
セルセの問い掛けに答えた兵士とは別の兵士が言い難そうに、持っている物を見せる。
「それと、これが…、」
「!」
兵が持っていた箱にあったのは、コンラートの左腕だった。
「コンラートの…!」
それを見た双子、リュイ、ヴォルフラムは驚いている。
「ウェラー卿のものだ…」
「っ」
「アリアっ」
ふらっと体の力が抜けたアリアの体をグウェンダルがすぐに支えた。
「…コンラート…っ」
支えられたアリアはギュッとグウェンダルの腕を掴んだ。
「待て」
兵を呼び止めたグウェンダルは、コンラートの腕の袖のボタンを2つ取りアリアとヴォルフラムに渡す。
「…俺に似るな」
そう言うと彼は軽くアリアの頭を撫でてから、隣に立っているセルセに視線を向ける。
「……」
セルセは視線を受け取ると、頷いてからアリアの体を支える。
そしてグウェンダルは城に戻って行ったのだ。
「っ」
アリアはボタンを両手で握り締め、セルセとピリアーチェはショックを隠せていない。
「うわ――――!!ユーリ――!!コンラート――!!」
辺り、ヴォルフラムの叫んでいる声が響いていた。
血盟城に戻ってきてからアリアはコンラートの部屋に入り、彼の部屋のベッドに横たわる。
「………」
横たわりながら、グウェンダルから貰ったコンラートのボタンを見つめる。
いつも付けているネックレスの紐に、コンラートのボタンを通す。
「……有利は必ず見つける…絶対に…っ!」
「だったら、俺も行くべきだろ?」
「いえ。今回貴方達は眞魔国に残り、陛下の受け入れの準備をしていて下さい」
「……本当にいいのか?俺が行かなくて」
迎えに行くのはコンラートとギュンター、そしてグレタの3人だけという事にセルセはキッと彼を睨む。
「何者かがこの国へと引き寄せた。それを調べる為にも、」
「……」
「陛下をあちらへ戻す手筈をしておいてくださいね」
ギュンターに言われ、セルセは大人しく頷くだけだった。
こうして3人は有利を迎えに行ったのだった。
「……」
「セルセ?」
「どうしたんですか?セルセ様」
何か複雑な顔をしていた彼にアリア、リュイが気づく。
「…いや、何かさ…、嫌な予感がして…」
「…嫌な予感?」
この時言っていたセルセの予想は的中してしまったのだ。
有利を迎えに行った筈のコンラート達が敵に襲われた。
彼らがいたであろう教会は燃え尽きている状態だった。
「まさか、」
その様子を見たアリアは何も言えない。
「使いをやりました。近隣の住民と全兵士を動員して捜索を開始します」
「任せる」
すると担架に乗って運ばれる者がいた。
「死んでいるのか?」
「いえ。矢に毒が塗られていたようです。フォンクライスト卿は毒が全身に回らぬよう、ご自分で仮死状態になられたかと、」
「ギュンター…っ」
「そうか…」
グウェンダルと双子は無事に保護されたグレタの元へ寄る。
「何があった?」
グレタの側にはヴォルフラムとピリアーチェがいた。
「子どもには無理です」
「他に誰に聞けばよい?」
「ですが、」
無理に思い出させたくないヴォルフラムだったが、グレタはグウェンダルを見上げる。
「……話せるよ」
哀しそうな表情でグレタは話をする。
「ギュンターもコンラッドも、敵がここまで来てるとは考えてなかったの。だからグレタも連れて来てもらえたんだよ。少し会うだけならって」
「そうか。敵の姿は?」
「死んじゃったの?ユーリもコンラッドも。お母様みたいに」
「「「「……」」」」
死んだのかと尋ねられ、グウェンダルだけでなく双子もピリアーチェも何も言えなくなる。
「グレタの好きな人はどうして死んじゃうの?グレタが悪いの?皆グレタが悪いの!?」
そう言いながらグレタはギュッとグウェンダルに抱き着く。
そんな彼女にグウェンダルはそっと肩に触れる。
「ユーリがここにいたら、お前が悪いと言うと思うか?」
「ユーリはそんな事言わないよ…」
グウェンダルはグレタと視線を同じにする為に片膝立ちをする。
「では、そういう事だ」
そう伝えるとグウェンダルは近くにいた兵士を呼ぶ。
呼ばれた兵士はグレタを連れて安全な所へと案内したのだった。
双子とグウェンダル、ヴォルフラム、ピリアーチェは焼け死んでしまった遺体が並んでいる場所へと移動する。
「焼け跡を調べた結果、背格好や装飾品から判断致しまして、陛下のご遺体は無い様子です」
「生存の可能性はあるって事だな」
「は!」
セルセの問い掛けに答えた兵士とは別の兵士が言い難そうに、持っている物を見せる。
「それと、これが…、」
「!」
兵が持っていた箱にあったのは、コンラートの左腕だった。
「コンラートの…!」
それを見た双子、リュイ、ヴォルフラムは驚いている。
「ウェラー卿のものだ…」
「っ」
「アリアっ」
ふらっと体の力が抜けたアリアの体をグウェンダルがすぐに支えた。
「…コンラート…っ」
支えられたアリアはギュッとグウェンダルの腕を掴んだ。
「待て」
兵を呼び止めたグウェンダルは、コンラートの腕の袖のボタンを2つ取りアリアとヴォルフラムに渡す。
「…俺に似るな」
そう言うと彼は軽くアリアの頭を撫でてから、隣に立っているセルセに視線を向ける。
「……」
セルセは視線を受け取ると、頷いてからアリアの体を支える。
そしてグウェンダルは城に戻って行ったのだ。
「っ」
アリアはボタンを両手で握り締め、セルセとピリアーチェはショックを隠せていない。
「うわ――――!!ユーリ――!!コンラート――!!」
辺り、ヴォルフラムの叫んでいる声が響いていた。
血盟城に戻ってきてからアリアはコンラートの部屋に入り、彼の部屋のベッドに横たわる。
「………」
横たわりながら、グウェンダルから貰ったコンラートのボタンを見つめる。
いつも付けているネックレスの紐に、コンラートのボタンを通す。
「……有利は必ず見つける…絶対に…っ!」