看病と言う名の愛.６

小夜が寝込んで3日目の朝、いち早く目を覚ましたグレンが小夜の様子を見るといつもと変わらない姿でただ、静かに横になっていた。

そんな小夜を見てグレンは切ない気持ちになりながら近ずき、小夜の額にポスっと手を当てた。

ばぁか、いつまで寝てんだよ。早く起きろよ

グレンがそう言った時、微かに小夜の瞼が揺れた。そして、ゆっくりと目を開けたのだ。

...小夜

「グレン...おはよう。私、寝坊してない？」

...ばかやろう、っ、寝坊しすぎだ

「ごめんね...」

そう言いながら小夜の瞳から涙が零れた。その涙をグレンはペロリと舐めた。

そんな2人を朝日が優しく照らしていた。






小夜の目が覚めた後、グレンが全員を叩き起していた。

ちょっと！グレン！朝っぱらからなんなのさ?!

小夜不足でついにおかしくなったの?!

そんな2人を横目にグレンが小夜の方を見ると、全員が目を見開いた。

小夜!!

目が覚めたのか?!

体は大丈夫ですか?!

どこか痛いところはありませんか？

小夜〜！良かったよ〜(泣)

お前ら静かにしろ！傷に触るだろうが！

「みんな...心配かけてごめんね。でも、もう大丈夫だよ。痛い所もないし」



その後、ナイトの呼んだジョーイさんによって小夜の診察が行われ体には問題がないと診断を受けた。その診察を聞いたメンバーはある者は泣きだし、ある者は力が抜けたように座り込んでいた。

ジョーイさんの診察の後、体を動かす為にポケモンセンターの庭へ出た小夜達の目の前に1匹のハッサムが現れた。
グレン達はあの時のハッサムだと戦闘態勢を取ったが、小夜には分かっていた。

「あなたは...あの時のストライクさんだよね？」

あぁ、そうだ。俺たちの試練に巻き込んでしまってすまなかった。

「試練って？」

小夜に尋ねられたハッサムは試練について小夜達に話し始めた。