愛の逃避行
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「うわ、わ、わ、!」
ヴォルフラムが落ちてしまい、有利も落ちてしまいそうになり、目をつむった時だった。
ガシッ
「あれ?」
「有利、早く登って!」
「アリア…!」
落ちずに止まった事に不思議に思いながら目を開く。
自分の目の前にアリアがいた事に驚く。
彼女は有利が落ちそうになった時にグウェンダルからロープを受け取り、彼の下に潜り込んだのだった。
「あ、」
驚いた有利は後ろの方を見てみると、ロープを持っているグウェンダルが有利の服を掴んでいた。
そしてコンラートとセルセも剣を地面にさしてその場に留まっていた。
「ヴォルフラムが落ちたんだよ!どうなっちゃうんだ!?死んじゃうのか!?」
「…運が悪ければな」
「え?」
「大丈夫よ。抜け道を見つけるまでに息が持てば、何とかなるでしょ。…っ有利、早くグウェンの所に」
この砂が吸い込まれている状態で、このままの態勢にさすがのアリアも危険を感じたのだ。
そしてロープを巻いている自分の腕も痛み出した事にも焦っていたのだ。
「でも、助けに行かないと!」
「お前が行って何になる?」
「そうだけどっ」
辛そうな表情でもう一度、穴の方を見下ろす。
「そうだけどさ…、」
「我々にとって陛下が1番大切なんです。ヴォルフラムも、1人前の武人。それぐらいの覚悟は出来ています」
「そんな…っ!ヴォルフラム…」
「有利…」
それでもヴォルフラムの事を心配している有利だった。
「……」
その様子を見ていたセルセは剣でスピードを調節しながらアリアの隣まで降りてくる。
「セルセ?」
降りて来た彼に不思議に思う。
「お前、巣の中に入っても大丈夫か?」
「平気だけど、………何で?」
嫌な予感がした彼女は怪訝な目で彼を見る。
すると、見られたセルセはニッコリ笑う。
「よし、行くぞ」
「は?行くってどこに、…っちょ!!」
突然セルセはアリアが掴んでいたロープを剣で切ってしまい、彼女はそのまま巣の中へと落ちて行った。
「アリア!おい、セルセ!何で!」
いきなりロープを切った彼に有利は驚きを隠せないでいた。
だがセルセは気にせずににコンラートとグウェンダルを見上げる。
「コンラート、グウェン。ユーリを頼むな」
「ああ」
「分かった」
頷いたグウェンダルを確認した後、セルセは有利を見る。
「安心しろって。こう見ても、俺達は軍人だ。自分の身ぐらい、自分で守れる」
「セルセ?」
「じゃーな」
「セルセ!!」
そう言って彼はアリアの後を追って砂熊の巣の中へと入って行ったのだった。
「…っ」
それを見た有利は真剣な表情になる。
「…コンラッド、さっき言ったよな?俺の命令で動くって」
「……陛下」
「だったら、ヴォルフラムを助けに行ってくれよ!俺なんかより弟の腕と掴んでよれよ!
本当ならコンラッドやグウェンダル達が助けに行かなきゃいけないのに、双子が助けに行ったんだぞ!」
側にいたコンラートは有利をジッと見る。
「……命令ですか?」
「……そうだ」
それを聞いたコンラートは笑い、グウェンダルの名を呼ぶ。
「グウェンダル、陛下を」
「ああ」
グウェンダルはすぐに有利を自分がいる場所へ引っ張り上げた。
「奴の抜け道の見つけ方は分かるか?」
「アイツに出くわすのは三度めだ」
コンラートはロープと手から離し、『スヴェレラで』と言い残しながら、巣の中へ入って行く。
その少し前、セルセに落とされたアリアはというと。
「セルセ、ぶっ飛ばす」
巣の中に落ち、地面に座りながらそう呟いていた。
「よっと!」
すると少し経ってから自分を落とした張本人が降りて来た。
「お、無事だったか?」
「セルセ」
彼が降りて来た事を確認してから、アリアはその場に立ち上がる。
「ん?」
「一先ず殴らせて」
そう言って拳を構えた瞬間だった。
「双子!!」
「コンラート、」
「何だ。お前も来たのか?」
双子と同じ様に頭上から降りて来たのはコンラートだった。
「陛下が助けに行けと言われたからね」
コンラートはすぐに双子の元へ近づく。
「大丈夫か?」
「別に平気だ」
「そうか。アリアはどうだ?」
「え、あ、一応大丈夫」
「良かった」
双子が無事でありコンラートはホッと安心したが、アリアは違っていた。
「(着地した時、足を挫いたっぽい。大丈夫かな?でもまた怪我したとか言われそうだし、黙っとくかな)」
実は足を挫いてしまったのだ。
だが素直に伝える事が出来ず、結局は大丈夫と言ってしまった彼女だった。
