魔笛発見
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その頃のアリア達一行はというと、今だ砂漠の上。
「獣の唾液で火傷を負った者が数名いますが、いずれも軽症です。…ですが、離脱者が出ました。ライアンです」
「…ライアンが?」
「「?」」
ライアンが離脱したと聞き、コンラートと双子は驚く。
「何でも、運命の相手に出会った気がするだとか。どのような意味なんでしょうね?」
「アイツは無類の動物好きだったな。了解した。討伐隊の必要はない」
「はっ」
ライアンの事はそれで終わりにすると、双子達は先頭を歩いているヴォルフラムを見る。
「機嫌悪いわね」
「確かにな」
「そんなの落ち込まなくても、」
「なじぇ僕が落ち込まなくてはならないんじゃり!」
「「「……」」」
砂言葉になっているヴォルフラムに3人は呆れる。
「……まず砂を吐き出せよ」
「うるさいじゃり!お前なんかに分からないじゃり!!今頃、ユーリは兄上と、兄上とぉ…!」
「陛下とグウェンダルが?」
「気にしすぎじゃないのか?」
「私もそう思うけど、」
「お前達には分からない言ってるじゃり!」
言い切るヴォルフラムにコンラートは笑いながら話し続ける。
「ヴォルフラム、婚約者だと公言しているんだから、もっと陛下を信じて差し上げては?」
「兄上はあの通り可愛いもの好きで、ユーリは自覚の無い浮気者じゃり!」
「「「浮気?」」」
アリアは小さく溜息をはく。
「…ピリアが一緒に居るんだし、大丈夫だと思うけどね」
「しかし!姉上は楽しい事が大好きで、面白ければ傍観者にもなるんじゃりよ!!」
「「「(<fontsize=4>否定できない</font>))」」」
そんな事を話していたら、先程の兵が何かを発見した。
「町が見えます!」
少し遠目だが、町が見え始めた。
「運が良ければ、あそこで会えるんじゃない?」
「そうだな。ま、運が良ければの話だけど」
「俺達が様子を見てくる」
するとヴォルフラムはキッと振り返る。
「僕も行くじゃり!」
そう言うとコンラートと双子は驚きながら答える。
「俺達と一緒に?珍しいな」
「ホントだぜ」
「明日は雨からしら」
一緒に行くと言っている彼にコンラートだけでなく、双子も内心驚いていた。
「ユーリは僕の婚約者じゃり!お前達なんかに任せてはおけない!!」
3人は苦笑するしかなかったが、町へ行く事にしたのだった。
その途中、ヴォルフラムは呆れたような口調で前を歩いている3人に話しかける。
「大体お前達はユーリに甘い!剣でも教えて少しは、あの浮気者根性を叩き直してやったらどうなんだ!?」
「お前がやればいいじゃないか?婚約者だろ?」
「…紳士が婚約者に手荒な真似が出来るか!お前は本当に気が利かないな!
