陰謀を企む者
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さっそく尋問をしようと彼を殺風景な部屋へ連れて行く。
そして彼の反対側にはグウェンダルが座っていた。
「コイツが犯人の1人か?」
「他は逃げられちゃった」
グウェンダルの問い掛けにアリアは肩を竦める。
「くそっ ウェラー卿が止めなければ、捕らえてみせたものを…!」
先程、コンラートに止められた事がどうしても悔しかったらしい。
そんなヴォルフラムにコンラートは苦笑するだけだった。
「貴様!誰に頼まれた!?」
「……」
ヴォルフラムに問われた彼はふいっと視線を逸らすだけだった。
「しらばっくれても無駄だ!魔王陛下の秘宝を盗むとは、万死に値する!覚悟!」
「っ!?」
「待てよ!」
今にも敵を殺そうとしている彼を止めたのは有利だった。
「そんな事したら、真相がわかんなくなっちゃうだろ?」
「いや、コイツは死んでも白状するものか!」
「まあまあ、ここはこのデカ長に任せなって!」
「で、か、長…?」
初めて聞く言葉にヴォルフラムはそれ以上何も言えなくなる。
同じ様に意味が分からないセルセ隣に立っているアリアに聞いた。
「デカ長、ってなんだ?」
「部長刑事の俗称みたいなものね」
「ふーん」
簡単に説明をしたアリアった。
「いいから、いいから。コンラッド、縄をといてやってよ」
「分かりました」
有利に命令されたコンラートは彼の手の縄をほどいた。
そして。
「ま、色んな事情があるんだろうけど、永い人生、やって良い事と悪い事があるぞ」
「……」
いきなりよく分からない説教に敵もどこか呆れる様子。
「ところで、お袋さんは元気?」
「え?」
「君のこんな姿、田舎のお袋さんが見たら何て言うかなー?」
「え、何て、」
「お袋さんを大事にしなきゃ。君にこんな事させる為に一生懸命育てたワケじゃない筈だよ!子どもの頃、病気をすれば付きっ切りで看病してくれたお袋さん。夜なべをして手袋を編んでくれたお袋さん!それを考えたら、まっすぐ生きなきゃって思わない!?」
「……はあ、」
「な!そう思うだろ!」
有利の説得にコンラートだけでなく、セルセも小さく笑うだけだったが、アリアは呆れながら溜息をつくだけだった。
するとコンラートは何かに気づいた。
それは有利の斜め後ろの壁に寄りかかっているグウェンダルが、自身の剣を鞘から少しだけ抜いたのだ。
「ヒィッ!!」
それを見た敵は恐怖を感じたらしい。
「すいませんでした!何もかもお話しいたします!!」
「うん、うん。それでいいんだ」
自分の説得のおかげで話しをすると言い出したと勘違いした有利は、彼の肩をトントンと叩くだけだった。
だが後ろにいるグウェンダルは溜息をついていた。
そして彼から詳しい事情を聞き始めた。
「やはり、そうか」
「はい。フォンシュピッツヴェーグ卿のご命令で…」
「あのシュトッフェルか」
主犯がシュトッフェルだと分かり、グウェンダルだけでなく双子もどこか嫌悪感を抱きながら話を聞いていた。
「ぜひ、魔王陛下にお会いしたいと、直接陛下にお伝えするようにと」
「陛下に拝謁をしたいのなら、それなりの手続きを踏めばよいものを」
「それが、その、閣下がお会いしたいのは陛下お1人で…」
その為に周りの者はいてほしくないのだと、そういう理由だったのだ。
敵の話を聞き終え、グウェンダルとコンラート、そして双子は部屋から出て行く。
「あの男、我々抜きで陛下に会いたいなどと…」
「どうにかして有利に取り入って、摂政の座を取り戻したいんじゃない?」
「あのおっさんが考えそうな事だよな。全く」
するとグウェンダルはハッとなる。
「竜王の石を交渉の道具にするつもりか?」
「城下で起きた不可解な事件も、その為の陽動作戦だったとすれば説明がつく。最もあの間者、秘宝を盗んだ容疑だけは断固否定しているが」
「……奴の真意、確かめねばあるまい」
そして真意を確かめるという事で、隊員達に命令する為に中庭に集合させた。
そして似てない魔族3兄弟、双子が自分の馬に乗っていた。
「まず確証を得る事だ。シュトッフェルが竜王の石を盗み出したという証拠があれば、手を打てる」
「だが簡単に尻尾を掴ませてくれるか、どうか」
「確かにな」
コンラートの疑問にセルセも納得する。
「とにかく、侵入者達の後を追ってみる」
「お―い!」
すると彼らと同じ様に自分の馬でもあるアオに乗って有利が近づいてくる。
「ハア、間に合った」
「有利、どうしたの?」
「どうしたのって、一緒に行くに決まってるじゃん」
有利の言葉にヴォルフラムは信じられないような口調で否定する。
「何を馬鹿な事を!我々は賊を追うんだぞ!そんな危険な旅にお前の様なへなちょこは足手まといだ!」
「自分の立場を考えろ。お前は一応魔王陛下だろうが」
「…一応で悪かったね」
「陛下、」
「ユーリ…?」
小さく呟いた彼にコンラートとセルセは何も言えない表情になる。
「おれも行くから!おれの知らない所で話しを進められちゃ、それこそ魔王の沽券に関わるもんね!
