125．過去と今

“あの場所”から“こちらの世界”にて色々な事があった。

オーキド博士やナナミと出会い始めて暖かい空間を見つけた。
研究所での生活はどれをとっても初めての事ばかりで、“楽しい”という感情を与えてくれるものだった。

グレンやナイトと旅をする中でこちらの世界の事を知り、自分の苦手な事や得意な事も知って行った。

マリアやジンと出会う中で、タケシやケンジなどと出会いカスミという友達も出来た。

コアやミズキと出会った時、この世界にも悪は存在しそれと対するようにポケモンの事を大切にしている人達がいる事を感じた。


そして、海や空はどこまでも広がり、空は綺麗な夜空や夕焼けなど様々な表情があり、この世界には咲き乱れる花畑があることも知った。


“あの場所”にいた時には見る事も経験することも出来なかった事を、大切な仲間と一緒に見て、経験することが出来る。

その事が嬉しくて、大切で、愛おしくて...

そんな事を思いながら小夜は４つのバッチを眺めていた。




姫、どうかしましたか？

「あっ、何でもないよ。なんか、色々あったなと思って...」

そりゃ、こんだけメンバーも増えれるんだから色々あっただろ。それに、お前...ちっとは記憶は戻ったかよ

グレンの言った言葉に周囲にいたメンバーも少し神妙な面持ちになった。小夜が記憶を無くしている事は、それぞれ仲間になる際に話していた。驚いていたメンバーもいたが、皆がその事を受け入れていた。

「....うんうん。まだ...思い、だせなくて...」

記憶喪失って治らないのかな？

ちょっと！コア！

あっ！ご、ごめん...

「大丈夫だよ。それに...思い出さなくても皆がいるから、私は大丈夫」

父親や母親の事を思い出さなくてもいいのか？

「....そ、うだね...。でも、大丈夫だよ」

そう言う小夜を見ながらナイトはどこか腑に落ちない感覚があった。それは、同じように小夜を見ているグレンも一緒だった。




「さてと、次の目的地だけどどうしようか？みんなはどこか行ってみたい場所ある？」

は～い！僕、ポケモン屋敷に行ってみたい！

「確か野生のポケモンさんが住んでる廃墟になっているお屋敷だよね？」

あんた、ホントに廃墟とか目新しい場所が好きよね

いーじゃん！マリアだって実は好きでしょ？

べ、別にそんなことないけど...でも、野生のポケモンがいるって言ってたから珍しいポケモンもいるんじゃない？

そうだな。小夜、どうする？

「じゃあ、ポケモン屋敷に行ってみようか」


こうして次の目的地はグレンタウンにあるポケモン屋敷へと決まり、お昼ご飯を食べた後ポケモン屋敷の場所を街の人に聞きながら向かっていた。



森を抜けた先にあるというポケモン屋敷に向かってグレンと一緒に歩いている時、グレンが声をかけた。

なぁ...お前...

「わっ！雨だよ！グレン、急ごう！」

グレンの言葉は急に降り出した雨によって遮られてしまい、雨から逃れるべく走っていた2人は目の前に大きな屋敷を見つけると、その中へと入っていった。

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更新が遅くなりすみません...
頑張ります！