ひと時の時間
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コンラートとセルセの2人が客室へ戻った後も、ヨザックは部屋へと戻らずにデッキの方へと歩いて行った。
そこには壁を背にして座って本を読んでいるアリアがいたのだ。
「アリア」
「ん?」
声をかけられヨザックの方を見ると、フフッと笑う。
「その様子だと、コンラートとセルセに怒られた?」
笑いながら話す彼女にヨザックは『やれやれ』と肩をすくめる。
「…まーな。セルセの視線は痛いし、コンラートには『その命無いものと思え』って言われちまうし」
「……」
いったい何の事だか分からず、先程の3人の会話の内容を聞く。
その話を聞いた後、苦笑しながら開いていた本を一度閉じる。
「仕方ないんじゃない?ヨザが馬鹿な事するから」
「馬鹿な事か?お前だって本当にいいのか?あの坊ちゃんの下で働いてよ」
「…いいの」
ふと笑う。
「私が嫌々陛下直属軍の副隊長をやってると思ってる?」
「アリア?」
「言っとくけど、違うからね。私は新しい魔王が有利だから、側にいるの。
もし新しい魔王が有利じゃなくて、シュトッフェルみたいな奴だったら、何が何でも帰って来なかった」
アリアの言葉にヨザックは驚くが、彼女は微笑みながら空を見上げる。
「有利が住んでいる日本は、戦争が無い平和な国なの。もちろん、他の国には戦争はあったけどね。
私は有利の家の近所として、友人として長い間一緒に過ごしたの。
あんなに純粋に育ってる有利を見て、…きっといい魔王になるって思ったの」
「……」
アリアの話にヨザックは何も言わずに聞いていく。
「あ、もちろん、この数日の間、有利と一緒にいて分かった事もある…。
確かに有利は無鉄砲だし、眞魔国の事だけじゃなく、他の国の事もまだ分かっていない。
それでもなんか…、有利を見ていると、有利の下にいてもいいかなって思うの。
…有利だからなの。有利ならきっと素晴らしい魔王になると思う」
「…アリア」
アリアが思っている事を聞いたヨザックは驚きを隠せないでいた。
「…もう1つ言っとくけど」
「何だ?」
「……私は、またこの眞魔国に戻って来て、ヨザ達に会えたのは…嬉しかった、よ?」
アリアは顔を少し赤くしながら、ヨザックに本音を言った。
さすがのヨザックも一瞬驚いた様に目を見開いたが、すぐに笑顔になりアリアの頭をポンポンと軽く叩く。
「それは俺だって同じだ」
「…うん」
頭を叩いた後、くしゃりと撫でた。
「相変わらず、綺麗な髪してるな?」
「…太陽みたいで綺麗って言うんでしょ?
子どもの頃からコンラートやヨザだけじゃなく、ダンヒーリーおじ様に言われてたから…」
「そうだな」
久しぶりに帰って来た幼馴染に嬉しさや、懐かしさも感じ、2人で笑い合っていた時だった。
「大変だ!」
「セルセ?」
いきなりセルセが走って来たのだ。
「どうしたの?」
「?」
「…ツェリ様が、」
「ツェリ様が?」
「モルギフを壊した」
「「………は??」」
いきなりセルセに『モルギフ壊れた』と言われ、アリアとヨザックは驚いている。
モルギフが壊れた、という情報はすぐにアリア達だけでなく海岸に行っていた有利とコンラートにも話された。
そしてすぐにモルギフが置いてあった客室へと赴いたのだ。
「……ハァ――――、ア―――…」
テーブルに置かれているモルギフは元気が無くなっている状態だった。
「…嘘」
「ごめんなさい陛下。」
元気がないモルギフに驚いていたが、ツェリはすぐに謝罪をした。
「珍しい物でしょう?ちょっと見せてもらおうと思って、手に取ってみたの。そしたら…」
珍しいモルギフに触ろうとしたら、モルギフに噛まれたのだ。
『………』
それを聞いたアリア達全員呆れるしかない。
「痺れたりはしなかったんですか?」
「ええ。でも、わたくしビックリしてこの子を落としてしまったら、元気が無くなって…。多分これが取れてしまった所為じゃないかしら?」
そう言ってツェリは手に持っている物を見せる。
「これは?」
「モルギフの額に付いていた黒曜石だ」
それを見たアリアが何か思い出した様に話す。
「…あれ?確かコロシアムで暴走した時、これが光ってなかったっけ?」
「ああ。確かにこれが光っていた」
アリアの言葉にセルセも同意する。
「じゃあ、コイツが力の源?」
有利はツェリが持っている黒曜石もジッと見る。
「ね?陛下も見惚れるくらいの宝石ですものvv手に取って見たくなるわよ~vv」
すると有利は何も言わずにツェリの手から黒曜石を手に取ったのだ。
「ヨザック」
「?」
すると黒曜石を握ったまま、有利は後ろに立っているヨザックを見る。
「この石をお前に預ける」
「「「ハァ!?」」」
「ユーリ?」
「いいの?有利」
有利の一言にコンラート以外の全員が驚いた。
「この石を誰にも思いつかない様な所に捨ててきて欲しい」
「何でだ?ユーリ…!折角手に入れた魔剣を?」
