意地っ張り
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戦場へ赴く事になった有利達。
そしてメイド服から有利が自分の正装へ着替えている最中、[#dn=2
#]はアリアに話しかける。
「アリア、怪我は大丈夫か?」
「うん。城にいた時にヨザに手当てしてもらったけど、逃げてる間に傷口が開いちゃっただけ」
少しだけ包帯に血が染まり始めている事にアリアも気づき、溜息をつく。
「ったく、傷を見せろ。もう一回手当てしてやっから」
「ありがと」
セルセに手当てをしてもらいながら、アリアは小さな声で頼み事をする。
「傷口が開いた事、コンラートには言わないで」
「は?」
「言ったら心配するでしょう?」
「心配ぐらいさせてやればいいのに、」
苦笑するセルセにアリアは静かに首を横に振る。
「いい。今は有利の事で頭いっぱいだろうし、これぐらいの傷、大騒ぎする事じゃないわ。だから言わないで」
アリアの複雑そうな顔で頼まれ、セルセは少し考えてしまった。
「…わかったよ。この意地っ張りが」
「…ありがとう」
分かってくれた彼にアリアは微笑むだけだった。
その頃、シュピッツヴェーグ城近くの広い丘の所にはグウェンダルやギュンター、ピリアーチェ、そしてリュイが軍を連れて赴いていた。
反対側にはシュトッフェルの軍隊が並んでいた。
「シュトッフェル!我々としても無意味な戦は避けたい!奪ったものをこちらに返せば!」
「返すとは?」
「決まっているでしょう。陛下の御身とアリア、魔王の証である竜王の石です!」
「竜王の石?」
ギュンターの説明を聞いたシュトッフェルはふんっと言い切る。
「罪無き者に罪を着せ、意の名を借りて葬り去る。それがお前らのやり方か!」
「どこまでも知らぬ存ぜぬを貫くつもりか」
「陛下はご自分で我城へおいで下さった!」
「戯言を!」
「これ以上陛下をお前らの好き勝手にはさせないぞ!」
シュトッフェルの命令で背後にいた兵隊4人が攻撃をしかけてきたのだ。
「!」
「任せろ」
そう言ってグウェンダルは向かってくる敵に1人で赴き、剣を抜いて応戦をした。
そして一瞬の間で4人を気絶させたのだ。
「これが貴公の答えか?最早話し合いは不要のようだな」
「愚かな!忘れたか?こちらには陛下がおわす事を!」
その言葉にグウェンダル達が驚いた時だった。
「おれはここにいるぞ!」
戦地を有利の声が響いたのだ。
「陛下!ご無事で!」
馬に乗って丘の中心に現れた有利。
「ストップ、ストップ!何だよ、皆!おっかない顔しちゃってさっ!」
だが周りの雰囲気に飲まれそうになるが、有利はすぐに話を続ける。
「剣なんてそんな物騒なもん、しまえって!話せばわかるって言葉があるだろ!もっと平和的にさぁ!」
「陛下、申し訳ありません!お下がりください!」
「え?何だよ、ギュンター?らしくない顔しちゃって、」
いつもと違うギュンターに戸惑いながら、有利は彼だけでなく、他の者全員に緊張が漂っている事を感じた。
「あ、」
「こちらへ」
「!離せよ!」
静かに近づいてきたコンラートにそう言ったが、彼は頑なだった。
「約束した筈です。陛下の身は、お守りさせて頂くと」
「だって、まだ!話が!」
「もう結果は出たようです」
「な、」
驚いた有利はコンラートを見るが、彼は何も言わずに首を横に振った。
有利は信じられずにギュンターを見る。
「ギュンター!」
「陛下!申し訳ありません!調停は不要です!今こそフォンシュピッツヴェーグ卿に制裁を与える好機!」
「ヴォルフラム!」
名を呼ばれた彼は何も言わず、視線を逸らしているだけだった。
「ピリアーチェ!グウェンダル!」
そしてピリアーチェとグウェンダルもただ有利を見ていた。
「セルセ!」
「…ユーリ…」
「アリア!」
「……」
同じ様に声を掛けられた双子も何も言えず、どこか哀しい顔で有利を見るだけだった。
「こうなれば道は只1つ!」
「進め――!」
「陛下をお救いしろ―――!」
とうとう戦が始まってしまい、両軍の兵隊達が槍などを持って攻撃を仕掛けてきたのだ。
「! ユーリ!」
「有利、このままじゃ!」
ここでは戦場になってしまう事が分かった双子やコンラートは、この場から有利を連れて行こうとする。
「……やめろ」
「陛下?」
「見たくない、こんなのっ やめろ…っ」
「「ユーリ!」」
「まさか」
少しずつ様子が変わって行く有利に3人はハッとなる。
「やめろ――――!!!」
ドンッ
「陛下ー!」
「いや…!」
「魔王だ!」
有利の声と同時に辺りには巨大な竜巻が現れ、その中心には魔王と化をした有利がいた。
「無意味な殺戮に流す涙も枯れ果てぬ。争いは何も生み出さぬ!魔王の言葉を聞き入れぬ愚か者共よ。どちらに義があろうとも、争いを選択する者は皆同罪!!まとめて成敗!!」
漂っていた竜巻はさらに大きくなり、両軍の兵達を吹き飛ばしてしまったのだ。
「やばっ」
「…っ」
