Aizawa
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「風邪だな、今日はおとなしくしておけ」
「コホ…」
ベッドで布団にくるまりながら俺を見上げてくる妻の目は少し寂しそうな目をしていた。
もともと体が強いほうではないname。
最近生活の変化などで無理が祟ったんだろう。
そんなに熱は高くないが、油断すると気管支が弱いこいつはすぐに気管支炎になる。
重症になるまえに休ませる必要があると考え、すぐさま学校へ連絡を入れた。
「ごめんなさい…今日私一コマあったのに…」
「気にすんな、お前のコマは俺でもできる。なにかあれば体を大事にするようにって校長にも言われてるだろうが」
じゃあ行ってくる、と頭をひと撫でしたのち、家を出た。
ベッド回りに必要になるようなものはおいてきてるし、とくに不便になることはないだろう。
できるだけ今日ははやく帰ってやろうと少し気持ちが急く。
「あれ?今日name先生おやすみ?」
「おはようございますミッドナイトさん。ええ、最近無理をさせていましたからそれが原因でしょう。少し休めば元に戻りますよ」
「ふーん…」
「…なんですか?」
職員室でミッドナイトに話しかけられ問いかけに答えたが、彼女がその場を去る気配はない。
一呼吸おいて仕事の手をとめ彼女のほうを見るとにやりと笑うミッドナイトの姿。
この人がこんな顔をするときはろくなことがおきない…。
「あのアングラ系ヒーローイレイザーヘッドが結婚したって聞いた時はどんな相手だとみんなで話し合ったわねー」
「話し合わないでください、時間の無駄です」
「しかも、相手があの"familyname"だったんだから驚いたわー。フォロワーだったんでしょ?彼女の」
「では俺は授業があるのでこの辺で」
「あーちょっと!!!!」
ミッドナイトを置き去りに職員室をでる。
そうだよ、フォロワーだったよ。なにか問題でもあるか。
『はい、そこまで』
『何しやがるこのアマ!!!!』
『何してるのはこっちのセリフ!!こんなに女の子怖がらせてどうするつもり!!?』
車内で起きていた連続痴漢事件の犯人を追っていたとあとから聞いた。
そういう日常的に困っている人を助けたいのだとも。
とはいえ、ヒーロー科を卒業している彼女だ、力はそこらへんの一般人とはくらべものにならない。
次についた駅で込み合っていた車内から犯人を文字通りたたき出すそのまま犯人捕獲。
気絶した犯人の隣で吐血する姿はトラウマだ。
だが
『あ、あの!!!!!』
『…familyname』
『わ、私のこと知ってるんですか!!イレイザーヘッド!!』
『ああ、一応…』
たまたま乗り合わせたプロヒーロー、生の姿をもう少し見ていたいと思ったのも正直なところだが、鮮やかな事件解決を称賛したかったのも事実だ。
そんな俺の姿をみて顔を赤くしたfamilyname、一応なものか。あんたのことはあんたがデビューした時から知ってる。
『私イレイザーヘッドのファンなんです!!!サインしてください!!!』
と叫びながら再び吐血。
体が弱いとは知っていたが、ここまでとは思わなんだ。
取りあえずこいつを病院に連れていくのが先だな。
「…?」
携帯電話が鳴り、確認する。
ああ、やっぱりな。
送り主はnameで、今日の授業内容がびっしり書かれていた。
わかってるよ、お前の今日する仕事内容くらい把握してる。
お前仕事家に持ち帰ってただろうが…。
「お前の代わりに鍛えてやるから安心しな」
今日は早めに帰るか。