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2018/05 <追加更新中>

普段は牛山からキスを仕掛けることが多く、毎度がっつり貪られるのが不満な尾形。

「んじゃ、お前からしてみろ」

言うと牛山は、でんと腰を下ろした。やれるもんならやってみろという表情。満更でもないのか尾形は存外素直に近寄った。牛山は、彼がどんなえげつない事してくるかわくわくしつつも身構えていた。両手で頬を包み込まれ、撫でられ、それから……。小鳥のように軽くちゅっと吸われて尾形は離れた。

「これで十分だろ」

にやりと笑われる。
足りねえよと返したいところだったが予想外に可愛らしいやり方をされて、自分でも知らないがどストライクを突かれてしまう。もっとえぐいのがきても交戦する気満々だったのに、尾形らしからぬ可愛げに、一周回ってムラっとしてしまった。そうして、がばっと押し倒すまで零コンマ2秒。まさか牛山がこの程度の事でその気になるとはと尾形も驚いたが、その日は大人しく抱かれてやった。

後日、牛山の意外なツボを知った尾形は、こりゃ面白いと時たま自分から仕掛けるようになった。不意打ちで掠めるように吸いに行ったり、彼の下唇を舌先でちろりとくすぐったり。

からかうようにそれだけして、深めず、ひらりと身を翻して離れようとする。そんな尾形を、毎度牛山の太い腕が捕まえて、逃がしはしないと抱き込めるのだった。
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