熱き剣士(リクエスト作品)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
薪を集めに森へ来ていた煉獄だったがある異変に気づいていた
『何かが...小夜少女!!』
異変を感じ取った煉獄は急いで小夜の元へと向かった
「これは...!」
小夜の元へ戻った煉獄が目にしたのは荒れた地面やなぎ倒された木々、そして拘束されたまま泣いているグレン達の姿だった
そこに小夜の姿がない事で煉獄は全てを理解した
泣いているグレン達の拘束を解いた後、マリアから何があったのかを聞いた煉獄はテレパシーで話せる事に驚いていたがすぐに順応し、小夜を助けに行こうと伝えた
でも...小夜は私が来ることを望んでないわ
「...君たちは小夜少女の家族だろ?家族とはお互いの事を想い、大切にするものだ。例え、想いが届かなくとも...相手が望んでいないとしても家族ならば最後まで共にあるべきだ」
煉獄は少し遠くを見ながら彼らに語りかけた
「君たちはどうだ?」
煉獄の言葉が終わる時、涙を流している者は誰もいなかった。煉獄の前にいるのは強い目をした小夜の家族だった
「でわ、家族を迎えに行くとしようか」
◇◇◇
ナイトの波動を使いハンター達の後を追った煉獄達は森の中に建てられた倉庫を見つけていた
小夜もあの中にいるみたい。でも、どうするの?私たちはまた攻撃を無効化されたら太刀打ち出来ないわよ
小夜の共へと向かう道中ですっかり打ち解けたマリアは他のメンバーの言葉を代弁する係となっていた
「君たちは小夜を見つける事を最優先してくれ。後は俺が引き受ける」
普通なら自分たちも太刀打ち出来なかった相手を引き受けると言う人間に対して、そんなのは不可能だと疑ってしまいそうだが、不思議と煉獄なら大丈夫ではないかと思ってしまう一行だった
『本当に彼ならどうにか出来るのかもしれない』
そして、煉獄の合図で倉庫内へと潜入した一同は小夜を探し始めた。倉庫内を捜索し始めた一行が目にしたのは様々な機械や、檻に閉じ込められたポケモン達だった
クソみたいな場所だな
この倉庫の設備や規模からいって彼らは相当組織化されているとみえますね
どうする?この機械ポケモンを操るやつもあるよ、全部壊しちゃう?
それよりも、姫の救出が最優先でしょ!
ポケモン達は解放してやらないか?
って言ってるけどどうする?
「1番は小夜少女を見つけることが優先だ。ここで事を起こせばバレてしまうからな。しかし、捕まっているポケモン達は見逃しておけまい。檻の鍵を開けて行こう。すまないが事情を話して小夜少女がいそうな場所を聞いてくれないか?それと、出来るだけ静かに逃げるようにと」
了解よ
煉獄の指示でマリア達はポケモン達から小夜のいそうな場所を聞き、その間に煉獄は鍵を壊していった
分かったわ!地下に人間の女の子が連れていかれたって行ってたからきっとそれが小夜よ!
「うむ!では地下へと急ごう!」
地下へ降りた時そこには牢屋のような場所に閉じ込められた小夜がいた
「小夜少女!!」
「煉獄さん?!それにみんなも!どうしてここに...早く逃げて!」
俺たちは逃げねぇ。お前を迎えに来たんだ
「グレン...で、でも!それじゃみんなが酷い目にっ」
「小夜少女、それを承知でみなここへきてるのだ。なぜか分かるかい?」
「それは...」
「君が皆のことを守りたいように彼らもまた、小夜少女を守りたいからだ。なぜなら君達は家族だろ?それに、今は俺もいる。みんなで帰ろう」
「煉獄さん...それに、みんなも...っありがとう!」
「ありがとうじゃないだろ?約束が違うんじゃないのか?」
そう言いながら現れたのはあの時のハンター達だった
「ネズミが入り込んだと思ったらお前たちとはな。追いかけて来ない約束だろ?」
「その約束は元から約束などされてなかったぞ。彼らは拘束されたままだった」
「解放するのが遅れただけさ」
白々しいにも程がある。初めから解放なんかするつもりなどなかったんだろ!
