３８．月の宴

月の宴は満月の日に行われる踊りの事ですわ

「わっ！あ、あの貴女は？それに、私達ここにいていいんですか？」

私はピクシーです。貴女方からは悪い感じがしないので大丈夫ですよ。それに、ルナトーンさん達の事を調べに来ていると彼から伺いましたので

もう始まりますから見ていって下さいな

そう言うとピクシーは輪の中へ戻って行った

そして月の光が強くなったのを合図かのように、ピクシーやピッピ達は踊り始めた

ピッピ達は声を合わせて歌い、ピクシー達は合わせてクルクルと回って見せた

輪の中央にはルナトーンとソルロックがおり、月の方を向いて体を揺らしている

その様子は幻想的でもあり穏やかな空間が広がっていた

「きれいだね...」

幻想的ですね

あぁ....



しばらくの間小夜達は宴の様子を見つめていると、中央にいたルナトーンとソルロックの体が光はじめ、強く光ったかと思うと満月に向かって光が一直線へと伸びていったのだ

周りを見るとピッピ達の体も淡く光っており、数匹のピッピはまばゆく光った後、その姿をピクシーへと変えていた


小夜は目の前で起こった事に驚いていると先ほどのピクシーが近づいて来た

ふふふ、驚いた顔をされてますわよ

「ご、ごめんなさい！とっても綺麗だったから」

そんなに慌てなくてもいいですわ。可愛らしいお嬢さんね。月の宴はピッピ達が進化する時の事なの。それに、ルナトーンさん達にも大切な日なんですよ。さぁ、彼らが呼んでいるので行きましょう

ピクシーに促されて輪の中央に行くとルナトーンとソルロックが小夜達の方を見ていた


君が私達の事を調べているという人間か？

「は、はい」

驚いたな、本当に俺たちの言葉が分かるのか

「はい、あ、あの私達はなぜ貴方達がホウエン地方から来たのかを知りたいんです。他にも違う地方のポケモンがこちらで見掛けられているという話があるので、なにが起こっているのか知りたくて....」

その言葉を人間がいうのか？お前ら人間のせいで俺たちは！！

ルナトーン、落ち着け。そちらのお２人もそう構えないでください

ソルロックは小夜を守るようにして構えているナイトとグレンに静かに声を掛けた


怖がらせてしまってすまない。ただ、ルナトーンの気持ちも分かって欲しいのだ。先ほど言ったように私達がこちらの地方まで来ることになったのは人間のせいなのだから...

そう話すソルロックの口調と表情の中に悲しみと怒りの感情がある事を小夜は感じていた

「何があったのか教えてくれますか...？」

えぇ、貴女方は奴らとは違う。ピクシーがここに留まる事を許した人間です。お話しましょう...

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ソルロックさんの方が大人ですね。
ルナトーンさんはやや短気な男の子って感じです。