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皇樹おうじゅ
design
原画:ななしくん様、仕上げ:mori様

心:SSS 技:SS 体:SSS 速:SS 活:SSS
 西暦2015年、ゲムリア中央部行政区に出現した桜の樹の皇獣おうじゅう
 全高2km、根が広がった皇樹おうじゅ領域は直径約4kmと推測され、ゲムリアの大部分を文字通り覆い尽した。
 さらには皇樹おうじゅ領域内の生物の生命力が活性化させる能力を持ち、強力な皇獣おうじゅうが一夜にして大量に発生するという、屈指の皇獣おうじゅう災害をもたらしている。
 西暦時代に出現した皇獣おうじゅうの中で、文句なしの最大サイズである。
※第2位は2019年のゲムリアに出現した墨染衣すみぞめごろもの神獣(全高1.2km)、第3位は2006年の太平洋に出現したバハムート(全長1km)であった。ニヲスィ時代には、このレベルの皇獣おうじゅうは海中や上空に山ほど生息しており、それほど珍しいものではなくなっているのだが。

 皇樹おうじゅの外皮の強度は戦車の砲弾も航空機の爆撃も通用せず、焼夷弾や火炎放射などでも燃焼せず、現代兵器をことごとく無力化したため、撃破不可能と思われた。
 が、ルレイン研究所が開発した皇核細胞おうかくさいぼうの休眠剤“ララバイ”が有効である可能性が示唆され、ゲムリアの様々な組織が結集してララバイを持った亜人部隊の援護のため、団結して皇樹おうじゅに挑んだ。
 結果、皇樹おうじゅはKSOKインダストリーが開発した無針注射浸透砲ジェットシリンジによってララバイを注入され、皇核細胞おうかくさいぼうの活動を停止した。
 ただしこれは皇核細胞おうかくさいぼうが死亡したわけではなく、休眠状態に陥っているだけであり、皇樹おうじゅの中を巡っているララバイが何らかの要因で失われてしまった場合、皇樹おうじゅは再び目を覚ますことになるといわれている。
 これを防ぐため、ララバイの開発者である杉野玄英はララバイが皇樹おうじゅの体内で分解されたり変質したりしないよう様々な工夫を行った、とされている。

 ララバイのお陰で休眠後の皇樹おうじゅがその後の歴史で目覚めることは無かったが、皇樹おうじゅは枯れたわけではなく、その後もゲムリアに残ることとなる。
 外皮は白い石のように硬くはあるがもろい材質に変化し、全高2kmの威容が地震などでによって崩れるとそれだけでゲムリアが埋没しかねない危うい状態となったため、少しずつ枝や葉などを端から削っていく計画が進行した。
 旧人類が滅亡しニヲスィ歴に突入すると、ゲムリアの存在は長らく忘れられていたが、48世紀(西暦換算)頃にスワスチム共和国空軍を束ねていた人物が軍を離反し、ゲムリア跡を占拠。
 ゲムリア跡地を丸ごと飛行要塞に改造して皇樹おうじゅを乗せたままスワスチム共和国本土へ侵攻する事件が起きたが、皇核おうかくエンジンを搭載したSMAスーパーマシーナリィアーマーアルレシャによって撃墜された。
 地上の密林部に落下した飛行要塞ゲムリア(およびゲムリアに乗っていた皇樹)は、再び長らく歴史から姿を消すことになる。
 墜落時に大部分の命は失われ、主導者もMAマシーナリィアーマー同士の空中戦で撃墜されたが、生存者もごくわずか残っていた。
 彼らはスワスチム共和国にとっては反逆者であるため国に帰ることができず、かといって敵対しているヲアルヅ王国やヘアツゥ司教国に亡命するわけにもいかず、皇樹おうじゅの落下地点に集落を作ってひっそりと生き延びていくことになる。
 やがて集落は戦争には一切加担しない“モエギの里”として成立し、皇樹おうじゅは神木イシノキオージュとして里のシンボルとなった。
 その威容が再び人の目に触れるようになったのは、魔女ブルーミング・ブルーが運び込まれる64世紀(西暦換算)のことになる。
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