93．釣り人

[#da=1#]達は野宿を繰り返しながら今日もセキチクシティへと向かっていた。

セキチクシティまでは意外と遠いな

「そうだね」

マリアとコアを始め、グレンも加わり誰が一緒に歩くのか揉めていた時しれっとジンが腕の中を勝ち取り、本日はジンが[#da=1#]の腕の中に抱かれていた。

「今日の朝も朝練頑張ってたね」

あぁ、だいぶ力もついてきただろう

「ジンが皆の訓練をしてくれるから皆、強くなってきてるね。ありがとう」

オレに出来る事をしているだけだ


ジンと話しをしながら歩いていると後ろから足音が聞こえ、凄い勢いで[#da=1#]の隣を誰かが走って行った。

その時、カタンと音がして走って行った人の後を見ると、釣り竿が1本落ちていた。

「これ、さっきの人のだよね...。大変、あの人気づいてないみたい。さっきの人は...」

あいつじゃないか？

ジンの言った方を見ると、釣りの準備をせっせと行っている人物がいた。


「あの...これ、さっき落としましたよ」

相手が男性だったため、[#da=1#]がおどおどしながら声を掛けると釣り竿を見た男性はパッと顔を上げて[#da=1#]を見た。

「おぉ～！嬢ちゃん、ありがとうな！」

「い、いえ...」

「嬢ちゃんも釣りに来たのか？」

「い、いえ...ここは釣りが出来るんですか？」

「はっはっは！嬢ちゃん知らないのか？ここはカントーでも有名な釣りの名所だぞ！だからほれ、あちこちに釣り人がいるだろ？」

そう言われて辺りを見渡してみると、いたるところに目の前の男性と同じような恰好をした人達が水面に向かって釣り竿を垂らしていた。

「ここはな水質が綺麗なんだよ。大小の湖があってそれぞれ釣れるポケモンが違うんだ！」

「そうなんですか...」

「そうだ！拾ってくれたお礼にこの釣り竿をやるよ！」

「えっ！いいです...！拾っただけですし...」

「遠慮はいらないさ！俺のお古だからちょっと使い古してるがな。釣りでしか出会えないポケモンだっているんだぞ！だから、使ってくれ！」

グイッと渡された釣り竿を[#da=1#]は迷いながら受け取った。

「ありがとうございます...」

「あぁ！いいってことよ！使い方は簡単だ！このルアーを付けて水面に投げるだけだ！いい釣りライフをな！」

そう言って豪快に笑いながら男性は目的の湖があると言って駆けて行った。

「....もらっちゃったね。」

せっかくだから釣ってみたらどうだ？

「うん...。釣れるかな？」

ものは試しだ

ジンにそう言われて、[#da=1#]は貰ったルアーを付けて水面に投げてみた。




「.......釣れないね」

釣れないな....



「そう簡単に釣れないよね。今日はもうやめようか。」

[#da=1#]は釣り竿を引いて戻そうとした時、急に釣り竿の先が動き、手にはさっきまでなかった重さを感じた。

「わっ！ど、どうしよう...！」

お、落ち着け[#da=1#]！とりあえず、糸を巻くんだ！

「う、うん！」

ジンのアドバイスを聞きながら[#da=1#]は釣り糸を慎重に巻いていった。最後の力を込めて釣り竿を引いた時、一匹の魚が空を舞って[#da=1#]の目の前に落ちて来た。

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釣りって難しそうですよね( ..)
管理人は釣りの時にいる餌が苦手です...。