137. その名は



コアを抱えて小夜はポケモンセンターへと急いでいた


自分やコアの考えている事が違って欲しいと願いながら









プルルル....



「はいよ、こちらポケモンハウスじゃ」


「お久しぶりです、フジさん。小夜です。」


「おや、久しぶりだね。元気かい？イーブイも変わりない様子でよかった」


「はい...」



「今、どこにいるんだい？それに、元気がないようだけど何かあったのかい？」


「今、グレンタウンにいます。...、私、フジさんに聞きたいことがあって...」


「聞きたいこと？」








「...ケイジ・フジ」









「っ！おまえさん、どこでその名前を...」


「やっぱり知ってるんですね...教えてください、この名前は...フジさんなんですか？」



小夜がそう聞いた時、コアも不安で揺れる瞳で画面に映るフジを見ていた









「...その名前は、わしの弟の名前だ」


「弟さん...?」


「そうだよ、わしにはケイジと言う名前の弟がいたんだ...。おまえさん達、グレンタウンにいると言っていたね。もしかして、ポケモン屋敷でその名前を見つけたのかい？」


「はい。だいぶ古くて今は誰も使ってないお屋敷でした。中は研究所みたいな所でそこに日記があったんです。その日記の裏に名前が書いてありました」


「....そうかい。ケイジが最後にいた場所がグレンタウンと聞いていたが...本当にいたんじゃな」


「どういう事ですか？」


「弟とはもう何年も会ってないんじゃ。ポケモンの研究者じゃった。昔はたまに会っては研究の事を話していたんじゃがある時からぱったりと連絡が取れなくなったんじゃよ...」


「どうして..」



「さぁな...しかし、ケイジと連絡が取れなくなってからわしなりに研究所に関する人達に話を聞くと、連絡が取れなくなる前ケイジはある島のジャングルに行くと言っていたそうじゃ。そして、戻ってきてからはグレンタウンへと研究所を移したと...」



「フジさんはグレンタウンへ行ったことがあるんですか？」



「いや...ケイジの話を聞いた頃はちょうどこの施設を建てたばかりだったしな...。ポケモン達を残してグレンタウンへ行くことはできんじゃろ...。それで、お前さん達はどうしてケイジの事を知りたいんじゃ？」






小夜はどう説明するか迷ったが、アルセウスやポケモンの言葉が分かることは伝えずに旅の中でポケモン達に何かが起こっていると感じていることや、ミュウツーと言うポケモンが関係している事を話した



そして、そのミュウツーを生み出したのが日記の持ち主であるフジ老人の弟ではないかという憶測も伝えたのだ


小夜の話をフジ老人はただ静かに聞いていた。そして話が終わる頃、顔を上げたその瞳は悲しそうに揺れていた




「ケイジの事を教えてくれた研究所の者が言っておった。あいつはジャングルから戻ってきておかしくなったと...。怖いくらい持ち帰った物を研究し、部屋に閉じこもり誰とも話さんくなった。研究所の人間もケイジがなんの研究をしているか詳しくは知らんかったそうじゃ。ただ、“ミュウツー”と言う言葉を研究所のデーターで見たことがあると...」




「それじゃ...」





「あぁ...。そのミュウツーというポケモンを生み出したのはわしの弟に違いない」




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完璧な空想の人物でござます...
更新が遅くなってすいません！更新頑張ります！