確かに昔、何があったかおれは知らなよ。けど、だからこそ、ちゃんとこの目で見て、直接会って話をして確かめたいんだ!」
「分かりました」
「「「!」」」
有利の言葉を聞き、コンラートは承諾をしたのだ。
その承諾に有利だけでなく、グウェンダルとヴォルフラムも驚き、双子はどこか仕方がないと諦めたのかただ笑っていた。
「陛下のお心のままに」
「やりっ!」
「ウェラー卿!」
コンラートが承諾をしてくれた事に有利は嬉しそうに笑い、さっそく走り出したのだ。
「さあ、出発だー!」
「ユーリ!」
「さあ行くぞー!ヴォルフラム!!」
「ああっ ちょっと待て!こら!」
有利の後をすぐにヴォルフラムは追いかけて行った。
「ま、あれがユーリって事か」
「子どもの頃からあんな感じだったから、仕方がないんじゃない」
そう話しながら歩き出した双子でした。
そして彼の反対側にはグウェンダルが座っていた。
「コイツが犯人の1人か?」
「他は逃げられちゃった」
グウェンダルの問い掛けにアリアは肩を竦める。
「くそっ ウェラー卿が止めなければ、捕らえてみせたものを…!」
先程、コンラートに止められた事がどうしても悔しかったらしい。
そんなヴォルフラムにコンラートは苦笑するだけだった。
「貴様!誰に頼まれた!?」
「……」
ヴォルフラムに問われた彼はふいっと視線を逸らすだけだった。
「しらばっくれても無駄だ!魔王陛下の秘宝を盗むとは、万死に値する!覚悟!」
「っ!?」
「待てよ!」
今にも敵を殺そうとしている彼を止めたのは有利だった。
「そんな事したら、真相がわかんなくなっちゃうだろ?」
「いや、コイツは死んでも白状するものか!」
「まあまあ、ここはこのデカ長に任せなって!」
「で、か、長…?」
初めて聞く言葉にヴォルフラムはそれ以上何も言えなくなる。
同じ様に意味が分からないセルセ隣に立っているアリアに聞いた。
「デカ長、ってなんだ?」
「部長刑事の俗称みたいなものね」
「ふーん」
簡単に説明をしたアリアった。
「いいから、いいから。コンラッド、縄をといてやってよ」
「分かりました」
有利に命令されたコンラートは彼の手の縄をほどいた。
そして。
「ま、色んな事情があるんだろうけど、永い人生、やって良い事と悪い事があるぞ」
「……」
いきなりよく分からない説教に敵もどこか呆れる様子。
「ところで、お袋さんは元気?」
「え?」
「君のこんな姿、田舎のお袋さんが見たら何て言うかなー?」
「え、何て、」
「お袋さんを大事にしなきゃ。君にこんな事させる為に一生懸命育てたワケじゃない筈だよ!子どもの頃、病気をすれば付きっ切りで看病してくれたお袋さん。夜なべをして手袋を編んでくれたお袋さん!それを考えたら、まっすぐ生きなきゃって思わない!?」
「……はあ、」
「な!そう思うだろ!」
有利の説得にコンラートだけでなく、セルセも小さく笑うだけだったが、アリアは呆れながら溜息をつくだけだった。
するとコンラートは何かに気づいた。
それは有利の斜め後ろの壁に寄りかかっているグウェンダルが、自身の剣を鞘から少しだけ抜いたのだ。
「ヒィッ!!」
それを見た敵は恐怖を感じたらしい。
「すいませんでした!何もかもお話しいたします!!」
「うん、うん。それでいいんだ」
