故郷とクチバシティ編

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144. 思い出の笛


フジ老人の家で話を終えた後、小夜達は道の途中を大きな “なにか” が塞いでいる場所へと来ていた



「ここはヤマブキシティへと続く道でこの先にはディグダの穴があるんじゃが、少し前からこれが道を塞いでおってな...」



フジ老人の見上げる先にはまるで山のように大きなものがあった



「ジュンサーさん達が調べてくれたんじゃが正体は分からずじまいでな...。あぁ、すまんがこの後ハウスのポケモンたちの世話があってわしは戻らないといけないんじゃが、小夜君達はまだ見ていくかい?」



「はい、もう少し調べてみようと思います。あの、ハウスの方はお手伝いしなくて大丈夫ですか?」



「あぁ、町の皆が手伝ってくれるからね。それじゃ、あまり遅くならないうちに帰っておいで」


「えっ、」


「今日は泊まっていってくれると嬉しいんじゃがの」


「はいっ!」


「でわ、また後での」









♢♢♢



フジ老人と別れた後、小夜は目の前の“物体”を見ていた



ねぇねぇ、これってポケモンなの?


「うーん、どうなんだろ?こんなに大きなポケモンっているのかな?ジュンサーさん達の話しじゃ全然動かないって言ってるみたいだし」


でもさ、なんかフサフサしてない?


「そうなんだよね...よし、さ、触ってみようか」


えっ、大丈夫?僕が触ってみようか?


「だ、大丈夫。でも、もしもの時はよろしくね...」


任せといて!頑張れ小夜



コアに励まさせながら意を決した小夜は恐る恐る目の前の物体に触れてみた














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おい、カビゴン~!


また森の木の実を食べ過ぎたんだって?森のポケモン達が怒ってたぞ


ってまた寝てるよ


よし、お前の好きなこの曲で起こしてやるぞ


~~♪~~~♪~~~~♪



カビ....カンビ!カビガゴ♪



お~い!カビゴン!起きたか?

ほんとにお前はこの笛の曲が好きだな~

よし!一緒に踊るぞ~!














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カビゴン! 俺たちまた研究の旅に出ることになったんだ



俺が帰ってくるまで森のポケモン達と仲良くな!


また一緒に踊ろうな!



じゃあ、行ってくるよ!












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帰ってこないなぁ


まだ帰ってこないのかなぁ


さみしいなぁ







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「これって...この子の思い出...?」


何か分かったの?


「うん...もしかしたら、これで起きてくれるかかも」



そう言って小夜はバックの中から笛を取り出した



それって、さっきフジさんからもらったケイジって人の?



「うん。上手に出来るか分からないけど....」





そう言うと小夜は先ほど見たイメージの中で男性が吹いていたメロディーを奏で始めた









カンビ....ゴンゴン‼ カビ! カンビ!





ムクりと動きだした “それ” は起き上がると大きなポケモンであることが分かった







「あなたは...カビゴンね」





あれぇ....ケイジ? おっかしいな...ケイジの歌が聞こえたのに...


「ごめんなさい、さっきの笛は私が吹いたの」


そっか...ケイジはどこにいるの? 



「ケイジさんは...今どこにいるか分からないの」


そうなんだ...

あれ...?お姉ちゃんなんでおいらの言葉が分かるの?




小夜はポケモンの言葉が分かるんだよ



凄いねぇ~  はぁ~ おいらお腹すいたよぉ~



「あっ、お腹空いてるならこれ食べる?」



小夜の差し出したポフィンを見ると目を輝かせたカビゴンは美味しい、美味しいと食べ始めた



「そう言えば、あなたはどこからきたの?」



モグモグ....う~ん? どこだろう?

ケイジに会いたくてポケモン達に聞きながら歩いてたらここに着いたんだぁ




「そっか...ケイジさんに会いたいんだね」



ケイジはおいらの友達。おいら、森の木の実を食べ過ぎちゃってよく他のポケモン達に怒られちゃうんだ...

そんな時ケイジがよく助けてくれたんだ。ケイジの弾いてくれる笛で一緒に踊ったりして楽しかった


だからずっと待ってたんだぁ


でも帰って来なかった


ずっと待ってたけど帰って来なくて、おいら寂しくなった。だからポケモン達にケイジの居そうな場所を聞いて色々探したんだ。でも、お腹も空いて眠たくなっちゃって...




「そっか...それでここで寝ちゃってたんだ」



ごめんなさい...おいら、迷惑かけた?


「大丈夫だよ、でも、これからどうするの?」


どうしよう...


どっから来たか分かんないんでしょ?それならフジさんのところに行ったら?



「そっか!フジさんなら安心してお世話を任せられるし」



フジさん?



「うん。ケイジさんのお兄さんでね、とっても優しい人なの。フジさんもケイジさんの帰りを待ってる人なんだよ」


でもいいのかなぁ?



「きっと大丈夫だよ」














その後、小夜達はフジ老人の元へと向かった。事の次第を話すとフジ老人はカビゴンの保護を快く引き受けてくれた。



「わしと一緒にケイジの帰りを待とうな」


うん!小夜、ありがとうね!きっと、ケイジ帰って来るよね



「うん、きっと帰って来るよ!」



「よし、それじゃあ他のポケモン達にお前さんを紹介するとするかの。おいで、カビゴン」


ゴンゴ~ン!



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カビゴンとケイジさんの思いでのお話でした。
カビゴンってホントに癒しです

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