聖夜を導く一番星

中瀬の涙が止まってから、すっかり冷めきったココアとミルクティを二人で飲む。
寒い夜空の下で飲むにはツライけど、今の俺にはそんなの些細なことだ。

「そうだ。」

俺は鞄からある物を取り出し、キョトン、としている中瀬にそれを差し出す。
綺麗なラッピングが施された、淡いイエローの袋。
本当は四日後に渡そうと思っていた物だ。

「これは?」
「クリスマスプレゼント。」
「…用意してくれてたの?」
「もちろん。クリスマスにこれを渡して、告白するつもりだったんだから。」
「そう…だったんだ。」
「まさかクリスマス前に、中瀬からプレゼントくれると思わなかったよ。先越された。」
「選抜前に渡したかったから。それにクリスマスじゃ選抜中で、渡せるチャンスなさそうじゃない。」
「…確かに。そこまで頭回ってなかった。」

俺は苦笑いしながら、首を掻く。
中瀬はふふ、と小さく笑うと、手の中のプレゼントを愛おしそうに見つめる。

「開けてもいい?」
「うん。中瀬の欲しい物がわかんなかったから、気に入ってもらえるかわかんねぇけど。」
「諸星がくれる物なら、なんでも嬉しいよ。」

そう言うと、中瀬はラッピングを崩さないように袋を開く。

「わぁ、可愛いポーチ。」
「猫飼ってるだろ。だから猫柄にしてみたんだけど…」
「うちの猫にそっくり。ありがとう、すごく嬉しい。」

中瀬は頬を紅潮させて、嬉しそうに微笑んでくれる。
俺はたまらなくなって、中瀬の手をギュッと握る。

「中瀬。」
「え?」
「ちょっと早いけど、メリークリスマス。…これからも、よろしくな。」
「…うん。」


…これから先、ずっとずっとクリスマスを一緒に祝おうな。

リストバンドの上でキラリと輝く小さな星にそっと願いを込めた。
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