旅の剣士
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翌朝、有利達は川に近い場所で朝食を食べていた。
「はい、陛下」
「サンキュー。なんかこうしてると、キャンプみたいで楽しいな♪」
「…きゃんぷ、とは何ですか?軍事訓練の様なものですか?」
初めて聞く言葉にギュンターは不思議に思い尋ねると、有利は干し肉を食べながら答える。
「いやー、そうじゃなくて。皆で森や河原でバーベキューしたり、バードウォッチングをしたり、」
「何をゴチャゴチャ」
「ん?」
有利の話途中で遮ったのはヴォルフラムだった。
「訳の分からない事を言ってるんだ!竜を狙っている奴らがまだその辺にウロウロしてるんだ!もっと緊張感を持たないか!!」
「そんな事言ってもさ~、ギュンターがキャンプの意味を聞くから…。あ!」
ヴォルフラムを話していると有利は何かに気づく。
何と子どもの竜が聖剣に触ろうとしていたのだ。
「ポチ!それは危ないから離れて…!」
そう言うれたポチは聖剣から離れ、有利の方へ近づき彼の足に擦りつく。
「コイツの名はリースエールだ」
「「何だそれ?」」
有利だけでなく、セルセも首を傾げる。
「威厳と気品を兼ね備えた名こそ、竜には相応しいだろうが!」
「え~?ポチの方が可愛いじゃん?」
「ギャー♪」
「ほら本人も気に入ってるし。な~、ポチ」
「………」
笑顔の有利と竜にヴォルフラムは何も言えない。
「嘘だ」
「「?」」
すると有利達を見ていた彼は信じられない眼差しをしていた。
「魔族が、それも魔王がこんなだなんて!」
「はぁ、」
「魔王は人間世界を滅ぼそうと狙っている極悪非道な冷血感、悪の権化、背徳の化身!!」
「背徳の化身、」
彼の言い分に有利は苦笑する。
「このへなちょこの何処が背徳の化身なんだ」
「ま、俺もヴォルの言葉に同感だな」
「あ―――!セルセまでそう言うのか!?」
軽くショックを受ける有利だった。
「あ、君の名前、まだ聞いてなかったよね?」
「…アルフォード・マキナー」
「勇者っぽい名前だな~!でもアルフォードだと長くて呼びにくいから、アルな。決まり」
「なっ」
「俺は渋谷有利、有利でいいから」
有利はアルフォードに何も言わせないように半ば強制的に愛称を決めた。
「でもさ、アル。なんだって竜を密猟しようとしてたワケ?それって勇者らしくないじゃん」
「俺は密猟者なのではない!」
「許可無く他国に侵入し保護動物である竜を狙うなど、立派な密猟です」
「この男にもそれなりの理由があるのでは?」
「理由?」
コンラートの意見にギュンターは眉間を鋭くする。
「そんなもの金儲けに決まっています」
「違う!」
「「違う?」」
否定するアルフォードに双子は首を傾げる。
「じゃ、理由は何なんだ?」
セルセに尋ねられても、彼は言う気はないらしい。
「そんな事、前達に話す筋合いなど無い」
と、即答した。
「話してみなよ。理由によっては助けられるかもしれないし」
「陛下、またまたその様な事を…!」
「だって、勇者だよ?人の為、正義の為に戦う職業だよ?悪い人じゃないと思うよう?」
そんな有利の言葉に驚きながらも、彼は少しずつ話し始める。
「どうしても、」
「え?」
「どうしても、竜の心臓が必要だったんだ。俺は父から受け継いだ聖剣に相応しい男になる為、一人、旅をしていた。とある村に来た時、彼らに声を掛けられた」
『その剣、聖剣ね?』
『何か?』
『貴方のような人を探していたのです』
『探す?』
『貴方なら竜を倒す事が出来るわ』
『竜だと?』
竜という言葉に驚き、彼女達に話を聞く事にした。
『それで、その子どもの病を治す事が出来るのは、竜の心臓から作られる薬だけなの。
わたし達は、子どもの両親から頼まれて旅立ったの。だけど、相手は強大力を持つ竜!わたし達だけでは…。お願い!貴方の力を貸して…!』
『竜は眞魔国にしかいない。竜だけでなく、魔族も相手にする事になるだろう』
『分かっているわ。でも、子どもを助けるにはそれしか無いの。…覚悟も出来ている』
『俺の力が役に立つなら、…協力しよう』
『ありがとう』
そしてアルフォードは彼らと共に、この眞魔国へ来たのだった。
「そうか。不治の病の子どもの為に。だけど本当に竜の心臓以外に助かる方法って無いの?」
それを聞いていた有利はギュンターに聞く。
「竜の心臓でも病は治せません」
「!」
「え!?どういう事?」
有利とアルフォードの驚く表情を見たセルセは苦笑する。
「つまり、人間達の間だと、今だ昔からの迷信が信じられてただけって事だけだ」
「嘆かわしい…っ」
セルセの説明にギュンターはさらに眉間の皺を深くさせていた。
「迷信なの!?」
「ええ。昔は竜の強い生命力に肖ろうと、薬として使われていたようですが、実際は何の効能はありません。
むしろ今は竜の鱗や爪から生成される、武器や防具がもてはやされて高値がつきますね」
「あの聖剣がいい例よ。あれは数百年前に竜の牙から作られて、竜の血で鍛えられた一品物だからね」
