129.決断

石版が光りアンノーンが再び現れるとアルセウスと小夜の方を示した


選択ノトキ


グレン達は小夜を見ていた
その心は1つだった

アルセウスの出した条件がどんなに辛く険しい道のりだとしても、この世界に残って欲しいと


自分達と一緒に生きて欲しいと












「この世界を救う...それってどういうこと？この世界が危ないの？」

この世界は美しい。しかし、今、この世界は悪に包まれようとしている

「悪？」

そうだ。私利私欲にまみれた人間の悪だ。そなたにも思い当たる事があるのではないか？


アルセウスにそう尋ねられた小夜はロケット団やハンターの事を思い出していた。


その悪のせいでポケモン達に危機が迫りつつある。そして、その悪は大きな憎しみを生んでしまった

「憎しみって...」


ミュウツー


「っ！」

彼もまた、人間の悪によって生み出され傷付けれらた1人だ。そして彼はこの世界をも恨み、傷付けようとしている


「で、でも！ミュウツーは何も悪くない！」


そうだ。しかし、彼はもうこの世界を恨んでいる。彼の憎しみは深く、彼自身を飲み込んでいるのだ

このままでは彼の憎しみによってポケモンと人間との争いが起こる


「ポケモンと人間の争い....」


そうなればこの世界は終わってしまう。そなたにはそれを止めて欲しいのだ


「わ、私が争いを止める...？」


それはとても大変なことだ。時に辛い思いや悲しい事もあるだろう。危険な目にもあうかもしれない。以前の世界の方がマシだと思うかもしれない


そなたが望めばこの世界から消えてしまう変わりに、この頼みは引き受けなくてもよい


我はそなたがどちらを選んでも何も言うまい


そなたはどちらを選ぶ





「わたしは...、ミュウツーを救いたい」


っ！ほんとにそれでよいのか？

「どうして？」

どうしてって....
先程も言ったが前の世界より辛いことが待っているかもしれぬのだぞ？それでもよいと言うのか？

「大丈夫だよ」


えっ？

「大丈夫。だってわたしにはみんながいるから。グレン、ナイト、マリア、ジン、コア、ミズキ。私には皆がいてくれる。それだけで私は強くなれる。皆がいるから私は幸せなの。」

「アルセウスさんがあそこから出してくれた。そして、この世界に連れてきてくれた。私はこの世界でたくさんのことを皆と一緒に見て、経験して、過ごしてきた。嬉しかった。世界はこんなにも広くて、綺麗で、たのしいんだって初めて思えたから。」

「だから、ありがとう。」

小夜はアルセウスを優しく見ていた



ほんとうによいのだな？


「うん。私に出来ることは少ないかもしれない。だけど、ミュウツーにまた会いに行くって約束したから。だから、私は彼に会いに行く。」


そうか...


「でも、1つだけお願いを聞いてほしいの」

願い？なんだ？

「もし、グレン達が...皆が私と一緒に行くことを嫌だって言ったら、その時は皆の気持ちを1番に考えたいの」

それは、そなたが1人になってしまってもいいと言うことか？

「うん...。危ない旅になるかもしれない。そんな旅に無理やり着いてきてなんて...言えないから。皆には幸せになってほしい。好きな場所で楽しく暮らしてほしいの。だから、もしも皆が行きなくないって言ったら...」




小夜が言葉を続けようとした時、聞きなれた声が聞こえた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
更新が遅くなりすいません(＞＜)