自分の説得のおかげで話しをすると言い出したと勘違いした有利は、彼の肩をトントンと叩くだけだった。
だが後ろにいるグウェンダルは溜息をついていた。
そして彼から詳しい事情を聞き始めた。
「やはり、そうか」
「はい。フォンシュピッツヴェーグ卿のご命令で…」
「あのシュトッフェルか」
主犯がシュトッフェルだと分かり、グウェンダルだけでなく双子もどこか嫌悪感を抱きながら話を聞いていた。
「ぜひ、魔王陛下にお会いしたいと、直接陛下にお伝えするようにと」
「陛下に拝謁をしたいのなら、それなりの手続きを踏めばよいものを」
「それが、その、閣下がお会いしたいのは陛下お1人で…」
その為に周りの者はいてほしくないのだと、そういう理由だったのだ。
敵の話を聞き終え、グウェンダルとコンラート、そして双子は部屋から出て行く。
「あの男、我々抜きで陛下に会いたいなどと…」
「どうにかして有利に取り入って、摂政の座を取り戻したいんじゃない?」
「あのおっさんが考えそうな事だよな。全く」
するとグウェンダルはハッとなる。
「竜王の石を交渉の道具にするつもりか?」
「城下で起きた不可解な事件も、その為の陽動作戦だったとすれば説明がつく。最もあの間者、秘宝を盗んだ容疑だけは断固否定しているが」
「……奴の真意、確かめねばあるまい」
そして真意を確かめるという事で、隊員達に命令する為に中庭に集合させた。
そして似てない魔族3兄弟、双子が自分の馬に乗っていた。
「まず確証を得る事だ。シュトッフェルが竜王の石を盗み出したという証拠があれば、手を打てる」
「だが簡単に尻尾を掴ませてくれるか、どうか」
「確かにな」
コンラートの疑問にセルセも納得する。
「とにかく、侵入者達の後を追ってみる」
「お―い!」
すると彼らと同じ様に自分の馬でもあるアオに乗って有利が近づいてくる。
「ハア、間に合った」
「有利、どうしたの?」
「どうしたのって、一緒に行くに決まってるじゃん」
有利の言葉にヴォルフラムは信じられないような口調で否定する。
「何を馬鹿な事を!我々は賊を追うんだぞ!そんな危険な旅にお前の様なへなちょこは足手まといだ!」
「自分の立場を考えろ。お前は一応魔王陛下だろうが」
「…一応で悪かったね」
「陛下、」
「ユーリ…?」
小さく呟いた彼にコンラートとセルセは何も言えない表情になる。
「おれも行くから!おれの知らない所で話しを進められちゃ、それこそ魔王の沽券に関わるもんね!
確かに昔、何があったかおれは知らなよ。けど、だからこそ、ちゃんとこの目で見て、直接会って話をして確かめたいんだ!」
「分かりました」
「「「!」」」
有利の言葉を聞き、コンラートは承諾をしたのだ。
その承諾に有利だけでなく、グウェンダルとヴォルフラムも驚き、双子はどこか仕方がないと諦めたのかただ笑っていた。
「陛下のお心のままに」
「やりっ!」
「ウェラー卿!」
コンラートが承諾をしてくれた事に有利は嬉しそうに笑い、さっそく走り出したのだ。
「さあ、出発だー!」
「ユーリ!」
「さあ行くぞー!ヴォルフラム!!」
「ああっ ちょっと待て!こら!」
有利の後をすぐにヴォルフラムは追いかけて行った。
「ま、あれがユーリって事か」
「子どもの頃からあんな感じだったから、仕方がないんじゃない」
そう話しながら歩き出した双子でした。