砂熊の穴だって僕は自力で脱出できたのに、お前達がわざわざ落ちてくるから、兄上とユーリが2人っきりになったのだ!!」
ヴォルフラムの言い様に3人は呆れる。
「助けたのは陛下のご命令だったからだ」
「ユーリだって心配してたんだからさ」
「それに、2人っきりじゃなくてピリアもいるってば」
3人に色々と言われ、ヴォルフラムは一瞬言葉が詰まる。
「……剣で鍛えてやれ!厳しくな!僕に教えた時みたいに!!」
「…はいはい」
苦笑するしかない3人だった。
町に着き、コンラートは馬から降りる。
「様子を見てくる」
「あ、俺も行く」
そう言ってコンラートの後を追うようにセルセもついて行こうとするが、振り返る。
「アリアも行くか?」
「いい。ここで待ってる(下手に歩いてバレるのも嫌だし)」
「分かった」
そう言い残しコンラートの後を追って行く。
「……」
その様子を見ていたヴォルフラムは不思議に思いアリアに聞く。
「行かないのか?」
「行かないよ。何で?」
「いつも、嫌ってほど一緒にいるからだろう」
「ん~。ちょっとね…」
「?」
アリアがそう言うとヴォルフラムはどういう事だろうと首を傾げるだけだった。
その時コンラートとセルセの驚く声が聞こえてくる。
「「駆け落ち?」」
「?」
「有利とグウェンが?」
どういう事?とさらに分からなくなる一行だった。
その頃の有利達。
「やべっ」
「! 向こうからも!」
身籠っている花嫁、二コラと共に逃げていた。
「塞がれたっ」
周りに兵達が歩いており、緊張が走ると、有利の服を引っ張る男の子が立っていた。
「?」
「こっち」
3人は不思議に思うが、男の子は走り出し、もう一度振り返る。
「「?」」
「こっちこっち」
手招きをしている男の子を見てグウェンダル達は彼の後を追いかけて行った。
そしてその子どもに案内されたのは古びた家だった。
「助かったよ。ありがとう、君は?」
「魔族の子どもだな」
「「え?」」
魔族の子ども、と聞いて驚いたのは有利と二コラだった。
だがピリアーチェはやはり、と思っていた様子であった為優しい顔で彼に話しかける。
「お名前は、何といいますの?」
「ジルタ」
「何でこんな所に魔族の子が?」
「仕事か、流れて来たのか。きっと魔族の男とこの町の女との子だろう」
グウェンダルの説明に有利は『そうか』と納得する。
「でも、まだ小さいのによく助けてくれたね。いくつ?6歳くらい?」
「10歳」
「え!?」
有利は驚く。
見た目と実年齢が違いすぎる事に不思議に思うしかなかった。
「それにしちゃぁ、幼くない?」
「魔族の子は成長が遅いですのよ」
「あぁ、そうだった。ね?お父さんやお母さんは?近くに住んでるの?」
「…父さんは死んだ。母さんは遠くへ働きに行ってる」
母が働きに行っている事を聞いた二コラは、そこがどこなのかすぐに理解した。
「…きっと、採石場ね」
「採石場?」
「罪を犯した女が強制的に働かされる所よ」
「…罪って?」
有利の問いに二コラはどこか哀しそうに苦笑する。
「…だって、魔族と恋愛するのは罪でしょう?」
「え!?そうだったの!?」
「貴方達だって、それで駆け落ちしたんじゃ…」
「あ、これ、」
自分とグウェンダルとの手に繋がれている鎖を見て有利は苦笑する。
「違うんだって。これには深いワケが…」
「小僧。誰と暮らしている?」
「僕?僕はね、おじいちゃんと2人。
僕ね、遠くで生まれて魔族の人がおじちゃんの所へ連れて来てくれたんだって」
「「……」」
ジルタの説明にグウェンダルとピリアーチェは、その魔族がいったい何者なのか何となく理解をする。
