【シェパード×リージョン】名前を付けられないもの


 ──某日、ノルマンディーの食堂にて。
「お疲れさまー」
「お疲れ」
「お疲れさん」
「今日の昼は?」
「豆ドレッシング和えサラダとスペースリブ煮込み~」
「めちゃくちゃ豪華じゃん」
「最近配管修理をすることがなくなったからって、手のかかるもんを作りたくなったんだとさ」
「へぇ、ガードナー以外に物好きがいたってこと?」
「いやそれが、なんか例のゲスがやってるらしい」
「……ま?」
「まじ」
「めっちゃ働くじゃん。俺らなにやってんだよ」
「飯食ってる」
「いや今のことじゃねぇよ」
「飯食って、CICでジョーカーの補佐して、チェスでお前をボコボコにして、寝る」
「ボコボコは余計だぞオイ」

「というかスルーしてたけど、何でゲスが配管修理してんの?」
「知らん」
「知っとけよ」
「あー、それ、僕ガードナーから聞いたよ~」
「優秀」
「やめとけ、こいつ調子に乗るぞ」
「えー、ちょっとひどくない?」
「この前、CICでAV開いてたのをEDIに怒られてただろ」
「あー、それでガードナーからの話なんだけど」
「無視するな」

「なんかちょっと前に、船内の配管の破裂を直してたら
 ゲスが横からきて『その方法では本来の機能を損なう』みたいなこと言われたんだって」
「ストレートの威力高すぎだろ」
「ゲスだからしゃあない」
「僕らみたいにごちゃごちゃ考えなさそうだよね」
「で、その後ガードナーの代わりに修理するようになったってことか?」
「そんな感じ。
 ちょっとカチンときたガードナーが試しにやらせてみたら、完璧に修理されたから任せることにしたんだって」
「……それ、ていのいい押しつけじゃね?」
「…………まあ、いいんじゃない。
 ゲスもなんか、そのままやってくれてるみたいだし」
「……なんか、騙されないか心配になるな」
「流石にないでしょー、だいたいいつも少佐にくっついてるし」

「くっついてるで思い出したわ。この前の食堂の件、見てたか?」
「あー、あー! あのダンスの話? 俺見てねーわ」
「僕その場で見てたよ」
「は? 抜け駆けかよずりーぞ」
「君ら二人とも備品壊したからって、倉庫の掃除任されてたじゃん」
「「…………」」

「で、どうだったよそのダンス」
「めっちゃびっくりするくらい滑らかなロボットダンスだった」
「ロボットがロボットダンスしてたのかよ、ウケる」
「ゲスはロボットとちょっと違わない?」
「大雑把に見たら同じようなもんだろ」
「しかもなんか、ご丁寧に機械音声で歌ってたんだよ。まじでロボット」
「うわぁ……見たかったわそれ」
「まずどっからそんなもん学習してくるんだよ」
「知らないよそんなのー。
 そうそう、面白かったからもっかい見せてって言ったら、めっちゃ素直に見せてくれた」
「……それゲスなのか?」
「ゲスだよ」
「ゲスなのか……」
「もう少し見てたかったけど、少佐に呼ばれてついてっちゃったんだよねー
 でも、ダメもとでまた見せてーって言ったら、頷かれた」
「あの見た目で? なんかそれ、あれだな……」
「なんか妙に愛嬌ある」
「そ れ だ」

「ところでそろそろご飯の時間終わるけど、大丈夫そ?」
「「…………」」

 陽気なクルー以外は昼飯をくいっぱぐれた。




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