双子もその場に何とか留まる事が出来たが、竜巻が去った後、周りは静かになる。
そしてメイド服から有利が自分の正装へ着替えている最中、[#dn=2
#]はアリアに話しかける。
「アリア、怪我は大丈夫か?」
「うん。城にいた時にヨザに手当てしてもらったけど、逃げてる間に傷口が開いちゃっただけ」
少しだけ包帯に血が染まり始めている事にアリアも気づき、溜息をつく。
「ったく、傷を見せろ。もう一回手当てしてやっから」
「ありがと」
セルセに手当てをしてもらいながら、アリアは小さな声で頼み事をする。
「傷口が開いた事、コンラートには言わないで」
「は?」
「言ったら心配するでしょう?」
「心配ぐらいさせてやればいいのに、」
苦笑するセルセにアリアは静かに首を横に振る。
「いい。今は有利の事で頭いっぱいだろうし、これぐらいの傷、大騒ぎする事じゃないわ。だから言わないで」
アリアの複雑そうな顔で頼まれ、セルセは少し考えてしまった。
「…わかったよ。この意地っ張りが」
「…ありがとう」
分かってくれた彼にアリアは微笑むだけだった。
その頃、シュピッツヴェーグ城近くの広い丘の所にはグウェンダルやギュンター、ピリアーチェ、そしてリュイが軍を連れて赴いていた。
反対側にはシュトッフェルの軍隊が並んでいた。
「シュトッフェル!我々としても無意味な戦は避けたい!奪ったものをこちらに返せば!」
「返すとは?」
「決まっているでしょう。陛下の御身とアリア、魔王の証である竜王の石です!」
「竜王の石?」
ギュンターの説明を聞いたシュトッフェルはふんっと言い切る。
「罪無き者に罪を着せ、意の名を借りて葬り去る。それがお前らのやり方か!」
「どこまでも知らぬ存ぜぬを貫くつもりか」
「陛下はご自分で我城へおいで下さった!」
「戯言を!」
「これ以上陛下をお前らの好き勝手にはさせないぞ!」
シュトッフェルの命令で背後にいた兵隊4人が攻撃をしかけてきたのだ。
「!」
「任せろ」
そう言ってグウェンダルは向かってくる敵に1人で赴き、剣を抜いて応戦をした。
そして一瞬の間で4人を気絶させたのだ。
「これが貴公の答えか?最早話し合いは不要のようだな」
「愚かな!忘れたか?こちらには陛下がおわす事を!」
その言葉にグウェンダル達が驚いた時だった。
「おれはここにいるぞ!」
戦地を有利の声が響いたのだ。
「陛下!ご無事で!」
馬に乗って丘の中心に現れた有利。
「ストップ、ストップ!何だよ、皆!おっかない顔しちゃってさっ!」
だが周りの雰囲気に飲まれそうになるが、有利はすぐに話を続ける。
「剣なんてそんな物騒なもん、しまえって!話せばわかるって言葉があるだろ!もっと平和的にさぁ!」
「陛下、申し訳ありません!お下がりください!」
「え?何だよ、ギュンター?らしくない顔しちゃって、」
いつもと違うギュンターに戸惑いながら、有利は彼だけでなく、他の者全員に緊張が漂っている事を感じた。
「あ、」
「こちらへ」
「!離せよ!」
静かに近づいてきたコンラートにそう言ったが、彼は頑なだった。
「約束した筈です。陛下の身は、お守りさせて頂くと」
「だって、まだ!話が!」
「もう結果は出たようです」
「な、」
驚いた有利はコンラートを見るが、彼は何も言わずに首を横に振った。
有利は信じられずにギュンターを見る。
「ギュンター!」
「陛下!申し訳ありません!調停は不要です!今こそフォンシュピッツヴェーグ卿に制裁を与える好機!」
「ヴォルフラム!」
名を呼ばれた彼は何も言わず、視線を逸らしているだけだった。
「ピリアーチェ!グウェンダル!」
そしてピリアーチェとグウェンダルもただ有利を見ていた。
「セルセ!」
「…ユーリ…」
「アリア!」
「……」
同じ様に声を掛けられた双子も何も言えず、どこか哀しい顔で有利を見るだけだった。
「こうなれば道は只1つ!」
「進め――!」
「陛下をお救いしろ―――!」
とうとう戦が始まってしまい、両軍の兵隊達が槍などを持って攻撃を仕掛けてきたのだ。
「! ユーリ!」
「有利、このままじゃ!」
ここでは戦場になってしまう事が分かった双子やコンラートは、この場から有利を連れて行こうとする。
「……やめろ」
「陛下?」
「見たくない、こんなのっ やめろ…っ」
「「ユーリ!」」
「まさか」
少しずつ様子が変わって行く有利に3人はハッとなる。
「やめろ――――!!!」
ドンッ
「陛下ー!」
「いや…!」
「魔王だ!」
有利の声と同時に辺りには巨大な竜巻が現れ、その中心には魔王と化をした有利がいた。
「無意味な殺戮に流す涙も枯れ果てぬ。争いは何も生み出さぬ!魔王の言葉を聞き入れぬ愚か者共よ。どちらに義があろうとも、争いを選択する者は皆同罪!!まとめて成敗!!」
漂っていた竜巻はさらに大きくなり、両軍の兵達を吹き飛ばしてしまったのだ。
「やばっ」
「…っ」
双子もその場に何とか留まる事が出来たが、竜巻が去った後、周りは静かになる。