「おそらくその男は、魔族の巡回士だ。同族を憐れんで、子どもを助けたんだろう」
グウェンダルの話を聞いた二コラは哀しそうな表情になる。
「…やっぱり、家族で一緒には暮らせないのかな?」
「え?」
「どんなに可愛くても、幸せにしてあげられない。きっと、この子も。」
するとジルタはそっと二コラの膝に触れると、そのまま彼女が触っているお腹に手を伸ばす。
そしてニッコリ笑う彼を見て二コラも目に涙を溜めて微笑む。
「ジルタ…。そうよね、貴方だって、こんなにしっかり生きてるんだもん。駄目よね、私が泣いてちゃっ」
二コラの言葉にジルタもニッコリと笑う。
「…ゲーゲンヒゥーバー…」
すると小さな声でグウェンダルは呟く。
「お兄様」
「…グウェンダル?」
不思議に思った有利は彼を見る。
「……うわぁ!」
「お兄様っ」
彼の顔はとても恐ろしい顔をしていました。
「……許さん…!!」
「獣の唾液で火傷を負った者が数名いますが、いずれも軽症です。…ですが、離脱者が出ました。ライアンです」
「…ライアンが?」
「「?」」
ライアンが離脱したと聞き、コンラートと双子は驚く。
「何でも、運命の相手に出会った気がするだとか。どのような意味なんでしょうね?」
「アイツは無類の動物好きだったな。了解した。討伐隊の必要はない」
「はっ」
ライアンの事はそれで終わりにすると、双子達は先頭を歩いているヴォルフラムを見る。
「機嫌悪いわね」
「確かにな」
「そんなの落ち込まなくても、」
「なじぇ僕が落ち込まなくてはならないんじゃり!」
「「「……」」」
砂言葉になっているヴォルフラムに3人は呆れる。
「……まず砂を吐き出せよ」
「うるさいじゃり!お前なんかに分からないじゃり!!今頃、ユーリは兄上と、兄上とぉ…!」
「陛下とグウェンダルが?」
「気にしすぎじゃないのか?」
「私もそう思うけど、」
「お前達には分からない言ってるじゃり!」
言い切るヴォルフラムにコンラートは笑いながら話し続ける。
「ヴォルフラム、婚約者だと公言しているんだから、もっと陛下を信じて差し上げては?」
「兄上はあの通り可愛いもの好きで、ユーリは自覚の無い浮気者じゃり!」
「「「浮気?」」」
アリアは小さく溜息をはく。
「…ピリアが一緒に居るんだし、大丈夫だと思うけどね」
「しかし!姉上は楽しい事が大好きで、面白ければ傍観者にもなるんじゃりよ!!」
「「「(<fontsize=4>否定できない</font>))」」」
そんな事を話していたら、先程の兵が何かを発見した。
「町が見えます!」
少し遠目だが、町が見え始めた。
「運が良ければ、あそこで会えるんじゃない?」
「そうだな。ま、運が良ければの話だけど」
「俺達が様子を見てくる」
するとヴォルフラムはキッと振り返る。
「僕も行くじゃり!」
そう言うとコンラートと双子は驚きながら答える。
「俺達と一緒に?珍しいな」
「ホントだぜ」
「明日は雨からしら」
一緒に行くと言っている彼にコンラートだけでなく、双子も内心驚いていた。
「ユーリは僕の婚約者じゃり!お前達なんかに任せてはおけない!!」
3人は苦笑するしかなかったが、町へ行く事にしたのだった。
その途中、ヴォルフラムは呆れたような口調で前を歩いている3人に話しかける。
「大体お前達はユーリに甘い!剣でも教えて少しは、あの浮気者根性を叩き直してやったらどうなんだ!?」
「お前がやればいいじゃないか?婚約者だろ?」
「…紳士が婚約者に手荒な真似が出来るか!お前は本当に気が利かないな!
