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歴史書

●2004年:皇樹の侵林おうじゅのしんりん、ほか

 人工島ゲムリアが完成、同年6月より世界中から様々な組織および関係者が移住を始める。
 島の完成前に移住希望者の募集と選定は完了しており、わずか半年で92%の移住が完了した。
 移住者として優先的に認められたのは、ノロイや皇獣おうじゅうに関する研究者、ノロイ発症者、島の独立および自衛に備えた軍事関係者、さらにはそれらの生活を支える商業・流通関係者であり、国籍、人種、性別、年齢などは関係なく多くの人間が集められた。
 その数およそ7万人に上る。(この先、さらに島の住民は増えた)
 これは、そもそも人工島ゲムリアそのものがノロイや皇獣おうじゅうに関する研究のために作られたものであり、この時点ではまだ日本領であったものの、2年後の2006年には奇病研究のための特別研究区域へ指定されると共に、独立自治権を獲得して暫定政府が樹立され、独自の法律の制定によってさらにノロイ・皇獣おうじゅう関係に関する研究開発および臨床実験が行いやすい環境に整えられた。

 なお、ゲムリアは何も無い海域を埋め立てて造られたわけではなく、日本の東海地方より南東に約10kmの地点に存在する小さな岩礁が基礎となっている。
 元は油田開発など海底資源確保の名目で確保される予定であったらしい。
 主な先導者はオールカラーカンパニーの総帥マダム・オールカラーであるとされ、彼女の多額の出資と国連への働きかけによって、無名の岩礁は直径およそ5kmの人工島へと姿を変えた。
 長谷流はせるネガイ女史は年齢的に、この頃から既に埋め立て中であったゲムリアの地下を占拠して、地下賭博コロシアムを建築していたとは考えにくいが、実際の所は謎が多い。
 2006年時点で妹の長谷流はせるオモイが6歳であるが、ネガイが妹と8歳違い(本人による自己申告・真偽不明)だったとしてもこの時点のネガイは14歳。
 はたしてゲムリアの地下に巨大なスペースを、マダム・オールカラーの目を盗んで秘密裏に確保できるだけの組織力と資金力を、彼女はこの頃から持っていたのだろうか……?
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