「そんな...」
「まぁ、こうなったからにはお前達を返すつもりはなくなったがな。ご丁寧に他の連中も逃がしやがってっ!大人しく捕まれ!」
一斉に攻撃を仕掛けるハンター達のポケモンを前に、グレン達は小夜を守ろうと前に立ち、こちらも攻撃するが先程の機械により無効化されてしまった
襲い来る攻撃に備えていたがそれより前に炎の壁が小夜を守り、攻撃を防いだのだ
「なんだッ?!お前は誰だ!」
「おっと、申し遅れたな。俺は煉獄杏寿郎、小夜少女達の友だ」
「そいつらの仲間か。お前たち、やれ!!」
「煉獄さんっ!」
「大丈夫だ」
そう言った彼の背中はとても大きかった
襲いかかるハンター達のポケモンを前に煉獄は目にも止まらぬ速さで攻撃を避け、次々に倒していった
マジかよ
なんて速さだ
小夜達を初め、ハンター達でさえもその人間離れした動きに目を奪われていた時、グレン達の攻撃を無効化した機械の前に全てのポケモンを倒した煉獄が立ちはだかった
「このような奇天烈な機械で彼らの自由を奪うなどあってはならない!炎の呼吸 壱ノ型 不知火!」
煉獄の抜いた刀からは炎が現れ機械を一瞬で破壊してしまった
「俺たちの最新機械が!」
「ボス!どうするんですか⁈」
機械を壊された事でハンター達はあたふたし始めていた。そんな中で唯一ボスと呼ばれたハンターだけが狂ったように笑っていた
「凄いっ!我々の誇る機械を最も簡単に壊し、俺をここまで追い詰めるとはなっ!!おい、煉獄と言ったか?お前、俺の仲間になる気はないか?俺と一緒に頂点を極めようじゃないか‼︎」
とても正気とは思えない話に小夜達が唖然としている中、煉獄は静かに刀を納めながら語りかけた
「お前達の仲間にはならない。なぜなら、この力は誰かを傷つけるのではなく、大切なものを守るために積み重ねてきた力だからだ。ポケモンを私利私欲のために捕まえるお前達の仲間になどなりはしない!」
煉獄の返答にハンターのボスはさっきまでの表情から一変し、怒りに満ちていた
「こいつらは俺たちに大人しく使われていればいいんだっ!所詮ポケモンは人間の道具にしかすぎないんだよっ!」
その言葉を聞いたグレン達はこれまでの怒りも込めた視線で臨戦態勢をとり、捕まっていたポケモン達もハンター達を取り囲んだ
「なんだ...俺が違うとでもいうのか‼︎」
狂ったように叫びながら近くに落ちていた機械の破片をポケモン達に向けて投げようとした時突然突風が吹き荒れ、次の瞬間にはハンター達は全員地面に押さえつけられていた
「おとなしくしろ、俺たちはポケモンGメンだ!ポケモンの密猟、および監禁等の容疑でお前達を逮捕する!」
「くそっ!離せ!離せー‼︎」
突然現れたポケモンGメンと名乗る人達によってハンター達は全員捕まり、その場には小夜達が残っていた
「オレはワタル。ポケモンGメンの代表をしている。助けに来るのが遅くなってすまない」
「い、いえ。でも、なんでここが...」
「奴らは俺たちが前から調査していた組織なんだ。かなり大きな組織でね。全ての関連組織を潰していってる中だったんだ。奴らは強いトレーナーのポケモンを狙っているという報告を受けて該当するトレーナーに注意喚起をしている中だったんだが、君の所在が分からなくてね。それでもしやと思ったんだよ」
「そうだったんですか」
「それにしても、この組織をポケモンも使わずに制圧するとは!君は強いんだな」
そう言いながらワタルが視線を向けた先には煉獄がいた
「いや、俺は何もしていない。小夜少女達の絆が強かったんだ」
「それもそうだが、君はハンター達に捕まっていたポケモン達を傷つけないように気絶させていた。こんな技が出来るのは相当強い証拠だろ?」
「奴らの側にいたポケモン達に罪はないからな」
「そうだな。君、名前は?」
「俺は煉獄杏寿郎だ」
「でわ、杏寿郎。俺と一緒に来ないか?俺たちと一緒にポケモン達を守って欲しい」
「...俺がこの世界に来た理由を考えていた。この世界に来てもなお、この刀は俺に答えてくれる。ならば、俺はこれからも大切な人やポケモン達を守ろう。ワタル、その話引き受けた」
「煉獄さん...」
「小夜少女、それにみんなも。今まで世話になった。君たちに出会えた事、俺は忘れない。これからも友でいてくれるか?」
「もちろんですっ!本当にありがとうございました。煉獄さんならポケモン達を守れるGメンになれると思います!」
「あぁ、でわな!また会おう!」
小夜達と挨拶を交わし、ワタルと共にヘリコプターへ乗り込もうとした時、煉獄の足元に軽い衝撃が伝わった
「なんだ?赤い...トカゲか?」
「ヒトカゲじゃないか。その子もハンター達に捕まっていたんだ。先ほど保護したと思ったんだが...」
一行がヒトカゲに注目していると森から何かが飛び出してきており煉獄の腕の中へと収まった
「エルレイド?この子も確か捕まっていた子だぞ。2匹ともなぜここにいるんだ?」
ワタルが頭を悩ませている中、煉獄はエルレイドをそっと地面に下ろした。そしてヒトカゲとエルレイドを交互に見渡した
「君たち...もしかして俺と一緒に来たいのか?」
そう尋ねると2匹は大きく頷いた
「煉獄さん、その子達が一緒に行きたいって言ってます。煉獄さんのように強くなりたいとそう言ってます。」
小夜が2匹の思いを煉獄に耳打ちすると、煉獄は大きく頷いた
「そうか。ならば、俺と一緒につよくなろう!ワタル!この2匹を一緒にに連れて行ってもいいだろうか?」
「あぁ、それがその子達の望みなのだろう。」
こうして、ヒトカゲとエルレイドは煉獄と一緒に行くことが決まり相棒となった。エルレイドが煉獄のことを師匠と呼んでいると伝えた時には少し照れていたが、嬉しそうに笑っていた
「小夜少女、またどこかで会おう!」
そう挨拶をして煉獄はワタル達と共にヘリコプターに乗り込んだ
空に舞い上がるヘリコプターの中で煉獄と視線を交わした小夜は、きっとまたどこかで会えるとそう感じていた
「また、どこかで!!」
おわり*