130.想いを伝えて

そんなの許さねぇぞ

「グレン...それにみんなも...どうしてここに」

おい、さっきの言葉はなんだ？

「えっ？あっ...、あのね、実はみんなに言わないといけないことがあって...、あっ、このポケモンさんはアルセウスさんって言って」

知ってる

「えっ？な、なんで」

小夜、私たちは全て知っています。そのポケモンがアルセウスでありこの世界の創造者であること。そして、小夜の過去も

「っ！ご、ごめんなさいっ！」

なぜ謝るのですか？

「わ、わたし、みんなにうそ...ついてたから。本当は記憶喪失なんかじゃないのに...」

そんな事はどうだっていい。それよりも、さっきの言葉は何だ？俺達がこれから先の旅に行きたくないと言ったらそれを受け入れろだと？

「...危ない旅になるかもしれないの。わたしはミュウツーに会いに行きたい。わたしに出来ることなんかないのかもしれない。この世界を救うことなんて大きな事は出来ないかもしれないけど、それでも...わたしはこの世界が、みんなが大好きだから。」

俺達は一緒じゃなくてもいいってのか？もし、その旅に行きたくないと言えばお前はそれを受け入れるのか？

「...受け入れるよ」

小夜...


小夜の言葉を聞いた全員が悲しい表情をしていた。
他のメンバーも何か言いたそうな様子だったが、これまで小夜と最も時間を長く過ごしてきたグレンとナイトにその場を預けていた。


お前はほんとにそれでいいのかよ

「...みんなには幸せになってほしいの。みんなに出会って私は幸せだった。こんなにも楽しい世界があるんだって知ったから。だから...」

俺達だって...俺達だってお前に出会って幸せなんだ...！俺達は...俺は！小夜と一緒にいるから幸せなんだよ！なのに、別れても平気みたいなこと言うなよ！

「っ！グ、グレン...」

私達は小夜と出会いそれぞれが救われました。小夜が思っている以上に私達は小夜の事が好きで、一緒にいたいと思っているのです。

「...っ、ナイト、でも、みんなが私のせいで傷つくのはのは嫌なの...！だから、私は...一人でも大丈夫」

嘘つくなよ！

「嘘じゃない！」

じゃあ、なんで泣いてんだよ

グレンに言われた小夜は自分が泣いている事にその時初めて気づいた

お前は俺を相棒に選んだ時も最初に自分の気持ちは言ってくれなかった。今もそうだ...本当の気持ちは教えてくれないのか？


そう言うグレンは悲しそうな表情をしていて、ナイトも他のみんなも同じような表情をしていると気づいた時、小夜は胸の中にずっと隠していた気持ちを話していた。


「わたしは...わたしはみんなと一緒にいたい...！これからもみんなと一緒に旅をしたい、一緒に生きていきたい...！危ない旅になるかもしれないけど...それでも一緒にいて欲しいの。みんながいないと寂しいの、悲しいの。わたしはみんなと一緒にいたい...！」


小夜がポロポロと涙を流しながら必死に自分の思いを伝えている姿があまりにも愛おしくて、グレン達は一斉に駆けだしていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後少し続きます