こうして、アリア達はヴォルフラムを回収して砂熊の巣から無事に脱出した。
ヴォルフラムが落ちてしまい、有利も落ちてしまいそうになり、目をつむった時だった。
ガシッ
「あれ?」
「有利、早く登って!」
「アリア…!」
落ちずに止まった事に不思議に思いながら目を開く。
自分の目の前にアリアがいた事に驚く。
彼女は有利が落ちそうになった時にグウェンダルからロープを受け取り、彼の下に潜り込んだのだった。
「あ、」
驚いた有利は後ろの方を見てみると、ロープを持っているグウェンダルが有利の服を掴んでいた。
そしてコンラートとセルセも剣を地面にさしてその場に留まっていた。
「ヴォルフラムが落ちたんだよ!どうなっちゃうんだ!?死んじゃうのか!?」
「…運が悪ければな」
「え?」
「大丈夫よ。抜け道を見つけるまでに息が持てば、何とかなるでしょ。…っ有利、早くグウェンの所に」
この砂が吸い込まれている状態で、このままの態勢にさすがのアリアも危険を感じたのだ。
そしてロープを巻いている自分の腕も痛み出した事にも焦っていたのだ。
「でも、助けに行かないと!」
「お前が行って何になる?」
「そうだけどっ」
辛そうな表情でもう一度、穴の方を見下ろす。
「そうだけどさ…、」
「我々にとって陛下が1番大切なんです。ヴォルフラムも、1人前の武人。それぐらいの覚悟は出来ています」
「そんな…っ!ヴォルフラム…」
「有利…」
それでもヴォルフラムの事を心配している有利だった。
「……」
その様子を見ていたセルセは剣でスピードを調節しながらアリアの隣まで降りてくる。
「セルセ?」
降りて来た彼に不思議に思う。
「お前、巣の中に入っても大丈夫か?」
「平気だけど、………何で?」
嫌な予感がした彼女は怪訝な目で彼を見る。
すると、見られたセルセはニッコリ笑う。
「よし、行くぞ」
「は?行くってどこに、…っちょ!!」
突然セルセはアリアが掴んでいたロープを剣で切ってしまい、彼女はそのまま巣の中へと落ちて行った。
「アリア!おい、セルセ!何で!」
いきなりロープを切った彼に有利は驚きを隠せないでいた。
だがセルセは気にせずににコンラートとグウェンダルを見上げる。
「コンラート、グウェン。ユーリを頼むな」
「ああ」
「分かった」
頷いたグウェンダルを確認した後、セルセは有利を見る。
「安心しろって。こう見ても、俺達は軍人だ。自分の身ぐらい、自分で守れる」
「セルセ?」
「じゃーな」
「セルセ!!」
そう言って彼はアリアの後を追って砂熊の巣の中へと入って行ったのだった。
「…っ」
それを見た有利は真剣な表情になる。
「…コンラッド、さっき言ったよな?俺の命令で動くって」
「……陛下」
「だったら、ヴォルフラムを助けに行ってくれよ!俺なんかより弟の腕と掴んでよれよ!
本当ならコンラッドやグウェンダル達が助けに行かなきゃいけないのに、双子が助けに行ったんだぞ!」
側にいたコンラートは有利をジッと見る。
「……命令ですか?」
「……そうだ」
それを聞いたコンラートは笑い、グウェンダルの名を呼ぶ。
「グウェンダル、陛下を」
「ああ」
グウェンダルはすぐに有利を自分がいる場所へ引っ張り上げた。
「奴の抜け道の見つけ方は分かるか?」
「アイツに出くわすのは三度めだ」
コンラートはロープと手から離し、『スヴェレラで』と言い残しながら、巣の中へ入って行く。
その少し前、セルセに落とされたアリアはというと。
「セルセ、ぶっ飛ばす」
巣の中に落ち、地面に座りながらそう呟いていた。
「よっと!」
すると少し経ってから自分を落とした張本人が降りて来た。
「お、無事だったか?」
「セルセ」
彼が降りて来た事を確認してから、アリアはその場に立ち上がる。
「ん?」
「一先ず殴らせて」
そう言って拳を構えた瞬間だった。
「双子!!」
「コンラート、」
「何だ。お前も来たのか?」
双子と同じ様に頭上から降りて来たのはコンラートだった。
「陛下が助けに行けと言われたからね」
コンラートはすぐに双子の元へ近づく。
「大丈夫か?」
「別に平気だ」
「そうか。アリアはどうだ?」
「え、あ、一応大丈夫」
「良かった」
双子が無事でありコンラートはホッと安心したが、アリアは違っていた。
「(着地した時、足を挫いたっぽい。大丈夫かな?でもまた怪我したとか言われそうだし、黙っとくかな)」
実は足を挫いてしまったのだ。
だが素直に伝える事が出来ず、結局は大丈夫と言ってしまった彼女だった。
こうして、アリア達はヴォルフラムを回収して砂熊の巣から無事に脱出した。