「そ~よ、陛下。良い耳飾になると思うわ?陛下の髪と瞳によく似合ってよ?」
「「(…ツェリ様、それは違う)」」
双子はそう思った。
そこには壁を背にして座って本を読んでいるアリアがいたのだ。
「アリア」
「ん?」
声をかけられヨザックの方を見ると、フフッと笑う。
「その様子だと、コンラートとセルセに怒られた?」
笑いながら話す彼女にヨザックは『やれやれ』と肩をすくめる。
「…まーな。セルセの視線は痛いし、コンラートには『その命無いものと思え』って言われちまうし」
「……」
いったい何の事だか分からず、先程の3人の会話の内容を聞く。
その話を聞いた後、苦笑しながら開いていた本を一度閉じる。
「仕方ないんじゃない?ヨザが馬鹿な事するから」
「馬鹿な事か?お前だって本当にいいのか?あの坊ちゃんの下で働いてよ」
「…いいの」
ふと笑う。
「私が嫌々陛下直属軍の副隊長をやってると思ってる?」
「アリア?」
「言っとくけど、違うからね。私は新しい魔王が有利だから、側にいるの。
もし新しい魔王が有利じゃなくて、シュトッフェルみたいな奴だったら、何が何でも帰って来なかった」
アリアの言葉にヨザックは驚くが、彼女は微笑みながら空を見上げる。
「有利が住んでいる日本は、戦争が無い平和な国なの。もちろん、他の国には戦争はあったけどね。
私は有利の家の近所として、友人として長い間一緒に過ごしたの。
あんなに純粋に育ってる有利を見て、…きっといい魔王になるって思ったの」
「……」
アリアの話にヨザックは何も言わずに聞いていく。
「あ、もちろん、この数日の間、有利と一緒にいて分かった事もある…。
確かに有利は無鉄砲だし、眞魔国の事だけじゃなく、他の国の事もまだ分かっていない。
それでもなんか…、有利を見ていると、有利の下にいてもいいかなって思うの。
…有利だからなの。有利ならきっと素晴らしい魔王になると思う」
「…アリア」
アリアが思っている事を聞いたヨザックは驚きを隠せないでいた。
「…もう1つ言っとくけど」
「何だ?」
「……私は、またこの眞魔国に戻って来て、ヨザ達に会えたのは…嬉しかった、よ?」
アリアは顔を少し赤くしながら、ヨザックに本音を言った。
さすがのヨザックも一瞬驚いた様に目を見開いたが、すぐに笑顔になりアリアの頭をポンポンと軽く叩く。
「それは俺だって同じだ」
「…うん」
頭を叩いた後、くしゃりと撫でた。
「相変わらず、綺麗な髪してるな?」
「…太陽みたいで綺麗って言うんでしょ?
子どもの頃からコンラートやヨザだけじゃなく、ダンヒーリーおじ様に言われてたから…」
「そうだな」
久しぶりに帰って来た幼馴染に嬉しさや、懐かしさも感じ、2人で笑い合っていた時だった。
「大変だ!」
「セルセ?」
いきなりセルセが走って来たのだ。
「どうしたの?」
「?」
「…ツェリ様が、」
「ツェリ様が?」
「モルギフを壊した」
「「………は??」」
いきなりセルセに『モルギフ壊れた』と言われ、アリアとヨザックは驚いている。
モルギフが壊れた、という情報はすぐにアリア達だけでなく海岸に行っていた有利とコンラートにも話された。
そしてすぐにモルギフが置いてあった客室へと赴いたのだ。
「……ハァ――――、ア―――…」
テーブルに置かれているモルギフは元気が無くなっている状態だった。
「…嘘」
「ごめんなさい陛下。」
元気がないモルギフに驚いていたが、ツェリはすぐに謝罪をした。
「珍しい物でしょう?ちょっと見せてもらおうと思って、手に取ってみたの。そしたら…」
珍しいモルギフに触ろうとしたら、モルギフに噛まれたのだ。
『………』
それを聞いたアリア達全員呆れるしかない。
「痺れたりはしなかったんですか?」
「ええ。でも、わたくしビックリしてこの子を落としてしまったら、元気が無くなって…。多分これが取れてしまった所為じゃないかしら?」
そう言ってツェリは手に持っている物を見せる。
「これは?」
「モルギフの額に付いていた黒曜石だ」
それを見たアリアが何か思い出した様に話す。
「…あれ?確かコロシアムで暴走した時、これが光ってなかったっけ?」
「ああ。確かにこれが光っていた」
アリアの言葉にセルセも同意する。
「じゃあ、コイツが力の源?」
有利はツェリが持っている黒曜石もジッと見る。
「ね?陛下も見惚れるくらいの宝石ですものvv手に取って見たくなるわよ~vv」
すると有利は何も言わずにツェリの手から黒曜石を手に取ったのだ。
「ヨザック」
「?」
すると黒曜石を握ったまま、有利は後ろに立っているヨザックを見る。
「この石をお前に預ける」
「「「ハァ!?」」」
「ユーリ?」
「いいの?有利」
有利の一言にコンラート以外の全員が驚いた。
「この石を誰にも思いつかない様な所に捨ててきて欲しい」
「何でだ?ユーリ…!折角手に入れた魔剣を?」
「そ~よ、陛下。良い耳飾になると思うわ?陛下の髪と瞳によく似合ってよ?」
「「(…ツェリ様、それは違う)」」
双子はそう思った。