コンラートとアリアからも詳しい話を聞いた有利は納得する。
「はい、陛下」
「サンキュー。なんかこうしてると、キャンプみたいで楽しいな♪」
「…きゃんぷ、とは何ですか?軍事訓練の様なものですか?」
初めて聞く言葉にギュンターは不思議に思い尋ねると、有利は干し肉を食べながら答える。
「いやー、そうじゃなくて。皆で森や河原でバーベキューしたり、バードウォッチングをしたり、」
「何をゴチャゴチャ」
「ん?」
有利の話途中で遮ったのはヴォルフラムだった。
「訳の分からない事を言ってるんだ!竜を狙っている奴らがまだその辺にウロウロしてるんだ!もっと緊張感を持たないか!!」
「そんな事言ってもさ~、ギュンターがキャンプの意味を聞くから…。あ!」
ヴォルフラムを話していると有利は何かに気づく。
何と子どもの竜が聖剣に触ろうとしていたのだ。
「ポチ!それは危ないから離れて…!」
そう言うれたポチは聖剣から離れ、有利の方へ近づき彼の足に擦りつく。
「コイツの名はリースエールだ」
「「何だそれ?」」
有利だけでなく、セルセも首を傾げる。
「威厳と気品を兼ね備えた名こそ、竜には相応しいだろうが!」
「え~?ポチの方が可愛いじゃん?」
「ギャー♪」
「ほら本人も気に入ってるし。な~、ポチ」
「………」
笑顔の有利と竜にヴォルフラムは何も言えない。
「嘘だ」
「「?」」
すると有利達を見ていた彼は信じられない眼差しをしていた。
「魔族が、それも魔王がこんなだなんて!」
「はぁ、」
「魔王は人間世界を滅ぼそうと狙っている極悪非道な冷血感、悪の権化、背徳の化身!!」
「背徳の化身、」
彼の言い分に有利は苦笑する。
「このへなちょこの何処が背徳の化身なんだ」
「ま、俺もヴォルの言葉に同感だな」
「あ―――!セルセまでそう言うのか!?」
軽くショックを受ける有利だった。
「あ、君の名前、まだ聞いてなかったよね?」
「…アルフォード・マキナー」
「勇者っぽい名前だな~!でもアルフォードだと長くて呼びにくいから、アルな。決まり」
「なっ」
「俺は渋谷有利、有利でいいから」
有利はアルフォードに何も言わせないように半ば強制的に愛称を決めた。
「でもさ、アル。なんだって竜を密猟しようとしてたワケ?それって勇者らしくないじゃん」
「俺は密猟者なのではない!」
「許可無く他国に侵入し保護動物である竜を狙うなど、立派な密猟です」
「この男にもそれなりの理由があるのでは?」
「理由?」
コンラートの意見にギュンターは眉間を鋭くする。
「そんなもの金儲けに決まっています」
「違う!」
「「違う?」」
否定するアルフォードに双子は首を傾げる。
「じゃ、理由は何なんだ?」
セルセに尋ねられても、彼は言う気はないらしい。
「そんな事、前達に話す筋合いなど無い」
と、即答した。
「話してみなよ。理由によっては助けられるかもしれないし」
「陛下、またまたその様な事を…!」
「だって、勇者だよ?人の為、正義の為に戦う職業だよ?悪い人じゃないと思うよう?」
そんな有利の言葉に驚きながらも、彼は少しずつ話し始める。
「どうしても、」
「え?」
「どうしても、竜の心臓が必要だったんだ。俺は父から受け継いだ聖剣に相応しい男になる為、一人、旅をしていた。とある村に来た時、彼らに声を掛けられた」
『その剣、聖剣ね?』
『何か?』
『貴方のような人を探していたのです』
『探す?』
『貴方なら竜を倒す事が出来るわ』
『竜だと?』
竜という言葉に驚き、彼女達に話を聞く事にした。
『それで、その子どもの病を治す事が出来るのは、竜の心臓から作られる薬だけなの。
わたし達は、子どもの両親から頼まれて旅立ったの。だけど、相手は強大力を持つ竜!わたし達だけでは…。お願い!貴方の力を貸して…!』
『竜は眞魔国にしかいない。竜だけでなく、魔族も相手にする事になるだろう』
『分かっているわ。でも、子どもを助けるにはそれしか無いの。…覚悟も出来ている』
『俺の力が役に立つなら、…協力しよう』
『ありがとう』
そしてアルフォードは彼らと共に、この眞魔国へ来たのだった。
「そうか。不治の病の子どもの為に。だけど本当に竜の心臓以外に助かる方法って無いの?」
それを聞いていた有利はギュンターに聞く。
「竜の心臓でも病は治せません」
「!」
「え!?どういう事?」
有利とアルフォードの驚く表情を見たセルセは苦笑する。
「つまり、人間達の間だと、今だ昔からの迷信が信じられてただけって事だけだ」
「嘆かわしい…っ」
セルセの説明にギュンターはさらに眉間の皺を深くさせていた。
「迷信なの!?」
「ええ。昔は竜の強い生命力に肖ろうと、薬として使われていたようですが、実際は何の効能はありません。
むしろ今は竜の鱗や爪から生成される、武器や防具がもてはやされて高値がつきますね」
「あの聖剣がいい例よ。あれは数百年前に竜の牙から作られて、竜の血で鍛えられた一品物だからね」
コンラートとアリアからも詳しい話を聞いた有利は納得する。