２０．迷子の初日

おい、どうやったらこうなるんだよ

「.....すいません」

なぜ、グレンが私を呆れたように睨んでいるかというと、現在絶賛迷子中だからだ


ナビ見ながら歩いてたんじゃねぇのかよ

「そのはずなんだけど....なんでかな...?」

俺に聞くなよな

「グレンはこの辺詳しくないの...?」

知るかよ、このところはずっとじじいの研究所内にいたからな

「そうだよね....どうしよう....」

まぁ～、今日はもう動かねぇ方がいいな。もうじき夜になるから今日はここで野宿だろ

「ごめんね...」

別に、まぁ～俺は野宿の方が好きだし

「うん...」

そんなしょぼくれんなよ、つか、お前野宿出来んのか？

「....? 野宿ってどうするの？」

『こいつ...大丈夫か....?』





そんなこんなで、グレンに寝袋の使い方だったりたき火のやり方を教えてもらった。（たき火はグレンの火のこであっという間に出来上がったけど...）ご飯はナナミさんがグレン用にポケモンフーズを入れてくれていた物があって、私用にはお弁当が入っていた

『ナナミさん、ありがとう...』


お前、ホントに小食なんだな

「あっ、うん....そうだね....」

『これも訳ありってことか....』

無理して食うなよ

「うん...。ありがとうね」

そういえば、その卵動いてんのか？

「あっ、時々動いてるみたいだよ。出来るだけ持って温めてって博士が言ってた」

ふ～ん、動いてるって事はもう少ししたら生まれるかもな

「そうなんだ...どんな子なんだろうね...」

さぁな～、つか、寝るか

「そうだね」『ちょっと寒いな...でも、こんなの慣れっこだし』

グレンは小夜が摩ったのを見て寒いのだと思った


おい、寒いんだろ？こっちこいよ

「でも....」

いいから来いよ。その卵も温めた方が良いんだろ

「うん、ごめんね」

そこはありがとうって言えば？

「そうだね...ありがとう...。」

っ、寝るぞ！


こうして、私とグレンの初日はふけていった

　　








卵を挟んで川の字のように寝袋内でいた小夜は不思議な夢を見た

もやの中で誰かが立っている...。でも、人間じゃない....

彼方の感情が伝わってくる....

どうして悲しそうなの？　どうして怒っているの？

彼方はだぁれ....?

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
主人公ちゃん、方向音痴なようです（笑）
旅、大丈夫かな？ちゃんと目的地に辿りつくのでしょうか？

そして、卵の子ももうすぐ主人公ちゃんと出会うことになると思います。