４９．後悔と出来る事

小夜達は次の目的地へ向けて準備をするため、一旦部屋へと戻って来た。

そう言えば、マリアの未来を見る力はいつでも使えるのですか？

いいえ、自由には未来を見る事が出来ないの

「そうなの？」

進化すればある程度コントロール出来るんだけど、今の私は瞬間的に未来が見える感じなのよ。小夜と一緒にいるところが見えたのはさっき話していた時よ

「あっ、もしかして目が少し光ってた時？」

えぇ。未来が見える時目が光るみたいなの。他のサーナイト達もそうだったから

「そうなんだ...。」

もし...、もし、狙われるって未来が見えてたら他の子達も救えてたのかしら...

「マリア...」

私はここまで逃げて来られたけど、あの人間たちに掴まった子も少なからずいるはずなのよ。もし、私がその未来を見えていたら...。もし、私がもっと早く進化出来ていて未来を見ていたら...。

ウジウジしてんじゃねぇよ

えっ？

今更そんなこと言っても変わんねぇだろ？

奴らは遅かれ早かれあなた達を狙っていたでしょう。奴らは私達が思っているよりも組織的で狡猾です。あなたの仲間が掴まってしまった事はとても辛いことですが、避けようのなかったことなのかもしれません

だからっ！だからこそ私が見えていれば...

「きっとこれまでの事はマリアと一緒にいたサーナイトさん達も見えなかった未来なんだと思う。見えなかった未来を悲しむことよりもこれからの事を一緒に考えよう？」

これからのこと？

「うん。あのロケット団って人達はこれからも悪いことをするかもしれない...。でも、ジュンサーさん達が警戒してくれてるし、博士達もポケモンの保護をしてくれるの。もしかしたら、他の子達も保護されているかもしれない。それに、もし、あの人達がまた悪いことをしてるんだったら...私は許さないっ！」

小夜は手をギュッと握ってそう強くマリアに伝えた。

「それに、今出来ることをやってれば未来はいいものになるかもしれないでしょ？将来、あの時って思う時のあの時が今、この瞬間かもしれない。だから、その時に後悔しないよう出来る事を今やろう。未来に向かって一緒に進もう」

そう言った小夜達はマリアの事を力強く見つめていた。

...えぇ。ありがとう

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ちょっとだけ真面目なお話の回でした＊