砂熊の穴だって僕は自力で脱出できたのに、お前達がわざわざ落ちてくるから、兄上とユーリが2人っきりになったのだ!!」
ヴォルフラムの言い様に3人は呆れる。
「助けたのは陛下のご命令だったからだ」
「ユーリだって心配してたんだからさ」
「それに、2人っきりじゃなくてピリアもいるってば」
3人に色々と言われ、ヴォルフラムは一瞬言葉が詰まる。
「……剣で鍛えてやれ!厳しくな!僕に教えた時みたいに!!」
「…はいはい」
苦笑するしかない3人だった。
町に着き、コンラートは馬から降りる。
「様子を見てくる」
「あ、俺も行く」
そう言ってコンラートの後を追うようにセルセもついて行こうとするが、振り返る。
「アリアも行くか?」
「いい。ここで待ってる(下手に歩いてバレるのも嫌だし)」
「分かった」
そう言い残しコンラートの後を追って行く。
「……」
その様子を見ていたヴォルフラムは不思議に思いアリアに聞く。
「行かないのか?」
「行かないよ。何で?」
「いつも、嫌ってほど一緒にいるからだろう」
「ん~。ちょっとね…」
「?」
アリアがそう言うとヴォルフラムはどういう事だろうと首を傾げるだけだった。
その時コンラートとセルセの驚く声が聞こえてくる。
「「駆け落ち?」」
「?」
「有利とグウェンが?」
どういう事?とさらに分からなくなる一行だった。
その頃の有利達。
「やべっ」
「! 向こうからも!」
身籠っている花嫁、二コラと共に逃げていた。
「塞がれたっ」
周りに兵達が歩いており、緊張が走ると、有利の服を引っ張る男の子が立っていた。
「?」
「こっち」
3人は不思議に思うが、男の子は走り出し、もう一度振り返る。
「「?」」
「こっちこっち」
手招きをしている男の子を見てグウェンダル達は彼の後を追いかけて行った。
そしてその子どもに案内されたのは古びた家だった。
「助かったよ。ありがとう、君は?」
「魔族の子どもだな」
「「え?」」
魔族の子ども、と聞いて驚いたのは有利と二コラだった。
だがピリアーチェはやはり、と思っていた様子であった為優しい顔で彼に話しかける。
「お名前は、何といいますの?」
「ジルタ」
「何でこんな所に魔族の子が?」
「仕事か、流れて来たのか。きっと魔族の男とこの町の女との子だろう」
グウェンダルの説明に有利は『そうか』と納得する。
「でも、まだ小さいのによく助けてくれたね。いくつ?6歳くらい?」
「10歳」
「え!?」
有利は驚く。
見た目と実年齢が違いすぎる事に不思議に思うしかなかった。
「それにしちゃぁ、幼くない?」
「魔族の子は成長が遅いですのよ」
「あぁ、そうだった。ね?お父さんやお母さんは?近くに住んでるの?」
「…父さんは死んだ。母さんは遠くへ働きに行ってる」
母が働きに行っている事を聞いた二コラは、そこがどこなのかすぐに理解した。
「…きっと、採石場ね」
「採石場?」
「罪を犯した女が強制的に働かされる所よ」
「…罪って?」
有利の問いに二コラはどこか哀しそうに苦笑する。
「…だって、魔族と恋愛するのは罪でしょう?」
「え!?そうだったの!?」
「貴方達だって、それで駆け落ちしたんじゃ…」
「あ、これ、」
自分とグウェンダルとの手に繋がれている鎖を見て有利は苦笑する。
「違うんだって。これには深いワケが…」
「小僧。誰と暮らしている?」
「僕?僕はね、おじいちゃんと2人。
僕ね、遠くで生まれて魔族の人がおじちゃんの所へ連れて来てくれたんだって」
「「……」」
ジルタの説明にグウェンダルとピリアーチェは、その魔族がいったい何者なのか何となく理解をする。
「おそらくその男は、魔族の巡回士だ。同族を憐れんで、子どもを助けたんだろう」
グウェンダルの話を聞いた二コラは哀しそうな表情になる。
「…やっぱり、家族で一緒には暮らせないのかな?」
「え?」
「どんなに可愛くても、幸せにしてあげられない。きっと、この子も。」
するとジルタはそっと二コラの膝に触れると、そのまま彼女が触っているお腹に手を伸ばす。
そしてニッコリ笑う彼を見て二コラも目に涙を溜めて微笑む。
「ジルタ…。そうよね、貴方だって、こんなにしっかり生きてるんだもん。駄目よね、私が泣いてちゃっ」
二コラの言葉にジルタもニッコリと笑う。
「…ゲーゲンヒゥーバー…」
すると小さな声でグウェンダルは呟く。
「お兄様」
「…グウェンダル?」
不思議に思った有利は彼を見る。
「……うわぁ!」
「お兄様っ」
彼の顔はとても恐ろしい顔をしていました。
「……許さん…!!」